InDesignからの電子化で
問題になるポイント
三陽社メディア開発室 田嶋 淳
テキストボックスが同一ページ内に複数配置されている 見出し等が画像として作成され、配置されている
フォントが添付されていない／添付されているフォント が使用できない
強制改行、タブなどの特殊キャラクタ文字
カーニング・トラッキング・アキ量調整を利用したス ペース表現
テキストボックスが
同一ページ内に複数配置されている
テキストボックスが本文と見 出しで別。一括選択ができな い
InDesignのXML書き出し機能経由で書き出すにせよ
テキストをコピー＆ペーストして
あらためてタグ付けするにせよ
結局オペレータが目で確認しながら
作業をする必要がある
見出し等が画像として作成され、配置されている
見出しが画像 として配置さ れている
実はこちらも 画像
データ内にテキスト情報が存在しないのだから 当然再入力する必要が出てくる
Illustrator、Photoshop等で作られた見出しを 画像として配置しているパターン以外に
InDesign内の機能で文字を画像化（アウトライン化） している場合もある
InDesignのテキストグリーキングの機能で判別はできるが 全ページ目視確認が必要
グリーキング テキストの機 能で画像かど うかを判別
フォントが添付されていない
添付されているフォントが使用できない
フォントが無いと
貼り込まれた図版をEPUB用の画像にする際に困る
図版そのものはIllustratorやPhotoshopで作られていても キャプションはInDesignというパターンが多い
一般に出版社にInDesignデータが残っていても
使われているフォントを一括で保管していないケースは珍しくない
添付フォントが残っていても
ファイルサイズが「0バイト」等になっていて使えないケースもよくある Windows→MacやMac OS 9→Xなどの環境変化に伴って
フォントが使えなくなるケースも多々ある
サイズが0バイトになっていて 使用できない
フォントが無くてどうにもならない場合、最後の手段は
「底本からスキャンして画像補整」 コストがかかり、決して綺麗ではない
ビブロスフォントのように
Unicodeの符号位置とは異なる位置に
グリフをマッピングしているフォントが使われていた場合 文字化け防止のために置換処理をしてやる必要もある
強制改行、タブなどの
特殊キャラクタ文字の処理
印刷物の「見た目の調整」のために挿入されている特 殊キャラクタは除去してやる必要がある
タブなどを使って文字の位置を合わせていた場合には レイアウトそのものは
再現してやる必要が出てきたりもするため 一括で自動処理するには限界がある
除去の必要が ある強制改行 文字
タブ文字を 使った字下げ 処理。
EPUBではパ ディングなど に置き換える 必要がある。
カーニング・トラッキング・アキ量調整を利用した
スペース表現の対処
カーニングやトラッキング
文字アキ量調整の機能を利用して挿入されたスペースは 通常のスペースに置き換えるか消去する
適宜該当する場所を見て判断する必要があるため 自動化は難しい
アキ量調整で全 角アキを指定し て挿入されたス ペース。テキス トに書き出すと 消える。
印刷した紙面では見分けがつかなくても InDesignでのデータ作成方法には
実にさまざまなバリエーションがあり
電子化の際にはどういう作り方をされているのかを DTPの経験のある人間が目で見て判断する必要がある
↓
自動化はとても難しく、コストが高くつく
