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Academic year: 2018

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(1)

クローニング・ケーブルの自作

市販のUSB-シリアル変換モジュールを使って

ICOM IC-R6用にクローニングケーブルを自作し ました。

1

FT232RL USB-

シリアル変換モ

ジュール

図 1: FT232RL USB-シリアル変換モジュール

秋月電子のFT232RL USB-シリアル変換モジ ュール(図1)は、USBインターフェイスを通じ

てPCに直接接続できる調歩同期式通信モジュー

ルで入出力はTTLレベルです1。これはクローニ

ングケーブル(OPC-478UC = USBタイプ)とほ ぼ同じ電気的仕様の筈なので、クローニングケー ブルとして使えるか実験してみました。

先ず、説明書に従ってドライバーをネットか らダウンロードしてWindows-XP(当時) にイン ストール。次に FT232RL をPCに接続すると 即Windows-XP でCOMポートとして認識出来

ました。

試しにバラックで図2のような回路を組んでみ ました。

クローニングケーブルは、送受で1本の信号線 を共有する半二重通信を行っていますからイーサネ ットと同じように双方からの送信が衝突(collide)

します。衝突しても電気的に問題ないよう、回路 にはダイオードを1個入れて単純なWired-ORに しています。当然、片方が送信したデータはその

1よく似た名前の「FT232RL USB-RS232c変換モジュー

ル」もありますので混同しないようにしてください。

図2: FT232RL を使ったテスト

まま双方で受信されますが、IC-R6 はこの事を衝

突検出・再送に使っているようです。

この状態でクローニングソフトCS-R6 で

IC-R6 の設定を読み出してみると、高速モードでも

問題なく読み出せました。

CS-R6はIC-R6 と手順をとった通信を行いな

がらメモリーデータを読み出していますから、電 気的にはこの回路で送受信とも正常に機能してい る事になります。

2

回路の検討

実験した方法ではICの出力をいきなりIC-R6

に繋いでいるのでドライブ能力等に若干不安があ り、電気的仕様を調べてみました。

試しに正規のクローニングケーブルの出力を計 ってみると開放電圧は4V位、短絡電流は0.1mA

であり見かけ上の内部抵抗は40KΩ程度です。ま た、ネットに出回っている回路図によるとIC-R6

側は18KΩ+ダイードで3.3Vにプルアップされ ている感じです。

一方Sinkについては、FT232RL のドライブ 能力(最大定格)は25mAあり、とりあえず十分 でしょう。なお、IC-R6 側はトランジスタで受け ており(最大定格)150mAと十分な能力があり ます。

これらを踏まえて自作のケーブルでは、特に ドライブ用トランジスタ等は使わずモジュールの 出力を直接接続することにしました。また Wired-ORは手持ちの22KΩでプルアップする事としま した(この値に神経質になる必要はありません)。

(2)

図3: 自作の回路図

ということでクローニングケーブルの製作に

取りかかりました。回路は図3のようになります。

J1はテストのため送信を切り離すことが出来るよ

う設けましたが、実用上は接続しっ放しでも何も 問題はありません。D1がWired-OR用のダイオー ド、D2,D3は保護用ダイオードです。ダイオード は汎用のもので十分、私の場合は昔秋葉原で買っ たジャンクの基板から外したもの(たぶん1S1588)

が大量にあるので、それを使いました。

イヤホン端子が2つありますが、3Pがステレ

オイヤホン用、2Pがモノラルのイヤホン用です。

私の場合は2Pを録音用に使っています。

CI-V端子も2つ設けています。これでIC-R6

を2台接続するような使い方も出来ると思います

(私は今のところIC-R6 を1台しか持ってないの で未挑戦です)。

なおWired-ORのプルアップ抵抗R1は低い値 の方が安定な通信が期待できますが、イヤホン端

子の接地側の接触抵抗が高いと逆効果(L側の電

位が下がらない)になります。またイヤホンに回 り込むノイズも増えます(私のIC-R6はイヤホン 端子の接地側の接触がやや不安定で、イヤホンに

CI-Vのノイズが回り込む場合があります)。 また、この抵抗と直列にLEDを付ければ通信 の状態を確認出来るようになるでしょう(その場 合はR1の値を数百Ω程度まで下げてLEDを光ら せるのに十分な電流にする必要があります)。

3

収納ケース

ケースは、不要になったスマホ充電用電池パッ ク(単三×4)が丁度良い大きさだったので、こ れに納めることに。あとは手持ちの部品と、足り ないものは八潮にある秋月電子へひとっ走りして、 久しぶりにドリルやらヤスリやら持ち出して工作 しました。

こんな出来上がりです。

図4: 外観

FT232RL上のジャンパーは、J1が2-3を短絡 (USBの電源電圧をそのままI/O側にも供給(プ ルアップ抵抗に供給)、J2(USBからモジュール へ電源を供給)は短絡です。)

図5: 内部構造

ミニジャックが4つありますが、2つはCI-V

(IC-R6 接続用とスルー用)で、残り2つはイヤ ホンジャックです。イヤホンジャックはステレオ用 とモノラル用で2つ設けました。イヤホン用と録 音用みたいな使い方も出来ます。

FT232RLモジュールを外すと、こうなってま

(3)

す。下の基板上にダイオード1個と抵抗1個が見 えます。手前のジャンパーは送信を切り離せるよ うに設けました(保護用ダイオードD2,D3は未実 装です)。

モジュールはソケットに乗せ、いじっているう ちに壊れた場合はいつでも差し替えが効くように しています。

図6: 内部基板

4

完成

ネット ブック(Windows7-Starter)に ICF-Editor(LT-R6)を乗っけて完成したクローニング

ケーブルを使ってみましたが、普通に問題なく使 えます。ダウンロード(クローニング)もちゃん と出来ます。そしてアップロードも· · ·。

図7: ICF-Editor(LT-R6)での利用

その後オシロスコープを入手したのでCI-V信

号の波形を見てみました。観測した波形はLT-R6

でアクティブモニターしているときのLT-R6から の問い合わせ信号(左半分)とIC-R6 からの応答 (右半分)です。

図8: CI-Vの波形

LT-R6 のL レベルがやや上がっているのは

Wired-ORのためダイオードを入れた性ですが、

閾値までまだ余裕があるので大丈夫でしょう(き ちっとしたいならトランジスターかデジタルICで 回路を組む必要があります)。

なお、本クローニングケーブルはIC-R6に限っ たものではなく、同様のCI-Vインターフェイス

を持つICOMの他の機種にも使えると思います。

5

その後・

ダイオードD1を順方向電圧降下が約0.7Vの

シリコンダイオードから0.2Vのショットキーダイ オードに変えてみました。

図9: CI-Vの波形(ショットキーダイオード使用)

問い合わせ信号のローレベルが下がってノイズ マージンが1V以上に増えました。

図 3: 自作の回路図 ということでクローニングケーブルの製作に 取りかかりました。回路は図 3 のようになります。 J1 はテストのため送信を切り離すことが出来るよ う設けましたが、実用上は接続しっ放しでも何も 問題はありません。 D1 が Wired-OR 用のダイオー ド、 D2,D3 は保護用ダイオードです。ダイオード は汎用のもので十分、私の場合は昔秋葉原で買っ たジャンクの基板から外したもの(たぶん 1S1588 ) が大量にあるので、それを使いました。 イヤホン端子が2つありますが、 3P が

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