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《 コ ラ ム 》 「 資 格 取 得 促 進 」 の も た ら す 効 果
第4章では 、介 護労 働 者の就 業意 欲を 高め る 取組に つい て、 ヒア リ ング結 果の 分類 等を 行 ったが 、そ の中 で効 果 的な取 組と され た「 資 格取得 促進 」に つい て 、直接 的に 取り 組ん で い るケー スと 間接 的に 推 進して いる ケー スと 2 つの事 例を 紹介 する 。 東北地 方の 一県 で、 労 働 局、ハロ ーワ ーク 等関 係機関 から 構成 され る 協議会 が主 催し た「福 祉のし ごと フェ ア」(介 護 労働者 合同 面接 会) に おいて 、介 護福 祉士 の 資格取 得者 が多 いこ と を PRして いた 2 法人 等 から話 を聞 いた もの で あるが 、こ の2法 人等 は、数 百名 規模 で介 護 福祉士 の有 資格 者を 擁 し ており 、や や不 足感 を 感じて はい るも のの 、 人材確 保が うま くい っ ている ケー スで ある 。
(A医療 法人 社団 )「 介 護福祉 士の 資格 取得 の ための 研修 費用 を法 人 側で負 担」
A 医療 法人 社団 は医 療 福祉事 業を 全国 展開 す るグル ープ の中 の医 療 法人社 団で 、県 内を 中 心に事 業を 展開 して い る。同 グル ープ にお い ては、 介護 福祉 士の 資 格取得 のた めの 研修 を 、 介護業 務を 行う 各施 設 に教室 を設 置し 、無 料 で行っ てお り、 職員 の 勤務終 了後 の受 講が 容 易 である 。ま た、 目標 管 理制度 の中 で資 格取 得 を目標 と定 め行 動計 画 を立て てい る者 も多 い 。 試験の 合格 比率 は平 均 と比べ て1 割程 度高 く 、現場 にお ける 資格 保 有者比 率も 高い 。こ の た め、経 験の 浅い 者が 入 ってき ても 、周 囲に 多 数いる 資格 保有 者の レ ベルの 高い 業務 遂行 を 間 近に見 るこ とが でき る ので、 業務 への 習熟 も 早く、 それ によ って 資 格取得 への 意欲 も高 ま っ ている 。働 きな がら 資 格を取 得で きる こと か ら、未 経験 者の 入職 も 多い。
給与 面で は、 キャ リ アラダ ーを 視野 に入 れ た給与 規程 を設 定し て おり、 資格 を保 有す る こ とが職 能と して 評価 さ れ、給 与に 反映 され て いる。
(B社会 福祉 法人 )「 介 護福祉 士の 資格 保有 者 に、資 格手 当を 支給 」
B 社会 福祉 法人 は、 県のほ ぼ全 域に おい て 介護事 業を 展開 する 社 会福祉 法人 であ る。 同 社 におい ては 、介 護福 祉 士の資 格を 保有 する 者 に「資 格手 当」 を支 給 してい る。 資格 がそ の ま ま手当 とい う形 で収 入 増につ なが るの で、 資 格未取 得者 の資 格取 得 への意 欲は 非常 に高 く 、 結果的 に全 職員 の6割 近くが 資格 保有 者と な ってい る。 現場 では こ の比率 はさ らに 高ま り 、 職員の 殆ど が資 格保 有 者であ るこ とか ら、 新 規に配 属さ れた 者等 に 対して もレ ベル の高 い 指 導が行 うこ とが でき 、 労働者 のモ チベ ーシ ョ ンを引 き上 げて いる 。
また 、他 事業 所に 勤 務する 資格 保有 者が 、 収入増 を期 待し て転 職 を希望 して くる ケー ス も 多い。
以上 のよ うに 、こ れ ら2法人 等に おい て「 資格取 得促 進」 は全 く 異なっ た形 で取 組が 行 わ れてい るも ので ある が 、現場 にお いて 資格 保 有者の 比率 が高 く、 日 常的に 業務 の質 が高 い こ とから 、経験 の少 ない 労働者 にと って のOJT効果が 大き く(日 常業 務の中 で 、Off-JTによ っ
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て得ら れる よう な知 見 等も得 られ ると 言う 。)、それ が労 働者 本人 の 資質向 上に つな がり 、 結 果的に 資格 取得 への ハ ードル を下 げて いる と いう点 では 、全 く同 様 の効果 が現 れて いる 。 就 職希望 者も 多い こと か ら、人 材確 保の 上で も 効果を 発揮 して いる と いえる だろ う。 なお 、 当 然のこ とな がら これ ら 2法人 等の 介護 現場 で のサー ビス 提供 は、 殆 どが資 格保 有者 によ っ て 行われ てお り、 事業 所 として も水 準が 高い と いう自 信を 持ち 、顧 客 確保も 順調 に進 むと い う 好循環 を形 成し てい る 。
資料シリーズNo. 1 9 0
独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )
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《 コ ラ ム 》 「 資 格 取 得 促 進 」 の も た ら す 効 果
第4章では 、介 護労 働 者の就 業意 欲を 高め る 取組に つい て、 ヒア リ ング結 果の 分類 等を 行 ったが 、そ の中 で効 果 的な取 組と され た「 資 格取得 促進 」に つい て 、直接 的に 取り 組ん で い るケー スと 間接 的に 推 進して いる ケー スと 2 つの事 例を 紹介 する 。 東北地 方の 一県 で、 労 働 局、ハロ ーワ ーク 等関 係機関 から 構成 され る 協議会 が主 催し た「福 祉のし ごと フェ ア」(介 護 労働者 合同 面接 会) に おいて 、介 護福 祉士 の 資格取 得者 が多 いこ と を PRして いた 2 法人 等 から話 を聞 いた もの で あるが 、こ の2法 人等 は、数 百名 規模 で介 護 福祉士 の有 資格 者を 擁 し ており 、や や不 足感 を 感じて はい るも のの 、 人材確 保が うま くい っ ている ケー スで ある 。
(A医療 法人 社団 )「 介 護福祉 士の 資格 取得 の ための 研修 費用 を法 人 側で負 担」
A 医療 法人 社団 は医 療 福祉事 業を 全国 展開 す るグル ープ の中 の医 療 法人社 団で 、県 内を 中 心に事 業を 展開 して い る。同 グル ープ にお い ては、 介護 福祉 士の 資 格取得 のた めの 研修 を 、 介護業 務を 行う 各施 設 に教室 を設 置し 、無 料 で行っ てお り、 職員 の 勤務終 了後 の受 講が 容 易 である 。ま た、 目標 管 理制度 の中 で資 格取 得 を目標 と定 め行 動計 画 を立て てい る者 も多 い 。 試験の 合格 比率 は平 均 と比べ て1 割程 度高 く 、現場 にお ける 資格 保 有者比 率も 高い 。こ の た め、経 験の 浅い 者が 入 ってき ても 、周 囲に 多 数いる 資格 保有 者の レ ベルの 高い 業務 遂行 を 間 近に見 るこ とが でき る ので、 業務 への 習熟 も 早く、 それ によ って 資 格取得 への 意欲 も高 ま っ ている 。働 きな がら 資 格を取 得で きる こと か ら、未 経験 者の 入職 も 多い。
給与 面で は、 キャ リ アラダ ーを 視野 に入 れ た給与 規程 を設 定し て おり、 資格 を保 有す る こ とが職 能と して 評価 さ れ、給 与に 反映 され て いる。
(B社会 福祉 法人 )「 介 護福祉 士の 資格 保有 者 に、資 格手 当を 支給 」
B 社会 福祉 法人 は、 県のほ ぼ全 域に おい て 介護事 業を 展開 する 社 会福祉 法人 であ る。 同 社 におい ては 、介 護福 祉 士の資 格を 保有 する 者 に「資 格手 当」 を支 給 してい る。 資格 がそ の ま ま手当 とい う形 で収 入 増につ なが るの で、 資 格未取 得者 の資 格取 得 への意 欲は 非常 に高 く 、 結果的 に全 職員 の6割 近くが 資格 保有 者と な ってい る。 現場 では こ の比率 はさ らに 高ま り 、 職員の 殆ど が資 格保 有 者であ るこ とか ら、 新 規に配 属さ れた 者等 に 対して もレ ベル の高 い 指 導が行 うこ とが でき 、 労働者 のモ チベ ーシ ョ ンを引 き上 げて いる 。
また 、他 事業 所に 勤 務する 資格 保有 者が 、 収入増 を期 待し て転 職 を希望 して くる ケー ス も 多い。
以上 のよ うに 、こ れ ら2法人 等に おい て「 資格取 得促 進」 は全 く 異なっ た形 で取 組が 行 わ れてい るも ので ある が 、現場 にお いて 資格 保 有者の 比率 が高 く、 日 常的に 業務 の質 が高 い こ とから 、経験 の少 ない 労働者 にと って のOJT効果が 大き く(日 常業 務の中 で 、Off-JTによ っ
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て得ら れる よう な知 見 等も得 られ ると 言う 。)、それ が労 働者 本人 の 資質向 上に つな がり 、 結 果的に 資格 取得 への ハ ードル を下 げて いる と いう点 では 、全 く同 様 の効果 が現 れて いる 。 就 職希望 者も 多い こと か ら、人 材確 保の 上で も 効果を 発揮 して いる と いえる だろ う。 なお 、 当 然のこ とな がら これ ら 2法人 等の 介護 現場 で のサー ビス 提供 は、 殆 どが資 格保 有者 によ っ て 行われ てお り、 事業 所 として も水 準が 高い と いう自 信を 持ち 、顧 客 確保も 順調 に進 むと い う 好循環 を形 成し てい る 。
資料シリーズNo. 1 9 0
独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )
資料シリーズNo. 1 9 0
独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )