B 結果の要約
この結果の要約は、本文「C結果の解説」の大意を知りたい方のため
にその内容をまとめて掲げたものである。各項目は本文とそのまま対応
しているので、重複記述が所々に見られることをあらかじめ了承された
い。
内容構成は、見出しの「Ⅰ結果の要約」がさらに「地域意識、ボラン
ティア活動、市民生活の安全、情報伝達、市政評価、主要課題に対する
意識」に分かれている。この順位は調査票の質問順位とは一致しない。
例えば「武蔵野市の将来像」は調査票では最後に置いたが、ここでは地
域意識の一つの表れとみなして、最初 の「1地域意識」の部分で説明し
ている。これらの見出し順位は本文「C結果の解説」と同じである。
また「Ⅱ市民満足」は、行政評価の尺度として重視されつつある市民
満足を、本文の各項目の配列説明にこだわらずに、新たな視点からデー
Ⅰ
結
果
の
要
約
1
地域意識
ここでは武蔵野市に対する市民の関心度および好意度を明らかにする。
(1)地域社会への関心
武蔵野市全体における日々のできごとや動きに「非常に関心がある」または「ある程度関心
がある」という市民を合わせると、対象者の9割がそう答えている。ほとんどの人たちが何ら
かの関心を示していることがわかる。
これに対して、町内のできごとや動きに限ると、関心のある人は7−8割で、市全体に対す
る関心度よりはやや低い。
これらの関心度は市レベルでは中高年層が高く、町内レベルでは女性が各年代で高い。男性
若年層はどちらのレベルでも低い。
これまでの調査データを見ると(約20年間)、市レベルでも町内レベルでもほぼ上記に示
される高水準の関心度が維持されてきたことが示される(次ページ図1−1グラフ参照)。
(2)近隣との交際
近隣の人たちと「互いの家で話や飲食をする」「おすそ分け、物の貸し借りをする」といっ
た親密なつきあいをしている対象者はおよそ10人に1人である。
やや深いつきあいになると「立ち話をする」が4人に1人の割合、その次の「会えばあいさ
つする程度」のつきあいがいちばん多く、ほぼ半数である。
これらに対して「ほとんどつきあいはない」という人たち、つまりもっとも浅い交際度合い
の回答者は全体の1割余りを占めている。
年代とともに近隣との交際は深くなるが、より深くなるのは女性では中年に入ってから、男
性では高年に入ってからである。
(3)定住意向
回答によっていくつかのタイプに分けると次のようである。
・地元型… 「この土地を離れるつもりはない」という、武蔵野市にずっと住んでいる人たち、
全体の3割近い。もちろん高年層に多い。
・愛着型… 「ここが好き、長くここで生活したい」と武蔵野市が気に入っている人たち、4割
を占めてもっとも多い。
・消極型… 「結局はここで生活するようになるだろう」という人たち、2割近い。
・移動型… 「いずれよそに移るだろう」という人たち、1割に満たない。
・無関心型… 「たまたまここで生活しているだけ」という人たち、1割に満たない。男性若年
にとくに多い。
過去のデータとくらべると、地元型、愛着型などが増加、移動型が減少の傾向がみとめられ、
図1−1 地域社会への関心、交際、定住意向
―時系列―0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03
%
ア )武蔵野市全体のできごとや動き
0 10 20 30 40 50 60
84 87 91 95 99 03 %
イ )町内のできごとや動き
非常に 関心がある ある程度 関心がある
関心がない
<地域社会への関心度>
<近隣との交際の度合い>
0 10 20 30 40 50 60
1984 87 91 95 99 03
%
会えばあいさつ
会えば立ち話をする
つきあいはない
おすそわけ、物の貸し借り 互いの家で話や飲食
<定住意向>
0 10 20 30 40 50
1984 87 91 95 99 03
%
愛着型
消極型
移動型
(4)武蔵野市に対する好ましさ
ほとんどの人が武蔵野市を「好き」または「まあ好き」と答え、ほぼ6対4の割合に分かれ
た。武蔵野市にとくに非好意的な住人はほとんどいないとみてよい。好きと答えた人はとくに
女性高年に多く、まあ好きという程度は男性中年に多い。この割合は前々回調査(8年前)で
は5対5の割合であったから、好意度は近年増加の傾向にあると言える。
武蔵野市が好きな理由としてあげているのは「交通の便」「買い物が便利」「公園が整備され
緑が多い」の3つがとりわけ多い。その他の利点では「文化スポーツ施設」「治安のよさ」など
があげられた。
(5)生活環境の評価
生活環境を測る7項目の指標を設定して、それぞれ4段階評価をしてもらった結果は次のよ
うである。
まずもっとも評価が高いのは「公園や緑の多さ」で、「よい」が半数、「まあよい」を合わせて
9割である。
否定評価のワーストは「自動車の騒音・振動」で、「あまりよくない」「よくない」を合わせて
3割以上が否定評価となっている。
他の項目は「建物のこみ具合」「災害時の安全性」「道路整備の状況」「ゴミの出し方」「交通の安
全性」の肯定否定は、それぞれ8対2割程度である。
(6)武蔵野市への誇り・愛着
武蔵野市に対して誇り・愛着を感じるという人は全体の7割を超えて大きい。反対に感じな
いという人は非常に少ない(5%)。つまり、武蔵野市民の4人のうち3人近くまでは、自分
の住んでいる都市に対する帰属意識を持っているものとみてよい。
性年代では、誇り・愛着を感じるという人が多いのは男性高年および女性中高年で、反対に
感じないが多いのは男性若年で、この差は歴然としている。
傾向としては、これまで誇り・愛着を感じるという割合がやや減少気味だったのが、今回調
査では増加に転じている。(次ページ、グラフ参照)
(7)武蔵野市の将来像
武蔵野市の将来像として描くイメージは「静かで緑に恵まれた住宅都市」という答がもっと
も多く4割近くを占めた。次いで「知的な雰囲気の文化都市」と「高齢者や障害者の住みやす
い福祉都市」が、いずれも対象者の2割にあげられた。その他では「買物や地域交流の生活核
都市」がやや多い。
住宅都市イメージは広く各年代一般の人に抱かれ、また文化都市イメージは男性の中高年層
を中心に抱かれている。福祉都市イメージは女性高年層に強い。
これまでの傾向としては、福祉都市の将来像への期待が毎回高くなって、一位の住宅都市を
あげる人との割合が接近してきたが、今回再びその差が開いた。その理由は推測ではあるが、
現在でも福祉施設サービスは十分だからという意見のほかに、今回急速にこのイメージが低下
したのは、昨今問題となっている年金制度の不安によって、福祉の将来がにわかに現実味を帯
あるいはゆとりを求めての文化都市への期待に転じたのかもしれない(下図)。
図1−2 武蔵野市への誇り・愛着
―時系列―0 20 40 60 80
1984 87 91 95 99 03
%
感じる
どちらともいえない
感じない
図1−3 武蔵野市の将来像
―時系列―0 10 20 30 40 50
1987 91 95 99 03
%
住宅都市
福祉都市
教育都市
産業都市
文化都市 生活核都市
行政都市
2
ボランティア活動
ボランティア活動は行政への市民参加の一形態として、重要度を増している。
(1)参加したいボランティア活動
もし参加するとしたら、どんなボランティア活動を選ぶかを、リストを提示して答えてもら
った。回答は「趣味スポーツなどのグループ活動の手助け」という人がもっとも多く3割をこ
えた。次いで「リサイクルやまちの清掃美化」「高齢者の話し相手」「まちの緑化や公園の管理」
「コミュニティセンター活動」「外国人の相談相手」「子供会、野外活動」「福祉施設の手助け」をあ
(2)参加経験と今後の意向
現在、ボランティア活動に「積極的に参加している」という人は全体の5%、「一応参加し
ている」という人は9%である。「過去に参加した経験がある」という人の24%を合わせる
と、ボランティア活動に何らかのかかわりを持つ人は、ほぼ3人に1人となる。
今後も「積極的、継続的に参加したい」という人は4%である。これは上の積極参加とほぼ
同じ割合である。その中の多くが現在も積極的に参加そして今後も継続したい人たちであると
すれば、これはボランティア活動のコア部分とみてよい。
また「休日や自由になる時間に」あるいは「将来、時間的に余裕ができたら」参加したいと
いう条件付きの人は7割に近く、ボランティア活動の裾野は広いといえる。
現在の参加者には、男性高年層および女性中高年層が多く、また今後の参加意向者も男性高
年層に多い。これに、「休日か自由になる時間に参加したい」という人を入れると、男性女性
の中高年層に拡がり、「将来、余裕ができたら参加したい」という参加可能性のある人まで含
めると、若年層の希望者がぐんと多くなる。
3
市民生活の安全
ここでは、市民生活の安全を守るという立場から、最近、多発する凶悪な犯罪を中心にいく
つかの質問を設けた。
(1)犯罪被害への不安
まず、犯罪被害に遭うことに不安を感じることが「よくある」という人は、全体の6%でそ
う多くないが、「たまにある」という人の4割余りを合わせると、不安感を抱いている市民は
ほぼ半数であると言える。残りは不安感を抱くことが「あまりない」「まったくない」がそれぞ
れ4割および1割となっている。
性年代では、たまに不安に感ずるという人が女性の若年層にとくに多い。一人歩き一人住ま
い、あるいは小さな子どもを持つ若い母親などが想像される。
(2)最近の犯罪・事故の傾向
最近の犯罪・事故の傾向でよく知られているものは、回答率の順に並べると次のようである。
○ 7割以上… ピッキングなどによる空き巣
○ 4割台… 通り魔的な犯罪、路上強盗やひったくり、少年非行の凶悪化粗暴化
○ 3割台… 強引な訪問販売などの悪質商法、自転車の暴走運転などによる事故、来日外国人に
よる犯罪の増加
○ 2割台… 自動車や自転車などの乗り物盗、携帯電話での迷惑電話、誘拐など子供が巻き込ま
れる犯罪、高齢者が狙われる詐欺などの犯罪、インターネット利用の犯罪など
連日、マスコミのニュース種になっているだけに、多種多様な犯罪の発生や手口を人々はじ
ゅうぶんに思い知らされている。
(3)市民生活を守るための対策
なわち「市が率先して」「市民一人ひとりが」「地域の人たちが協力」については、いずれも
3−4割の人があげている。この質問は複数回答なので、7割の人たちが「市・警察・住民の
協力」を前提として、さらに上述の手段をあげていることになる。
4
情報伝達
ここでは市が常にオープンにしている情報の伝え方について、市民側の反応を聞いてみた。
(1)市民が知りたい情報
市民がいちばん知りたい情報は「公共サービスの受け方」で7割近くがあげている。次に「催
し物や行事の案内」「行政や制度についての解説」「市民生活についての相談」がそれぞれ3
割前後となっている。
以上の情報を答えた人は全体の9割で、残りは「知りたい情報はとくにない」と答えた。
(2)望ましい情報伝達の手段
情報伝達に望ましい手段は「毎月の市報」に集中し、上記の知りたい情報を答えた人のうち
8割に近い。それ以外では「市のホームページ」が1割、「メールマガジン」が5%である。
「コミュニティセンターの掲示板」はそれ以下で少ない。
(3)情報伝達の状況
それらの情報が「伝わっている」という人は4割余り、これに対して「あまり伝わらない」
または「伝わらない」が残りの6割である。予想外に伝わらないという声が多い。
情報が伝わらないと答えた人の多くは、その理由として「調べている時間がない」「どこに
出ているかわからない」と述べている。とくに若年層にそのような声が多く聞かれた。
5
市政評価
市政評価については、その前にまずここ数年に市が行っている事業の認知状況を知ることか
ら、質問を始めた。
(1)市の事業に対する認知
最近行われた市の主な事業19種類を提示した。その中で、もっともよく知られているのは
「ムーバス3号4号路線の運行」である。認知率は実に8割近くに達した。
この後、認知率は落ちるが「吉祥寺美術館開館」「高齢者移送サービス・レモンキャブ」「武
蔵野地域自由大学」「子育て支援・0123はらっぱ」が4割台、「新武蔵野商工会館」「姉妹友
好都市アンテナショップ麦わら帽子」が3割台と続く。
その他「土曜学校」「吉祥寺朝一番隊」「市内パトロール・ホワイトイーグル」「小児救急体制
の強化」が2割台。
(2)現在の市政に対する評価
次の3つの質問で市政に対する評価を行ってみた。
○ 「市の行政はうまくいっている」という意見に肯定的な人は60%である。「そう思わない」
○ 「市政は市民の意見を反映している」という意見には肯定的な人が36%で、否定の27%
を上回っている。この項目では「わからない」という回答が、全体の3分の1を占めて大き
い。
○ 「市の行政は何を行っているのかよくわからない」は肯定否定の解釈が上と反対になる。否
定回答は33%で、これは「行政が行っていることがよくわかる」と意味であるから、プラ
ス評価である。「よくわからない」という意見に賛同する回答は45%で、これはマイナス
の評価である。差し引き12%だけ「よくわからない」というマイナス評価が多かったこと
になる。
次のグラフに今回までのデータによる時系列変化を示した。「市行政がうまくいっている」
という評価は初期の50%弱から、まもなく60%に上昇しその後は同一レベルで安定してい
ることが示される。また「市政は市民の意見を反映している」は第2回調査を除いて変化は認
められない。(「行政が何を行っているかわからない」は前回から質問項目に取り入れた)
図1−4 現在の市政に対する評価
―時系列―0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03 % 0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03 % 0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03 %
そう思う
わからない
そう思わない ア )武蔵野市の行政は うまくいっている
ウ )市政は市民の意見を 反映している
エ)武蔵野市の行政は何を どのように行っているのか わからない
(3)市民の権利要求意識など
市民の権利要求などの意識6項目について回答者の肯定否定の状況を概観すると、次のよう
である。
大多数を占める意見としては、「サービス向上のための職員増やむなし」に65%が否定的
であり、「生活や地域の問題解決を市に要求する」に75%が肯定的であることである。
次に比較的多い意見としては、「受益者負担は納得できない」に57%が否定的であり(つ
まり受益者負担は当然である)、「市民は行政に頼りすぎる」に54%が肯定的であり、どち
らもそれらの意見が過半数を超えている。
あまりはっきりしないのは「市民は意見反映の努力をしている」「税負担よりサービス低下
をがまんする」についての意見であり、肯定否定が相半ばしている。
とくに市民の『権利要求意識の強さ』については、「市民は行政に頼りすぎる」への否定割
合および「問題解決を市に要求」への肯定割合で測ることができる。これらの割合が大きい層、
すなわち権利意識がとくに高いのは女性若中年層である。反対に男性高年層ではその割合が小
時系列的な傾向として、これらの割合はほぼ毎回増え続けている。つまり権利要求の意識は
強くなる傾向にあるということである(図の下段中および右)。
図1−5 市民の権利要求意識
―時系列―0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
% 0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
% 0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
%
そう思う
そう思わない
イ)市民は意見反映の努力を している
オ)税負担より行政サー ビス低下をがまんする
カ)受益負担者は納得 できない
0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
% 0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
% 0 10 20 30 40 50 60 70 80
84 87 91 95 99 03
%
キ)行政サービス向上のための 市職員を増やす
ク)市民は行政に頼りすぎる ケ)生活や地域問題の解決を
市に要求すべきだ
6
主要課題に対する意識
今年度施政方針から選んだ市政の主要課題10について、それぞれ5項目ずつの意見を呈示
して、その中から対象者の考えに近いものを3つ以内で答えてもらった。
(1)高齢者・障害者の支援
もっとも多い回答は、高齢者が元気でいるために「働きたい人には働き場所を」という意見
で全体の6割があげた。次いで高齢者・障害者が「地域のなかで尊厳をもって自立する」とい
う意見を5割があげている。
一方、サービスや施設面での支援として、「特養老人ホームやテンミリオンハウス」「ケア
マネージャー、ホームヘルパー」の充実をそれぞれ3−4割の人があげている。
もって自立する」は女性高年層に多い。
(2)子どもたちの問題
回答の多い順に見ていくと、まず「自然体験を取り入れた教育」「親子がふれあう機会を多
くする」「子どもが自由に遊んだり学んだりする場」の必要性が5−6割の人にあげられた。
「チームティーチングや少人数学級」「保育園、0123型施設の充実」を望む意見が、どちら
も2割台である。
女性は年代によって回答が分かれ、若年層では「保育園」、中年層は「学校教育」、高年層
は「親子のふれあい」と、それぞれ関心のあり方の違いが表れている。
(3)緑化・地球環境問題
市民の取り組みやすい活動として「資源物のリサイクル」をあげた人が全体の3分の2、技
術や費用を伴う対策「燃料電池、太陽光発電」「公園緑地の拡大」は、それぞれ半数前後となっ
ている。また、ごみの排出については「ごみの最終処分場」について3割、「家庭ごみの有料
化」を2割があげている。
性別に見ると、男性は「燃料電池など」のクリーンエネルギーに、女性は「身近かなリサイ
クル」に関心を示すことが、はっきりと示された。
(4)道路整備・交通問題
「歩道・車道を分離して、歩行者が安心して通れる道とする」という意見がもっとも多く、全
体の7割近くが望んでいる。その他の回答では「交通ルールやマナー」「駅のバリアフリー化」
「生活道路は歩行者優先」「ムーバスの路線拡大」に関する意見が、いずれも大差なくほぼ4割前
後の人からあげられている。
このなかで「歩道・車道の分離」はとくに子どものいる女性中年層が多くあげている。
(5)今後の吉祥寺のまちづくり
吉祥寺のまちづくりに望む意見でもっとも多いのは、交通の便を考えての「途中の渋滞解消
や駐輪場整備を」、次に路上での「つきまとい勧誘や建物への落書きをなくす」である。どち
らの回答も半数を越えている。その他の意見としては「芸術に親しめるまち」「ハード面の開
発整備」「商店活性化」が望む意見が、それぞれ異なる視点からあげられた。
このなかで性年代に差があるのは「つきまとい勧誘」は女性若中年層があげている。
(6)文化・スポーツ・生涯学習
総合体育館や屋内プールでの「スポーツ教室や野外活動」、図書館での「蔵書の拡大」、文
化会館やスイングホールでの「質の高い一流音楽」、美術館や劇場施設での「市民の文化活動」、
大学で希望者が「受講できる仕組み」が、回答者の関心領域に応じてそれぞれ4−5割の人に
あげられた。
なお「図書館」は男性中年、女性若中年層に多く、「文化会館」は女性中高年層に多くあげ
(7)情報公開と個人情報保護
情報公開の立場からは、「市民に関心の高い情報の積極的な提供」を促し、さらに「市政を
見守り行政に参加する」という考えが男性中高年層に比較的多く見られたが、いずれも2割台
で少なく、まだ情報公開についての理解、関心が十分でないように思われる。
一方、より多くあげられた回答は、情報公開に当たっての心配から「プライバシーの保護を」
「故意や過失で情報が漏れない仕組みを」「適正厳格な管理を」で、いずれも半数をこえている。
これらの意見はとくに女性層に多く見受けられた。
(8)市政のあり方
市が行政を進めるに当たっては、「市民がどの程度満足しているかを意識して行政をすすめ
ていく」ことが重要であるとする考えを、全回答の6割が支持してもっとも多い。
その他の意見は、行政の仕組みに関することがほとんどで、「民間の手法取り入れ」「外部
委託の推進」「市民を嘱託員に採用」「NPOとの協力」の考えまたは提案が、それぞれ2−4割
の人の賛同を得た。
「市民が満足しているかどうかを意識する」は女性層の回答に多く見られ、「行政の仕組み」
についての提案は男性層の回答に多く見られた。
(9)男女共同参画社会
自由に女性が働ける社会にするには、個性と能力に応じた「採用・雇用制度の見直し」と、
働きやすい環境を作る「保育園、子育て支援センターの整備」が必要とする回答が、それぞれ
5割前後。前者は女性中年層に多く後者は女性若年層に多い。
また「男は仕事、女は家庭という考えを改める」が4割、「子どもは適性に応じた教育を」
が2割余りの人にあげられた。前者は女性若高年層、後者は女性中年層。
これらに対して、単に平等というのでなく「互いの性の違いを尊重すべきだ」という意見が
4割の人から支持された。この回答はとくに男性高年層に多い。
(10)交際交流・国内交流
国際交流については「青少年の時から体験を深める」とする意見が半数から聞かれた。また
「市民交流団」と「留学生との交流」をいずれも2割の人があげた。前者は男女とも高年層に
多く後者は若年層に多い。
国内交流については「自然の豊かな他都市との提携」「友好都市間で文化・スポーツの交流」
の2つで、どちらも4割前後で国際交流より多い。前者は男性中年層、後者は女性若年層に多
Ⅱ
市
民
満
足
この項目は市民満足に焦点を合わせて、今回の調査項目のなかから多少なりと関係のある部
分を選んで、それらを組み合わせた分析を行ったものである。今回の方法は前回方法を踏襲し
たものであるが、分析手法の妥当性および結果の信頼性を確認することができた。
1
関心度と満足度
市民満足を行政の評価尺度の一つしようという考え方が広く支持されている。市民の満足度
合いを基本にして行政を評価せよという考え方である。以下では、本調査から得られたデータ
を市民満足という視点でとりまとめることを試みた。
そのための前提として、市政についての市民の関心および満足の度合いによって、大略次の
ような構造図を描くことができるものとする。すなわち、市民はまず市政に関心を持つか持た
ないかに大きく2つに分かれ、さらに関心を持つ人々はその市政に満足するかしないかによっ
て分かれる。そして全部で「満足」「不満」「無関心」の3層が形成されることになる。
またこれに付け加えて点線内に示したように、今後さらに現在の無関心または不満層が満足
層に至る道筋を描いてみた。
図2−1 市政に対する関心・満足構造図
(今後目指す方向)
満足
市政に関心
市
民
不満
満足
2
調査項目による各層の区分
今回の調査項目のうち、明らかに市政に対する関心度、満足度に関連していると思われるも
のを選んで、下表に掲げた。表では、回答の選択肢によって「満足」「不満」「無関心」の3区分
のいずれに入るかを判断している。なお、個人別には、ある項目には関心がないが他の項目に
はうるさい人、その反対の人など、いろいろの組み合わせケースが考えられるが、現段階では
個人レベルの分析にまで触れないことにする。
表2−1 満足度による層区分一覧表
単位:%
市政に満足 市政に不満足 市政に無関心
行政などの
情報伝達 *
伝わっている 38 伝わらない 42
知りたい
情報なし
20
武蔵野市への愛着 感じる 73 感じない 5
どちらとも
いえない
22
市行政の評価
うまくいって
いる
60
うまくいっ
ていない
14 わからない 26
市政は市民の
意見を反映
反映している 36
反映して
いない
27 わからない 37
市 政 は 何 を し て い る
かわからない
そう思わない 33 そう思う 45 わからない 22
注:*%の基数の関係で本文およびE統計表と数値が合わない。
3
各層の大きさおよび対象者特性
(1)全体として
上表の各区分についてパーセントを平均することによって、それらを総合した満足度による
各層の大きさとして次の値が得られた。
・満足層… 49%
・不満層… 25%
・無関心層… 26%
すなわち今回の計算結果では、満足層が全市民の半数、残りを不満層および無関心層が半々
ずつ占めることになる。
(2)傾向として
過去のデータにさかのぼって各回時点での満足度による各層の大きさを計算してみた(D付
表−12)。*1
すなわち初回調査から見ると満足層の大きさは41→48%と増加しており、不満層は38
→27%と減少している。下図は「満足層」「不満足層」「無関心層」の各層の大きさの時系列変化
満足層と不満層の格差を「満足度指標」とすれば、この大きさは2つの折れ線グラフの開き
で表される。この見方をすると、第1回調査では格差が41−38=3%であったのが、今回
調査では48−27=21%と拡大していることが、グラフに示される。第3回調査を除けば、
満足度指標は確実に増加し安定していることが言える。*2
図2−2 満足度による層の大きさ
―時系列―0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03
%
満足層
不満足層
無関心層
注1:*以下に満足度の時系列データ作成に当たって次の点を付け加えておきたい。
前回同報告書で満足度計算に採用したデータは11項目であったが、それでおおよその見当がついた
ので、今回はデータ連続性(毎回調査)およびデータ整合性(項目間相関の高さ)を考慮して表2−1
の5項目にしぼった。
また「情報伝達」および「市政は何をしているかわからない」のデータについては前々回まで調査項
目に入っていなかったので、ひとまず全期間について満足度計算はそのデータなしで行った。そして、
今回および前回分についてこの2つのデータの欠落による計算値のギャップを求めて、過去にさかのぼ
って各層の大きさを補正した。
注2:*この指標は、満足層、無関心層、不満層の大きさ(%)に「+1」「0」「−1」のスコアを与え
て合計した値に等しい。
(3)対象者特性別には
ところで表の各項目ごとに回答者の性年代、職業などの対象者特性がわかっている。従って
それらの特性別に満足度の計算を行い、各層データを比較することによって、対象者特性面で
の特徴を知ることができる。表2−2(次ページ)に性年代別による傾向を示した。
○ 満足層が男性、女性ともに高年に多いのは、昔から地元に定住し地域意識が高く、武蔵野市
に誇りと愛着を感じているからである。高齢のため福祉サービスの受益者の立場にあること
も、市政への満足度を高める一因となろう。また高年層とともにこの層に属する女性中年層
たしている。このことが満足度を高める動機として働くものとみられる。
○ 不満層は男性若中年と女性中年に多い(女性中年は満足層でも不満層でも多い)。地域社会
の一員として、これまでの無関心層から市政や地域社会とのつながりに関心を示しはじめた
ところである。いささかの戸惑いと疑問不満を持つのは当然といえるかもしれない。
○ 無関心層は男性の若中年に多くみられる。近年の移住者でまだ子どももなく、職場は市外に
あり、余暇も地域外ですごすといった人々であろうか。女性も若年層には無関心層が多い。
しかし、中年層になると子育てや日常生活で地域コミュニティに溶け込んで親しみを感じる
ようになり、さらに武蔵野市に対する帰属意識も高まるので市政への無関心者は減少する。
表2−2 性年代別の満足度
単位:%
計 満足 不満 無関心
全 体 100 49 25 26
男 計 100 46 27 27
女 計 100 53 23 24
男若年 100 38 29 33
男中年 100 42 31 27
男高年 100 59 20 21
女若年 100 48 23 29
女中年 100 51 27 22
女高年 100 59 19 22
4
市政に対する不満点
本調査結果から対象者の不満またはそれに類する意見で、具体的かつ回答割合の比較的大き
いものを選んで次に掲げる。ただし、表1との重複が若干あることをお断りする。
表2−3 市政に対する不満点とその大きさ
△ 生活環境自動車の騒音・振動33%、建物のこみ具合26%
△ 武蔵野市に対する誇り・愛着… どちらともいえない22%、感じない5%
△ 犯罪被害に対する不安… よく感ずる6%、たまに感ずる43%
△ 情報伝達… 知りたい情報が全く伝わらない5%、あまり伝わらない37%*
△ 武蔵野市の行政について… うまくいってない14%、市民の意見を反映していない27%
何をしているのわからない45%
△ 受益者負担… 納得できない32%
△ 市職員の増加… 納得できない65%
△ 情報公開… プライバシー保護が心配67%
5
市民満足度の向上
満足度向上のための方策としては二つの異なる方向が考えられる。
その一つ市民のクレームを処理することなどによって不満点を改善していく方向である。こ
のクレームは大雑把には表2−3から読み取ることができる。
例えば「情報が伝わらない」というクレームがあれば、どんな情報がどの市民層に伝わらな
いのかを明確にし、民間の広告手法を取り入れて効果的なメディアを選択し訴求する手法を思
いつくことができよう(企業はこの方策にたえず腐心している)。
もう一つは、市民参加の意欲のある人々に担い手としての満足感を充実させる方向がある。
これに関しては、表2−4を対応するものとみなして掲げた。
例えば、参加しやすいボランティア活動として「公園管理」があげられるなら、ある人々に
対してはそれをお願いすることで喜んでいただけるかもしれない。行政はまずこれらの関心層
の期待に応えることから始めたい。
表2−4 市政に対する関心、期待、要望
○ 地域社会への関心… 武蔵野市全体について86%、自分の町内について75%
○ 参加しやすいボランティア活動… 趣味スポーツなどのグループ活動手助け35%、リサイクル、
まちの清掃20%、高齢者の話し相手や世話18%、公園管理19%など
○ ボランティア活動への参加意向… 積極的または休日などに18%、将来余裕ができたら52%
○ 市民生活の安全対策… 市が率先して35%、地域が協力して43%
○ 市民の知りたい情報… 公共サービスの受け方65%、催し物や行事の案内37%
行政や制度の解説31%
○ 情報の伝達… 市報で62%、市のホームページで13%
○ 受益者負担… 付加サービスは受益者負担57%
○ 高齢者対策… 働きたい元気な人々には仕事を61%
○ 子ども問題… 自然体験を取り入れた教育を56%、
○ 交通問題… 歩道と車道をきちんと分離して歩行者が安心して通れる道を66%
○ 文化スポーツ… スポーツ教室や野外活動を48%、質の高い一流の音楽を身近で42%
○ 情報公開… 市政を見守り市政に参加するための条件21%
○ 男女共同参画社会… 女性が働きやすいように保育園や子育て施設を55%
○ 国際交流… 青少年のときから体験を51%
○ 行政のあり方… 市民満足を意識した行政を63%、民間の手法取り入れ41%、市職員数の見
直しと外部委託を33%
また、今回調査で「市政のあり方」について質問しているが、「市民が満足しているかどう
まず市民の満足・不満の状況を客観的に把握することが必要である。
このためには今回「満足度指標」として試算したものを、各分野にわたってより具体性をも
たせたものに改善する工夫がのぞまれるであろう。測定データとしては、行政から提供される
施設や制度の利用人数、予算配分などの量的な面と、市民による複数項目への評価スコアのよ