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FOMC インフレ目標達成への自信を深める

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Academic year: 2018

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このレ ポートは投資勧 誘を意図して 提供するもので はありません。 このレポートの 掲載情報は信 頼できると考え られる情報源 から作成してお りますが、その 正確性、完全性 を保証する もので はありません。 また、記載さ れた意見や予測 等は作成時点の ものであり今後 予告なく変更 されることがあ ります。㈱大 和総研の親会社 である㈱大和総 研ホールディン グスと大和 証券㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。

2018年2月1日 全4頁

FOMC

インフレ目標達成への自信を深める

次回の利上げ時期は示唆せずも、

3

月利上げの可能性高まる

ニューヨークリサーチセンター

エコノミスト 橋本 政彦

[

要約

]

 2018年1月30日~31日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利で

あるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、従来通りの1.25-1.50%に

据え置くことが決定された。今回のFOMCでは金融政策の変更はないというのが事前の

市場コンセンサスとなっていたため、決定内容にサプライズはない。

 今回公表された声明文では、経済全体の現状認識については「経済活動は底堅く拡大し

ている」とされ、前回会合の表現が据え置かれた。しかし、個別項目への評価を見てい

くと、前回声明文からの上方修正が目立つ。個人消費、設備投資に対する評価は、いず

れも「堅調である(have been solid)」へ上方修正された。

 インフレ率に関する部分では、前回声明文にあった「減速し(have declined)」という

表現が削除されており、足下の下げ止まりが反映される形となった。また、インフレ率

の見通しに関して、「今年は上昇し(move up this year)」という表現が追加され、イ

ンフレ目標達成への自信を深めていることがうかがえる表現になったと言える。

 今回の声明文ではインフレ率に対して前向きな見通しが示されたことから、次回の

FOMCまでに公表されるインフレ関連の経済指標が下振れしない限り、次回のFOMCで追

加利上げを行う可能性が高いだろう。また、金融市場が3月のFOMCでの利上げを高い

確率で見込んでいることも、次回会合での利上げを後押しする要因になると考えられる。

(2)

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全会一致で政策金利据え置きを決定

2018年1月30日~31日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF

(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、従来通りの 1.25-1.50%に据え置くことが

決定された。決定に際して反対票はなく、全会一致での決定となった。2017年12月FOMCで決

定された前回の利上げからの期間が短いこともあり、今回のFOMCでは金融政策の変更はないと

いうのが事前の市場コンセンサスとなっていたため、決定内容にサプライズはない。

経済全体の判断は据え置きも、個別項目を上方修正

今回公表された声明文では、経済全体の現状認識については「経済活動は底堅く拡大してい

る」とされ、前回会合の表現が据え置かれた。しかし、個別項目への評価を見ていくと、前回

声明文からの上方修正が目立つ。

個人消費に関して、前回声明文では「緩やかに拡大している」とされ、設備投資については

「ここ数四半期、伸びが上向いた」とされていたが、今回の声明文では、いずれも雇用の伸びと

並列して「堅調である(have been solid)」とされた。これは、1月26日に公表されたGDP統

計 1

において、個人消費、設備投資がいずれも前期から伸びが加速したことを受けたものと考え

られる。雇用の伸びに関しては、前回声明文でも「堅調である」とされていたため、評価は前

回から据え置かれている。失業率についての表現は、「さらに低下した」という表現から、「低

いままである(has stayed low)」へ変更された。

インフレ率に関する部分では、「物価全体、食品・エネルギーを除いたインフレ率の双方とも、

2%を下回る推移が続いている(have continued to run below 2 percent)」という判断が維持

された。ただし、前回声明文にあった「減速し(have declined)」という表現が削除されてお

り、足下の下げ止まりが反映される形となっている。また、インフレ期待に関する部分でも、

マーケットベースのインフレ期待は「低いまま(remain low)」という表現を残しつつも、「こ

こ数ヵ月上昇した(have increased in recent months)」という表現が追加された。

経済の先行きに関して、最大の変更点はインフレ率の見通しである。前回の声明文では、「短

期的には2%をやや下回って推移するものの、中期的には委員会の目標である2%近辺で安定す

る」とされていたが、今回の声明文では「今年は上昇し(move up this year)、中期的には委

員会の目標である2%近辺で安定する」とされた。インフレ率が目標である2%へと加速してい

くという見方自体は、前回会合で公表された経済見通しでも示されていた。今回、表現が変更

されたことで、インフレ目標達成への自信を深めていることがうかがえる表現になったと言え

る。また、インフレ見通しの修正に対応して、金融政策スタンスについては、従来の「緩やか

な調整(gradual adjustments)」から、「さらなる緩やかな調整(further gradual adjustments)」

へ、追加利上げをより強く示唆する表現に改められた。

1

大和総研 ニューヨークリサーチセンター 橋本政彦「ヘッドラインは減速も、内容は良好」(2018年1月29

(3)

3 / 4

図表1 実質GDP成長率の要因分解、マーケットのインフレ期待

(出所)BEA、FRB、Haver Analyticsより大和総研作成

3

FOMC

での利上げの可能性が高まる、焦点はインフレ動向

当面の金融政策の最大の焦点は、3月20日~21日に開催される、次回の FOMCでの利上げの

有無になるが、引き続きインフレ動向の見極めが最大の焦点となる。今回の声明文ではインフ

レ率に対して前向きな見通しが示されたことから、次回のFOMCまでに公表されるインフレ関連

の経済指標が下振れしない限り、次回のFOMCで追加利上げを行う可能性が高いだろう。次回の

FOMCまでに、雇用統計、消費者物価指数はそれぞれ2回ずつ公表される。

また、金融市場が3月のFOMCでの利上げを高い確率で見込んでいることも、次回会合での利

上げを後押しする要因になると考えられる。CMEが公表するFF先物市場から算出される3月の

FOMCでの利上げの確率は、今回のFOMC 声明文公表後、80%を上回っており、3月のFOMCで利

上げを行いやすいマーケット環境にある。むしろ、利上げ期待が高い中で利上げが見送られれ

ば、金融市場にとってはサプライズとなり、株式などの資産価格の上昇を招くことになろう。

資産価格が上昇すること自体は、経済にとって悪いことではない。しかし、株価の上昇基調が

続く中、FOMC 参加者内では資産バブルに対する懸念が高まっているとみられることから、サプ

ライズを招くような決定をするとは考え難い。もっとも、金融市場による利上げの織り込みも、

今後公表される経済指標やFOMC参加者の発言などに反応して変動するため、今後の動向には注

視が必要だが、やはり最大のカギとなるのは次回のFOMCまでに公表されるインフレ率関連の統

計ということになろう。

一方、3月のFOMCでの利上げに関してリスク要因となるのは、政治動向、とりわけ財政関連

の動向である。1月の政府機関の閉鎖の後に成立した暫定予算は2月8日に期限を迎えるが、予

算関連の混乱は3月まで続く可能性がある。加えて、連邦債務上限は2017年12月から適用が

再開されており、債務残高は既に上限に達している。連邦政府は特別措置によって資金をやり

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6

15 16 17

在庫投資 政府支出 輸入

輸出 住宅投資 設備投資

個人消費 実質GDP (前期比年率、%、%pt)

(年) 実質GDP成長率の要因分解

1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2

15/1 15/4 15/7 15/1

0

16/1 16/4 16/7 16/1

0

17/1 17/4 17/7 17/1

0

18/1

(%)

(年

/

月)

マーケットのインフレ期待

(4)

4 / 4

繰りしているものの、CBO(議会予算局)の試算によれば、3月末から4月初旬までに資金は底

をつくとされ、それまでに債務上限の問題をクリアする必要がある。仮に米国債の格下げやデ

フォルトリスクが高まった場合には、3月のFOMCでの利上げを見送る要因となろう。

なお、次回の利上げのタイミングと並んで注目点となっている、2018年の利上げ回数に関し

て、今回のFOMC声明文では明確な示唆は得られなかった。インフレ目標達成の確度が高まれば、

利上げペースを速める要因となる一方で、インフレ率の目標からの上振れを許容するFOMC参加

者からの発言がこのところ増えており、こうした議論の進展度合いを2月21日に公表される議

事要旨で確認する必要があろう。

図表2 PCE価格指数の推移、金利と株価

(注1)左図のコアPCE価格指数は食品・エネルギーを除く。 (注2)右図の政策金利は、2008年12月16日以降、レンジの上限。 (出所)BEA、FRBより大和総研作成

-2 -1 0 1 2 3 4 5

08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

(前年比、%)

(年)

PCE価格指数の推移

PCE価格指数

コアPCE価格指数

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0 1 2 3 4 5 6 7 8

00 02 04 06 08 10 12 14 16 18

(%)

(年)

S&P500(右軸)

金利と株価

(1941~43年=10)

10年債利回り

図表 1  実質 GDP 成長率の要因分解、マーケットのインフレ期待

参照

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