統計学 第十回: 母数の区間推定
担当者: 高木 真吾
URL:
http://sites.google.com/site/hustat2017/
質問等は,
[email protected]
までお願いします.
確認事項
確認事項母集団分布が正規分 布のとき
母集団分布が正規分 布でないとき
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団比率の信頼 区間
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
母集団分布が正規分布のとき
1. 標本平均について(σ2 をそのまま用いて)
¯
X − µX
p
σ2/n ∼ N(0,1) (1)
n の大きさにかかわりなく成立する結果
2. 標本平均について(σ2
X を S2 で置き換えると)
¯
X − µX
p
S2/n ∼ t(n − 1) 自由度 n − 1 のt分布 (2)
n の大きさにかかわりなく成立する結果
3. 標本分散について
(n − 1) · SX2
母集団分布が正規分布でないとき
1. 標本平均について(σ2 をそのまま用いて)
¯
X − µX
p
σ2/n (4)
厳密にはどのような分布に従うかは分からないが,n が大きければ,中心極限定理
から標準正規分布で近似可能
2. 標本平均について(σ2
X を S2 で置き換えると)
¯
X − µX
p
S2/n = ¯
X − µX
p
σX2 /n ·
p
σX2 /n
p
S2/n (5)
厳密にはどのような分布に従うかは分からないが,n が大きければ,中心極限定理
母数の推定
確認事項
母数の推定
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団比率の信頼 区間
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
母数の推定
推定問題:標本から母数を推定する
母数:母集団分布を特徴付けるパラメータ
母集団分布が正規分布
母集団平均 µ,母集団分散 σ2 が母数.
母集団分布が1の割合が p,0の割合が 1 − p(視聴率,支持率調査など):
母集団平均の信頼区間
確認事項
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団平均の信頼 区間
母集団平均の信頼区 間:σ2 をそのまま 用いる
問題 解答例
母集団平均の信頼区 間:S2 を用いる 問題
解答例
母集団比率の信頼 区間
母集団平均の信頼区間
『比較的高い確率で,平均がどういう値になっていそうか』ということならできる
正確には,『ある確率(0.95 や 0.99)で母集団平均がどういう区間に含まれるか』
確率を 0.95 にすると,
『母集団平均に関する信頼係数 0.95 の信頼区間』
確率を 0.99 にすると,
母集団平均の信頼区間:
σ
2をそのまま用いる
母集団分布が正規分布:母集団平均 µ について知りたい
(母集団分散 σ2 の値は既知)
このとき『母集団平均に関する信頼係数 0.95 の信頼区間』を求める
<重要>最初の方のスライドの(1)式から Z =
¯
X−µ
√
σ2/n ∼ N(0,1)
つまり上の Z は標準正規分布に従う.このとき,数表を使うと以下の関係がわかる.
Pr
"
−1.96 ≤ pX¯ − µ
σ2/n ≤ 1.96
#
= 0.95
図解
-4 -2 0 2 4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
Pr[ -1.96 < Z < 1.96 ]
y1
µ =0 , σ 2
=1
母集団平均の信頼区間:
σ
2をそのまま用いる2
このとき,
Pr
"
−1.96 ·
r
σ2
n ≤ X¯ − µ ≤ 1.96 ·
r
σ2
n
#
= 0.95
Pr
"
−1.96 ·
r
σ2
n ≤ µ − X¯ ≤ 1.96 ·
r
σ2
n
#
= 0.95
Pr
"
¯
X − 1.96 ·
r
σ2
n ≤ µ ≤ X¯ + 1.96 ·
r
σ2
n
#
= 0.95
つまり µ は次の区間の中に含まれている確率が 0.95 である.
"
¯
X − 1.96 ·
r
σ2
n , X¯ + 1.96 ·
r
σ2
n
#
母集団平均の信頼区間:
σ
2をそのまま用いる3
練習問題:同様にして母集団平均 µ に関する,信頼係数 0.99 の信頼区間が以下のよ
うに与えられることを確認して下さい.
"
¯
X − 2.57 ·
r
σ2
n , X¯ + 2.57 ·
r
σ2
n
#
(7)
図解
-4 -2 0 2 4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
Pr[ -2.57 < Z < 2.57 ]
y1
µ =0 , σ 2
=1
母集団平均の信頼区間:
σ
2をそのまま用いる:問題
丸の内のサラリーマンのお小遣い額は全体として正規分布に従っているとする
経験的に分散は 8000 程度だとわかっているとする(σ2 = 0.8)
先ほどの問題から,10 人に対する調査の結果,平均値は 3 万円(x¯ = 3.0)となった.
1. 信頼係数 0.95 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものになりま
すか?
2. また,信頼係数 0.99 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものにな
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 3.0,σ2 = 0.8 なので
1. 信頼係数 0.95 の場合は(6)式より
"
¯
x − 1.96 ·
r
σ2
n , x¯ + 1.96 ·
r
σ2
n
#
=
"
3.0 − 1.96 ·
r
0.8
10 , 3.0 + 1.96 ·
r
0.8 10
#
= [2.45, 3.55]
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 3.0,σ2 = 0.8 なので
1. 信頼係数 0.99 の場合は(7)式より
"
¯
x − 2.57 ·
r
σ2
n , x¯ + 2.57 ·
r
σ2
n
#
=
"
3.0 − 2.57 ·
r
0.8
10 , 3.0 + 2.57 ·
r
0.8 10
#
= [2.27, 3.73]
母集団平均の信頼区間:
S
2を用いる
母集団分布が正規分布:母集団平均 µ について知りたい
(母集団分散 σ2 の値を S2 で置換)
このとき『母集団平均に関する信頼係数 0.95 の信頼区間』を求める
<重要>最初のスライドの(2)式から T =
¯
X−µ
√
S2/n ∼ t(n − 1)
つまり上の T は自由度 n − 1 のt分布に従う.
数表の自由度 n − 1 の欄から Pr[T > t0.025] = 0.025,Pr[T < −t0.025] = 0.025 とい
う点を探して,
Pr
"
−t0.025 ≤
¯
X − µ
p
S2/n ≤ t0.025
#
母集団平均の信頼区間:
S
2を用いる
数表の自由度 n − 1 の欄から Pr[T > t0.025] = 0.025,Pr[T < −t0.025] = 0.025 とい
う点を探して,
Pr
"
−t0.025 ≤
¯
X − µ
p
S2/n ≤ t0.025
#
= 0.95
例として,n = 10 を想定して数表を使うと以下の関係がわかる.
Pr
"
−2.262 ≤ pX¯ − µ
S2/10 ≤ 2.262
#
= 0.95
ここで自由度 n − 1 = 9 の欄から Pr[T > 2.262] = 0.025,
図解
-4 -2 0 2 4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
自由度9: Pr[ -2.262 < T < 2.262 ]
cbind(y1, y2)
自由度9のt分布
正規分布
母集団平均の信頼区間:
S
2を用いる2
このとき,
Pr
"
−t0.025 ·
r
S2
n ≤ X¯ − µ ≤ t0.025 ·
r
S2
n
#
= 0.95
Pr
"
−t0.025 ·
r
S2
n ≤ µ − X¯ ≤ t0.025 ·
r
S2
n
#
= 0.95
Pr
"
¯
X − t0.025 ·
r
S2
n ≤ µ ≤ X¯ + t0.025 ·
r
S2
n
#
= 0.95
つまり µ は次の区間の中に含まれている確率が 0.95 である.
"
¯
X − t0.025 ·
r
S2
n , X¯ + t0.025 ·
r
S2
n
#
母集団平均の信頼区間:
S
2を用いる3
練習問題:n = 10 のとき,母集団平均 µ に関する,信頼係数 0.95 の信頼区間が次の
ように与えられることを確認して下さい.
"
¯
X − 2.262 ·
r
S2
10, X¯ + 2.262 ·
r
S2 10
#
同様にして n = 10 のとき,母集団平均 µ に関する,信頼係数 0.99 の信頼区間が以
下のように与えられることを確認して下さい.
"
¯
X − t0.005 ·
r
S2
n , X¯ + t0.005 ·
r S2 n # (9) =⇒ " ¯
X − 3.250 ·
r
S2
10, X¯ + 3.250 ·
r
S2 10
図解
-4 -2 0 2 4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
自由度9: Pr[ -3.250 < T < 3.250 ]
cbind(y1, y2)
自由度9のt分布
正規分布
母集団平均の信頼区間:
S
2を用いる:問題
丸の内のサラリーマンのお小遣い額は全体として正規分布に従っているとする
分散についてもわからないので推定した(s2 = 0.78)
先ほどの問題から,10 人に対する調査の結果,平均値は 3 万円(x¯ = 3.0)となった.
1. 信頼係数 0.95 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものになりま
すか?
2. また,信頼係数 0.99 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものにな
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 3.0,s2 = 0.78 なので
1. 信頼係数 0.95 の場合は(8)式より,n = 10 なので自由度は n − 1 = 9 であるか
ら,数表より Pr[T > 2.262] = 0.025 となることを用いて,
"
¯
x − 2.262 ·
r
s2
10, x¯ + 2.262 ·
r
s2 10
#
=
"
3.0 − 2.262 ·
r
0.78
10 , 3.0 + 2.262 ·
r
0.78 10
#
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 3.0,σ2 = 0.8 なので
2. 信頼係数 0.99 の場合は(9)式より,n = 10 なので自由度は n − 1 = 9 であるか
ら,数表より Pr[T > 3.250] = 0.005 となることを用いて,
"
¯
x − 3.250 ·
r
s2
n , x¯ + 3.250 ·
r
s2
n
#
=
"
3.0 − 3.250 ·
r
0.78
10 , 3.0 + 3.250 ·
r
0.78 10
#
= [2.092, 3.908]
以上の信頼区間の値の範囲を考えると母集団平均が含まれている領域が推測できる
母集団比率の信頼区間
確認事項
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団比率の信頼 区間
二項分布の正規近似 母集団比率の信頼 区間
図解 問題 解答例
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
二項分布の正規近似
大きさ n の標本:{X1, X2, . . . , Xn}
Xi は確率 p で1,確率 1 − p で0の値をとるベルヌーイ分布に従う確率変数
このとき標本平均 X¯ はの平均・分散は以下の通り
E[ ¯X] = p, V [ ¯X] = p(1 − p)
n
中心極限定理を適用して
¯
X − p
p
p(1 − p)/n ∼ N(0,1)
あるいは分散 p(1 − p)/n は X¯(1 − X¯)/n で推定できるので
¯
X − p
母集団比率の信頼区間
母集団分布は正規分布ではない:母集団比率 p について知りたい
このとき『母集団比率に関する信頼係数 0.95 の信頼区間』を求める
<重要>上の(10)式から T =
¯
X−p
√ ¯
X(1−X¯)/n ∼ N(0,1)
つまり上の T は(近似的に)標準正規分布に従う.このとき,数表を使うと以下の
関係がわかる.
Pr
"
−1.96 ≤ p X¯ − p
¯
X(1 − X¯)/n ≤ 1.96
#
= 0.95
図解
-4 -2 0 2 4
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
Pr[ -1.96 < Z < 1.96 ]
y1
µ =0 , σ 2
=1
母集団比率の信頼区間2
このとき,
Pr
"
−1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n ≤ X¯ − p ≤ 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n
#
= 0.95
Pr
"
−1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n ≤ p − X¯ ≤ 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n
#
= 0.95
Pr
"
¯
X − 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n ≤ p ≤ X¯ + 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n
#
母集団比率の信頼区間2
つまり p は次の区間の中に含まれている確率が 0.95 である.
"
¯
X − 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n , X¯ + 1.96 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n
#
(11)
母集団比率の信頼区間3
練習問題:同様にして母集団平均 p に関する,信頼係数 0.95 の信頼区間が以下のよ
うに与えられることを確認して下さい.
"
¯
X − 2.57 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n , X¯ + 2.57 ·
r
¯
X(1 − X¯)
n
#
(12)
母集団比率の信頼区間:問題
丸の内のサラリーマンに朝食をとるかどうかを尋ねた
先ほどの問題から,10 人に対する調査の結果,6 人が朝食をとると回答した
(x¯ = 0.6).
1. 信頼係数 0.95 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものになりま
すか?
2. また,信頼係数 0.99 の母集団平均に関する信頼区間の値はどのようなものにな
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 0.6 なので
1. 信頼係数 0.95 の場合は(11)式より
"
¯
x − 1.96 ·
r
¯
x(1 − x¯)
n , x¯ + 1.96 ·
r
¯
x(1 − x¯)
n
#
=
"
0.6 − 1.96 ·
r
0.6 · 0.4
10 , 0.6 + 1.96 ·
r
0.6 · 0.4 10
#
解答例
問題の設定から,n = 10,x¯ = 0.6 なので
2. 信頼係数 0.99 の場合は(12)式より
"
¯
x − 2.57 ·
r
¯
x(1 − x¯)
n , x¯ + 2.57 ·
r
¯
x(1 − x¯)
n
#
=
"
0.6 − 2.57 ·
r
0.6 · 0.4
10 , 0.6 + 2.57 ·
r
0.6 · 0.4 10
#
= [0.202, 0.998]
母集団平均の差,母集団分散,母
集団分散の比に関する信頼区間
確認事項
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団比率の信頼 区間
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
自由度の信頼区間
母集団平均の差,母集団分散,母集団分散の比に関する信
頼区間
二つの正規母集団を考え,それぞれから大きさ n と m の独立な標本を得るとする.
{X1, X2, . . . , Xn}, {Y1, Y2, . . . , Ym}
それぞれの母集団平均を µX,µY ,母集団分散を σ2
X,σ2
Y とする.
このとき,それぞれの標本平均の差について,以下の結果が成り立つ.
¯
X −Y¯ ∼ N
µX − µY , σX2
n +
σY2 m
=⇒ ( ¯Xp− Y¯) − (µX − µY )
σX2 /n + σY2 /m ∼ N(0,1)
分母の分散を推定量 S2
X,S2
Y で置き換えると,n と m が大きいときには近似的
に以下が成立.
( ¯X − Y¯) − (µX − µY )
母集団平均の差,母集団分散,母集団分散の比に関する信
頼区間
二つの正規母集団を考え,それぞれから大きさ n と m の独立な標本を得るとする.
{X1, X2, . . . , Xn}, {Y1, Y2, . . . , Ym}
それぞれの母集団平均を µX,µY ,母集団分散を σ2
X,σ2
Y とする.
標本分散について,以下の結果が成り立つ.
(n − 1) · SX2
σX2 ∼ χ
2(n
− 1)
標本分散の比について,以下の結果が成り立つ.
{(n − 1) · SX2 /σX2 }/(n − 1)
{(m − 1) · S2 /σ2 }/(m − 1) =
σY2 σ2 ×
SX2
母集団平均の差,母集団分散,母集団分散の比に関する信
頼区間
母集団平均の差 µX − µY に関する信頼係数 1 − α の信頼区間は次のように与えら
れる.
正規分布における 100 · α/2 %点 と 100 · (1 − α/2) %点をそれぞれ zα/2, z1−α/2 とする
このとき,
Pr
"
zα/2 ≤ ( ¯Xp− Y¯) − (µX − µY )
SX2 /n + SY2 /m ≤ z1−α/2
#
≈ α
µX − µY について整理すると
α ≈ Pr
"
¯
X − Y¯ − z1−α/2 ·
r
SX2
n +
SY2
m ≤ µX − µY ≤ X¯ − Y¯ − zα/2 ·
r
SX2
n +
SY2 m
母集団平均の差,母集団分散,母集団分散の比に関する信
頼区間
母集団分散 σ2
X に関する信頼係数 α の信頼区間は次のように与えられる
自由度 n − 1 のカイ二乗分布における 100 · α/2 %点 と 100 · (1 − α/2) %点をそ
れぞれ cα/2(n − 1), c1−α/2(n − 1) とする
このとき,
Pr
cα/2(n − 1) ≤ (n − 1) · S 2
X
σX2 ≤ c1−α/2(n − 1)
= α
σX2 について整理すると
α = Pr
c
1−α/2(n − 1)
(n − 1) · SX2 ≤ σ
2
X ≤
cα/2(n − 1) (n − 1) · SX2
母集団平均の差,母集団分散,母集団分散の比に関する信
頼区間
母集団分散の比 σ2
X/σY2 に関する信頼係数 α の信頼区間は次のように与えられる
自由度 (n − 1, m − 1) のF分布における 100 · α/2 %点 と 100 · (1 − α/2) %点を
それぞれ fα/2(n − 1, m − 1), f1−α/2(n − 1, m − 1) とする
このとき,
Pr
fα/2(n − 1, m − 1) ≤ σ 2
Y σX2 ×
SX2
SY2 ≤ f1−α/2(n − 1, m − 1)
= α
σX2 について整理すると
α = Pr
SX2 /SY2
f1−α/2(n − 1, m − 1)
≤ σ
2
X σY2 ≤
SX2 /SY2
fα/2(n − 1, m − 1)
応用問題(宿題ではありません)
大きさ n の正規母集団 (母平均 µ, 母分散 σ2) からの標本について考える.標本分散
に関して
(n − 1) · S2
σ2 ∼ χ
2
n−1, S
2 = 1
n − 1
n
X
i=1
(Xi − X¯)2
という性質があることを用いて,母分散 σ2 の信頼係数 0.95 の信頼区間を示してく
ださい.ただし,自由度 n − 1 のカイ二乗分布において,2.5%点,97.5%点をそれぞ れ c0.025,n−1,c0.975,n−1 として信頼区間を示してください(カイ二乗分布について
知らなくても解答可能であることに注意).
大きさ n と大きさ m の二つの正規母集団 (母平均 µX, µY , 母分散 σ2
X, σY2 ) からの標 本 {X1, X2, . . . , Xn} および {Y1, Y2, . . . , Ym} について考える.それぞれの標本平 均・標本分散を X,¯ Y¯, S2
X, SY2 として,n, m が十分大きいとき,
応用問題(宿題ではありません)
大きさ n と大きさ m の二つの正規母集団 (母平均 µX, µY , 母分散 σ2
X, σY2 ) からの標 本 {X1, X2, . . . , Xn} および {Y1, Y2, . . . , Ym} について考える.それぞれの標本平 均・標本分散を X,¯ Y¯, S2
X, SY2 として,
{(n − 1) · SX2 /σX2 }/(n − 1)
{(m − 1) · SY2 /σY2 }/(m − 1) =
SX2 SY2 ·
σY2
σX2 ∼ Fn−1,m−1自由度 (n − 1, m − 1) の F 分布
が成り立つという性質を用いて,母分散の比 σX2 σ2
Y
に関する信頼係数 0.95 の信頼区間
を示してください.ただし,自由度 (n − 1, m − 1) の F 分布において,2.5%点,
97.5%点をそれぞれ c0.025,c0.975 として信頼区間を示してください(F 分布につい
て知らなくても解答可能であることに注意).
同一のカイ二乗分布にしたがう大きさ n の標本を考える ({X1, X2, . . . , Xn}).この
カイ二乗分布の自由度を m として,m に関する信頼係数 0.95 の信頼区間を示して
ください.ただし,自由度 m のカイ二乗分布に従う確率変数の平均・分散はそれぞ
母集団分散
大きさ n の正規母集団 (母平均 µ, 母分散 σ2) からの標本について考える.標本分散
に関して
(n − 1) · S2
σ2 ∼ χ
2
n−1, S
2 = 1
n − 1
n
X
i=1
(Xi − X¯)2
という性質があることを用いて,母分散 σ2 の信頼係数 0.95 の信頼区間を示してく
ださい.ただし,自由度 n − 1 のカイ二乗分布において,2.5%点,97.5%点をそれぞ れ c0.025,n−1,c0.975,n−1 として信頼区間を示してください
問題より,
Pr
c0.025,n−1 ≤
(n − 1) · S2
σ2 ≤ c0.975,n−1
母集団分散
問題より,
Pr
c0.025,n−1 ≤
(n − 1) · S2
σ2 ≤ c0.975,n−1
= 0.95
これを σ2 について整理すると
Pr
(n − 1) · S2 c0.975,n−1
≤ σ2 ≤ (n − 1) · S
2
c0.025,n−1
= 0.95
以上より母分散 σ2 に関する信頼係数 0.95 の信頼区間は
(n − 1) · S2 c0.975,n−1
, (n − 1) · S
2
c0.025,n−1
母集団平均の差
大きさ n と大きさ m の二つの正規母集団 (母平均 µX, µY , 母分散 σ2
X, σY2 ) からの標 本 {X1, X2, . . . , Xn} および {Y1, Y2, . . . , Ym} について考える.それぞれの標本平 均・標本分散を X,¯ Y¯, S2
X, SY2 として,n, m が十分大きいとき,
( ¯X − Y¯) − (µX − µY )
p
SX2 /n + SY2 /m ∼ N(0,1)
が成り立つという性質を用いて,母平均の差 µX − µY に関する信頼係数 0.95 の信 頼区間を示してください.
問題より,
Pr
"
−1.96 ≤ ( ¯Xp− Y¯) − (µX − µY )
SX2 /n + SY2 /m ≤ 1.96
#
母集団平均の差
問題より,
Pr
"
−1.96 ≤ ( ¯Xp− Y¯) − (µX − µY )
SX2 /n + SY2 /m ≤ 1.96
#
= 0.95
これを σ2 について整理すると
Pr
"
( ¯X − Y¯) − 1.96
r
SX2
n +
SY2
m ≤ µX − µY ≤ ( ¯X − Y¯) + 1.96
r
SX2
n +
SY2 m
#
= 0.95
以上より母平均の差 µX − µY に関する信頼係数 0.95 の信頼区間は
"
( ¯X − Y¯) − 1.96
r
SX2
n +
SY2
m , ( ¯X − Y¯) + 1.96
r
SX2
n +
SY2 m
母集団分散の比
大きさ n と大きさ m の二つの正規母集団 (母平均 µX, µY , 母分散 σ2
X, σY2 ) からの標 本 {X1, X2, . . . , Xn} および {Y1, Y2, . . . , Ym} について考える.それぞれの標本平 均・標本分散を X,¯ Y¯, S2
X, SY2 として,
{(n − 1) · SX2 /σX2 }/(n − 1)
{(m − 1) · SY2 /σY2 }/(m − 1) =
SX2 SY2 ·
σY2
σX2 ∼ Fn−1,m−1自由度 (n − 1, m − 1) の F 分布
が成り立つという性質を用いて,母分散の比 σX2 σ2
Y
に関する信頼係数 0.95 の信頼区間
を示してください.ただし,自由度 (n − 1, m − 1) の F 分布において,2.5%点,
97.5%点をそれぞれ c0.025,c0.975 として信頼区間を示してください(F 分布につい
て知らなくても解答可能であることに注意).
問題より,
Pr
c0.025 ≤
SX2
2 ·
σY2
2 ≤ c0.975
母集団分散の比
問題より,
Pr
c0.025 ≤
SX2 SY2 ·
σY2
σX2 ≤ c0.975
= 0.95
これを σ2 について整理すると
Pr
(SX2 /SY2 )
c0.975 ≤
σX2 σY2 ≤
(SX2 /SY2 )
c0.025
= 0.95
以上より母分散の比 σ2
X/σY2 に関する信頼係数 0.95 の信頼区間は
(SX2 /SY2 )
c0.975 ,
(SX2 /SY2 )
c0.025
自由度の信頼区間
問題の設定から,E[Xi] = m,V[Xi] = 2m なので
E[ ¯X] = m, V[ ¯X] = 2m
n .
このとき,中心極限定理より
¯
X − E[ ¯X]
p
V[ ¯X] =
¯
X − m
p
2m/n
n→∞
−→ N(0,1)
したがって
Pr
"
−1.96 ≤ pX¯ − m
2m/n ≤ 1.96
#
自由度の信頼区間
m − 1.96 ·
q
2
n · √
m − Y¯ ≤ 0 より,
1.96 · qn2 − ·q1.962 · 2
n + 4 ¯Y
2 ≤
√
m ≤ 1.96 ·
q
2
n + ·
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
2
→ 0 ≤ m ≤ Y¯ + 1.96
2
n +
1.962
n
r
1 + 2nY¯ 1.962
m + √m1.96 ·
q
2
n − Y¯ ≥ 0 より
√
m ≤ −1.96
q
2
n −
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
2 ,
√
m ≥ −1.96
q
2
n +
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
2
→ m ≥ Y¯ + 1.96
2
− 1.96
2r
自由度の信頼区間
つまりパラメータ m に関する信頼係数 0.95 の信頼区間は
"
¯
Y + 1.96 2
n −
1.962
n
r
1 + 2nY¯
1.962, Y¯ +
1.962
n +
1.962
n
r
1 + 2nY¯ 1.962
#
また信頼係数を 0.99 とすれば,パラメータ m に関する信頼区間は
"
¯
Y + 2.56 2
n −
2.562
n
r
1 + 2nY¯
2.562, Y¯ +
2.562
n +
2.562
n
r
1 + 2nY¯ 2.562
−1.96
q
2
n +
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
2
1.962 2n + 1.962 · n2 + 4 ¯Y − 2 · 1.96
q
2
n
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
4
1.962 2n + 1.962 · n2 + 4 ¯Y + 2 · 1.96 ·
q
2
n
q
1.962 · 2
n + 4 ¯Y
4
¯
Y + 1.96 2
n +
1.962
n
r
演習宿題
確認事項
母数の推定
母集団平均の信頼 区間
母集団比率の信頼 区間
母集団平均の差,母 集団分散,母集団分 散の比に関する信頼 区間
演習宿題
演習宿題
1. 新しいエンジンを搭載した自動車で燃費を計測する実験を同一条件のもとで 30 回計
測した.その結果,30 回の1リットルあたりの平均走行距離は 22km であった.
分散の値は既知で 10 であった とする.このとき,走行距離に関する 信頼係数 0.95
の信頼区間の値はどうなるか?
2. 上と同じ設定で,分散の値は一般にはわからないので,計測結果から推定すると,
その 推定値(s2)は 10 であった.このとき,走行距離に関する 信頼係数 0.95 の信 頼区間の値はどうなるか?
3. 600 人を無作為に抜き出し,ある番組を見たかどうか尋ねた.その結果,視聴率が
90 人が「見た」と回答しました.真の視聴率(母集団比率)に関して,
信頼係数 0.95 の信頼区間の値を求めてください.
4. 血液型で性格を当てることができると信じる人は調査をした 268 人中 111 人いた.
信じている人の割合(母集団比率)に関する 信頼係数 0.99 の信頼区間の値を求めて