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2010年10月 田路則子氏 Silicon Valley Innovation Forum TAJI SVIF 20101026

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(1)

シリ

ンバレーと

ケンブリ

ジにみる

オープン・

ベーショ

法政大学 経営学部&ビジネススクール

田路則子

[email protected]

ハイテク

スタ

ート

アッ

プの経営戦略

-オープン・

イノ

ベーショ

ンの源泉』

(2)

オープン・

ベーショ

ンで高まる

ハイ

テク

スタ

ート

アッ

プへの期待

共同研究

特許利用

ス タ ー トア ッフ ゚投資

ス タ ー トア ッフ ゚買収 社内研究

研究 開発

ヒ ゙シ ゙ネ ス モ テ ゙ル

(3)

本書の内容

バイ

オテク

ロジー、

半導体、

ICT

分野のハイ

テク

スタ

アッ

プの成長事例の紹介

米国、

英国、

台湾の起業先進地域の起業イ

ンフ

がハイ

テク

スタ

ート

アッ

プ創出と

成長へ及ぼす影響

(4)

用語の定義

ハイ

テク

スタ

ート

アッ

プス

(HS)

経済的基盤を築けるまで成長できた場合には、

多く

雇用を生み、

技術変化を普及さ

せ、

自ら

つく

だし

たイ

ベーショ

ンのカ

ルチャ

ーをあら

ゆる経営体に波及さ

せて

いく

よう

な潜在的影響力を持ちう

る中小企業」

(

ーネル大学の

David BenDaniel

による

)

(5)

用語の定義

アカ

デミ

スタ

ート

アッ

プス

研究機関(

または大学)

の技術を基に、

起業家・

発明家

により

率いら

れた革新的な中小企業」

新藤晴臣

,2005

日本では一般に、

研究機関発ベンチャ

ー」

大学発ベン

チャ

ー」

呼ばれるこ

が多い。

スピンアウト

既存企業を退職し

た起業家により

率いら

れた中小企業」

(6)

ハイ

テク

スタ

ート

アッ

(HS)

シリ

ンバレー

時代と

にシリ

ンバレーは、

を生み出し

産業

を育てた

1938

HP

社創業

1950

60

半導体(

Fairchild

Int el

1970

80

Apple Oracle)

(7)

シリ

ンバレー

の先行研究

• サクセニアンによるSVの特徴

– 企業の新陳代謝激しい

– 移民が多く流入し、特に優秀な技術系人材を集まった

– ベンチャー・キャピタルが豊富な資金とノウハウを提供した

Region Advantage (Saxenian 1994)

現代の二都物語―なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128は沈んだか

• 高い労働市場の流動性

– 企業の新陳代謝激しくても、人材は企業を異動しながらSV地 域に住み、コミュニティを形成する

– 技術者は個人レベルで情報交換しながら、企業から企業へ渡 り歩いている。雇用者も解雇や雇用を煩雑に行う。人材流動化 が進むSV地域は企業間の境が無い、大きな人材市場として機 能している(バウンダリーレス・キャリア)

(8)

投資にみるシリ

ンバレーの位置づけ

• 2008年のVC投資額は、米国284億ドル、欧州は780億ドル、 日本は15億ドルであり、欧州のVCは米国のスタートアップ へも投資している。

• 米国VC投資284 億ドルの地域別内訳

Californiaに55.2%、M assachusett sに8.4%、

New Yorkに7.2%、Texas 4.8%、Washingt onに3.8% Californiaのうち、かなりをシリコンバレーが占める

• 米国VC投資284億ドルの業種別内訳

ソフトウエア17%、バイオ16%、エネルギー関連16% 通信14.2%、医療機器12% 、ITサービス7%、

(9)

起業を支える環境:

流入する人材

• シリコンバレーの人種構成 (1995−2005年のデータ) インドから移民15.5%

中国&台湾から移民12.8%

他日本、ドイツ、イラク、イスラエル、フィリピン等から数%ずつ

• 移民の創業者の割合(1995−2005年のデータ) California 39%(中でもシリコンバレーは52.4% ) New Jersey 38%

M assachuset t s 29%

・ 最近は意識が変わってきている(2008年のデータ:中国人とインド人)

留学後は米国で働いてみたいが、永住を必ずしも望まない

革新的製品を生む国は、10年後は米国、25年後は自国と予想 自国で起業を望む人は、米国で起業を望む人の3倍の数

(10)

起業を支える環境:

支援機関

• ベンチャー・キャピタル

スタートアップ専門の投資金融機関

人的資源管理の策定、人材採用活動、ストックオプションの導入、 営業担当バイスプレジデント(VP)の採用時期に影響する

(Hellman andPuri,2002)

• スタートアップ専門の弁護士、会計士、弁理士

• 大学発の技術

– TLO(技術移転機関)が大学に存在し、特許収入は大学や個人 に還元される

(11)

起業を支える環境:

高学歴者によるH

の起業

• Californiaには、St anford、UC Berkeley 、CALTECHの理工系難関 大学が所在し、技術系人材を起業家として輩出する

• CA所在の技術系企業4,230社の代表取締役の出身校に、 St anford、UC Berkeley 、CALTECHが占める割合は11.5% (Vent ure Access社2008年のデータ)

• 利点

– 同窓会ネットワークを利用できる

– VCによる審査で高い評価を得やすい

(12)

米国の事例:

バイ

オテク

ロジー

企業名 テルシカ(T erc ic a) タセレ(T ac ere)

出自 スピンアウト アカデミック・スタートアップ

技術シーズ

創業者のジェネンテック勤務

時代の技術を利用

スタンフォード大学医学部

教授の技術を利用

(S c ientific Adviser)

製品サービス 成長不全治療薬開発 RNAi関連創薬(肝炎)

設立 2000年 2002年

公開前調達額 6500万ドル 800万ドル(再設立等経緯)

出口

2004年ナスダック市場上場

(調達額5300万ドル)

未上場

アライアンス先 イプセン、藤沢薬品等

ファイザー等

(1億4500万ドル)

アライアンスの方法 特許利用、公開後に買収 特許利用、共同研究

創業者の出身 オーストラリア 米国

創業者の学歴と職位 生物学博士、C T O 生物学修士、C EO

(13)

米国の事例:

半導体・

ICT

半導体における事例 IC T における事例

企業名 S igmax T ec hwell MailF rontier B ac kblaze

出自 スピンアウト 二度目 スピンアウト 二度目

技術シーズ 起業後開発 起業後開発 起業後開発 起業後開発

製品サービス

C D- R OM制御チップ 設計

監視カメラ用チップ 設計

スパムメール対策 ソフト

自動バックアップ システム

設立 1994年 1997年 2001年 2007年

公開前調達額 ? 6300万ドル 1600万ドル 0

出口

2年で売却 (1440万ドル)

2006年NAS DAQ上場 (調達額5000万ドル)

2005年売却 (3100万ドル)

未上場

アライアンス先 アダプテック サムソン、三洋電機 ソニックウォール 日本企業?

アライアンスの 方法

スタートアップ買収

共同研究、 スタートアップ投資

スタートアップ買収 買収の交渉有

創業者の出身 日本 米国

創業者の学歴と職 位

米国大学理学部卒、 C E O

C E O 工学修士、C T O C T O

(14)

技術シーズ

技術革新性高い分野(

バイ

オテク

ロジーの事例)

①大企業や大学の持つ技術シーズ利用

HS

が事業化

③別の大企業にラ

センシングやバイ

アウト

大企業と

競合し

ない事業ド

ン(

半導体と

ICT

の事例)

①大企業の隙間を狙う

製品や市場の設定

②開発リ

ード

ムの早さ

(15)

チームレベルで繰り

返す起業

成功後のシリ

アルな起業であっ

ても

失敗後の再チャ

レンジであっ

ても

同じ

構成メ

ンバーで再度の起業が

はから

れるこ

が多い。

経営陣も

雇用さ

れる人材も

あたかも

ひと

つのチー

ムのよう

に、

スタ

ート

アッ

プから

スタ

ート

アッ

プへ渡り

のよう

に移動し

ていく

起業に関わる人的資源が狭い地域にプールさ

れてい

て、

ビジネスチャ

ンスがあると

一気に複数の人材が供

給さ

れるのではなく

適切なタ

ングで必要な人材が

(16)

VC

の役割

VC

は、

出口戦略に影響を与える。

近い将来の

IPO

の可能性がみえなければ、

バイ

アウ

を出口戦略と

てすすめる。

VC

によっ

て、

成長可能性のないスタ

ート

アッ

プが早

淘汰さ

れるこ

で、

次の起業の機会が促さ

れ、

(17)

ケンブリ

ジ地域の歴史

地理的条件

ロンドンの北北東約80KM(ケンブリッジ州の州都) 1960年代までは農業地域

ロンドン地域から移転した小規模工場が周辺に点在するだけで 大企業が存在せず

歴史的経緯

1209 Cambridge University 創立(創立800年) 1960 Cambridge Consultant Ltd. 設立

1968 CAD Centre 設立 → 1983年民営化 *国研の民営化(HSのさきがけ)

1970 Cambridge Science ParkをTrinity Collegeの土地に設立 *最初のサイエンスパーク

1985 Cambridge Phenomenon Report by Segal

(18)

ケンブリ

ジ現象の特徴

数多く

のハイ

テク

企業が集積し

ているこ

ハイ

テク

企業の技術分野は、

ICT

ハード

ウエア、

ウエア)

エレク

ロニク

ス、

バイ

オテク

ロジーが

主であるこ

創業し

たばかり

で、

規模が小さ

独立系で、

ケンブ

ジ生まれである

HS

が多いこ

HS

は技術開発やデザイ

ンを主な事業にし

ているか、

付加価値の高い製品を少数生産し

ているこ

HS

は大学や公的・

民間の研究機関と

連携し

てビジ

ネス展開を行っ

ているこ

(19)

HS

を支える特別のイ

ンフ

HSが技術開発やデザインを主な事業にしているか、付加価 値の高い製品を少数生産することを支えるのは、

• 製品の企画と開発を請け負うコンサルタント会社

1963年Cambridge Consult ant s, 1970年PA Technology Cent re 1987年 The Technology Part nership, 1996年Cambridge Design

Part nership

• 研究ではなく、開発を手伝って製品化することが役割

(20)

HS

を支える起業イ

ンフ

技術移転・創業支援機関:Cambridge Enterprise Ltd.

大学100%出資、スタッフ45名、ライセンシング、スタートアッ プ創業支援、出資を行う。

2006年の設立時から2009年まで90社程度に出資した。

VC投資

ケンブリッジ地域に対するVC投資はUK全体の18%、 総額約1,278億円(2007年)

ライフサイエンスが36%、ICTが40%を占める。

資金調達

エンジェル、大学のギャップファンド、国内VC、海外VCの

(21)

アカ

デミ

スタ

ート

アッ

プの現状

1990年からケンブリッジ大学の技術を使ったアカデミック・ス タートアップ(AS)は一貫して増加傾向にある。

1998年までは毎年10社以下、2002年と2005年は20社

2008年時点で事業継続中のASは45社

大学の技術を使ってはいないが、博士課程の学生が起業し たスタートアップは3倍以上存在している。

(22)

英国の事例:

バイ

オテク

ロジー

企業名 Abc am Astex

出自 アカデミック・スタートアップ アカデミック・スタートアップ

技術シーズ

ケンブリッジ大ポスドク(創業

者でC E O)

ケンブリジ大教授(創業者の

ひとり)

製品サービス 抗体の開発と調達

創薬支援ツールの提供・

新薬開発

設立 1998年 1999年

公開前調達額

5000万円( £=197円) 未公開で144億円

($=92円)

出口

2005年AIM上場

(調達額30億円)

£=197円

未公開

アライアンス先 各大学

アストロゼネカ、ファイザー、

藤沢薬品、三菱ファーマ

アライアンスの方法 大学研究室から仕入れる 共同研究・受託研究

創業者の出身 英国 英国

創業者の学歴と職位 生物学博士・CEO 生物学博士・CEO・取締役

(23)

英国の事例:

半導体・

ICT

半導体 I CT

企業名 C DT Bango

出自 アカデミック・スタートアップ 3回目起業

技術シーズ

ケンブリッジ大学教授(創業者

のひとり)

起業後開発

製品サービス

有機発光ダイオードの素材・

デバイス開発

携帯向け課金・

支払いサービス提供

設立 1989年 1999年

公開前調達額 160億円($=92円) ?億円

出口

2004年NAS DAQ上場、2007年

住友化学へ売却(262億円)

($=92円)

2005年AI M上場

(調達額12億円)

1£=197円

アライアンス先

住友化学・フィリップス、

エプソン

_

アライアンスの 方法 特許利用・共同研究 _

創業者の出身 英国 英国

創業者の学歴と職位 博士・C T O 工学学士・CEO

(24)

ケンブリッジ地域:まとめ

100

社以上の

VC

投資をう

けた

HS

が集積し

毎年

新たに

10

社以上が創業し

ているアカ

デミ

ート

アッ

プを含む

HS

の創業のイ

ンフ

が確立さ

れた例外的な地域

技術コ

ンサルティ

ング会社や

VC

や起業家やエン

ジェ

ルが多数存在し

それら

が個別の役割を果た

ながら

複合的な効果をも

たら

スタ

ート

アッ

を含むハイ

テク

産業を集積さ

せている

(25)

ケンブリ

地域と

米国と

の関係

米国市場の重要性

• Bangoは、販売や業務提携の責任者は米国人であり、NYに オフィスを持つ

• Abcamの売上高の4割強は北米であり、米国ケンブリッジに 拠点を持つ。

資金調達

• CDTは、大型投資を米国の東海岸のVCから受け、NASDAQに 公開した。

(26)

日本の大手企業の姿

• 米国・英国のスタートアップを共同研究やライセンシングの 提携先として選ぶ

• 投資を行うことも少なくない。

• 買収にも積極的、特にバイオテクノロジーと素材関係

(27)

日本のスタートアップに対しては、

• 共同研究開発も、試作品の前払いをすることも稀

• 数千万の前払金を拒否する(海外には数十億単位の投資)

日本のスタートアップは、パートナーではなく、サプライヤー に過ぎない、、、?

国内のイノベーションの源泉を見捨てた先にあるものは、何 だろうか?

(28)

日本のハイ

テク

スタ

ート

アッ

プを顧みると

通常のスタートアップの状況は、、、

• 日本の起業家たちが掲げる堅実・謙虚な目標

• ベンチャーキャピタルの未成熟

• 新興企業の深刻な人材不足 ∼ 有能な人材の大手志向

Feigenbaum & Brunner (2003) 筆者の調査からは、、

• グローバル市場は、国内市場を制覇した後で狙うつもり

• 大企業からのスピンアウトが多く、チームではなく、孤独な起業

• ハイテク・スタートアップの経営者は、CTOタイプがCEOの役割も

担うため、営業、マーケティング、財務が疎かになる。

参照

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