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第 7 章
IS-LM モデル:グラフよる解説
7.1 財市場の均衡: IS 曲線のグラフ表現
財市場の均衡条件(漏出=注入):S+ T + IM = I + G + EX
I+G+EX S+T+IM
45 100 100
漏出:S+ T + IM (貯蓄+税金+輸入)
• S:貯蓄は所得(GDP)とともに増加(ケインズ型消費関数):Y ↑→S↑
• T :税金は政府がT¯と決定(より現実的にY ↑→T↑ と考えても成立)
• IM :輸入は所得(GDP)とともに増加:Y ↑→I M↑
•足し合わせると、Y ↑→S+ T + IM↑
Y S+T+IM
(1) (2)
注入:I+ G + EX (投資+政府支出+輸出)
• I :投資は利子率とともに減少:R↑→I↓
• G: 政府支出は政府がG¯と決定
• EX:輸出は利子率とともに減少:R↑→EX↓
•足し合わせると、R↓→I+ G + EX↑
I+G+EX R
(1) (2)
明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用) IS曲線の導出: 得られた3つの条件を1つのグラフにまとめる
7.2 貨幣市場の均衡: LM 曲線のグラフ表現
貨幣市場の均衡条件(貨幣需要=実質マネーサプライ):L1+ L2= Ms
P
•中央銀行が名目マネーサプライMsをM¯ と決定
45
L1 L2
明海大学マクロ経済学:影山純二 教員用 貨幣の資産需要 : 貨幣の資産需要は利子率とともに減少: ↑→ ↓
M R
M2d
曲線の導出: 得られた つの条件を統合すると、 曲線と呼ばれる式が求められる つの条件:均衡、貨幣の取引需要、貨幣の資産需要
L1+L2=
M¯ P
統合 連立 させて について解く
貨幣市場が均衡する点を集めた線が 曲線 の前の符号が なので、 曲線は右上がり
貨幣需要
貨幣の取引需要: ↑→ ↑
Y M
M1d
貨幣の資産需要: ↓→ ↑
M R
M2d
明海大学マクロ経済学:影山純二 教員用 貨幣の資産需要 : 貨幣の資産需要は利子率とともに減少: ↑→ ↓
M R
M2d
曲線の導出: 得られた つの条件を統合すると、 曲線と呼ばれる式が求められる つの条件:均衡、貨幣の取引需要、貨幣の資産需要
=M¯ P
統合 連立 させて について解く
貨幣市場が均衡する点を集めた線が 曲線 の前の符号が なので、 曲線は右上がり
貨幣需要
貨幣の取引需要: ↑→ ↑
Y M
M1d
貨幣の資産需要: ↓→ ↑
M R
M2d
明海大学マクロ経済学:影山純二 教員用 貨幣の資産需要 : 貨幣の資産需要は利子率とともに減少: ↑→ ↓
M R
M2d
曲線の導出: 得られた つの条件を統合すると、 曲線と呼ばれる式が求められる つの条件:均衡、貨幣の取引需要、貨幣の資産需要
=M¯ P
統合 連立 させて について解く
貨幣市場が均衡する点を集めた線が 曲線 の前の符号が なので、 曲線は右上がり
貨幣需要
貨幣の取引需要: ↑→ ↑
Y M
M1d
貨幣の資産需要: ↓→ ↑
M R
M2d
貨幣の取引需要L1: 貨幣の取引需要は所得(GDP)とともに増加:Y ↑→L1↑
Y M/P
L1
40
明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用) 貨幣の資産需要L2: 貨幣の資産需要は利子率とともに減少:R↑→L2↓
M/P R
L2
LM曲線の導出: 得られた3つの条件を1つのグラフにまとめる
7.3 財市場と貨幣市場が同時に均衡する点: IS と LM の連立
財市場と貨幣市場が均衡する点: 両市場の均衡が同時に満たされる点
• IS曲線とLM曲線の交点で均衡GDPと均衡利子率が求まる
IS
R LM
Y Y1
R1
41
明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用)
7.4 均衡 GDP の変化
例題1: 海外の景気が悪くなった場合 →
例題2: 名目マネーサプライが減少した場合
7.5 課題
(A4、上部に課題番号、学籍番号と氏名、計算過程も記入、読みにくい場合は減点)1.政府支出が増えた場合、IS曲線はどのように変化するか。十字のグラフを利用して示せ。
2.政府支出が増えた場合、GDPと利子率はどのように変化するか。IS-LMのグラフを利用して示せ。 3.名目マネーサプライが増えた場合、LM曲線はどのように変化するか。十字のグラフを利用して示せ。 4.名目マネーサプライが増えた場合、GDPと利子率はどのように変化するか。IS-LMのグラフを利用して示せ。
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