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三菱自動車工業株式会社及び日産自動車株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

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(1)

1

平成29年6月14日

平成29年7月21日一部変更

(注)

三菱自動車工業株式会社及び日産自動車株式会社に対する景品表示法に

基づく課徴金納付命令について

消費者庁は、以下のとおり、三菱自動車工業株式会社(以下「三菱自動車工業」

といいます。

)及び日産自動車株式会社(以下「日産自動車」といいます。

)に対し、

両社がそれぞれ供給する軽自動車に係る表示について、景品表示法第8条第1項の

規定に基づき、課徴金納付命令(別添1及び別添2参照)を行いました。

違反行為者の概要

(1)

三菱自動車工業

三菱自動車工業株式会社(法人番号

7010401029044

所 在 地

東京都港区芝五丁目33番8号

代 表 者

代表取締役

益子

設立年月

昭和45年4月

資 本 金

2843億8217万9472円(平成29年6月現在)

(2)

日産自動車

日産自動車株式会社(法人番号

9020001031109

所 在 地

横浜市神奈川区宝町2番地

代 表 者

代表取締役

西川

廣人

設立年月

昭和8年12月

資 本 金

6058億1373万4035円(平成29年6月現在)

三菱自動車工業に対する課徴金納付命令の概要

(1)

課徴金対象行為(違反行為)に係る商品

軽自動車(別表1記載の8商品)

(2)

課徴金対象行為

表示媒体

カタログ及び自社ウェブサイト

表示内容(表示例については別紙1参照)

(注) 2(7)を参照。

(2)

2

それぞれ、燃料消費率を別表2-1及び別表2-2中の「表示内容

燃料消

費率

JC08

モード(国土交通省審査値)

(㎞

/L

」欄記載のとおり記載すること、

及び燃費基準達成状況を別表2-1及び別表2-2中の「表示内容

燃費基準

達成状況」欄記載のとおり記載することにより、あたかも、国が定める試験方

法に基づく燃費性能は、別表2-1及び別表2-2中の「表示内容

燃料消費

JC08

モード(国土交通省審査値)

(㎞

/L

」欄及び「表示内容

燃費基準達

成状況」欄記載のとおりであるかのように示す表示をしていた。

実際

前記イのとおり表示された燃費性能は、国が定める試験方法に基づくものと

はいえないものであって、燃費性能として表示できる上限は、それぞれ、別表

2-1及び別表2-2中の「実際

国土交通省確認試験結果(㎞

/L

)」欄及び

「実際

燃費基準達成状況」欄記載のとおりであった。

<表示例:

eK

ワゴン(

LTMX

M

、二輪駆動)

(別表1の2番)の場合>

カタログの表示

実際に表示できる上限

燃料消費率

(国土交通省審査値)

(注1)(注2)

(注3)

26.1

/L

(注4)

燃費基準達成状況

(注2)

平成

32

年度燃費基準達成車

注1 自動車の製造販売業者等は、自らが製造販売等を行う自動車について、国が定める試験方法に基づき

測定した燃料消費率が国において測定した値以下である場合に、当該燃料消費率を「国土交通省審査値」 として用いることができる。

注2 自動車の製造販売業者等は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和54年法律第49号)

の対象となる自動車については、燃料消費率をカタログに表示することが義務付けられているとともに、 国が当該燃料消費率と車両重量に基づき判定した平成32年度燃費基準又は平成27年度燃費基準の 達成状況をカタログ等に表示している。

注3 三菱自動車工業は、表示例の自動車の燃料消費率について、自ら測定した値を基に「30.4km/L」で国

へ届出を行っていた。この届出を受け、国が行う自動車の型式指定審査時において、「30.4㎞/L」が、

国が定める試験方法に基づき測定された燃料消費率の値であることが認められたことから、三菱自動車

工業は「国土交通省審査値」として「30.4㎞/L」と表示をしていた。

注4 国が改めて表示例の自動車の燃料消費率について確認を行ったところ、当該自動車の燃料消費率は

「26.1km/L」であって、当該値を超えた値を表示することはできないものであった。

(3)

課徴金対象期間

平成28年4月1日から同月20日までの間

(4)

景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由

三菱自動車工業は、前記

(1)

の各商品の燃費性能について改ざん等の行為を行

(3)

3

自動車工業は、かかる状況の下、前記

(2)

の課徴金対象行為をしていた。

(5)

自主的報告による2分の1減額

三菱自動車工業は、前記

(2)

の課徴金対象行為に該当する事実を消費者庁長官

に報告したところ、当該報告は景品表示法第9条ただし書の規定に該当しないた

め、課徴金の額を2分の1減額する。

(6)

返金措置による減額

三菱自動車工業が前記

(1)

の各商品について実施した返金措置は、それぞれ、

消費者庁長官が認定した実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認めら

れるため、課徴金の額から返金相当額を減額する。

(7)

命令の概要(課徴金の額)

三菱自動車工業は、平成30年2月22日までに、別表3中の「課徴金額」欄

記載の額を合計した368万円を支払わなければならない。

(注)三菱自動車工業に対しては、平成29年6月14日に453万円の支払いを命じる課徴金 納付命令(納期限:平成30年1月15日)を行ったが、その後、同社からの指摘を踏まえ、 同社が実施した返金措置の一部について、認定実施予定返金措置計画への適合性を改めて評 価した結果、適合して実施されたと認めることとした。このため、平成29年7月21日、 原処分を撤回するとともに、上記368万円の支払いを命じる新たな課徴金納付命令を行っ たもの。

日産自動車に対する課徴金納付命令の概要

(1)

課徴金対象行為(違反行為)に係る商品

軽自動車(別表4記載の6商品)

(2)

課徴金対象行為

表示媒体

カタログ及び自社ウェブサイト

表示内容(表示例については別紙2参照)

それぞれ、燃料消費率を別表5-1及び別表5-2中の「表示内容

燃料消

費率

JC08

モード(国土交通省審査値)

(㎞

/L

」欄記載のとおり記載すること、

及び燃費基準達成状況を別表5-1中の「表示内容

燃費基準達成状況」欄記

載のとおり記載することにより、あたかも、国が定める試験方法に基づく燃費

性能は、別表5-1及び別表5-2中の「表示内容

燃料消費率

JC08

モード

(国土交通省審査値)

(㎞

/L

」欄及び別表5-1中の「表示内容

燃費基準達

(4)

4

実際

前記イのとおり表示された燃費性能は、国が定める試験方法に基づくものと

はいえないものであって、燃費性能として表示できる上限は、それぞれ、別表

5-1及び別表5-2中の「実際

国土交通省確認試験結果(㎞

/L

)」欄及び

別表5-1中の「実際

燃費基準達成状況」欄記載のとおりであった。

<表示例:デイズ(

LTSX

S

、二輪駆動)

(別表4の1番)の場合>

カタログの表示

実際に表示できる上限

燃料消費率

(国土交通省審査値)

26.1

/L

燃費基準達成状況

平成

32

年度燃費基準達成車

(3)

課徴金対象期間

平成28年4月1日から同月20日までの間

(4)

景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由

日産自動車は、三菱自動車工業と共同して実施した燃料消費率に係る検証にお

いて前記

(1)

の各商品の燃費性能の根拠となる情報を十分に確認することなく前

(2)

の課徴金対象行為をしていた。

(5)

自主的報告による2分の1減額

日産自動車は、前記

(2)

の課徴金対象行為に該当する事実を消費者庁長官に報

告したところ、当該報告は景品表示法第9条ただし書の規定に該当しないため、

課徴金の額を2分の1減額する。

(6)

返金措置による減額

日産自動車が前記

(1)

の各商品について実施した返金措置は、それぞれ、消費

者庁長官が認定した実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認められる

ため、課徴金の額から返金相当額を減額する。

(7)

命令の概要(課徴金の額)

(5)

5

【本件に対する問合せ先】

消費者庁表示対策課

電話

: 03(3507)9233

(直通)

(6)

6

別表1 番

号 商品 発売年月 類別 グレード 駆動方式

1 eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪駆動

2 eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪駆動

3 eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assist 二輪駆動

4 eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assist 四輪駆動

5 eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪駆動

6 eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assist 二輪駆動

7 eKスペースカスタム 平成27年4月 HXTUX1 カスタムG e-Assist 二輪駆動

(7)

7

別表2-1【カタログ】

番号 商品 表示期間

表示内容 実際

発売年月 類別 グレード 駆動 方式

燃料消費率

JC08モード (国土交通 省審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1

eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪 駆動

遅 く と も 平 成2 8

年4月1日 か ら 同 月20日まで

26.0 平成32年度燃 費基準達成車

23.9 平成27年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

2

eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪 駆動

30.4 平成32年度燃 費 基 準+ 2 0% 達成車

26.1 平成32年度燃 費基準達成車

3

eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assi st

二輪 駆動

30.4 平成32年度燃 費 基 準+ 2 0% 達成車

26.1 平成32年度燃 費基準達成車

4

eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assi st

四輪 駆動

26.6 平成32年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

22.4 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

5

eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

6

eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

7

e Kス ペ ー ス カスタム

平成27年4月 HXTUX1 カ ス タ ム

G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

8

e Kス ペ ー ス カスタム

平成27年4月 HXTHF1 カ ス タ ム

T e-Assi st

二輪 駆動

24.0 平成32年度燃 費基準達成車

(8)

8

別表2-2【ウェブページ】

番号 商品 表示期間

表示内容 実際

発売年月 類別 グレード 駆動 方式

燃料消費率

JC08モード (国土交通 省審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1

eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪 駆動

遅 く とも 平 成28

年4月1日か ら同 月20日まで

26.0 平成32年度燃 費基準達成車

23.9 平成27年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

2

eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪 駆動

30.4 平成32年度燃 費 基 準+ 2 0% 達成車

26.1 平成32年度燃 費基準達成車

3

eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assi st

二輪 駆動

30.4 平成32年度燃 費 基 準+ 2 0% 達成車

26.1 平成32年度燃 費基準達成車

4

eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assi st

四輪 駆動

26.6 平成32年度燃 費 基 準+ 1 0% 達成車

22.4 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

5

eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準+10%達 成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

6

eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準+10%達 成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

7

e Kス ペ ー ス カスタム

平成27年4月 HXTUX1 カ ス タ ム

G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準+10%達 成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

8

e Kス ペ ー ス カスタム

平成27年4月 HXTHF1 カ ス タ ム

T e-Assi st

二輪 駆動

24.0 平成32年度燃 費基準達成車

(9)

9

別表3

番号 商品 課徴金額

発売年月 類別 グレード 駆動方式

1 eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪駆動 1,130,000円

2 eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪駆動 200,000円

3 eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assist 二輪駆動 370,000円

4 eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assist 四輪駆動 70,000円

5 eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪駆動 480,000円

6 eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assist 二輪駆動 500,000円

7 eKスペースカスタム 平成27年4月 HXTUX1 カスタムG e-Assist 二輪駆動 410,000円

(10)

10

別表4 番

号 商品 発売年月 類別 グレード 駆動方式

1 デイズ 平成27年10月 LTSX S 二輪駆動

2 デイズルークス 平成27年4月 HXTHX ハイウェイスター X Gパッケージ

二輪駆動

3 デイズルークス 平成27年4月 HXTHFZ ハイウェイスター ターボ 四輪駆動

4 デイズルークス 平成27年12月 HXTXX X Vセレクション 二輪駆動

5 デイズルークス 平成27年12月 HXTPX ハイウェイスター X Vセレクション

二輪駆動

(11)

11

別表5-1【カタログ】

番号 商品 表示期間

表示内容 実際

発売年月 類別 グレード 駆動 方式

燃料消費率

JC08モード (国土交通 省審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1

デイズ 平成27年10月 LTSX S 二輪 駆動

遅くとも平成28

年4月1日から同 月20日まで

30.4 平成32年度燃 費基準+20% 達成車

26.1 平成32年度燃 費基準達成車

2

デイズルー クス

平成27年4月 HXTHX ハイウェイスター X Gパッケージ

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

3

デイズルー クス

平成27年4月 HXTHFZ ハイウェイスター ターボ

四輪 駆動

22.6 平成27年度燃 費基準+10% 達成車

20.5 平成27年度燃 費基準達成車

4

デイズルー クス

平成27年12月 HXTXX X Vセレクション 二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準達成車

平成32年度燃 費基準+10% 達成車 (注)

22.3 平成27年度燃 費基準+5%達 成車

5

デイズルー クス

平成27年12月 HXTPX ハイウェイスター X Vセレクション

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃 費基準達成車

平成32年度燃 費基準+10% 達成車 (注)

(12)

12

番号 商品 表示期間

表示内容 実際

発売年月 類別 グレード 駆動 方式

燃料消費率

JC08モード (国土交通 省審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

6

デイズルー クス

平成27年12月 HXTXXZ X Vセレクション 四輪 駆動

遅くとも平成28

年4月1日から同 月20日まで

24.6 平成32年度燃 費基準達成車

平成32年度燃 費基準+10% 達成車 (注)

21.1 平成27年度燃 費基準達成車

(13)

13

別表5-2【ウェブページ】

番号 商品 表示期間

表示内容 実際

発売年月 類別 グレード 駆動 方式

燃料消費率

JC08モード (国土交通 省審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1 デイズ 平成27年10月 LTSX S 二輪

駆動

遅くとも平成28

年4月1日から同 月20日まで

30.4 26.1

2 デイズルー

クス

平成27年4月 HXTHX ハイウェイスター X Gパッケージ

二輪 駆動

26.2 22.3

3 デイズルー

クス

平成27年4月 HXTHFZ ハイウェイスター ターボ

四輪 駆動

22.6 20.5

4 デイズルー

クス

平成27年12月 HXTXX X Vセレクション 二輪 駆動

26.2 22.3

5 デイズルー

クス

平成27年12月 HXTPX ハイウェイスター X Vセレクション

二輪 駆動

26.2 22.3

6 デイズルー

クス

平成27年12月 HXTXXZ X Vセレクション 四輪 駆動

(14)

14

別表6

番号 商品 課徴金額

発売年月 類別 グレード 駆動方式

1 デイズ 平成27年10月 LTSX S 二輪駆動 630,000円

2 デイズルークス 平成27年4月 HXTHX ハイウェイスター X Gパッケージ 二輪駆動 960,000円

3 デイズルークス 平成27年4月 HXTHFZ ハイウェイスター ターボ 四輪駆動 270,000円

4 デイズルークス 平成27年12月 HXTXX X Vセレクション 二輪駆動 300,000円

5 デイズルークス 平成27年12月 HXTPX ハイウェイスター X Vセレクション 二輪駆動 970,000円

(15)

15

<表示例1:三菱自動車工業・eKワゴンのカタログ>

(16)
(17)
(18)
(19)
(20)

20

<表示例2:日産自動車・デイズのカタログ>

(21)
(22)
(23)

23

不当景品類及び不当表示防止法(抜粋)

(昭和三十七年法律第百三十四号)

(目的)

第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止す るため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止につ いて定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(不当な表示の禁止)

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示 をしてはならない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく 優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給 している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、 一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似 の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であ ると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合 理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認される おそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻 害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

(措置命令)

第七条 内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があ るときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するた めに必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令 は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。 一 当該違反行為をした事業者

二 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにお ける合併後存続し、又は合併により設立された法人

三 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人から分割により当該違反行為に 係る事業の全部又は一部を承継した法人

四 当該違反行為をした事業者から当該違反行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者 2 (省略)

(課徴金納付命令)

第八条 事業者が、第五条の規定に違反する行為(同条第三号に該当する表示に係るものを除く。以下 「課徴金対象行為」という。)をしたときは、内閣総理大臣は、当該事業者に対し、当該課徴金対象 行為に係る課徴金対象期間に取引をした当該課徴金対象行為に係る商品又は役務の政令で定める方 法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを 命じなければならない。ただし、当該事業者が当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対 象行為に係る表示が次の各号のいずれかに該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の 注意を怠つた者でないと認められるとき、又はその額が百五十万円未満であるときは、その納付を命 ずることができない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であること又は 事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に 係るものよりも著しく優良であることを示す表示

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利で あること又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している 他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であることを示す表示

(24)

24

として内閣府令で定める措置をとつたときは、その日)までの間に当該事業者が当該課徴金対象行為 に係る商品又は役務の取引をしたときは、当該課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日 までの期間を加えた期間とし、当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間と する。)をいう。

3 (省略)

(課徴金対象行為に該当する事実の報告による課徴金の額の減額)

第九条 前条第一項の場合において、内閣総理大臣は、当該事業者が課徴金対象行為に該当する事実を 内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に報告したときは、同項の規定により計算した課徴金の 額に百分の五十を乗じて得た額を当該課徴金の額から減額するものとする。ただし、その報告が、当 該課徴金対象行為についての調査があつたことにより当該課徴金対象行為について課徴金納付命令 があるべきことを予知してされたものであるときは、この限りでない。

(返金措置の実施による課徴金の額の減額等)

第十条 第十五条第一項の規定による通知を受けた者は、第八条第二項に規定する課徴金対象期間にお いて当該商品又は役務の取引を行つた一般消費者であつて政令で定めるところにより特定されてい るものからの申出があつた場合に、当該申出をした一般消費者の取引に係る商品又は役務の政令で定 める方法により算定した購入額に百分の三を乗じて得た額以上の金銭を交付する措置(以下この条及 び次条において「返金措置」という。)を実施しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、 その実施しようとする返金措置(以下この条において「実施予定返金措置」という。)に関する計画 (以下この条において「実施予定返金措置計画」という。)を作成し、これを第十五条第一項に規定 する弁明書の提出期限までに内閣総理大臣に提出して、その認定を受けることができる。

2 実施予定返金措置計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 実施予定返金措置の内容及び実施期間

二 実施予定返金措置の対象となる者が当該実施予定返金措置の内容を把握するための周知の方法 に関する事項

三 実施予定返金措置の実施に必要な資金の額及びその調達方法

3 実施予定返金措置計画には、第一項の認定の申請前に既に実施した返金措置の対象となつた者の氏 名又は名称、その者に対して交付した金銭の額及びその計算方法その他の当該申請前に実施した返金 措置に関する事項として内閣府令で定めるものを記載することができる。

4 第一項の認定の申請をした者は、当該申請後これに対する処分を受けるまでの間に返金措置を実施 したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該返金措置の対象となつた者の氏名又は 名称、その者に対して交付した金銭の額及びその計算方法その他の当該返金措置に関する事項として 内閣府令で定めるものについて、内閣総理大臣に報告しなければならない。

5 内閣総理大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その実施予定返金措置計画が次の各 号のいずれにも適合すると認める場合でなければ、その認定をしてはならない。

一 当該実施予定返金措置計画に係る実施予定返金措置が円滑かつ確実に実施されると見込まれる ものであること。

二 当該実施予定返金措置計画に係る実施予定返金措置の対象となる者(当該実施予定返金措置計画 に第三項に規定する事項が記載されている場合又は前項の規定による報告がされている場合にあ つては、当該記載又は報告に係る返金措置が実施された者を含む。)のうち特定の者について不当 に差別的でないものであること。

三 当該実施予定返金措置計画に記載されている第二項第一号に規定する実施期間が、当該課徴金対 象行為による一般消費者の被害の回復を促進するため相当と認められる期間として内閣府令で定 める期間内に終了するものであること。

6~7 (省略)

8 内閣総理大臣は、認定事業者による返金措置が第一項の認定を受けた実施予定返金措置計画(第六 項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。次条第一項及び第二項において「認 定実施予定返金措置計画」という。)に適合して実施されていないと認めるときは、第一項の認定(第 六項の規定による変更の認定を含む。次項及び第十項ただし書において単に「認定」という。)を取 り消さなければならない。

9 内閣総理大臣は、認定をしたとき又は前項の規定により認定を取り消したときは、速やかに、これ らの処分の対象者に対し、文書をもつてその旨を通知するものとする。

(25)

25

規定する報告の期限までの間は、認定事業者に対し、課徴金の納付を命ずることができない。ただし、 第八項の規定により認定を取り消した場合には、この限りでない。

第十一条 認定事業者(前条第八項の規定により同条第一項の認定(同条第六項の規定による変更の認 定を含む。)を取り消されたものを除く。第三項において同じ。)は、同条第一項の認定後に実施さ れた認定実施予定返金措置計画に係る返金措置の結果について、当該認定実施予定返金措置計画に記 載されている同条第二項第一号に規定する実施期間の経過後一週間以内に、内閣府令で定めるところ により、内閣総理大臣に報告しなければならない。

2 内閣総理大臣は、第八条第一項の場合において、前項の規定による報告に基づき、前条第一項の認 定後に実施された返金措置が認定実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認めるときは、当該 返金措置(当該認定実施予定返金措置計画に同条第三項に規定する事項が記載されている場合又は同 条第四項の規定による報告がされている場合にあつては、当該記載又は報告に係る返金措置を含む。) において交付された金銭の額として内閣府令で定めるところにより計算した額を第八条第一項又は 第九条の規定により計算した課徴金の額から減額するものとする。この場合において、当該内閣府令 で定めるところにより計算した額を当該課徴金の額から減額した額が零を下回るときは、当該額は、 零とする。

3 内閣総理大臣は、前項の規定により計算した課徴金の額が一万円未満となつたときは、第八条第一 項の規定にかかわらず、認定事業者に対し、課徴金の納付を命じないものとする。この場合において、 内閣総理大臣は、速やかに、当該認定事業者に対し、文書をもつてその旨を通知するものとする。

(課徴金の納付義務等)

第十二条 課徴金納付命令を受けた者は、第八条第一項、第九条又は前条第二項の規定により計算した 課徴金を納付しなければならない。

2 第八条第一項、第九条又は前条第二項の規定により計算した課徴金の額に一万円未満の端数がある ときは、その端数は、切り捨てる。

3~6 (省略)

7 課徴金対象行為をやめた日から五年を経過したときは、内閣総理大臣は、当該課徴金対象行為に係 る課徴金の納付を命ずることができない。

(報告の徴収及び立入検査等)

第二十九条 内閣総理大臣は、第七条第一項の規定による命令、課徴金納付命令又は前条第一項の規定 による勧告を行うため必要があると認めるときは、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関 係のある事業者に対し、その業務若しくは財産に関して報告をさせ、若しくは帳簿書類その他の物件 の提出を命じ、又はその職員に、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者の 事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは 関係者に質問させることができる。

2~3 (省略)

(権限の委任等)

第三十三条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委 任する。

2~11 (省略)

○ 不当景品類及び不当表示防止法施行令(抜粋)

(平成二十一年政令第二百十八号)

(消費者庁長官に委任されない権限)

(26)

26

景品表示法による表示規制の概要

○ 優良誤認表示(第5条第1号)

商品・サービスの品質、規格その他の内容についての不当表示

○ 有利誤認表示(第5条第2号)

商品・サービスの価格その他取引条件についての不当表示 不実証広告規制(第7条第2項及び第8条第3項)

消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する優良誤認表 示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表 示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。

○ 事業者が当該資料を提出しない場合又は提出した資料が表示の裏付けと なる合理的な根拠を示すものと認められない場合

・ 第7条第2項(措置命令関連)に基づく資料要求:不当表示とみなす。 ・ 第8条第3項(課徴金納付命令関連)に基づく資料要求:不当表示と推

定する。

① 商品・サービスの内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも 著しく優良であると示す表示

① 無果汁の清涼飲料水等についての表示 ② 商品の原産国に関する不当な表示

③ 消費者信用の融資費用に関する不当な表示 ④ 不動産のおとり広告に関する表示

⑤ おとり広告に関する表示

⑥ 有料老人ホームに関する不当な表示

① 商品・サービスの取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に 著しく有利であると一般消費者に誤認される表示

○ 商品・サービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれ があると認められ内閣総理大臣が指定する表示(第5条第3号)

② 商品・サービスの内容について、一般消費者に対し、事実に相違して競 業事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示

② 商品・サービスの取引条件について、競業事業者に係るものよりも取引 の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示

(27)

27

制度開始日

課徴金納付命令

(第8条)

・対象行為:優良誤認表示行為、有利誤認表示行為を対象とする。

・課徴金額の算定:対象商品・役務の売上額に3%を乗じる。

・対象期間:3年間を上限とする。

・主観的要素:違反事業者が不当な表示であることを知らず、かつ、知ら ないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められると

きは、課徴金を賦課しない。

・規模基準:課徴金額が150万円未満となる場合は、課徴金を賦課しない。

除斥期間

(第12条第7項)

違反行為をやめた日から5年を経過したときは、課徴金を賦課しない。

課徴金対象行為該当事実の報告による課徴金額の減額

(第9条)

課徴金対象行為に該当する事実を報告した事業者に対し、課徴金額の2分

の1を減額する。

平成28年4月1日

賦課手続

(第13条)

違反事業者に対する手続保障として、弁明の機会を付与する。

1: 実施予定返金措置計画の作成・認定

2: 返金措置の実施

3: 報告期限までに報告

返金措置における 金銭交付相当額が 課徴金額以上の場合

課徴金額の減額 返金措置における 金銭交付相当額が 課徴金額未満の場合

事業者が所定の手続に沿って返金措置を実施した場合は、課徴金

を命じない又は減額する。

課徴金の納付を命じない

返金措置の実施による課徴金額の減額

(第10条・第11条)

※返金措置=対象商品・役務の取引をしたことが特定される一般消

費者からの申出があつた場合に、当該申出をした一般消費者の

購入額に3%を乗じた額以上の金銭を交付する措置。

事業者は、実施予定返金措置計画に沿って返金措置を実施する。

返金措置を実施しようとする事業者は、実施予定返金措置計画を作成し、

消費者庁長官の認定を受ける。 不実証広告規制に係る表示について、一定の期間内に当該表示の裏

付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出がない場合には、当該表

示を優良誤認表示と推定して課徴金を賦課する。

不当な表示による顧客の誘引を防止するため、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度を導入

するとともに、被害回復を促進する観点から返金による課徴金額の減額等の措置を講ずる。

課徴金制度の概要

(28)

消 表 対 第 1 0 6 0 号

平成29年7月21日

三菱自動車工業株式会社

代表取締役 益子 修 殿

消費者庁長官 岡村 和美

(公印省略)

不当景品類及び不当表示防止法第8条第1項の規定に基づく課徴金納付命令

貴社は、貴社との間で特約販売契約を締結する自動車販売業者(以下「ディーラー」とい

う。)を通じて一般消費者に供給する別表1記載の軽自動車8商品(以下「本件8商品」と

いう。)の各商品の取引について、それぞれ、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年

法律第134号。以下「景品表示法」という。)第5条の規定により禁止されている同条第

1号に該当する不当な表示を行っていたので、同法第8条第1項の規定に基づき、次のとお

り課徴金の納付を命令する。

主 文

三菱自動車工業株式会社(以下「三菱自動車工業」という。)は、課徴金として金368

万円を平成30年2月22日までに国庫に納付しなければならない。

理 由

1 課徴金対象行為

別紙記載の事実によれば、三菱自動車工業は、自己の供給する本件8商品の各商品の取

引に関し、それぞれ、本件8商品の各商品の内容について、一般消費者に対し、実際のも

のよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自

主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をしていたものであり、

これらの表示は、それぞれ、景品表示法第5条第1号に該当するものであって、かかる行

為は、それぞれ、同条の規定に違反するものである。

2 課徴金の計算の基礎

(1)ア 景品表示法第8条第1項に規定する課徴金対象行為に係る商品は、それぞれ、本件

8商品の各商品である。

イ(ア) 三菱自動車工業が、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平

成26年法律第118号。以下「景品表示法改正法」という。)の施行の日以後に、

本件8商品の各商品について、前記1の課徴金対象行為に係る表示を内容とする

カタログをディーラーに対して最初に出荷した日及び最後に出荷した日は、それ

(29)

ぞれ、別表2中の「カタログの出荷開始日(上段)及び出荷終了日(下段)」欄記

載のとおりである。

(イ) 三菱自動車工業が、景品表示法改正法の施行の日以後に、本件8商品の各商品

について、自社ウェブサイトに掲載した前記1の課徴金対象行為に係る表示を内

容とするウェブページの公開を開始した日及び公開を終了した日は、それぞれ、

別表2中の「ウェブページの公開開始日(上段)及び公開終了日(下段)」欄記載

のとおりである。

(ウ) 前記イ(ア)及び(イ)によれば、本件8商品の各商品に係る前記1の課徴金対象行

為をした期間は、それぞれ、別表2中の「課徴金対象行為をした期間」欄記載の

とおりである。

(エ) 三菱自動車工業は、本件8商品の各商品について、前記1の課徴金対象行為を

やめた後そのやめた日から6月を経過する日前の平成28年7月1日に、前記1

の課徴金対象行為に係る表示が不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的か

つ合理的な選択を阻害するおそれを解消するための措置として不当景品類及び

不当表示防止法施行規則(平成28年内閣府令第6号。以下「景品表示法施行規

則」という。)第8条に規定する措置をとっていると認められるところ、三菱自動

車工業は、前記1の課徴金対象行為をやめた後当該措置をとった日までの間にお

いて、本件8商品の各商品の取引をしていない。

(オ) 前記イ(ウ)及び(エ)によれば、本件8商品の各商品に係る前記1の課徴金対象行

為に係る課徴金対象期間は、それぞれ、別表2中の「課徴金対象期間」欄記載の

とおりである。

ウ 前記イ(オ)の課徴金対象期間に取引をした本件8商品の各商品に係る三菱自動車

工業の売上額は、不当景品類及び不当表示防止法施行令(平成21年政令第218

号)第1条の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、それ

ぞれ、別表2中の「売上額」欄記載の額である。

エ 三菱自動車工業は、本件8商品の各商品の燃費性能について改ざん等の行為を行

い、また、当該行為の防止等を図るための管理監督を十分に行っていない。三菱自

動車工業は、かかる状況の下、前記1の課徴金対象行為をしていたことから、それ

ぞれ、当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が景

品表示法第8条第1項第1号に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき

相当の注意を怠った者でないとは認められない。

(2) 三菱自動車工業は、景品表示法第9条の規定により、前記1の課徴金対象行為に該

当する事実を、景品表示法施行規則第9条に定めるところにより消費者庁長官に報告

したところ、当該報告は当該課徴金対象行為についての調査があったことにより当該

課徴金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものでは

ない。

(3) 三菱自動車工業は、本件8商品の各商品について、それぞれ、景品表示法第10条

(30)

提出期限までに消費者庁長官に提出したところ、消費者庁長官は、平成29年1月2

7日、当該実施予定返金措置計画の認定をした。三菱自動車工業は、本件8商品の各

商品について、それぞれ、景品表示法第11条第1項の規定により、認定実施予定返

金措置計画に係る返金措置の結果を、景品表示法施行規則第15条第1項に定めると

ころにより消費者庁長官に報告したところ、当該返金措置は、それぞれ、認定実施予

定返金措置計画に適合して実施されたと認められる。

(4) 前記(1)、(2)及び(3)の事実によれば、三菱自動車工業が国庫に納付しなければなら

ない課徴金の額は、景品表示法第8条第1項の規定により、前記(1)ウの本件8商品の

各商品の売上額に、それぞれ、100分の3を乗じて得た額から、同法第9条の規定

により、当該額に100分の50を乗じて得た額を減額し、さらに、同法第11条第

2項の規定により、前記(3)の返金措置(同法第10条第3項の規定による記載及び同

条第4項の規定による報告に係る返金措置を含む。)において交付された金銭の額と

して景品表示法施行規則第16条第1項の規定により計算した別表2中の「景品表示

法第11条第2項の規定により計算した額」欄記載の額を減額し、同法第12条第2

項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された別表2中の「課徴金額」欄

記載の額を合計した368万円である。

よって、三菱自動車工業に対し、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、主文のとおり

命令する。

<法律に基づく教示>

1 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条第1項の規定に基づく教示

この処分について不服がある場合には、行政不服審査法第2条、第4条及び第18条第

1項の規定に基づき、正当な理由があるときを除き、この処分があったことを知った日の

翌日から起算して3か月以内に、書面により消費者庁長官に対し審査請求をすることが

できる。

(注)行政不服審査法第18条第2項の規定により、正当な理由があるときを除き、処分

があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であっても、処分の日の翌

日から起算して1年を経過したときは、審査請求をすることができなくなる。

2 行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条第1項の規定に基づく教示

訴訟により、この処分の取消しを求める場合には、行政事件訴訟法第11条第1項及び

第14条第1項の規定に基づき、この処分があったことを知った日の翌日から起算して

6か月以内に、国(代表者法務大臣)を被告として、この処分の取消しの訴えを提起する

ことができる。

(注1)行政事件訴訟法第14条第2項の規定により、正当な理由があるときを除き、こ

の処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、この

(31)

4 することができなくなる。

(注2)行政事件訴訟法第14条第3項の規定により、正当な理由があるときを除き、審

査請求をして裁決があった場合には、この処分の取消しの訴えは、その裁決があっ

たことを知った日の翌日から起算して6か月以内に提起することができる。ただ

し、正当な理由があるときを除き、その裁決があったことを知った日の翌日から起

算して6か月以内であっても、その裁決の日の翌日から起算して1年を経過する

(32)

別表1

番号 商品

発売年月 類別 グレード 駆動方式

1 eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪駆動

2 eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪駆動

3 eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assist 二輪駆動

4 eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assist 四輪駆動

5 eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪駆動

6 eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assist 二輪駆動

7 eKスペース

カスタム 平成27年4月 HXTUX1 カスタムG e-Assist 二輪駆動

8 eKスペース

(33)

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(34)

別紙

消費者庁長官が認定した事実は、次のとおりである。

1 三菱自動車工業株式会社(以下「三菱自動車工業」という。)は、東京都港区芝五丁目

33番8号に本店を置き、自動車の製造販売業等を営む事業者である。

2 三菱自動車工業は、本文別表1記載の軽自動車8商品(以下「本件8商品」という。)

を、自社との間で特約販売契約を締結する自動車販売業者(以下「ディーラー」という。)

を通じて一般消費者に販売している。

3 三菱自動車工業は、本件8商品について、ディーラーを通じて配布したカタログ及び自

社ウェブサイトに掲載したウェブページにおいて商品の内容を表示しているところ、当

該表示の内容を自ら決定している。

4 自動車の製造販売業者等は、自らが製造販売等を行う自動車について、国が定める試験

方法に基づき測定した燃料消費率が国において測定した値以下である場合に、当該燃料

消費率を「国土交通省審査値」として用いることができる。また、エネルギーの使用の合

理化等に関する法律(昭和54年法律第49号)の対象となる自動車については、自動車

の製造販売業者等は、当該燃料消費率をカタログに表示することが義務付けられている

とともに、国が当該燃料消費率と車両重量に基づき判定した平成32年度燃費基準又は

平成27年度燃費基準の達成状況をカタログ等に表示している。

5(1) 三菱自動車工業は、本件8商品を一般消費者に販売するに当たり、これらの各商品

について、それぞれ、遅くとも平成28年4月1日から同月20日までの間、ディー

ラーを通じて配布したカタログ及び自社ウェブサイトに掲載したウェブページにお

いて、燃料消費率を別表1及び別表2中の「表示内容 燃料消費率JC08モード(国土

交通省審査値)(㎞/L)」欄記載のとおり記載すること、及び燃費基準達成状況を同各

表「表示内容 燃費基準達成状況」欄記載のとおり記載することにより、あたかも、

国が定める試験方法に基づく燃費性能は、同各表「表示内容 燃料消費率JC08モード

(国土交通省審査値)(㎞/L)」欄及び「表示内容 燃費基準達成状況」欄記載のとお

りであるかのように示す表示をしていた。

(2) 実際には、前記(1)記載のとおり表示された本件8商品の各商品の燃費性能は、国が

定める試験方法に基づくものとはいえないものであって、燃費性能として表示できる

上限は、それぞれ、別表1及び別表2中の「実際 国土交通省確認試験結果(㎞/L)」

(35)

別表1【カタログ】

番号

商品

表示期間

表示内容 実際

発売

年月 類別 グレード

駆動 方式

燃料消費率

JC08モード

(国土交通省 審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1

eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪

駆動

遅くとも平成28年

4月1日から同月20 日まで

26.0 平成32年度燃

費基準達成車

23.9 平成27年度燃

費基準+10% 達成車

2

eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪

駆動

30.4 平成32年度燃

費基準+20% 達成車

26.1 平成32年度燃

費基準達成車

3

eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assi st

二輪 駆動

30.4 平成32年度燃

費基準+20% 達成車

26.1 平成32年度燃

費基準達成車

4

eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assi st

四輪 駆動

26.6 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.4 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

5

eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪

駆動

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

6

eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

(36)

番号

商品

表示期間

表示内容 実際

発売

年月 類別 グレード

駆動 方式

燃料消費率

JC08モード

(国土交通省 審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

7

eKスペースカ

スタム

平成27年4月 HXTUX1 カスタム G e-Assi st

二輪 駆動

遅くとも平成28年

4月1日から同月20 日まで

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

8

eKスペースカ

スタム

平成27年4月 HXTHF1 カスタム T e-Assi st

二輪 駆動

24.0 平成32年度燃

費基準達成車

22.3 平成27年度燃

(37)

10

別表2【ウェブページ】

番号

商品

表示期間

表示内容 実際

発売

年月 類別 グレード

駆動 方式

燃料消費率

JC08モード

(国土交通省 審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

1

eKワゴン 平成27年10月 LTSH E 二輪

駆動

遅くとも平成28年

4月1日から同月20 日まで

26.0 平成32年度燃

費基準達成車

23.9 平成27年度燃

費基準+10% 達成車

2

eKワゴン 平成27年10月 LTMX M 二輪

駆動

30.4 平成32年度燃

費基準+20% 達成車

26.1 平成32年度燃

費基準達成車

3

eKワゴン 平成27年10月 LTMX1 M e-Assi st

二輪 駆動

30.4 平成32年度燃

費基準+20% 達成車

26.1 平成32年度燃

費基準達成車

4

eKワゴン 平成27年10月 LTMXZ1 M e-Assi st

四輪 駆動

26.6 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.4 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

5

eKスペース 平成27年4月 HXTSX E 二輪

駆動

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

6

eKスペース 平成27年4月 HXTMX1 G e-Assi st

二輪 駆動

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

(38)

11

番号

商品

表示期間

表示内容 実際

発売

年月 類別 グレード

駆動 方式

燃料消費率

JC08モード

(国土交通省 審査値) (㎞/L)

燃費基準達成 状況

国土交通省 確認試験

結果 (㎞/L)

燃費基準達成 状況

7

eKスペース カスタム

平成27年4月 HXTUX1 カスタム G e-Assi st

二輪 駆動

遅くとも平成28年

4月1日から同月20 日まで

26.2 平成32年度燃

費基準+10% 達成車

22.3 平成27年度燃

費基準+5%達 成車

8

eKスペース カスタム

平成27年4月 HXTHF1 カスタム T e-Assi st

二輪 駆動

24.0 平成32年度燃

費基準達成車

22.3 平成27年度燃

(39)

消 表 対 第 7 6 9 号

平成29年6月14日

日産自動車株式会社

代表取締役 西川 廣人 殿

消費者庁長官 岡村 和美

(公印省略)

不当景品類及び不当表示防止法第8条第1項の規定に基づく課徴金納付命令

貴社は、貴社との間で特約販売契約を締結する自動車販売業者(以下「ディーラー」とい

う。)を通じて一般消費者に供給する別表1記載の軽自動車6商品(以下「本件6商品」と

いう。)の各商品の取引について、それぞれ、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年

法律第134号。以下「景品表示法」という。)第5条の規定により禁止されている同条第

1号に該当する不当な表示を行っていたので、同法第8条第1項の規定に基づき、次のとお

り課徴金の納付を命令する。

主 文

日産自動車株式会社(以下「日産自動車」という。)は、課徴金として金317万円を平

成30年1月15日までに国庫に納付しなければならない。

理 由

1 課徴金対象行為

別紙記載の事実によれば、日産自動車は、自己の供給する本件6商品の各商品の取引に

関し、それぞれ、本件6商品の各商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよ

りも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的

かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示をしていたものであり、こ

れらの表示は、それぞれ、景品表示法第5条第1号に該当するものであって、かかる行為

は、それぞれ、同条の規定に違反するものである。

2 課徴金の計算の基礎

(1)ア 景品表示法第8条第1項に規定する課徴金対象行為に係る商品は、それぞれ、本件

6商品の各商品である。

イ(ア) 日産自動車が、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成2

6年法律第118号。以下「景品表示法改正法」という。)の施行の日以後に、本

件6商品の各商品について、前記1の課徴金対象行為に係る表示を内容とするカ

タログをディーラーに対して最初に出荷した日及び最後に出荷した日は、それぞ

(40)

れ、別表2中の「カタログの出荷開始日(上段)及び出荷終了日(下段)」欄記載

のとおりである。

(イ) 日産自動車が、景品表示法改正法の施行の日以後に、本件6商品の各商品につ

いて、自社ウェブサイトに掲載した前記1の課徴金対象行為に係る表示を内容と

するウェブページの公開を開始した日及び公開を終了した日は、それぞれ、別表

2中の「ウェブページの公開開始日(上段)及び公開終了日(下段)」欄記載のと

おりである。

(ウ) 前記イ(ア)及び(イ)によれば、本件6商品の各商品に係る前記1の課徴金対象行

為をした期間は、それぞれ、別表2中の「課徴金対象行為をした期間」欄記載の

とおりである。

(エ) 日産自動車は、本件6商品の各商品について、前記1の課徴金対象行為をやめ

た後そのやめた日から6月を経過する日前の平成28年7月1日に、前記1の課

徴金対象行為に係る表示が不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合

理的な選択を阻害するおそれを解消するための措置として不当景品類及び不当

表示防止法施行規則(平成28年内閣府令第6号。以下「景品表示法施行規則」

という。)第8条に規定する措置をとっていると認められるところ、日産自動車は、

前記1の課徴金対象行為をやめた後当該措置をとった日までの間において、本件

6商品の各商品の取引をしていない。

(オ) 前記イ(ウ)及び(エ)によれば、本件6商品の各商品に係る前記1の課徴金対象行

為に係る課徴金対象期間は、それぞれ、別表2中の「課徴金対象期間」欄記載の

とおりである。

ウ 前記イ(オ)の課徴金対象期間に取引をした本件6商品の各商品に係る日産自動車

の売上額は、不当景品類及び不当表示防止法施行令(平成21年政令第218号)

第1条の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、それぞれ、

別表2中の「売上額」欄記載の額である。

エ 日産自動車は、三菱自動車工業株式会社と共同して実施した燃料消費率に係る検

証において本件6商品の各商品の燃費性能の根拠となる情報を十分に確認するこ

となく前記1の課徴金対象行為をしていたことから、それぞれ、当該課徴金対象行

為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が景品表示法第8条第1項

第1号に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者

でないとは認められない。

(2) 日産自動車は、景品表示法第9条の規定により、前記1の課徴金対象行為に該当す

る事実を、景品表示法施行規則第9条に定めるところにより消費者庁長官に報告した

ところ、当該報告は当該課徴金対象行為についての調査があったことにより当該課徴

金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものではない。

(3) 日産自動車は、本件6商品の各商品について、それぞれ、景品表示法第10条第1項

に規定する実施予定返金措置計画を同法第15条第1項に規定する弁明書の提出期

参照

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