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陽子のスピン
https://sites.google.com/site/komaspin/
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素粒子データベース
http://pdg.lbl.gov/ http://pdg.lbl.gov/
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PDG Live
陽子は Nバリオンの仲間 陽子は Nバリオンの仲間
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バリオン: 陽子の仲間
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陽子のデータ
陽子の色々な性質 陽子の色々な性質
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陽子について スピン スピン
質量質量
比電荷比電荷
磁気モーメント 磁気モーメント
電荷半径電荷半径
陽子の寿命 陽子の寿命
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クォークと核子
1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見 1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見
u u d
u d d
(アップ、アップ、ダウン)
陽子 中性子
(アップ、ダウン、ダウン)
核子(陽子・中性子)や中間子はクォークから出来ている 核子(陽子・中性子)や中間子はクォークから出来ている
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ハドロン (強粒子)
バリオン(重粒子) メソン(中間子)
q q
q
q q
クォーク3個 クォークと反クォーク 1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見 1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見
クォークとハドロン
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原子核を作る力:核力の発見
陽子・中性子(核子)を結びつける力 核力 1935年 湯川秀樹
・ 粒子間の相互作用 = 力を媒介する粒子(中間子)の交換
・ 力の到達距離(原子核の大きさ) → 中間子の質量を予言
重い粒子 短距離間力 → 核力・弱い相互作用 軽い粒子 長距離間力 → 電磁力
陽子・中性子(核子)を結びつける力 核力 1935年 湯川秀樹
・ 粒子間の相互作用 = 力を媒介する粒子(中間子)の交換
・ 力の到達距離(原子核の大きさ) → 中間子の質量を予言
重い粒子 短距離間力 → 核力・弱い相互作用 軽い粒子 長距離間力 → 電磁力
1949年 湯川秀樹
核力の理論的研究による中間子の存在の予言 1949年 湯川秀樹
核力の理論的研究による中間子の存在の予言
何故、陽子と中性子が 10-14 m の大きさに 束縛されているのか?
何が、陽子と中性子を繋ぎ止めているのか? 原子核の大きさ
原子核の大きさ
10-14 m
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力を伝える粒子: 『中間子』
中間子のキャッチボール
軽い粒子は遠くまで
重い粒子は近くだけ
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色々な力と『中間子』
電磁力電磁力 無限遠 核力核力
弱い力弱い力
重力重力
~ 10-15 m
~ 10-18 m
無限遠
光子
力の種類 到達距離 『中間子』 質量 0
パイ中間子 陽子の0.15倍
W・Z粒子
(重力子)
陽子の約90倍
0
1947年 発見
1948年 人工的に生成 1947年 発見
1948年 人工的に生成
強い力強い力 無限遠 グルーオン 0
クォークを結びつけ、陽子・中性子を作る力
ベータ崩壊を引き起こす力
『力を伝える粒子』
『力を伝える粒子』
『力を伝える粒子』
『力を伝える粒子』
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中間子の発見
1950年 セシル・パウエル
写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発 および諸中間子の発見
1950年 セシル・パウエル
写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発 および諸中間子の発見
1947年
アンデス山脈の高地で
宇宙線にさらされた写真乾板による発見
ノーベル物理学賞 受賞講演論文より抜粋
−
−
−
e
−
e
パイ中間子の崩壊 パイ中間子の崩壊
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陽子 u u d 中性子 u d d
u u u
−
u u d u d d d d d
0 u d s
反陽子 u u d
0 u d s
− d d s
u u s
ハドロン (強粒子)
バリオン(重粒子) メソン(中間子) クォーク3個
クォーク3個 クォークと反クォーククォークと反クォーク
反バリオン(重粒子)
反クォーク3個 反クォーク3個
u d
− d u
0 u u d d
K− s u
K u s K0 d s K0 s d
0 u u d d s s
クォークの電荷 電荷 +2/3 電荷 -1/3
クォークとハドロン
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p=2.792847356±0.000000023 N n=−1.9130427±0.0000005 N
N= e 2m
p
=3.1524512326 45×10−14 MeV/T 核磁子(Nuclear magneton)
陽子のスピン
p= 4
3
u−
1
3
d
n=
4
3
d−
1
3
u
p
n=−
3
2
実験結果は
−1.46 ....
クォークと核子の磁気能率
u u d u u d d d u d d u
中性子のスピン
u ⇔ d
mu=md eu=−2 ed
u=−2
dスピンスピン
磁気モーメント
磁気モーメント クォークの電荷を考慮すると・・・
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Δバリオン
→ 同じスピンのアップクォークは禁止
→ 別の自由度が必要: 3成分必要
→ 同じスピンのアップクォークは禁止
→ 別の自由度が必要: 3成分必要
u
u u
Δ++バリオンは
アップクォーク3個で出来ている
パウリの排他原理 パウリの排他原理
Δバリオンのスピン Δバリオンのスピン
クォークはすべて上向き
3
2 =+
1
2 +
1
2 +
1
2
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クォークは 赤(R)、青(B)、緑(G) のカラー(色電荷)を一つ持つ 反クォークは補色(反色):反赤(R)、反青(B)、反緑(G) を持つ ハドロンは、白色となるようなカラーの組み合わせをとる
R B G
バリオンバリオン
R B G
反バリオン
反バリオン 中間子中間子
R R B B
G G
クォークのカラー自由度
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クォーク間の力: 強い力とグルーオン
電磁力電磁力 無限遠 核力核力
弱い力弱い力
重力重力
~ 10-15 m
~ 10-18 m
無限遠
光子
力の種類 到達距離 『中間子』 質量 0
パイ中間子 陽子の0.15倍
W・Z粒子
(重力子)
陽子の約90倍
0
1947年 発見
1948年 人工的に生成 1947年 発見
1948年 人工的に生成
強い力強い力 無限遠 グルーオン 0
クォークを結びつけ、陽子・中性子を作る力
ベータ崩壊を引き起こす力
『力を伝える粒子』
『力を伝える粒子』
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クォーク間の力: 強い力
強い力の性質
遠く離れれば離れるほど 力が強くなる
近づくほど弱くなる
→ 漸近的自由性
2004年 デヴィッド・グロス、H・デヴィッド・ポリツァー、フランク・ウィルチェック 強い相互作用の理論における漸近的自由性の発見
2004年 デヴィッド・グロス、H・デヴィッド・ポリツァー、フランク・ウィルチェック 強い相互作用の理論における漸近的自由性の発見
※ 電磁気力:遠距離では力は弱くなる、近づくほど強くなる
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高エネルギー粒子の『衝突』・『散乱』
だるま落としの特徴
・ 十分勢いをつけて
・ コマの1つだけを打ち抜くと
・ 他のコマはそのままで、打ち出される
・ 上のコマはだるまを倒さずに
・ 下にずれる
強くたたくと、コマはお互いに『自由』に振る舞う
?漸近的自由性?
?漸近的自由性?
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陽子の内部を探る:
電子とクォークの『衝突』と『散乱』散乱された電子を詳しく調べる事で、 陽子の中に
『何個のクォーク』
が入っているか分かる
散乱された電子を詳しく調べる事で、 陽子の中に
『何個のクォーク』
が入っているか分かる
『ビリヤード』+『だるま落とし』
『ビリヤード』+『だるま落とし』
陽子
散乱された粒子
当たらないと素通り 加速された粒子
例) 電子
陽子の中のクォーク
陽子の中を探る実験 陽子の中を探る実験
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陽子の中にあるクォークの数
『陽子の中に粒子が3個ある』
『陽子の中に粒子が3個ある』
1990年ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー
素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、
陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究 1990年ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー
素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、
陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究
1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見 1969年 マレー・ゲルマン
素粒子の分類およびその相互作用に関する発見
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グルーオンとクォークの対生成
強い力= バネ(グルーオン: 膠粒子・のり粒子) 強い力= バネ(グルーオン: 膠粒子・のり粒子)
クォーク クォーク
グルーオン
クォークを引き離すと 引力がどんどん強くなる エネルギーがたまって
クォーク・反クォーク対が 沢山生成される。
クォーク
反クォーク
陽子の中でもクォーク・反クォーク対が沢山生成されている!!
陽子の中でもクォーク・反クォーク対が沢山生成されている!!
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陽子はクォークスープのコップ?
陽子は大きさが 10-15 m のコップで、 中はクォーク・反クォーク・グルーオン で出来たスープで満たされている。 陽子は大きさが 10-15 m のコップで、 中はクォーク・反クォーク・グルーオン で出来たスープで満たされている。
陽子の物理的性質を決める 3つの『価クォーク』が
スープの上に浮かんでいる 陽子の物理的性質を決める 3つの『価クォーク』が
スープの上に浮かんでいる
1990年ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー
素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、
陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究 1990年ジェローム・アイザック・フリードマン、ヘンリー・ケンドール、リチャード・E・テイラー
素粒子物理学におけるクォーク模型の決定的重要性をもった、
陽子および中性子標的による電子の深非弾性散乱に関する先駆的研究
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CERN-EMC実験
スピンをそろえた陽子標的 スピンをそろえた陽子標的 スピンをそろえたミュー粒子ビーム
約 1011電子ボルト (数百億電子ボルト) 解像度は 陽子の100分の1
スピンをそろえたミュー粒子ビーム
約 1011電子ボルト (数百億電子ボルト) 解像度は 陽子の100分の1
散乱された粒子を検出 散乱された粒子を検出
スピンをそろえる = 『スピン偏極』
スピンをそろえる = 『スピン偏極』
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電子の散乱と『スピン』
電子とクォークの散乱 電子とクォークの散乱
『光子』を放出
『光子』を吸収
散乱
電子・クォークと光子のスピン 電子・クォークと光子のスピン
電子・クォーク +1
2 − 1 2 光子 +1 −1
スピン +1 の 例)
+1 2
−1 電子スピン 反転 2
クォークスピン 反転
−1 2
+1 2 スピン +1 の
スピン保存則 スピン保存則
反応の前後でスピンの合計は同じ
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スピン偏極している場合
電子とクォークの散乱 電子とクォークの散乱
電子のスピンをそろえると、
反対向きのスピンのクォークが散乱される 電子のスピンをそろえると、
反対向きのスピンのクォークが散乱される
ビームと標的のスピンをそろえると 偏極陽子中で
どれくらいクォークが偏極しているか を明らかにできる。
ビームと標的のスピンをそろえると 偏極陽子中で
どれくらいクォークが偏極しているか を明らかにできる。
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陽子スピンの起源
複合粒子の『スピン』 = 構成粒子の『スピン』
※ ヘリウム原子核(陽子2+中性子2)のスピンは 0
ところが...
1988年 CERN(スイス)- Europeam Muon Collaboration
『クォークのスピンを足しても誤差の範囲でゼロ』
1988年 CERN(スイス)- Europeam Muon Collaboration
『クォークのスピンを足しても誤差の範囲でゼロ』
原子・原子核レベルで成立していた法則が 『破綻』 している?
(量子論で成り立つべき足し算)
『陽子スピンの危機』
『陽子スピンの危機』
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陽子スピンの謎にせまる研究
『陽子スピンの危機』
『陽子スピンの危機』
(1988年)およそ四半世紀にわたる研究の始まり いまだ未解決の問題
『鍵』は再び クォークの『軌道』と『スピン』に?
『とある模型の理論予想』 クォークのスピン状態が
クォークの軌道に影響する。
『とある模型の理論予想』 クォークのスピン状態が
クォークの軌道に影響する。
s p
電子の軌道
あくまで『模型』なので
あくまで『模型』なので
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「陽子のスピンを探る実験」
CERN-COMPASS
FNAL DESY-HERMES BNL-RHIC/spin
KEK
その他にもありますが、省略。
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DESY-HERMES実験(1995 ~ 2007)
電子ビーム
電子ビーム 各種放射線検出器の組み合わせで
散乱された電子を検出 エネルギー
散乱方向 を調べる
各種放射線検出器の組み合わせで 散乱された電子を検出
エネルギー 散乱方向 を調べる
電子と陽子内のクォークとの衝突・散乱 電子と陽子内のクォークとの衝突・散乱
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HERMES実験検出器
陽子の内部を探る実験としては 小・中規模の実験です
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CERN-COMPASS実験
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山形大学 YU-COE
核子
陽子・中性子の総称 核子
陽子・中性子の総称