IoT等による産業構造の変化に伴い企業等
が直面する知財制度上の新たな課題と
NPEの動向に関して
本調査研究では、近年の IoT の進展等による産業構造の変化
に伴い企業等が直面する知的財産権制度上の課題、NPE の国
内外における動向について、実態・事例の調査を行いました。
はじめに
産業財産権制度問題調査研究事業は、専門家を交えた研究委員会・国内外公開情報調 査・国内外ヒアリング調査・国内外アンケート調査等により、産業財産権法のみならず隣 接法領域を含む広い視点から分析を行うことで、知的財産創造物の保護の現状把握及び その在り方等について検討を行い、産業財産権制度の法制面や運用面について改正を行 う際の基礎資料を作成することを目的としている。
<詳細について>
本調査の詳細については、特許庁HP(以下URL記載)に掲載しております平成28年度研 究テーマ一覧「IoT等による産業構造の変化に伴い企業等が直面する知財制度上の新たな 課題とNPEの動向に関する調査研究報告書」をご参照ください。
URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/zaisanken.htm
<お問い合わせ先>
経済産業省 特許庁 総務部 企画調査課
〒100-8915 東京都千代田区霞が関3-4-3
TEL:03-3581-1101(内2156)FAX:03-3580-5741
<調査の俯瞰図>
●背景
IoTの進展等による産業構造の変化に伴い、様々な分野の企業等における知財戦略に大きな 影響を及ぼす可能性がある。また、近年、事業を撤退した企業から特許不実施主体(NPE) に特許が移る動きが見られ、実際にそうしたNPEから権利行使を受けた経験を挙げる者や、 自己の事業領域が他の領域に拡大することでパテント・トロール問題に巻き込まれる可能 性が指摘されている。
●本調査の目的
IoTの進展等による産業構造の変化に伴い企業等が直面する知財制度上の課題、NPEの国内 外での動向を踏まえて、知財訴訟制度を含む知財システムの今後の在り方を検討するとと もに、中小企業を含む我が国企業等のNPEによる権利行使への適切な対応策について検討 するための基礎資料を作成すること。
●調査方法
●まとめ
・IoTの進展等に伴う知財制度上の課題は、研究開発段階・出願段階・市場段階の各段階に存 在する。
・IoT関連分野はパテント・トロールから注目されている分野の一つである。
・NPEによる権利行使は米国で活発である。パテント・トロール問題については、法制度の 面からは2011年に米国特許改正法(AIA: America Invents Act)により対策がとられ、 企業は防衛策を発達させた。
・我が国においても、NPEからの提訴や警告状が確認されていることから、将来的な対応を 視野に入れつつ、パテント・トロールの動向を注視していく必要がある。
・公開情報調査
IoT の進展等に伴う知財制度上の 課題、NPE の動向について、国内外 の文献等の収集、整理及び分析を行 った。
・国内ヒアリング調査
法律・特許事務所、NPE、企業の 合計 17 者に対してヒアリング調 査を実施した。
・海外ヒアリング調査
米国、ドイツ、英国の法律・特許事 務所、NPE、企業の合計 21 者に対 してヒアリング調査を実施した。
・国内アンケート調査
IoT 関連企業 150 者に対して アンケート調査を実施し、56 者 から回答を得た。
有識者からの助言
1.本調査研究の背景・目的
自ら製造・販売等の事業をしていない者が、和解金やライセンス料を得ることを目的 として特許権を取得・行使する事例が米国において複数あるとされ、このような者の一 部はパテント・トロールと呼ばれる。近年のIoT(Internet of Things)等の分野横断的 な技術展開により、技術分野に関わらず知財紛争のリスクにさらされるおそれも指摘さ れている。他方、日本国内においては、平成25年度の特許庁産業財産権制度問題調査研 究報告書によると、「パテント・トロールに関して国内において問題であると考えている」 と回答した者は、回答者384者中60者(16%)、「将来的に問題になってくると考えてい る」と回答した者は、210者(55%)であった。
このような背景を踏まえて、(1)近年のIoTの進展等による産業構造の変化に伴い企 業等が直面する知財制度上の課題について、その実態・事例等を把握すること、(2)NPE の海外での動向等について、その活動実態や具体的な事例を把握すること、(3)上記
(1)及び(2)を踏まえて、産業構造の変化の下での、国内外における知財訴訟制度 を含む知財システムの課題を把握しつつ、今後の在り方を検討するとともに、中小企業 を含む我が国企業等のNPEによる権利行使への適切な対応策について検討するための基 礎資料を作成することを目的として、本調査研究を実施した。
2.本調査研究の実施方法
本調査研究では、IoTの進展等による産業構造の変化に伴い企業等が直面する知財制度 上の課題、国内外でのNPEの動向と企業等の対応について、公開情報調査、国内外ヒアリ ング調査、国内アンケート調査を行った。
(1)公開情報調査
公開情報調査では、書籍、論文、調査研究・審議会等の報告書、法・判例等検索データ ベース情報及びインターネット情報等を利用して、知財制度上の課題、海外でのNPEの 動向と企業等の対応について、文献等(海外の文献等を含む)を収集、整理及び分析し た。
(2)国内ヒアリング調査
国内ヒアリング調査では、知財制度上の課題と対応策、国内外でのNPEの動向と企業 等の対応等を把握するために、国内の法律・特許事務所5者、NPE4者、企業8者の計17 者に対して、特に以下の観点について調査した。
図表 1 ヒアリング観点 法律・特許事務所向けヒアリング観点
NPE向けヒアリング観点
企業向けヒアリング観点
大項目 小項目
NPEの動向 ・貴所におけるパテント・トロールの定義
・NPEによる特許権侵害訴訟・警告状の動向 パテント・トロール
への対応策
・知財制度や法的側面から有効なパテント・トロール対 策と対策上の課題
・政府の取組や制度改正に関する議論
大項目 小項目
事業概要 ・事業内容とビジネスモデル
・権利侵害があった場合の対応方針
・対象とする業界・企業とその変遷 知財流通の現状と方針 ・知財調達側の現状と課題
NPEに関連する知財制 度の現状
・攻撃側・防御側の視点からみた知財制度上の課題 今後のNPEのビジネス
モデル
・サービス対象先(対象国、業種、企業規模)の変化
・ビジネスモデル転換の必要性と有効性
大項目 小項目
事業概要 ・事業戦略と知財戦略の概要
・IoT関連事業の現状
・主力事業とIoT関連事業における知財戦略 知財戦略オプションに
対するスタンス・方針
・知財戦略・知財マネジメントの基本的方針や考え方
・知財の調達先と提供先に対するスタンス・方針と取引の 状況
(3)海外ヒアリング調査
海外ヒアリング調査では、法律・特許事務所、NPE、企業の合計21者に対して、知財制 度上の課題と対応策、国内外でのNPEの動向と企業等の対応について調査した。ヒアリ ング先の内訳は、米国で16者、ドイツで4者、英国で1者である。
なお、ヒアリング観点については、国内ヒアリング調査と同様とした。
(4)国内アンケート調査
国内アンケート調査では、知財制度上の課題と対応策、特許紛争の経験と対応策等を 把握するために、IoT関連企業150者に対して調査した。
IoTの進展等に伴う知 財制度上の課題
・研究開発段階・出願段階・市場段階での課題と対応策 NPEとの関わり ・貴社におけるパテント・トロールの定義・動向
・NPEとの知的財産に関する紛争について、特許権侵害訴 訟や警告状の有無とその推移
・NPEからの特許権行使に対する予防措置と反撃措置の状 況と有効性
企業における知財制度 上の課題
・IoT分野における知財制度上の課題
・パテント・トロール対策としての知財制度上の課題
・各国の知財制度の違いによる課題
<アンケート観点>
・ IoT の進展等に伴う我が国の知財制度上の課題・リスクとその対応策
・ 特許紛争の経験
・ パテント・トロールとの関わり
・ パテント・トロールへの対応策(主に訴訟対応)
3.調査結果
(1)公開情報調査
「IoT(Internet of Things)の現状と展望-IoTと人工知能に関する調査を踏まえ て-」(みずほ情報総研・みずほ銀行、2015年)によると、IoTにおいては、モノから収 集するデータこそが付加価値の源泉であり、更に多種多様かつ膨大なデータの分析・処 理により付加価値を創造することで、企業はコストを削減し、又は売上げを拡大させる ことにより大きな経済的利益を得ることができることが見込まれる。今後の世界のIoT 市場については、IDC(International Data Corporation)の予測によると、2014年 に6,558億ドルだった市場規模は、2020年に1.7兆ドルになるともいわれている。経済 産業省「第四次産業革命の中で知財システムに何が起きているか」(2016年10月)に よると、我が国のビジネス関連発明の特許出願は2011年を底に増加しており、その特 許査定率も増加している。また、特許データベースの検索から、数件のIoT分野のビジ ネス関連発明も既に確認されている。
IoTは特定の産業分野を想定しない広い概念であるので、異なる産業分野と要素技術 が分野横断的に関係することとなり、その活用場面は多岐にわたるため、IoT分野の知 的財産における権利保護の在り方が課題となることが指摘されている。
加藤和彦「IoT時代のプラットフォーム競争戦略」によると、IoTにおける標準化は、 特に、IoTの事業戦略としてプラットフォーム戦略を考慮した場合、ほかのプラットフ ォーム製品との接合点(インターフェイス)をオープン化することが考えられるとされ ている。ネットワーク・レイヤー及びデバイス・部品レイヤーにおけるネットワーク・レ イヤーとのインターフェイスにおいては、標準規格化が旧来より進められてきた分野 であり、標準必須特許に関する諸問題が想定される。
一色太郎「米国における特許権制限の動きが及ぼす影響-特許権価値の低下とパテン ト・トロールの衰退」(Business Law Journal 2014年12月号~2015年7月号にて連載) では、米国においてパテント・トロールが発達した背景ならびにAIA(America Invents Act:米国特許改正法、以下AIA)による法制度等からの対策が記載されている。また、 米国における最新のNPEの動向についてRPX Corporation「2015 NPE Activity Highlights」において米国におけるNPEによる特許権侵害訴訟は2010年以降4,000件 前後で推移していることも示されている。さらに、Federal Trade Commission
「Patent Assertion Entity Activity」によると、NPEによる訴訟の対象は製品メーカー のみならず広く小売業やエンドユーザーにまで広がっていることが示されている。
なお、米国以外におけるNPEの動向を見ると、Clear View IP「NEW FRONTIERSFOR NPES」によると、欧州におけるNPEの動向についてドイツでは2010年に8件だった NPEによる特許権侵害訴訟件数が2015年には52件(被告人数では112者)に増えてい る。中国においては2016年11月にカナダのCanadian PIPCO WiLANの子会社である
Wireless Future Technologies, Inc.がSONYを対象に中国で特許権侵害訴訟を提起し た。中国におけるNPEによる標準必須特許を対象とした特許権侵害訴訟は初めての事 案であり、今後の各国でのNPEの動向が注目される。
図表 2 米国における実質的な特許権侵害訴訟数の推移(事業会社/NPE別)
出典) “2015 NPE Activity Highlights”, RPX Corporation, page 5
https://www.rpxcorp.com/wp-content/uploads/sites/2/2016/01/RPX-2015-NPE- Activity-Highlights-FinalZ.pdf [最終アクセス日:2016年12月21日]
注)同一の原告により、少なくとも1つ以上共通する特許又は特許群を利用した複数の特許権侵害訴訟 を”1 campaign”(=訴訟数:1)とカウントした時の特許権侵害訴訟数
図表 3 欧州におけるNPEによる特許権侵害訴訟数の推移
出典)“NEW FRONTIERS FOR NPES”, ClearViewIP
http://www.clearviewip.com/new-frontiers-npes/ [最終アクセス日:2016年12月21日] 注)欧州で活動していることが確認されている11者のNPEによる特許権侵害訴訟数と被告者数
3,902 4,745 3,850 4,143 3,246 4,139
2,502 2,394 2,244 2,224
2,097 2,089 6,404 7,139 6,094 6,367
5,343 6,228
2010 2011 2012 2013 2014 2015
(件)
(年) NPEからの提訴 事業者からの提訴
10 16
41
76 82
112
8 10 12 16
24
52
2010 2011 2012 2013 2014 2015
(人、件)
(年) 被告人の数 訴訟数
(2)国内ヒアリング調査
IoT分野に関する企業における現在又は将来の課題について、IoTは異なる産業分野 と要素技術が分野横断的に関係することに起因し、主にIoTに関連する知的財産上の課 題について、「IoT関連技術をどのように知的財産として保護するか」や、「IoT分野に おける特許権侵害リスク」などについて国内企業の課題及び現在における対応策が抽 出された。
NPEの動向については、米国での訴訟リスクがあることが抽出され、テキサス州やデ ラウェア州で提起される傾向が強いことが確認された。さらに、最近ではNPEの特許権 侵害訴訟の対象がドイツ、中国に向いているとの意見も抽出された。NPEが対象とする 業種については、今までは電気・精密機械等を対象としていたが、今後は自動車、住宅、 医療等にもターゲットが移行するとの意見もあった。
パテント・トロールを含むNPEに対する対策としては、徹底抗戦を原則としている企 業や徹底抗戦ではなくライセンス交渉を原則とするなど、様々な対策が企業から抽出 された。訴訟対策だけではなく、実際にNPEに対する防衛的なサービスを利用している 企業も複数存在した。
(3)海外ヒアリング調査
IoT分野に対する課題として、IoTは新しい市場であるために今までとは異なる問題 が生じる可能性を指摘する意見が確認された。特に多くの企業や海外NPEが、IoT関連 技術の標準化、標準規格特許の確立に対する課題やIoT関連技術における特許性等につ いて課題と認識していることが確認された。
NPEが標的とする市場は、これまで主に米国であるとされていたが、近年欧州、特に ドイツに注目しているとの意見が多数確認され、将来的には中国に注目しているとの 意見が複数確認された。
また、NPEが標的とする業種・業界については、自動車業界やIoTに関連する分野の 特許権侵害が今後広がる可能性があるとした海外企業・NPEが複数確認された。特に IoT関連技術は曖昧で広範囲の特許で有り多くの技術に活用される可能性があるため、 NPEのビジネスモデルとして多数の企業を一斉に訴えるケースも懸念されている。
パテント・トロール対策について、米国ではパテント・トロール対策が進展しており、 法的な面からも、AIAや判例変更による対策が行われている。また、パテント・トロー ルに対する防衛サービスを行う専門事業者を利用し、又は防衛組織を組成している企 業が多数いることが確認された。
(4)国内アンケート調査
近年のIoTの進展等による産業構造の変化の下で、我が国の知財制度に関して国内企 業が感じている課題・リスクについて、以下の結果を得た。
図表 4 近年のIoTの進展等による産業構造の変化の下で、
我が国の知財制度に関して企業が感じている課題・リスク(回答者数56, 複数回答)
48%
41%
2%
45%
30%
5%
54%
39%
11%
25% a1. 自社技術だけで完結した知的財産ポートフォリオの
構築が困難
a2. 特許だけでなく、ソフトウェア、データベースの著 作物など他の知的財産権での保護も必要
a3. その他
b1. 進歩性を満たすことが困難(単純なセンサ+分析の 組み合わせである等)
b2. その他の特許性を満たすことが困難(構造化データ 自体を特許請求の範囲として特定した場合の特許性等) b3. その他
c1.自社製品・サービスに対する第三者の知的財産権の クリアランス調査が困難
c2.方法の発明に係る特許権の侵害立証が困難
c3.その他
d. 特にない
a.研究開発段階b.出願段階c.市場段階
パテント・トロールによる特許権侵害訴訟又は警告状について、米国特許に基づく日 本企業に対する特許権侵害訴訟又は警告状は毎年数十件みられ、日本特許に基づく日 本企業に対する特許権侵害訴訟又は警告状は米国特許に基づく訴訟又は警告状よりは 件数が少ないものの、毎年数件あることが確認された。
図表 5 米国の特許権に基づきパテント・トロールから警告を受けた事例数と 新たに提訴された事例数
図表 6 日本の特許権に基づきパテント・トロールから警告を受けた事例数と 新たに提訴された事例数
44 45
37 37 38
30
6 14
9 12 9
12
2010 2011 2012 2013 2014 2015
(件)
(年) パテントトロールから警告を受けた事例の件数
パテントトロールから新たに提訴があった事例の件数
1 1 2
2 1
1
2 5
2010 2011 2012 2013 2014 2015
(件)
(年) パテントトロールから警告を受けた事例の件数
パテントトロールから新たに提訴があった事例の件数
今後中国でパテント・トロールが活発化すると予想する者が43%、ドイツで活発化す ると予想する者が29%、日本で活発化すると予想する者が9%あり、日本におけるパテ ント・トロール活動について、看過できるものではないとする者が22%確認された。
図表 7 今後3~5年でパテント・トロールの活動が活発になると予想する国
(回答数35)
図表 8 米国と比較した日本におけるパテント・トロールの 活動状況についての認識(回答数23)
9% 11%
29% 6%
43% 3%
1.日本 2.米国 3.ドイツ 4.欧州(ドイツ以外) 5.中国 6.その他
4% 0%
22%
70% 4%
1. 日本の方が活発に活動している
2. 米国も日本も変わらない
3. 米国に比べ日本での活動は活発ではな いが、看過できるものではない。 4. 米国と比べ日本での活動は活発ではな
く、問題になるとも感じてない。 5. その他
パテント・トロールに対して何らかの防衛策を講じていると回答した企業の中では、 先行技術調査やクリアランス調査の強化を挙げる企業が約半数であった。また、特許の 無効化やパテント・トロールに対する防衛的サービスを利用し始めている企業がいる ことが確認された。
図表 9 日本企業がパテント・トロール(日本・米国)に対して 講じている防衛策
50% 15%
5% 0% 0%
3% 5%
20% 0%
3%
45% 13%
8% 0% 0%
8% 10%
15% 3%
0% 1 先行技術調査、クリアランス調査の強化
2 防衛目的での特許取得を通じた特許ポート フォリオの形成促進
3 自社による特許売却の禁止
4 特許譲渡制限条項などによるパテントト ロールへの特許流出阻止
5 特許オープン化、標準化と特許誓約 (FRAND宣言等)促進
6 防衛的パテントプールの形成 他社と共 同:LOT network活用など
7 防衛的パテントプールの形成 防衛サービ スの活用:RPX Corp.など
8 訴訟の未然防止を目的とした問題特許の無 効化(自社対応)
9 訴訟の未然防止を目的とした問題特許の無 効化 サービスの活用
10 その他
日本(N=40,複数回答) 米国(N=40,複数回答)
パテント・トロールから訴訟提起又は警告状を受けた際に、過去に取った行動及び今 後とるであろう行動について、和解、裁判、異議申立てや無効審判を選択する企業はほ ぼ同数であった。
図表 10 パテント・トロールから訴訟提起又は警告状を受けた際に 過去にとった行動と、今後とるであろう行動
30% 26% 22% 0%
4% 0%
17%
25% 26%
34% 7%
2% 1%
5% 1.和解を目指した交渉
2.裁判における徹底抗戦、反訴 3.異議申立て、無効審判
4.知財総合支援窓口の活用 5.ADR(裁判外紛争解決)の利
用
6.対応しない、対応できない 7.その他
パテント・トロールからの訴訟提起や警告状に対して取った対応策 (N=18,複数回答)
パテント・トロールからの訴訟提起や警告状に対して今後取るであろう対 応策(N=88,複数回答)
4.総合分析
(1)~(4)の調査結果を元に、総合分析を行った。
IoTの進展等に伴う知的財産制度上の課題は、研究段階、出願段階、市場段階それぞれ に存在する。
IoT関連分野はパテント・トロールから注目されている分野の一つである。NPEは米国 で発展し、NPEによる権利行使も米国で活発であるが、法制度の面から2011年に米国特 許改正法(AIA: America Invents Act)によりNPEの権利行使を制限する対策がとられ、 企業は防衛策を発達させた。日本においても、NPEからの提訴や警告状が確認されてい ることから、将来的な対応を視野に入れつつ、パテント・トロールの動向を注視していく 必要がある。
禁 無 断 転 載
平成28年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究 IoT等による産業構造の変化に伴い企業等が直面する
知財制度上の新たな課題とNPEの動向に関して
(パンフレット) 平成28年1 2 月
請負先
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-9