恒星天文学の源流ハーバード天文台とＨＤ星表の成立その4 「天文教育」（2010年7月号）

(1)

恒星天文学

源流

10

天文台

ＨＤ星表

成立

そ

4

小暮智一

元京都大学

6. アンニアマウ Antonia Caetana de Paiva Maury, 1866 – 1952

6.1生涯人物

一家住ン

ンソンソン川 50 km 程

流東岸ン

Cold-Spring-on-Hudson あ

ソン山地ソン川臨

勝地人 3000人程 2005 あ

19世紀面影残建物多史

的保存地区指定い

ン 1866 3 21

日生父ン

Mytton Maury タン牧

師母

Virginia Draper Maury ン

妹あン

ン伯父当当時

適学校ン主

父ン教育い弟

妹子厳い日課課

いそ後サ女子大学 Vassar

Women’s College 入学

チ Maria Mitchell, 1811 - 1889

文学学学問的思想的大

影響 [45] [46]

チ初

大学職持女性文学者あ航海

暦変星観測知い

サ女子大数学文学担当

付属文長兼い

文教育強い熱意持い

立心強女性地位向人権

問題大い関心持い

生地ンタ彼女教

え子や地域人チ

文創設地域文教育及貢

献い [47]

図 17 サ女子大学卒業頃メ

集合写真 1887 年アンニア

マウ後列左か 2人目[48]

ン 1887 サ

女子大学卒業翌

文計算助手勤務

文始高学計算助手あ

チ薫陶あ

あう文計

算助手見い強い個性示い

[49][50]

ン指ン

タ

参加担ン

類法引星タ

作成あ第ン

類疑問抱う彼女手

元ン散高い

写真いそ見

ンタ類い星仲間

(2)

2010 7 Vol.22 No.4

星幅広中心浅いあ星幅

中心深いタ呼良

いあう疑問出発彼女

自理論的解釈試新

い観点類法変え

う態ン

承期待ン意沿わい

い研究室僚

あう

記い [51] ：

彼女ンわ女性

中最深い思索家あ

ン自解釈

進うン激励

チン業務離

自進う彼女い

募い

いン一緒

事出来い感未完成類作業

中断 1992 職

類高散基

い陽び明い星い彼

女精密線定表作成い

並類作業進い

ンャン節そ

定表不あ恐ャン

進言ああうン

類法賛成

彼女文復帰う手

そ対う返事

い

私自理論的考察基い類法

認いタ私以外

前公刊あ

そン例う

タ長ン前

公刊い

2 人間わあ伯

母ン意見

賛成ン説得当

ンいそ条件了解

文復帰 1895

復帰再び類タ

作業終わい類

成果文 1897 報

前掲載

[52] 実際出版 1901

そ報(第 28 巻)

ャン並掲載い

そンわ

解出版見通立 1897

やや文職う

ンやュ教鞭

再び戻

1918 あ

図 18 アンニアマウ 1898年頃

(3)

6.2 分分類

類 11 ン

チ 28 cm 屈折鏡付

器写真基いい

角 15ま最

高4個適宜組合わ得当時

対物最高散持

あ

中吸線相対強

吸線幅特別注意払

ン A, B, C

い星星変

動連的あ考えそ結果

ン類立

(Group) 線幅特性(Division) いう本

立類行 [52] I

XXII 通番号表吸線相

対強対応吸線着目

水素線 H , H , …, H20

電離ュ (H, K線)

陽線陽ン線水素

以外吸線

金属線陽線含い金属線

ン線主中性吸

線

ン様水素線弱

H, K線強方向連的系列作

ン線ン青

い星見特別線扱い

存在 1895

Vogel 知い [53]

類入いい

前述う彼女類作業中断

ああ文戻

作業進類完成い

ン線前そ残

い

良

O, I, II, III, IV, V, C, L

8タ細 I – V

あそ O, C, L 設

O タン線発遉

星 C 複合示星 L

O タ中輝線示

星いそ自

22 I - XX 記

タう対応い

I - V ：タ O ンタ

O ン線 4144.0, 4481.4

Å 存在水素中程強

順強陽線見

い

VI ：ンタタ

I 中間

VII – XI：タ I

ン線見い例外 2

星水素極大強

XII ：タ I II 中間

XIII – XVI：タ II

水素線弱陽線第強

XVII – XX：タ III

水素線一般弱陽線や

強弱ュ

顕著吸線替わ吸

ン目立

XXI：タ IV

2 吸ン顕著吸線弱

い青色部著弱い

XXII：タ V

弱い連幅広い輝

線重い強い輝線ン

中星雲輝線一致あ

今日星含

(4)

2010 7 Vol.22 No.4

I – XXII 併行

線幅特性 Division

吸線幅 a, b, c, そ

重複区別い

a 単一吸線幅広い連

明確線識別

水素 H, K線除標準的線幅示星観測 681星中 355星

特性示

b 吸線全体幅広連

対や現ン

線示星含

c 水素びン線幅明確

定義 H, K 線一般強

記金属線示場合多い

吸線特性中間あ

ac, ab 表 a, b

識別い場合 a,b 示

今言え a-特性主系列星 b-特性

早期型星 c-特性巨星特徴示タ

あ

全体 681星類行い

タい [52] 類タ

線幅特性観測星数

表4 示そう表タ

類 D.C. あタ

略ン類示い

表 4 示う類法

ン異徹底

線幅わいそ星

特性線特性 2 元的配列

示い特

色示 c-特性示星あ表4

18 星 c-特性類い

そ HD 星表( ャン)

MK 類比較いそ表5 示そ

う [51] 見ャン

星特異星ｐい MK 類

階 I 超巨星い

ρCas MK 類 G2 0e い

I 高超巨星表い

類全体

現行 MK 類調和い

強調いそ 19 見

[51] 見 XXI (炭素

星) XXII (WR星) 除い

I – XX ( 線幅特性 a, b, c 含

) ＭＫ温系列い範見事対応

いい範階

含い温系列連性

I XXII 通番号そえ

極論理的あ

類直感的把握い

点あ論理的あ現行Ｈ

Ｄ類う電離主体

星Ｏ型中性型水素吸線

型特徴大方

理解やいそ類そ

後用

図 19 マウ分型 MK 分型

関係[51] 横軸 MK温系列縦軸マウ

プ I - XX 階級 V ( ッ

(5)

表4 マウにる分類星数[52]

Type 類 Group (I – XXII) Division (線幅特性) 類 D.C. Draper

Catalogue ン類表型観測星数示

--- Type Group Division Total

タ線幅特性星数星数計 D.C. ---

c ac a a,b ab b a,b,ac p

--- O I -- -- O II -- -- O III 1 -- O IV -- O V 3 -- OI VI 6 -- I VII 1 I VII 1 I IX -- I X -- -- I XI -- 5 I,II XII 2 II XIII 4 II XIV -- II XV -- II XVI -- III XVII -- III XVIII -- III XIX -- III XX -- -- IV XXI -- -- V XXII -- -- -- -- -- 7 -- -- 7 B 4 5 -- 5 -- 2 16 B 5 7 -- 5 -- 1 19 B -- 11 22 3 14 -- -- 50 B 9 8 -- 5 -- -- 25 AB 4 9 3 9 -- -- 31 AB -- 13 13 -- 17 -- 1 45 A 1 23 6 3 17 -- 7 58 A -- ? 17 3 9 5 -- 34 AF 2 12 2 3 -- -- 19 AF ? 11 5 -- 7 1 29 F 3 29 -- 1 -- -- -- 35 FG 1 22 -- -- -- -- -- 27 G 7 40 -- -- -- -- 3 50 G -- 117 -- -- -- -- 1 118 K -- 23 -- -- -- -- -- 23 K -- 19 -- -- -- -- -- 19 Ma -- 20 -- -- -- -- -- 20 Mb -- 10 -- -- -- -- -- 10 Mb 4 -- -- -- -- 2 6 Md -- -- -- -- -- -- 4 Na -- -- -- -- -- -- 4 O

C -- -- -- -- -- -- -- -- -- 18 -- L -- -- -- -- -- -- -- -- -- 14 -- ---

合計 18 17 355 110 20 91 12 18 681

(6)

2010 7 Vol.22 No.4

表5 マウにるｃ-特性を示す星 HD, MK分類比較[51]

--- 星類絶対等 ---

Maury Cannon MK Mv ---

χ2 Ori IIIc B2p M2 Iave - 6.8

ο2 Cma Vc B5p B3 Iab - 6.2

η Cma Vc B5p B5 Ia - 7.0

67 Oph Vc B5p B5 Ib - 5.7

+59o₆₆₀ _VIc _B9p _{B9 Ia} _{- 7.1}

+58o₆₀₇ _VIc _A0p _{A0 Iae} _{- 7.1}

Ori VIc B8p B8 Iae - 7.1

Sgr VIc B8p B8 Iaep - 7.1

15 Sgr VIc B0 B0 Ia - 6.2

4 Lac VIc B8p B9 Iab - 6.3

η Leo VIIc A0p A0 Ib - 5.2

Cyg VIIIc A2p A2 Iae - 7.3

Aur XIIc F5p F0 Iae - 8.5

35 Cyg XIIc F5p F5 Ib - 4.5

CMa XIIIc F8p F8 Ia - 8.0

45 Dra XIIIc F8p F7 Ib - 4.4

Cyg XIIIc F8p F8 Ib - 4.3

ρ Cas XIIIc F8p G2 0e - 8み

--- .

類重要性認識う

ュン [54]

彼線幅遊い

関心 c-特性星 a-特性

星統計的性質比較そ結果前

者角視差測定限界以あ視線速

一般銀河面中

著い c-特性星 a-特性星

大い巨星あ推定う

彼星巨星矮星区別あ

指摘文ン

c-特性意義認う手

そ対ン

返事そ c-特性器や観測

時期現不確定現象あ

類基準いいう

ュン

ンン私設文観測行

うチュ文家過

ン返事不満論文[53] 中

彼あ鯨魚類区別

知そ一種主張生物学者

(7)

ュンそ後ン

協力ュ

ンＨＲ成立貢

献うそ経緯い別

機会触う

6.3そ後観測琴 β 星

類論文出版以後

1897 再び文離ン

やュ大学教鞭

い 1918 文

10 数ぶ正職員助教授戻

そン界前

あュン

通類法高評価

広知いン無視

あう

ン亡後彼女変星

特異星観測的研究い

研究態相変わ文人

異サ観測興味示

特定星高い散深求

いう態一貫い量質

あ

彼女観測中知い食

連星琴星観測あ星

ン時代輝線星知い

そ変謎多

文 1886-1901

1921-1931 わ観測乾板

測定輝線強変動視線速

軌遈要素推定 [55] そ

主星 B9 型超巨星質量陽 0.6 倍伴星 B2e 星質量陽 9.48 倍主

星伴星周円軌遈回い

軌遈周期 12.92 日あ質量推定

対ュ Otto

Struve [56] ンン A.S.

Eddington [57]

関係外いいう理由質量疑問

呈いュ ― 星

謎星呼い最近

(Petr Harmanec) チン

文詳細観測行い琴

星質量交換段階あ急速進

あ星質量流出星( 主星)

6-8II 型巨星質量陽 3 倍質量流

入星早期Be星質量陽 13倍あ

見出 2002 [58]

Be 星学的不透明降着円盤中埋

い視見えいいう

変特異性注目

い挑戦輝線連星呼

い観測円盤食連星

い初軌遈要素推定駆的意

義持あ

6.4 イ公園園長し

1935 文職

ンンソン移

公園園長余生

ン亡後

ン文い触う

[59]

1882 1 ン

父ン界後ン

土地ン姉ャサン

Dorothy Catharine 管理任

そ 11 ン･亡

そ妻ン用い望

遠鏡や器機文

寄贈文機能失わ

文跡そ残

や写真暗室手

彼女 1901 95 世去土地

管理ン妹ン

結婚ン

(8)

2010 7 Vol.22 No.4

ン愛鳥家あチュ

あ敷地植物植え込

美い庭園造 1905 新い

火事焼落いうン

あンいそ

残居住用邸宅改

築そい残い

家文呼

うン 1923 界

遺言敷地建物史

保存協会寄付協会

公園開放建物博物館

書館計画持い計画

進協会ン

ンソン寄贈

1935 文職

ン移

公園文公共施設

新再生い

新 6 ンチ (15 cm)屈折望遠鏡設置

地域チュ文家当局協力

文学及乗出彼女

文公開無料文及講開い

い叔母ン

ソン似愛鳥家

あ熱心環境保護主義者あ

そ 4万米公園植物園生変わ

顕微鏡備え植物観察室設

書室設文

動植物科学及書そえ地域科

学教育大貢献

1952 地没そ

後 1971 地域志

ン史協会設立委嘱

公園文維持当

現在広及活動い [60]

図20 天文台コッテ開設に立っ庭

購入した望遠鏡に見入るアンニアマウ

(1932年頃撮影) [48]

文

献

[45] Vassar College Encyclopedia

http://vcencyclopedia.vassar.edu/index.p hp/Antonia_Maury

[46] MacDonald, J. 2008, Website, p. 1‐4,

Maria Mitchell

http://www25.uua.org/uuhs/duub/articles /mariamitchell.html

[47] 暮智一 2009 文報７号 p.437

史的文チャ訪そ．

チ文

(9)

[49] Hoffleit, D. 1952, Sky and Tel. March 1952, 102, Antonia C. Maury.

[50] Mack, P. E. 1990, Jour. Histr. Astronomy, 21, 65 – 76, Strategies and compromises: Women in astronomy at Harvard College Observatory, 1870 – 1920.

[51] Hoffleit, D. 1994, The MK Process at 50 Years, ASP Conf. Ser. Vol. 60, 215 – 223, Reminiscences on Antonia Maury and the c-characteristic.

[52] Maury, A. C. 1897, Ann. Astr. Obs. Harvard College, 28, Part I, 1 – 134, Spectra of bright stars photographed with the 11-inch Draper telescope, as a part of the Henry Draper Memorial. [53] Vogel, H. C. 1895, ApJ, 2, 333 – 346,

On the occurrence in stellar spectra of the lines of Cléveit gas, and on the classification of stars of the first spectral type. (Cléveit gas = helium gas)

[54] Hertzsprung, E. 1909, Astronomische Nachrichten, 179, 373 – 380, Über die

Sterne der Unterabteilungen c und ac nach der Spektralklassifikation von Antonia C. Maury.

[55] Maury, A. 1933, Ann. Astr. Obs. Harvard College, 84, No.8, 208 – 255, The spectral changes of Beta Lyrae. [56] Struve, O. 1934, The Observatory, 57,

265 – 274, The puzzle of Beta Lyrae. [57] Eddington, A. S. 1924, MNRAS, 84,

308 – 332, On the relation between the masses and luminosities of the stars. [58] Harmanec, P. 2002, AN, 323, 87 – 98,

The ever challenging emission-line binary beta Lyrae.

[59] Hastings Historical Society

, History of the Observatory Cottag

http://hastingshistorical.org/cottage/Catt agepage1.html

[60] 暮智一 2009 文報12 号 p.769

史的文チャ訪そ 4

ン文公園

恒星天文学の源流 ハーバード天文台とＨＤ星表の成立 その4 「天文教育」（2010年7月号）