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平成21年度普通会計・連結財務書類

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Academic year: 2018

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(1)

(2)

目 次

はじめに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅰ 新地方公会計制度について

1 導入モデル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2 作成書類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

Ⅱ 普通会計の財務諸類

1 作成上の基本的前提 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 普通会計の貸借対照表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3 普通会計の行政コスト計算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 4 普通会計の純資産変動計算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 5 普通会計の資金収支計算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 6 普通会計財務書類4表の関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 7 普通会計財務書類を活用した分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅲ 茅野市の連結財務書類

1 連結の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 2 連結の範囲と方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 3 対象会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 4 使用した基礎数値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 5 連結の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 6 茅野市の連結財務書類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 7 連結財務書類の分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 8 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35

普通会計財務書類4表・連結財務書類4表・付属書類 ・・・・・・・・・・・・・・ 37

(3)

はじめに

茅野市では、平成12年5月に旧自治省様式に基づく平成10年度及び平成11年度版のバランス シートを公表しました。バランスシートにより、単年度の収支決算報告書では把握することができな かった長年の行政活動の結果として形成された資産の状況、その財源となった資金の調達状況などが 明らかになり、市の財政運営における貴重な指針になるとともに、市民に対して新しい視点からの財 政情報の提供が可能になりました。

しかし、一方でバランスシートは、近年多くの市町村が積極的に取組んでいる「ソフトのまちづく り」におけるサービスに関わる経費については、資産形成につながらない経費であるため、一切表わ すことができないという課題がありました。このような不足している視点に対応するため、総務省は 平成13年3月に『地方公共団体の総合的な財政分析に関する調査研究報告書』の修正版と「行政コ スト計算書」及び「地方公共団体全体のバランスシート」の作成マニュアルを新たに示しました。(説 明の都合上、以下「総務省方式旧モデル」と呼びます。)

茅野市も、時代に即した行政運営を目指して行政改革を進める中で、行政の効率性や合理化等の状 況を明らかにすることや市民に対してより総合的な財政状況を説明する上でも、資産形成につながら ない「行政サービス」の経費の把握も財政運営における重要項目と捕らえ、平成13年9月に、平成 12年度末時点の普通会計バランスシートに併せ「行政コスト計算書」と「茅野市全体のバランスシー ト」も公表しました。これらは、従来の地方自治法に基づく決算報告書である「歳入歳出決算書」を補 うものとして、より総合的な財政分析を可能にするものとして、以後、継続して作成・公表してきま した。

このような中、総務省は、資産・債務に関する情報開示と適正な管理を一層進めることを目的とし て、平成20年度決算から、財務書類4表(貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資 産変動計算書)を、新たに示された2つの財務書類作成モデル(「基準モデル」と「総務省方式改訂 モデル」)に基づき、一部事務組合・広域連合・公社・第三セクターを含む連結ベースで作成し、公 表するよう地方自治体に要請しました。これを受けて茅野市は、コンピュータシステムの改修等を必 要とせずに作成できる「総務省方式改訂モデル」を採用し、連結財務書類を作成しました。

また、平成20年度から、財政健全化法に基づく新しい財政指標も整備されましたので、これらの 指標を併せてみていただくことにより、市の財政状況をよりご理解いただけることと思います。

(4)

Ⅰ 新地方公会計制度について

1 導入モデル

新地方公会計制度では、「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」の2種類のモデルが示され ています。それぞれのモデルの特徴は、

「基準モデル」

・適用初年度に全ての資産の時価評価が終了している必要がある。

・現金主義の出納データを発生主義に変換するためのコンピュータシステムが必要となる。

「総務省方式改訂モデル」

・適用初年度は、決算統計の投資的経費の積み上げ数値を資産とすることができる。 ・コンピュータシステムは必要とならない。

などとなっています。

茅野市では、コンピュータシステムの導入コストを抑え、効率的に新公会計システムに対応する ため、「総務省方式改訂モデル」を採用し、段階的導入を実施していきます。今後、資産台帳の整 備を進め、各財務書類の精度の向上を図っていきます。

2 作成書類

作成書類は、これまで作成してきた貸借対照表(これまで公表してきた総務省方式旧モデルの財 務書類では「バランスシート」と呼んできましたが、新公会計制度では「貸借対照表」と呼んでい るため、今後は呼称を「貸借対照表」とします。)、行政コスト計算書に、純資産変動計算書、資 金収支計算書を加えた4表を作成します。

ア 貸借対照表

貸借対照表は、基準日現在において保有するすべての資産、負債等のストックの状況を総括 的に表示した報告書です。

左側(借方)は「資産の部」として、本市がどのような資産を保有しているか、資金の使い途

「資金の運用状況」を示しています。

右側(貸方)は、資金がどこから集められたか、「資金の調達状況」について地方債や債務 負担行為等の「負債の部」と、国や県からの補助金、市民からの税金等の「純資産の部」に分け て示しています。

(5)

イ 行政コスト計算書

地方公共団体の行政活動は、道路や学校建設など社会資本の整備(資産の形成)だけでな く、人的サービスや給付サービスなど、資産形成につながらない行政サービスが大きな比重 を占めます。「行政コスト計算書」はこれらの行政サービスに係るコストの側面から1年間に 実施された地方公共団体の活動実績に関する情報を把握するものです。

企業会計の「損益計算書」に近い表ですが、行政には、使用料・手数料のように一部受益者負 担はありますが、企業の収益にあたる概念がありませんので、名称を「行政コスト計算書」とし、 コストと収益ではなく、コストと財源の関係を示します。

ウ 純資産変動計算書

貸借対照表の純資産の部に計上されている各数値が1年間でどのように変動したかを表し ている計算書です。純資産の部は今までの世代が負担してきた部分であり、1年間に今までの 世代が負担してきた部分が増えたのか減ったのかがわかります。

エ 資金収支計算書

歳計現金(=資金)の出入りの情報を「経常的収支の部」、「公共資産整備収支の部」、「投 資・財務的収支の部」の3つの区分(活動)に分けて表示したものです。どのような活動に資 金が必要とされ、それをどのように賄ったかがわかります。

以上4表の関係を表すと次のようになります。

図 ― 1

… 歳計現金

期末歳計現金残高 負債

純資産

期首歳計現金残高 当期収支

+ 収入-

支出 資産

行 政 コ ス ト 計 算 書

資 金 収 支 計 算 書 貸 借 対 照 表

期首純資産残高 経常行政コスト

経常収益 純経常行政コスト

資産評価替え等 期末純資産残高 純 資 産 変 動 計 算 書

純経常行政コスト 一般財源、補助金受入等

(6)

Ⅱ 普通会計の財務諸類

1 作成上の基本的前提

(1)普通会計とは

地方公共団体では、一般会計の他に特別会計を設けて経理を行っていますが、会計の種類やそ の対象とする範囲は、どの団体も同じではありません。そこで、総務省で統一的な基準を作り、 自治体間の比較ができるようにしたものが「普通会計」です。具体的には、水道や下水道事業の ように料金収入を持って賄うべき事業や、国民健康保険のように保険料収入をもって賄うべき事 業を除いたものが普通会計となります。

茅野市の場合、一般会計と普通会計は、ほぼイコールとなりますが、一部、特別会計で経理す べきとされている内容を一般会計で経理しているため、その分だけ一般会計の決算額と差が生じ ています。平成21年度決算では、ふれあいの里特別会計との調整で 10,578 千円、後期高齢者 医療特別会計との調整で 5,059 千円、合わせて 15,637 千円が一般会計の決算額より少なくなっ ています。

(2)作成基準日

作成基準日は、平成22年3月31日(平成21年度末)とし、平成22年4月1日~5月3 1日までの出納整理期間の収支は基準日までに終了したものとして取り込んで処理しています。

(3)基になる数値

使用した基礎数値は、決算統計が始まった昭和44年度から平成21年度までの41年間の

「決算統計」データを用いました。新地方公会計制度実務研究会報告書(平成19年10月:総 務省(この報告書に作成要領が示されている)以下、「報告書」という)では、昭和43年度以 前に取得した財産及び寄附等により無償で取得した財産についても資産に反映させることとな っていますが、今回作成の財務書類には反映していません。今後、台帳整備等を行って反映させ ていきます。

(7)

2 普通会計の貸借対照表

(1)新地方公会計制度(総務省方式改訂モデル)と従来方式(総務省方式旧モデル)との違い

計上科目 旧モデル 改訂モデル 茅野市の対応

資産の部

公共資産

o「有形固定資産」

として決算統計の 普通建設事業費を 残存価額ゼロの定 額法で、取得年度 から減価償却を行 った数値を計上。

o「有形固定資産」として決算統計の 普通建設事業費を残存価額ゼロの定 額法で、取得した年度の翌年度から 減価償却を行った数値を計上。 o 耐用年数の変更。

o 上記に加えて、決算統計が始まる 以前に取得した資産や寄附等により 取得した資産、反対に除売却により 現在存在しない資産など、決算統計 の積み上げ数値では把握できないも のも極力反映させて計上。

o 資産台帳の整備を進め、決算統計 の数値の積み上げではなく、時価評 価をした資産価額で計上するように 求められている

o 行政目的別の区分の変更。 o 行政目的で使用されていない普通財 産を上記の決算統計の積み上げ数値 から控除し、「売却可能資産」として 区分計上。

o 平成21年度決算の財務書 類では、決算統計の積み上げ 数値を計上してあり、決算統 計が始まる以前のものや寄附 等による取得、除売却による 減少は反映していない。

o 普通財産のうち、広域消防で 使用している土地以外を時価 評価して計上。

投資等

o「投資及び出資 金」、「貸付金」、 財政調整基金及び 減 債 基 金 以 外 の

「基金」の額面額 を計上。

o 従来の計上に加え、「投資及び出 資金」及び「基金」の運用先につい て市場性のあるものは市場価格、市 場性のないものは相手先の財務状況 に応じて時価評価をして計上。 o 収入未済額のうち 1 年以上の長期に わたる延滞債権(滞納繰越分)を長期 延滞債権として計上。

o 長期延滞債権のうち一定額以上のも のについて、相手先ごとに回収可能か どうかを判断し回収不能と見込まれる 額を回収不能見込額としてマイナス計 上。

o 時価評価をして計上。

o 長期延滞債権を計上。

o 長期延滞債権の回収不能見 込額について、相手先ごとの 個別評価は行わず、不能欠損 の実績による実績率で計上。

流動資産

o「歳計現金」、「財 政調整基金」、「減 債基金」及び「未 収金(=収入未済 額)」を計上。

o「歳計現金」、「財政調整基金」、

「減債基金」に加え、収入未済額のう ち当該年度に発生した分(現年分)を

「未収金」として計上。長期延滞債権

と同様に回収不能見込額をマイナス計 o 不能欠損実績率により回収

(8)

計上科目 旧モデル 改訂モデル 茅野市の対応

負債の部

固定負債

o「地方債」のう ち 翌年 度以 降償 還予定額、「債務 負担行為」のうち 既 に物 件の 引き 渡 しを 受け たも の、「退職給与引 当金」を計上。

o従来の計上に加え、債務負担行為 のうち債務保証を行っているもの で債務の履行額が確定していない ものについても、将来債務の履行 が見込まれるものについて「損失 補償引当金」として計上。 o「債務負担行為」及び「退職給与 引当金」のうち翌年度支払予定額 は流動負債に計上。

o土地開発公社への債務保証 のうち、土地開発公社の土地 を時価評価した時の債務超 過額を損失補償引当金とし て計上。

流動負債

o「地方債」のう ち 翌年 度償 還予 定額、「翌年度繰 上 充用 金」 を計 上。

o 従来の計上に加え、次年度(N+1 年度)6 月賞与のうち、当年度(N 年度)に発生したとみなされる分

(N+1 年度 6 月賞与は N 年度 12 月 から N+1 年度 5 月を基準とすると みなすと、4 か月分は N 年度のコス トなる。)を「賞与引当金」とし て計上。

o6月賞与支払額の6分の4 を計上。

純資産の部

o「国庫支出金」、

「県支出金」、「一 般 財源 等」 を計 上。

新たに次のように分類

o「公共資産等整備国県補助金等」 資産を取得した際の財源のう

ち、国・県から補助を受けた金 額について、「公共資産」と同 様に減価償却をして計上。 o「公共資産等整備一般財源等」

公共資産等(≒公共資産+投資 等)の整備に充てられた財源のう ち、国県補助金、地方債、債務負 担行為等を除いた一般財源の金 額。

o「その他一般財源等」

「資産の部」-「負債の部」-

「 公 共資 産 等 整備 国 県 補 助金 等」-「公共資産等整備一般財源 等」-「資産評価差額」

o「資産評価差額」

資産を時価評価した際の取得 価額との差額や、寄附等により 資産を取得した際の差額。

o 総務省方式改定モデルのと おり。

(9)

平成21年度茅野市の普通会計貸借対照表の概要

(1) 全 体 資 産 1,194億0千万円 負 債 330億4千万円 純 資 産 863億6千万円

(ア) 資 産 公共資産 1,123億6千万円(資産全体の94.1%) 投 資 等 27億2千万円( 〃 2.3%) 流動資産 43億2千万円( 〃 3.6%) (イ) 負 債 地方債(流動負債分含) 247億8千万円(負債全体の75.0%) 退職手当引当金(流動負債分含) 45億2千万円( 〃 13.7%) 損失補償等引当金 34億4千万円( 〃 10.4%) 賞与引当金 1億9千万円( 〃 0.6%) 未払金(流動負債分含) 1億1千万円( 〃 0.3%)

(ウ) 純資産 公共資産等整備国県補助金等 165億6千万円(純資産全体の 19.2%) 公共資産等整備一般財源等 817億4千万円( 〃 94.7%) その他一般財源等 △113億6千万円( 〃 △13.2%) 資産評価差額 △5億8千万円( 〃 △0.7%)

(10)

(単位:千円)

[資産の部] H21末 H20末 増減額 [負債の部] H21末 H20末 増減額

1 公共資産 1 固定負債

(1) 有形固定資産 (1) 地方債 22,345,563 23,077,867 △ 732,304

①生活インフラ・国土保全 60,981,862 60,985,962 △ 4,100 (2) 長期未払金

②教育 20,158,229 19,897,781 260,448 ①物件の購入等 100,664 0 100,664

③福祉 5,977,690 6,072,649 △ 94,959 ②債務保証又は損失補償 0 0 0

④環境衛生 836,469 895,178 △ 58,709 ③その他 0 0 0

⑤産業振興 7,681,433 8,078,764 △ 397,331 長期未払金計 100,664 0 100,664

⑥消防 501,094 561,901 △ 60,807 (3) 退職手当引当金 4,466,167 4,226,899 239,268

⑦総務 14,044,251 14,468,607 △ 424,356 (4) 損失補償等引当金 3,440,053 3,700,697 △ 260,644 有形固定資産計 110,181,028 110,960,842 △ 779,814

(2) 売却可能資産 2,181,175 2,289,715 △ 108,540 固定負債合計 30,352,447 31,005,463 △ 653,016

公共資産合計 112,362,203 113,250,557 △ 888,354

2 流動負債

(1) 翌年度償還予定地方債 2,435,604 2,519,298 △ 83,694

2 投資等 (2) 短期借入金(翌年度繰上充用金) 0 0 0

(1) 投資及び出資金 (3) 未払金 11,200 0 11,200

①投資及び出資金 377,492 377,492 0 (4) 翌年度支払予定退職手当 48,767 378,755 △ 329,988

②投資損失引当金 0 0 0 (5) 賞与引当金 192,336 196,587 △ 4,251

投資及び出資金計 377,492 377,492 0

(2) 貸付金 207,604 232,909 △ 25,305 流動負債合計 2,687,907 3,094,640 △ 406,733

(3) 基金等

①退職手当目的基金 315,904 314,208 1,696

②その他特定目的基金 539,098 638,823 △ 99,725 負  債  合  計 33,040,354 34,100,103 △ 1,059,749

③土地開発基金 550,912 693,730 △ 142,818

④その他定額運用基金 0 0 0

⑤退職手当組合積立金 0 0 0 [純資産の部]

基金等計 1,405,914 1,646,761 △ 240,847

(4) 長期延滞債権 1,079,839 969,958 109,881 1 公共資産等整備国県補助金等 16,554,352 16,715,881 △ 161,529 (5) 回収不能見込額 △ 352,268 △ 271,027 △ 81,241

2 公共資産等整備一般財源等 81,743,405 81,735,316 8,089 投資等合計 2,718,581 2,956,093 △ 237,512

3 その他一般財源等 △ 11,357,254 △ 11,304,596 △ 52,658

3 流動資産 4 資産評価差額 △ 580,283 △ 503,756 △ 76,527

(1) 現金預金

①財政調整基金 2,135,087 2,205,232 △ 70,145

②減債基金 1,212,674 1,343,717 △ 131,043 純  資  産  合  計 86,360,220 86,642,845 △ 282,625

③歳計現金 740,293 739,308 985

現金預金計 4,088,054 4,288,257 △ 200,203 (2) 未収金

①地方税 318,083 290,674 27,409

②その他 20,880 40,243 △ 19,363

③回収不能見込額 △ 107,227 △ 82,876 △ 24,351

未収金計 231,736 248,041 △ 16,305

流動資産合計 4,319,790 4,536,298 △ 216,508

資  産  合  計 119,400,574 120,742,948 △ 1,342,374 負 債 ・ 純 資 産 合 計 119,400,574 120,742,948 △ 1,342,374

茅野市の普通会計貸借対照表の前年比較

(平成22年3月31日現在)

借      方 貸      方

(11)

◎ 期首貸借対照表との主な増減理由

(1) 資産の部

公共資産

・生活インフラ・国土保全の減 減価償却費△1,398,253 千円、西口整備事業費 574,705 千円など

・教育の増 減価償却費△494,563 千円、小学校耐震補強事業費 160,177 千円など

・福祉の減 減価償却費△263,704 千円、豊平保育園建設事業費 72,847 千円など

・環境衛生の減 減価償却費△60,563 千円、市民の森整備事業費 1,008 千円など

・産業振興の減 減価償却費△624,546 千円、市単土地改良事業費 78,133 千円など

・消防の減 減価償却費△76,587 千円、防火貯水槽整備事業費 7,524 千円など

・総務の減 減価償却費△466,388 千円、公用車整備事業費 6,402 千円など

・売却可能資産の減 土地評価額が下がったことなどによる 108,540 千円の減

投資等

・貸付金の減 ふるさと融資貸付金を 26,190 千円回収したことなどによる減

・基金の減 公共施設整備基金取崩し 100,000 千円、土地開発基金からの繰入 130,000 千円

・長期延滞債権の増 収入未済額のうち滞納繰越分の増により 109,881 千円の増

・回収不能見込額の減 長期延滞債権の増及び不能欠損実績率の上昇により 81,241 千円の減

(マイナスが増えた)

流動資産

・財政調整基金の減 取崩し 100,000 千円など

・減債基金の減 取崩し 150,000 千円など

・歳計現金の増 繰越金 985 千円の増

・未収金の減 回収不能見込額が増えたことによる 16,305 千円の減

(2) 負債の部

① 地方債全体(翌年度償還予定額も含む)の減

・借入れより元金償還が多かったことによる 815,998 千円の減 元金償還 2,519,298 千円、新規借入れ 1,703,300 千円

② 退職手当引当金(翌年度支払予定額も含む)の減 ・職員数の減により 90,720 千円の減

③ 損失補償等引当金の減

・公社の債務超過見込額の減により 260,644 千円の減

賞与引当金の減

・職員数の減により 4,251 千円の減

(3) 純資産の部

① 公共資産等整備国県補助金等 161,529 千円の減

② 公共資産等整備一般財源等 8,089 千円の増

③ その他一般財源等 52,658 千円の減(マイナスが増えた)

(12)

3 普通会計の行政コスト計算書

(1)作成上の基本的前提

① 計上したコストの範囲は、基本的に決算統計の数値を利用しますが、現金の収支にとどま らず、1年間の市民に提供した行政サービスに要したと考えられる全てのコストを計上しま した。

(減価償却費、退職手当引当金繰入等、賞与引当金繰入額、回収不能見込計上額、といった 非現金支出も加えました。)

② 行政コストの分類は、マニュアルに基づき、人件費、物件費、社会保障給付(扶助費)、 補助金等などの性質別経費と、教育、福祉などの目的別経費を合わせた区分により分類しま した。

③ 「現金主義」で経理が行われている普通会計について、その発生した年度に正しく割り当 てられるよう「発生主義」に基づく整理・調整を行いました。

(2)行政コスト計算書の内容

① 経常行政コストの内容

性質別経費は大きく4分類としました。

「人にかかるコスト」 人件費(退職手当、前年度賞与引当金を除く)、退職手当引当金 繰入等、賞与引当金繰入額

「物にかかるコスト」 物件費、維持補修費、減価償却費

「移転支出的なコスト」 社会保障給付、補助金等、他会計等への支出額、他団体への公共 資産整備補助金等

「その他のコスト」 支払利息、回収不能見込計上額、その他行政コスト

行政コスト計算書は発生主義の考え方で作成します。現金主義に基づく官庁会計の収支をまとめた

「決算統計・決算収支報告書」とでは、支出のとらえ方に次のような相違があります。

(人件費)

現金主義では、退職手当は退職時に実際に支払いが行われてはじめてコストとしてとらえま すが、発生主義では、退職手当は在職中から在職期間に応じて発生しているという考え方をし ます。発生主義では、実際支払われた退職手当はコストにはカウントせず、当期末に必要な退 職手当引当額から前期末退職手当引当金額(当期支払額を除く)を差し引いた差額を「退職手当 引当金繰入等」としてコストとします。また、次年度(N+1 年度)6 月賞与については、N 年度 12 月から N+1 年度 5 月を基準とするとみなすと、4 か月分は N 年度に発生したものとみなされ るため、賞与引当金繰入額をコストに計上します。

(13)

(普通建設事業費と減価償却費)

普通建設事業費とは、道路や学校など公共施設の建設に代表される投資的経費をいいます。 現金主義では、施設の建設の際に、現金の支払いが発生しますので建設事業費がそのままコス トとしてとらえられます。しかしその後は、施設の使用により、施設が老朽化して価値が減少 しても、お金をかけて修繕をしない限り現金の支払いは発生しませんので、コストがかかって いるとは考えません。

一方、発生主義では施設を建設したときは、建設費という現金に見合う建物が資産として形 成されますので、コストがかかったとは考えませんが、施設が古くなることで価値が目減りし た分を「減価償却費」の名でコストとして計上します。

(市債償還額(元金)、貸付金、投資及び出資金、積立金)

現金主義では、これらをコストとしてとらえますが、発生主義では、単なる資金繰り、ある いは現金から資産に形を換えただけでコストとは考えません。

(回収不能見込計上額)

発生主義では、市税などについて、実際に収入がなされていなくても最初に調定を行った時 点で収入と見なします。しかし、時効などにより収入することができなくなったと判断し、不 納欠損処理(未収入金からはずすこと)がなされた場合は、その額はコストとして認識されま す。新地方公会計制度では、不能欠損処理をする前の段階で、回収できないと見込まれる額に ついて「回収不能見込額」として計上するため、回収不能見込額に計上した時点でコストとし て認識します。

② 経常収益の内容

使用料・手数料 施設の使用料、証明書発行手数料等

分担金・負担金・寄附金 事業により受益を受ける人からの分担金・負担金等 ※いずれも現年調定額

収入における、発生主義と現金主義では、次のような相違があります。

発生主義では、滞納繰越分収入は、当初収入すべきであった年度に既に収入としてとらえている ため、実際に収入があったとしても収入とは考えません。逆にその年に収入すべきものについては、 実際に収入されず未収入金となっても、発生主義ではその分も含めその年の収入としてとらえます。

(3)新地方公会計制度(総務省方式改訂モデル)と従来方式(総務省方式旧モデル)との違い

① 貸借対照表の変更に合わせた修正を行っています。(例:賞与引当金の新設により賞与 引当金繰入額を新設。行政目的別項目の変更。等)

② 経常収益の項目が、旧モデルでは、使用料・手数料、分担金・負担金・寄附金のほかに、 市税等の一般財源、資産形成に充当されるもの以外の国県支出金、諸収入等全ての収入 が行政コスト計算書に計上されていましたが、改訂モデルではこれらの収入は純資産変 動計算書に計上されることとなっています。

(14)

○茅野市の行政コスト計算書

行政コスト計算書は、41頁の別表「普通会計行政コスト計算書」のとおりです。 (1)経常行政コスト総額 195億3千万円

(2)経常収益総額 9億4千万円 (3)(差引)純経常行政コスト 185億9千万円

(コスト区分の内容)

・人件費‥‥職員の給料・手当等(退職手当、前年度賞与引当金除く)

・退職手当引当金繰入等‥・・当期末の退職手当引当金額から前期末の退職手当引当金(当期支払額を除く)を差し引いた差額

・賞与引当金繰入額・・・・次年度(N+1 年度)6 月賞与の 6 分の 4(4か月分)

・物件費‥‥旅費や消耗品費、光熱水費、施設管理委託料、臨時職員の賃金など

・維持補修費‥‥建物の修繕、備品の修理、道路の補修費など

・減価償却費‥‥建物や道路等の価値が年数を経ることにより目減りする分を1年に換算してコストとします。

・社会保障給付‥‥生活保護や児童福祉、身体障害者などの生活等を助けるための交付金、物品の提供にかかる経費

・補助金等‥‥他団体の事業に対する補助金(普通建設事業にかかわるものは除く)、国や県、一部事務組合等の業務を行う ための負担金など

・他会計等への支出額‥‥下水道事業・国民健康保険などの特別会計、白樺湖下水道組合などの一部事務組合への負担金

・他団体への公共資産整備補助金等・・‥茅野市以外の団体・個人の普通建設事業への補助金・負担金

行政コスト計算書 (単位:百万円)

コスト区分 金 額 比率(%)

人件費 3,018 15.5

退職手当引当金繰入等 396 2.0

賞与引当金繰入額 192 1.0

コスト人にかかる

(小計) 3,606 18.5

物件費 2,924 15.0

維持補修費 249 1.3

減価償却費 3,385 17.3

コスト物にかかる

(小計) 6,558 33.6

社会保障給付 2,283 11.7

補助金等 3,091 15.8

他会計等への支出額 2,999 15.4

他団体への公共資産整備補助金等 335 1.7

移転支出的なコスト

(小計) 8,708 44.6

支払利息 449 2.3

回収不能見込計上額 208 1.0

コストその他の

(小計) 657 3.3

経常行政コスト 19,529 100

(15)

4 普通会計の純資産変動計算書

貸借対照表の純資産の部に計上されている各数値が1年間でどのように変動したかを表している 計算書です。純資産の部は今までの世代が負担してきた部分であり、1年間に今までの世代が負担し てきた部分が増えたのか減ったのかがわかります。

純資産変動計算書 (単位:百万円) 純資産内訳

変動項目 純資産合計

公共資産等整備 国県補助金等

公共資産等整備 一般財源等

その他 一般財源等

資産評価 差額 期首純資産残高 86,643 16,716 81,735 △11,304 △504

純経常行政コスト △18,586 △18,586

地方税 9,024 9,024

地方交付税 4,158 4,158

その他行政コスト充当財源 1,706 1,706

補助金等受入 3,330 332 2,998

災害復旧事業費 △47 △47

公共資産除売却損益 △27 △27

損失補償等引当金繰入等 261 261

科目振替 △494 8 460 26

資産評価替えによる変動額 △102 △102

期末純資産残高 86,360 16,554 81,743 △11,357 △580

(純経常行政コスト)

行政コスト計算書で算出した純経常行政コストをマイナス値で計上します。

(地方税・地方交付税・その他行政コスト充当財源)

発生主義では、滞納繰越分収入は、当初収入すべきであった年度に既に収入としてとらえて いるため、実際に収入があったとしても収入とは考えません。

逆にその年に収入すべきものについては、実際に収入されず未収入金となっても、発生主義 ではその分も含めその年の収入としてとらえます。

その他行政コスト充当財源には、地方譲与税、利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所 得割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、自動車取得税交付金、地方特例交付 金、交通安全対策特別交付金、財産収入、繰入金、諸収入があります。ただし、基金の取り崩 しや、貸付金の回収など貸借対照表の資産・負債の増減となる項目は除いています。

(補助金等受入)

資産形成に使われた国・県支出金は、「公共資産等整備国県補助金等」の欄に、それ以外の 国・県支出金はその他一般財源等の欄に整理されます。

(16)

(災害復旧事業費)

災害復旧事業費は、旧モデルでは行政コスト計算書に計上されていましたが、改訂モデルで は純資産変動計算書に計上されます。

(公共資産除売却損益)

公共資産を売却した場合等の売却価額と取得価額との差額を計上します。

(損失補償等引当金繰入等)

当期末の損失補償引当金から前期末の損失補償引当金を差し引いた差額。

(科目振替)

他の項目は、純資産の合計額の変動要因ですが、純資産の合計額には影響を与えないが内訳の 構成に影響を与える項目を科目振替として整理しています。

例えば、資産整備に使われた国・県支出金、一般財源は「公共資産等整備国県補助金等」と「公 共資産等整備一般財源等」に計上されますが、対象となる資産が減価償却されるのに伴い補助金、 一般財源も減価償却されます。一方、行政コスト計算書で減価償却費をコストとして計上してい るためその分「その他一般財源等」が減少しています。そこで、減価償却相当額を「その他一般 財源等」に振り替えます。

(資産評価替による変動額)

売却可能資産や有価証券を時価評価した時の増減額や、寄附等により資産を取得した場合の受 贈益を計上します。

平成21年度では、期首と比べて公共資産へ投資された国県補助金(公共資産等整備国県補助金 等)は1億6千万円減り、公共資産へ投資された一般財源(公共資産等整備一般財源等)は1千万 円増え、非拘束的な一般財源(その他一般財源等)は5千万円減り(マイナスが5千万円増えた)、 売却可能資産等の取得価格と時価との差額(資産評価差額)は8千万円減り(マイナスが8千万円 増えた)、全体としては純資産の総額が2億8千万円減りました。この結果、平成21年度の行政 活動において将来へ引き継ぐ資産が減少したといえます。

(17)

5 普通会計の資金収支計算書

歳計現金(=資金)の出入りの情報を「経常的収支の部」、「公共資産整備収支の部」、「投資・ 財務的収支の部」の3つの区分(活動)に分けて表示したものです。どのような活動に資金が必要 とされ、それをどのように賄ったかがわかります。

資金収支計算書 (単位:千円)

項 目 金 額

経常的収入 (1) 19,577,735 経常的支出 (2) 14,921,665 経常的収支 (1)-(2)=(A) 4,656,070 公共資産整備収入 (3) 1,476,223 公共資産整備支出 (4) 2,911,869 公共資産整備収支 (3)-(4)=(B) △1,435,646 投資・財務的収入 (5) 1,461,643 投資・財務的支出 (6) 4,681,082 投資・財務的収支 (5)-(6)=(C) △3,219,439 当期収支 (A)+(B)+(C)=(ア) 985 期首歳計現金残高 (イ) 739,308 期末歳計現金残高 (ア)+(イ) 740,293

基礎的財政収支(プライマリーバランス)の情報

収入総額 22,515,601

地方債発行額(△) 1,703,300

財政調整基金等取崩額(△) 250,000

支出総額(△) 22,514,616

地方債元利償還額 2,967,628

財政調整基金等積立額 48,215

基礎的財政収支 1,063,528

上表を見てみますと、経常的収支が黒字となり、公共資産整備収支、投資・財務的収支の赤字を 穴埋めしていることがわかります。全体ではわずかではありますが黒字となり期首よりも資金残高 が増えています。ただし、資金収支計算書の収入には基金の取り崩し額、積立額も含まれているた め、一概に収入が支出よりも多かったとは言えません。

そこで、基礎的財政収支の情報をみてみます。基礎的財政収支では、地方債の借入・償還や財政 調整基金等の積立・取り崩しの影響を除いた収支の状況を表しています。資金収支計算書の収支で は、約百万円の資金の増でしたが、基礎的財政収支では10億6千万円の大幅な収支の黒字となっ ています。これは、地方債の借入額より償還額のほうが多いことによります。

(18)

6 普通会計財務書類4表の関係

ここまで、普通会計の「貸借対照表」、「行政コスト計算書」、「純資産変動計算書」、「資金 収支計算書」の4表を個別に見てきました。そこで、3頁の図-1に示した4表の関係について、 茅野市の普通会計の数値を当てはめると以下のようになります。

図 ― 2

(単位:百万円)

… 33,041

歳計現金 740

資産合計 86,360

86,360 119,401

22,516

22,515

1

739

740

資産評価替え等 943

18,586

86,643

18,586

期末純資産残高 純 資 産 変 動 計 算 書

純経常行政コスト

一般財源、補助金受入等

+ 18,405

△ 102 行 政 コ ス ト 計 算 書

資 金 収 支 計 算 書 貸 借 対 照 表

期首純資産残高 経常行政コスト

経常収益

純経常行政コスト 19,529

収入

支出

資産 負債

純資産

期首歳計現金残高 当期収支

期末歳計現金残高

このように、4つの財務書類は、それぞれに関係し合って一つの財務書類を形成しているため、 個別財務書類の分析もさることながら、全体を見ながら分析を進めていく必要があります。

(19)

7 普通会計財務書類を活用した分析

(1)社会資本形成の世代間負担比率

社会資本の整備の結果を示す有形固定資産のうち、純資産により整備された割合と地方債及び債 務負担行為により整備された割合を見ることで、これまでの世代によって既に負担された分と、将 来の返済により負担しなければならない分の割合がわかります。将来世代の負担というと負担の先 送りというイメージを持たれるかもしれませんが、地方債は将来何十年も使える施設を整備するに あたり、それまでの世代で全てを負担するのではなく、将来その施設を使う世代にも負担してもら うという考え方があるため一般家庭の借金とは性格が異なります。

将来世代の負担比率(地方債と未払金で整備)=※1地方債残高等÷公共資産合計

=248億9千万円÷1,123億6千万円=22.2% ※1地方債残高等には未払金を含む。

このように、茅野市では約22.2%を将来世代の負担によって資産形成をしてきたことがわ かります。平成20年度の比率22.6%と比較しますと、0.4ポイント将来世代の負担比率が 低下しています。

平成20年度の比率を県内他市のうち比較可能な13市(長野市、上田市、岡谷市、須坂市、 小諸市、伊那市、駒ヶ根市、中野市、飯山市、塩尻市、佐久市、東御市及び安曇野市。以下「1 3市」という。)の平均と比較してみます。

※平均の比率の算定は、各市町村の財務書類から数値を拾い出して茅野市で計算をしているため、 各市町村が公表している数値とは若干ずれがある可能性があります。

※平均は、単純平均です。

平成20年度の13市の平均は24.0%であるのに対し、茅野市の比率は22.6%でした。 このことから、茅野市は13市と比べて将来世代の負担が比較的小さく資産の形成をしてきたと いえます。

(20)

(2)歳入総額対資産比率

歳入総額に対する資産の比率を計算することにより、基準日に形成されている資産のストックに 何年分の歳入が充当されているかを見ることができます。

歳入総額対資産比率

項 目 H19 H20 H21

歳入総額(a) 220億3千万円 216億6千万円 232億5千万円 公共資産合計(b) 1,145億8千万円 1,132億5千万円 1,123億6千万円 資産合計(c) 1,221億8千万円 1,207億4千万円 1,194億0千万円

(b)/(a)(単位:年) 5.2 5.2 4.8

(c)/(a)(単位:年) 5.5 5.6 5.1

平成20年度と比較すると、歳入総額に対する資産合計の比率が0.5年分低下しました。平成 20年度と比べ資産も減少していますが、それ以上に国の経済対策などにより歳入が大幅に増加し たことにより比率が低下しました。

歳入総額は、景気動向等により変動しやすいですが、公共資産合計は短期間に大きな変動はしに くいものです。

平成20年度の歳入総額対資産合計比率を13市の平均と比較すると、13市平均が4.7年で あるのに対し、茅野市の比率は5.6年となっています。このことから、茅野市は13市と比べて 歳入総額に対する資産の比率が高いといえます。

ただし、この比率は高ければいいというものではありません。比率が高いということはそれだけ 資産があるため、減価償却費などの行政コストが大きくなります。歳入に対してコストが過大にな り過ぎることは望ましいことではありませんので、経年又は他市との比較をしながら大きすぎず小 さ過ぎない比率を保っていく必要があります。

(21)

(3)有形固定資産の行政目的別割合

有形固定資産の行政目的別割合を見ることにより、行政分野ごとの資産形成の比重を把握するこ とができます。

「生活インフラ・国土保全」(土木費)が55.3%とおよそ半分を占め、事業規模の大きさと 毎年継続的に整備されている結果が現れています。「教育」も小・中学校の整備等の事業費が大き いため高い割合を占めています。消防事業やごみ処理事業は、広域連合や一部事務組合で事業を行 っているため「消防」、「環境衛生」は比率が低くなっています。

有形固定資産の行政目的別割合 (単位:百万円)

H 19 H 20 H 21

行 政 目 的

金 額 構成比 金 額 構成比 金 額 構成比 生活インフラ・国土保全 60,959 54.3% 60,986 55.0% 60,982 55.3% 教育 20,021 17.8% 19,898 17.9% 20,158 18.3% 福祉 6,311 5.6% 6,073 5.5% 5,978 5.4% 環境衛生 947 0.8% 895 0.8% 837 0.8% 産業振興 8,467 7.6% 8,079 7.3% 7,681 7.0% 消防 617 0.6% 562 0.5% 501 0.5% 総務 14,889 13.3% 14,468 13.0% 14,044 12.7% 有形固定資産合計 112,221 100.0% 110,961 100.0% 110,181 100.0%

平成20年度の比率を13市の平均と比較してみます。

13 市平均 行 政 目 的

構成比 生活インフラ・国土保全 51.8%

教育 24.1%

福祉 4.8%

環境衛生 1.8%

産業振興 11.4%

消防 0.7%

総務 5.4%

有形固定資産合計 100.0%

13市平均と比べて大きく違うのは「総務」です。平均が5.4%に対して茅野市は13.0%と なっています。これは、茅野市が平成 16 年度に市民館を整備したことによります。

(22)

(4)資産老朽化比率

有形固定資産(土地を除く。)の取得価額に対する減価償却累計額の割合を算出することにより、 耐用年数に比して償却資産の取得からどの程度経過しているのかを全体として把握することがで きます。

資産老朽化比率(%)=減価償却累計額÷(有形固定資産合計-土地+減価償却累計額)×100 =597億7千万円÷(1,101億8千万円-348億1千万円+597億7千万円)×100 =44.2%

平成20年度(42.5%)と比べ1.7ポイント比率が上昇したため、全体として資産の老朽化 が進んだと言えます。

平成20年度の数値を13市の平均と比較すると、13市平均が44.2%であるのに対し、茅 野市の比率は42.5%となっています。このことから、茅野市は13市と比べて資産の老朽化が 進んでいない、つまり新しい資産が多いといえます。

(5)受益者負担比率

行政コスト計算書の経常収益は、使用料や負担金となっていますが、いわゆる受益者負担の金額で あるため、経常行政コストに対する経常収益の比率を出すことにより、受益者負担の割合を出すこと ができます。以下に、行政目的別の受益者負担比率を示しました。

行政目的別受益者負担比率 (単位:百万円) 項 目 総額 生活

インフラ 教育 福祉

環境 衛生

産業

振興 消防 総務 議会 支払 利息

回収不 能見込 計上額 経常行政コスト 19,529 3,449 2,076 5,534 1,645 1,451 687 3,873 157 449 208 経常収益 943 36 45 676 4 30 0 34 0 4 0 比率(%) 4.8 1.1 2.2 12.2 0.3 2.1 0.0 0.9 0 0.9 0.0

総額で見てみますと、経常行政コスト195億3千万円に対して経常収益9億4千万円で受益者負 担比率は4.8%となっています。平成20年度の比率(5.6%)と比べると受益者負担比率が0. 8%低下しています。これは、国の経済対策等による国庫支出金を受けた事業を実施したことにより 経常行政コストが増加したことにより比率が低下したと考えられます。

次に行政目的別に見てみますと、福祉が12.2%と最も高くなっています。これは、保育料によ るところが大きいと思われます。一方、消防や議会、回収不能見込計上額(不能欠損額)については、 比率が0となっています。これは、受益者がいないか若しくは受益者負担を求めるべき事業ではない ことによります。

平成20年度の比率を13市の平均と比較すると、13市平均が5.2%であるのに対し、茅野市 の比率は5.6%となっています。このことから、茅野市は13市と比べて事業を実施するうえで比

(23)

(6)行政コスト対公共資産比率

行政コストの公共資産に対する比率を見ることで、資産を活用するためにどれだけのコストがかけ られているのか、あるいはどれだけの資産でどれだけの行政サービスを提供しているのかがわかりま す。

行政コスト対公共資産比率 (単位:百万円) 項 目 総額 生 活

インフラ 教育 福祉

環境 衛生

産業

振興 消防 総務 議会 有形固定資産 110,181 60,982 20,158 5,978 837 7,681 501 14,044 0 経常行政コスト 19,529 3,449 2,076 5,534 1,645 1,451 687 3,873 157 比率(%) 17.7 5.7 10.3 92.6 196.6 18.9 137.2 27.6

行政目的別に非常にバラツキがありますが、比率が高くなったのは、環境衛生と消防となりました。 これは、ごみ処理・消防業務を一部事務組合・広域連合で行いそれに対して負担金を支出しているた め、資産が少なくコストが多くなっているためです。他にも福祉が高い比率となっていますが、資産 の整備に対して社会保障給付費(扶助費)が多いことによります。

総額を平成20年度の比率(16.7%)と比較してみますと、1.0%比率が上昇しました。これ は、先に述べたとおり国の経済対策等による国庫支出金を受けた事業を実施したことにより経常行政 コストが増加したことによります。

平成20年度の比率を13市の平均と比較すると、13市平均が18.6%であるのに対し、茅野 市の比率は16.7%となっています。このことから、茅野市の資産が比較的多く、コストが比較的 少ないと言うことができると思われます。

(24)

(7)行政コスト対税収等比率

純経常行政コストに対する一般財源等の比率を見ることによって、当年度に行われた行政サービス のコストから受益者負担分を除いた純経常行政コストに対して、どれだけが当年度の負担で賄われた かがわかります。

行政コスト対税収等比率=純経常行政コスト÷(一般財源+補助金等受入)×100

=185億9千万円÷178億9千万円=103.9%

※一般財源と補助金等受入については、純資産変動計算書の数値を用います。

この比率が100を下回っている場合は翌年度に引き継ぐ資産が蓄積されたといえ、100を上 回っている場合は過去に蓄積してきた資産が取り崩されたといえます。平成21年度の比率は10 3.9%で100を上回っています。平成20年度の比率(104.2%)と比較すると0.3%比率 が低下しました。

しかし、純経常行政コストには減価償却費も含まれており、その財源には国県補助金が含まれて いるため、この部分は自治体の実質的なコストではないという考え方もできるため、それを除いて 算出すると、

行政コスト対税収等比率=純経常行政コスト÷(一般財源+補助金等受入+国県補助金の減価償却に よる財源振替額)×100

=185億9千万円÷183億8千万円=101.1%

となります。それでも100を超えているため平成21年度は、過去に蓄積してきた資産を取り崩 したといえます。

平成20年度の比率を13市の平均と比較してみます。国県補助金の減価償却による財源振替額を 考慮しない比率は平均が98.7%であるのに対し、茅野市は104.2%でした。国県補助金の減価 償却による財源振替額を考慮した比率は平均が95.3%であるのに対し、茅野市は101.3%でし た。どちらも平均を上回っています。このことから、他市では翌年度に引き継ぐ資産を蓄積させたの に対して、茅野市では過去に蓄積してきた資産を取り崩していると言えます。

(25)

(8)地方債の償還可能年数

自治体の抱えている地方債を、経常的に確保できる資金で返済した場合に何年で返済できるかを 表す指標で、借金の多寡や債務返済能力を測る指標です。

地方債の償還可能年数=地方債残高÷経常的収支額

=247億8千万円÷42億2千万円=5.9年

※経常的収支額は、資金収支計算書の数値を用います。ただし、基金取崩額は除きます。地方債も除くこととされ ていますが、臨時財政対策債は、本来普通交付税として交付されるべき金額を借入で賄っているため、この分は 含んだ数値としています。

平成20年度(6.7年)と比べ0.8年短くなりました。起債残高が減少したことと経常的収 支額が増えたことによります。

平成20年度の値を13市の平均と比較すると、13市平均が5.0年であるのに対し、茅野 市は6.7年となっています。このことから、茅野市は他市と比べて借金が多いと言えます。

(26)

(9)市民一人当りの貸借対照表

通常の貸借対照表では、人口規模等により団体間の資産、負債の状況を単純には比較できませ んが、貸借対照表の各項目の数値を市民一人当りで算出することにより、自治体間の単純な比較 ができます。平成21年度末の住民基本台帳人口56,137人(H20年度末56,083人) で貸借対照表の各項目を割って算出したものです。

① 市民一人当りの貸借対照表

平成21年度末 平成20年度末 o資 産 212万7千円

(うち公共資産分 200 万 2 千円) o負 債 58万9千円

(うち地方債分 44 万 1 千円) o純資産 153万8千円

期首に比べ、資産2万6千円の減、負債1万9千円の減となり、純資産は7千円の減となり ました。

平成20年度の値を13市平均と比較すると、 13市平均

資産が19万9千円多く、負債が9万1千円多く、純資産が10万8千円多くなっています。 資産、負債、純資産全てが平均より大きくなっていますが、後で出てくる「企業財務分析指標を 用いた分析」でも触れるとおり、茅野市は平均と比べて負債の比率が高くなっているため、負債 を減らしていくことが必要となります。

o資 産 215万3千円

(うち公共資産分 201 万 9 千円) o負 債 60万8千円

(うち地方債分 45 万 6 千円) o純資産 154万5千円

o資 産 195万4千円 o負 債 51万7千円 o純資産 143万7千円

(27)

② 市民一人当りの将来的な財政負担

市民一人当りの貸借対照表から、市民一人当りの将来的な財政負担を計算しました。

〔地方債残 高 + 債務 負担行為 〕-〔財政 調整基金 + 減債基 金 + 歳計 現金〕 人口

一人 当りの将 来負担額 =

平成21年度末では一人当り37万1千円で、平成20年度(38万円)との比較では9千円の 減となっています。

近年、基金の取り崩しを行っていますが、それ以上に、起債の借入額の減少により将来負担額は 減少傾向にあります。

また、地方債は翌年度償還額を含め総額247億円8千万円を将来の返済により負担しなければ なりませんが、償還額の約6割は将来にわたり地方交付税の基準財政需要額に算入されますので実 質的な負担は少ないといえます。

平成20年度の値を13市の平均と比較すると、13市平均が36万6千円であるのに対し、茅 野市は38万円となっています。このことから、茅野市は他市と比べて借金が多いと言えます。

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(10)市民一人当りの行政コスト

平成21年度末の住民基本台帳人口56,137人で行政コスト計算書の各項目を割って市民 一人当りの行政コストを算出しました。

・市民一人当りの経常行政コスト

人にかかるコスト 6万4千円 物にかかるコスト 11万7千円 移転支出的なコスト 15万5千円

その他にかかるコスト 1万2千円 計 34万8千円

・市民一人当りの経常収益

使用料・手数料 1万2千円

分担金・負担金・寄附金 5千円 計 1万7千円

・市民一人当りの純経常行政コスト 33万1千円

平成20年度の値を13市平均と比較すると、

13市平均 茅野市

・市民一人当りの経常行政コスト 32万6千円 33万0千円 ・市民一人当りの経常収益 1万7千円 1万8千円 ・市民一人当りの純経常行政コスト 30万9千円 31万2千円

となり、経常行政コストが4千円多く、経常収益が1千円多く、純経常行政コストが3千円多くな っています。このことから、茅野市は13市と比較して、市民に多くの負担をしてもらっていますが、 それ以上に行政サービスにコストをかけていると言えます。

ただし、この数値は、低ければいいというものではなく、逆に高ければいいというものでもありま せん。低ければ行政サービスをしっかりと行っていないことになり、高ければ行政サービスはしっか りと行っていますが収入に見合うサービス以上のサービスを提供し将来に向けての蓄えを取り崩し ていることになるからです。適正な水準の行政サービスの提供が重要となります。

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(11)企業財務分析指標を用いた分析

民間企業で使用される財務分析指標のうち、地方公共団体にも比較的有用性が高いと思われる 純資産構成比率、負債比率について茅野市に当てはめて分析をしました。

① 純資産構成比率

企業の財務分析において、財務の安定性を計る指標として注目される「自己資本比率」について、

「純資産構成比率」の名称で算出しました。これは茅野市にストックされた総資産のうち返済義務 を負わない資金がどのくらいの割合であるかを見るものです。

純資産構成比率=純資産÷総資産×100=72.3%

平成20年度と比較すると、71.8%から0.5ポイント数値が改善しました。

平成20年度の比率を13市の平均と比較すると、13市平均が73.3%であるのに対し、 茅野市は71.8%となっています。このことから、茅野市は他市と比べて純資産が少ないと言 えます。

② 負債比率

下記算式で算出される指標で、一般的に低いほうが財政の健全性が高いとされるものです。 負債比率=負債÷純資産×100=38.3%

平成20年度と比較すると、39.4%から1.1ポイント数値が低下しました。地方債の残高 が大きく減少したことにより数値が改善しました。

平成20年度の比率を13市の平均と比較すると、13市平均が37.1%であるのに対し、 茅野市は39.4%となっています。このことから、茅野市は他市と比べて借金が多いと言えま す。

(12)普通会計財務書類を活用した分析のまとめ

これまでの分析から、茅野市は他市と比べて資産が大きく負債も大きいといえます。これは、 第三次総合計画に基づいて社会基盤整備を積極的に進めてきた結果です。近年は、大規模な社会 基盤整備が減少してきたことから、減価償却費に対して資産整備が少ないため資産と負債が減少 傾向にあります。

負債が減ることは望ましいことですが、それに伴い資産が減少しすぎることは、既存の資産が 老朽化していることを意味するためあまり望ましくはありません。適度な投資を行い資産規模を 維持していくことも重要です。

参照

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