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平 成 2 9 年 ( 行 ウ ) 第 1 0 号
普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 岩 礁 破 砕 等 行 為 の 差 止 請 求 事 件 原 告 沖 縄 県
被 告 国
原 告 第 6 準 備 書 面
平 成 2 9 年 1 2 月 7 日
那 覇 地 方 裁 判 所 民 事 第 2 部 合 議 A 係 御 中
原 告 訴 訟 代 理 人
弁 護 士 宮 國 英 男
弁 護 士 松 永 和 宏
弁 護 士 仲 西 孝 浩
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原 告 指 定 代 理 人
沖 縄 県 知 事 公 室
知 事 公 室 長 謝 花 喜 一 郎
基 地 対 策 統 括 監 池 田 竹 州 辺 野 古 新 基 地 建 設 問 題 対 策 課
課 長 多 良 間 一 弘
副 参 事 城 間 正 彦
副 参 事 田 代 寛 幸
班 長 新 垣 耕
主 幹 神 元 愛
主 査 知 念 敦
主 査 山 城 智 一
主 任 山 城 正 也
主 任 川 満 健 太 郎
主 事 大 城 和 華 子
沖 縄 県 農 林 水 産 部
部 長 島 尻 勝 広
農 漁 村 基 盤 統 括 監 仲 村 剛
参 事 新 里 勝 也
水 産 課
課 長 平 安 名 盛 正
班 長 七 條 裕 蔵
主 任 技 師 岸 本 和 雄
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沖 縄 県 土 木 建 築 部 海 岸 防 災 課
副 参 事 普 天 間 朝 好
班 長 中 村 猛
主 任 矢 野 慎 太 郎
沖 縄 県 環 境 部 環 境 政 策 課
班 長 知 念 宏 忠
主 任 技 師 愛 甲 俊 郎
主 任 知 名 光 太 郎
主 任 崎 枝 正 輝
主 任 神 谷 大 二 郎
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第 1 沖 縄 県 に お け る 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 に つ い て
1 岩 礁 破 砕 等 許 可 制 度 の 意 義
原 告 が 被 告 に 対 し 、 強 く 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 得 る こ と な く 、 岩 礁 を 破 砕
し て は な ら な い と 求 め て い る こ と は 、 法 制 度 上 当 然 の こ と で あ り 、 被 告
が そ れ を 無 視 し 続 け て い る こ と は 、 普 天 間 基 地 の 代 替 施 設 を 建 設 す る た め 、 こ れ ま で の 水 産 行 政 の 有 り 方 を 便 宜 的 に た だ 、 辺 野 古 埋 立 の た め に
ね じ 曲 げ た も の で あ る と 言 わ な け れ ば な ら な い 。
沖 縄 県 漁 業 調 整 規 則( 以 下「 規 則 」と い う 。)39条 は 、1 項 で 、「 漁
業 権 の 設 定 さ れ て い る 漁 場 内 に お い て 岩 礁 を 破 砕 し 、 又 は 土 砂 若 し く は 岩 石 を 採 取 し よ う と す る 者 は 、 知 事 の 許 可 を 受 け な け れ ば な ら な い 。 」
と し 、 2 項 で 「 前 項 の 規 定 に よ り 許 可 を 受 け よ う と す る 者 は 、 第 9 号 様
式 に よ る 申 請 書 に 、 当 該 漁 場 に 係 る 漁 業 権 を 有 す る 者 の 同 意 書 を 添 え 、 知 事 に 提 出 し な け れ ば な ら な い 。 」 と し 、 3 項 で は 、 「 知 事 は 、 第 1 項
の 規 定 に よ り 許 可 す る に 当 た り 、 制 限 又 は 条 件 を つ け る こ と が あ る 。 」
と 規 定 し て い る 。
規 則39条 は 、水 産 資 源 保 護 法( 以 下「 保 護 法 」と い う 。)4 条 2 項 5 項 に 規 定 さ れ る 「 水 産 動 植 物 の 保 護 培 養 に 必 要 な 物 の 採 取 又 は 除 去 に 関
す る 制 限 又 は 禁 止 」 に 関 す る 規 則 と し て 制 定 さ れ た も の で あ り 、 漁 業 権
漁 場 内 の 水 産 資 源 の 保 護 培 養 の た め に 定 め ら れ た も の で あ る 。
岩 礁 破 砕 等 許 可 制 度 は 、 海 面 に お け る 岩 礁 破 砕 等 行 為 を 一 律 、 知 事 の
許 可 に か か ら し め る こ と で 、 当 該 行 為 が 水 産 資 源 の 保 護 培 養 に 与 え る 影
響 に つ い て 、 水 産 行 政 の 立 場 か ら 行 為 の 内 容 や 汚 濁 防 止 対 策 等 を 評 価 す る こ と で 適 正 に し 、 さ ら に 行 為 者 に 対 し て 漁 業 権 者 か ら の 同 意 を 得 る こ
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機 能 を 果 た そ う と す る も の で あ る 。
被 告 が 、 本 件 海 域 に つ い て 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 不 要 な も の と し て 、 こ れ を 回 避 す る と い う こ と は 、規 則39 条 に 定 め る 何 ら の 審 査 も 受 け ず 、さ
ら に 同 条 3 項 に い う 、 「 制 限 又 は 条 件 」 も 付 さ れ る 恐 れ が な く 、 ま っ た
く フ リ ー に 岩 礁 破 砕 を す る こ と が で き る と い う も の で 、 埋 め 立 て す る 側 に と っ て 、 極 め て 便 宜 な 状 況 を 作 り 出 そ う と す る も の で あ る 。
2 岩 礁 破 砕 等 許 可 制 度 の 運 用
規 則 に お け る 岩 礁 破 砕 等 許 可 に 関 す る 条 項 の 内 容 は 、 国 の 都 道 府 県 漁
業 調 整 規 則 例 を そ の ま ま 採 用 し て お り 、 こ れ は 、 本 県 が 本 土 復 帰 し た 際 の 法 整 備 に 合 わ せ て 、昭 和47 年 に 規 則 が 制 定 さ れ た 当 時 か ら 変 更 さ れ る
こ と な く 、 現 在 に 至 っ て い る ( 甲 A 1 及 び 2 号 証 ) 。
岩 礁 破 砕 等 許 可 に 係 る 事 務 は 、保 護 法35条 の 2 及 び 地 方 自 治 法( 以 下 「 地 自 法 」 と い う 。 ) 2 条 9 項 1 号 別 表 第 1 に 規 定 さ れ る 第 1 号 法 定 受
託 事 務 で あ る が 、 当 該 事 務 に 関 し て 、 地 自 法 245条 の 9 に 基 づ く 法 定 受
託 事 務 に 係 る 処 理 基 準 と し て 国 か ら 示 さ れ た も の は な い 。
原 告 の 岩 礁 破 砕 等 許 可 の 運 用 に 関 し て は 、 規 則 制 定 当 初 か ら の 運 用 実 態 を 踏 ま え た 上 で 「 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 に 関 す る 取 扱 方 針 ( 以 下 「 取 扱 方
針 」 と い う 。 ) と し て 整 理 し 、 こ れ を 広 く 公 表 し て 、 岩 礁 破 砕 等 行 為 を
し よ う と す る 者 と 事 前 調 整 を 密 に 行 う こ と で 、 そ の 適 切 な 運 用 に 努 め て き た と こ ろ で あ る 。
規 則 39 条 2 項 に 規 定 さ れ る 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 に お け る 漁 業 権 者 の
同 意 は 、 行 為 者 と 漁 業 権 者 と の 、 当 事 者 同 士 の 合 意 形 成 の 結 果 と し て 充 足 さ れ る 要 件 で あ る 。
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行 為 の 行 わ れ る 場 所 だ け に 限 定 し て 評 価 す る こ と は で き ず 、 行 為 の 内 容
や 漁 場 汚 濁 対 策 等 を 具 体 的 に 検 討 し 、 行 為 の 行 わ れ る 場 所 の 水 産 資 源 へ の 影 響 は ど の 程 度 か 、 周 辺 漁 場 へ の 影 響 は ど の 程 度 と 考 え ら れ る の か な
ど を 判 断 し な け れ ば な ら な い 。
取 扱 方 針 に は 、 そ の 第 2 の 主 旨 に 次 の 通 り 示 さ れ て い る 。
沖 縄 県 は1 60の 島 嶼 か ら 成 り 立 っ て お り 、こ れ ら 島 々 の 周 辺 に は 沖 縄 の 海 を 特 徴
づ け る サ ン ゴ 礁 が 発 達 し て い る 。 サ ン ゴ 礁 は 地 形 的 に も 生 態 的 に も 砂 浜 、 干 潟 、 藻
場 な ど の 浅 海 域 と 一 体 と な り 、 本 県 に お け る 海 洋 生 産 の 基 盤 を 成 し て い る 。
本 県 水 産 業 は 、こ れ ら サ ン ゴ 礁 な ど が 持 つ 大 き な 生 産 力 を 拠 り 所 と し て お り 、こ
れ ら の 海 域 は 本 県 水 産 業 の 重 要 な 基 幹 作 目 で あ る モ ズ ク 養 殖 の 場 で あ る と と も に 、
多 く の 有 用 な 魚 介 類 が 生 育 す る 重 要 な 場 所 で あ る 。
こ れ ら の 海 域 は 、本 来 、永 続 的 に 保 全 さ れ る べ き も の で あ る が 、 数 十 年 来 の 地 域
振 興 、 産 業 振 興 等 に 伴 う 埋 立 や 各 種 の 工 事 に よ り 、 大 き な 面 積 が 消 失 し 、 本 県 水 産
業 が 低 迷 す る 一 因 と な っ て い る 。
こ の こ と に 鑑 み 、岩 礁 破 砕 な ど 海 域 を 改 変 す る 行 為 に つ い て は 、水 産 動 植 物 の 保
護 培 養 を 図 り 、 県 民 へ 良 質 な 水 産 物 の 供 給 を 継 続 し て い く 観 点 か ら 、 細 心 の 注 意 を
払 う 必 要 が あ る 。
原 告 は 、 こ の こ と を 念 頭 に お き 、 水 産 資 源 の 保 護 培 養 を 図 る た め に 、
岩 礁 破 砕 等 許 可 制 度 を 厳 正 か つ 適 切 に 運 用 し て き た 。
3 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 の 審 査
原 告 は 、岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 に 際 し 、申 請 者 に 、規 則3 9条 に 規 定 さ れ
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要 件 と し て 、取 扱 方 針 第10 に 定 め る「 漁 協 の 総 会 又 は 理 事 会 議 事 録 の 写
し 」 、 「 隣 接 漁 業 権 者 の 意 見 書 の 写 し 」 、 「 関 係 市 町 村 長 の 意 見 書 の 写 し 」 、 「 漁 場 汚 濁 防 止 協 定 書 の 写 し 」 、 「 位 置 図 及 び 行 為 の 内 容 に 関 す
る 図 面 」 、 「 行 為 に 関 す る 概 要 説 明 書 及 び 行 為 の 範 囲 を 明 示 し た 現 況 写
真 」、「 行 為 の 面 積 及 び 容 積 の 計 算 書 」の 提 出 を 求 め る こ と と し て い る 。 そ の 上 で 、 「 漁 業 権 を 有 す る 者 の 同 意 書 」 と 「 漁 協 の 総 会 又 は 理 事 会
議 事 録 の 写 し 」 で 、 岩 礁 破 砕 等 行 為 が 漁 業 権 漁 業 へ 与 え る 影 響 に 関 す る
漁 業 権 者 の 認 識 を 確 認 し 、 「 隣 接 漁 業 権 者 の 意 見 書 の 写 し 」 の 内 容 で 周
辺 漁 場 へ の 影 響 が 懸 念 さ れ な い か 参 考 と し 、 「 関 係 市 町 村 長 の 意 見 書 の 写 し 」 で 基 礎 的 自 治 体 の 水 産 行 政 の 立 場 か ら の 考 え を 聴 き 、 「 漁 場 汚 濁
防 止 協 定 書 の 写 し 」 と 漁 場 汚 濁 防 止 対 策 が 判 る 資 料 に よ り 、 岩 礁 破 砕 等
行 為 が 及 ぼ す 水 産 資 源 へ の 影 響 の 軽 減 措 置 を 確 認 し 、 「 位 置 図 及 び 行 為 の 内 容 に 関 す る 図 面 」 、 「 行 為 に 関 す る 概 要 説 明 書 及 び 行 為 の 範 囲 を 明
示 し た 現 況 写 真 」 及 び 「 行 為 の 面 積 及 び 容 積 の 計 算 書 」 に よ り 、 具 体 的
に 岩 礁 破 砕 等 行 為 の 内 容 と 規 模 を 把 握 す る こ と で 、 審 査 を 行 っ て い る 。
4 取 扱 方 針 の 第 4 「 許 可 に あ た っ て の 基 本 的 な 考 え 方 」 に つ い て 許 可 申 請 の 審 査 に 関 し て 、 取 扱 方 針 の 第 4 に 「 許 可 に あ た っ て の 基 本
的 な 考 え 方 」 が 規 定 さ れ て お り 、 「 ⑴ サ ン ゴ や 海 藻 類 の 生 育 状 況 、 稚
仔 魚 及 び 底 生 生 物 等 の 生 育 状 況 並 び に 水 産 動 物 の 産 卵 の 状 況 、 ⑵ 漁 場 利 用 の 状 況 、⑶ 水 質 汚 濁 の 防 止 等 水 産 動 植 物 の 保 護 培 養 の た め の 対 策 、
⑷ 周 辺 漁 場 へ の 影 響 」 を 検 討 す る も の と す る と さ れ て い る 。
取 扱 方 針 第 4 に か か げ ら れ た 事 項 は 、規 則39 条 1 項 の 適 用 範 囲 が 、「 漁 業 権 の 設 定 さ れ て い る 漁 場 内 」 と さ れ て い る こ と に 関 係 し て い る 。 漁 業
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定 置 漁 業 権 、 特 定 区 画 漁 業 権 が あ る が 、 特 に 共 同 漁 業 権 は 、 共 同 漁 業 の
特 徴 か ら 沿 岸 の 浅 海 域 に 設 定 さ れ て い る た め 、 「 漁 業 権 の 設 定 さ れ て い る 漁 場 内 」 と は 、 海 域 と し て は 「 沿 岸 の 浅 海 域 」 と い う こ と に な る 。
沿 岸 の 浅 海 域 の 典 型 例 と し て は 、 砂 浜 や 藻 場 、 干 潟 で あ る 。 漁 業 の 面
か ら み る と 、 沿 岸 の 浅 海 域 の 重 要 性 と し て は 、 水 質 浄 化 の 機 能 を 有 し 、 水 産 生 物 に と っ て 多 様 な 生 育 場 を 提 供 し 、 ま た 食 物 連 鎖 の 場 で あ る こ と
が あ げ ら れ る 。
海 に は 、 河 川 な ど を 通 し て 陸 域 か ら 常 に 有 機 物 や 栄 養 塩 が 供 給 さ れ つ
づ け て い る 。 海 草 類 や 海 藻 類 は 光 合 成 に よ り 栄 養 塩 を 消 費 し 、 干 潟 で は 二 枚 貝 類 な ど が 有 機 物 を 消 化 吸 収 す る な ど し て 、 水 質 を 浄 化 す る 役 割 を
担 っ て い る 。 ま た 、 海 底 が 砂 、 砂 礫 、 岩 石 、 岩 盤 な ど 様 々 で 、 さ ら に 水
深 が 比 較 的 浅 い た め 、 太 陽 光 が 海 底 ま で よ く 届 く こ と か ら 、 ア マ モ 場 や 藻 場 が 発 達 す る な ど し て 、 水 産 生 物 に と っ て 複 雑 で 立 体 的 な 生 育 環 境 が
構 成 さ れ る 。 そ の た め 、 そ の よ う な 浅 海 域 に は 、 草 食 性 の 魚 類 や 貝 類 が
棲 み つ き 、 そ れ ら を 捕 食 す る た め に 大 型 の 魚 類 が 沖 合 か ら 来 遊 す る と い
っ た 食 物 連 鎖 に つ な が る 。 大 型 の 魚 類 も 、 こ の 浅 海 域 を 餌 場 と す る だ け で な く 産 卵 場 と し て も 利 用 し 、 そ の 稚 魚 は 海 藻 類 な ど を 隠 れ 家 と し て 成
長 す る 。
こ の よ う な 沿 岸 の 浅 海 域 の 機 能 は 、 海 が 、 海 水 と い う 要 素 で 平 面 的 か つ 立 体 的 に 連 続 的 な 広 が り を 持 っ て い る こ と か ら 、 必 然 的 に 広 く 周 辺 の
海 域 と 影 響 し あ う た め 、 沿 岸 の 浅 海 域 は 、 海 の 生 態 系 の 中 で も 重 要 な 役
割 を 担 う 場 所 で あ る 。 漁 業 の 面 か ら み れ ば 、 こ の よ う な 豊 か な 生 物 環 境 で あ る か ら こ そ 、 漁 場 と し て 機 能 す る の で あ る 。
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の 特 徴 で あ る 。 造 礁 サ ン ゴ 類 な ど で 形 成 さ れ た サ ン ゴ 礁 が 浅 海 域 に 広 が
り 、 複 雑 な 地 形 を 形 成 す る こ と で 、 多 種 多 様 な 水 産 生 物 を 育 ん で い る 。 波 打 ち 際 の 岩 場 に 生 育 す る 緑 藻 類 の ヒ ト エ グ サ 、 礁 池 ( イ ノ ー ) 内 で 海
草 に 付 く 褐 藻 類 の オ キ ナ ワ モ ズ ク 、 サ ン ゴ 礁 性 岩 盤 に 穿 孔 し て 育 つ 二 枚
貝 シ ャ コ ガ イ 類 の ヒ メ ジ ャ コ 、 岩 礁 の 割 れ 目 な ど に 棲 む イ セ エ ビ 類 、 藻 類 を 食 べ る ア イ ゴ 類 、 小 型 魚 な ど を 食 べ る ガ ー ラ や ミ ー バ イ な ど 、 様 々
な 水 産 有 用 種 が サ ン ゴ 礁 の 海 で 見 ら れ 、 こ れ ら 全 て が 、 そ の 生 活 史 の 全
て 又 は 一 部 に お い て 、 沿 岸 の 浅 海 域 に 依 存 し て い る 。
ま た 、現 在 、沖 縄 の 沿 岸 の 浅 海 域 で は 、モ ズ ク 養 殖 、ク ル マ エ ビ 養 殖 、 魚 類 養 殖 な ど 、 様 々 な 養 殖 業 が 営 ま れ て い る 。 沖 縄 県 農 林 水 産 部 農 林 水
産 総 務 課 発 行 の「 沖 縄 の 農 林 水 産 業 」に よ る と 、平 成 26年 の 沖 縄 県 の 漁
業 生 産 額 186億9,20 0万 円 に 対 し 、 こ れ ら 養 殖 業 の 合 計 は81 億7,700 万 円 と 約 4 割 を 占 め る に 至 っ て い る 。
こ れ ら 沿 岸 の 浅 海 域 の 重 要 性 や 沖 縄 県 内 の 実 態 を 前 提 と し て 、 取 扱 方
針 の 第 4 の 規 定 が 設 け ら れ て い る 。
5 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 の 可 否 の 判 断
以 上 の と お り 、 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 に 関 し て 、 原 告 は 、 申 請 者 に 対 し 、
規 則 に 定 め る 漁 業 権 者 の 同 意 の 他 、取 扱 方 針 第10 に 定 め る 隣 接 漁 業 権 者
等 の 意 見 書 や 、 漁 場 汚 濁 防 止 対 策 に 係 る 資 料 、 岩 礁 破 砕 等 行 為 の 内 容 や 規 模 に 関 す る 資 料 等 の 提 出 を 求 め 、 取 扱 方 針 第 4 に 基 づ き 、 サ ン ゴ や 海
藻 類 の 状 況 等 に つ い て の 検 討 を 加 え 、 そ れ ら を 総 合 的 に 審 査 し て 評 価 す
る こ と で 、 許 可 の 可 否 を 判 断 し て い る 。
今 回 被 告 が 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 は 不 要 と 強 弁 す る の は 、 こ れ ま で 述 べ た
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く 様 々 な 観 点 か ら の 審 査 を 回 避 す る た め の も の で あ る 。そ の 便 法 と し て 、
こ れ ま で の 被 告 の 自 ら の 見 解 を 何 ら 合 理 的 な 理 由 も な く 無 視 し 、 漁 業 協 同 組 合 に よ っ て 、 漁 業 権 が 一 部 放 棄 さ れ た 場 合 、 そ の 海 域 に つ い て は 、
漁 業 権 は 消 滅 す る と い う こ と に し た の で あ る 。 そ の 結 果 、 被 告 が 行 お う
と す る 岩 礁 破 砕 に つ い て は 、規 則 39条 の 適 用 外 に す る と い う 妙 案 を 考 え だ し 、 そ れ を 旗 頭 に す る も の で あ っ て 、 到 底 容 認 さ れ る よ う な も の で は
な い 。
第 2 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 岩 礁 破 砕 等 行 為 に つ い て 1 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 に 係 る 意 見 照 会
平 成 2 5 年 3 月 22 日 付 け 沖 防 第 1123 号 に よ る 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建
設 事 業 に 係 る 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 に つ い て 、 同 年 8 月 1 日 付 け 土 海 第 673 号 、 農 港 第 873 号 ( 甲 A 24- 5 号 証 ) に よ り 、 土 木 建 築 部 海 岸 防 災
課 及 び 農 林 水 産 部 漁 港 漁 場 課 か ら 、 水 産 課 に 対 し て 意 見 照 会 が な さ れ 、
海 上 工 事 と し て は 、 代 替 施 設 本 体 部 と 辺 野 古 漁 港 部 に お け る 埋 立 工 事 が
計 画 さ れ て い た 。 こ れ ら の 整 備 に 係 る 工 事 と し て は 、 代 替 施 設 本 体 部 で は 外 周 護 岸 、 中 仕 切 護 岸 、 中 仕 切 岸 壁 の 築 造 、 燃 料 桟 橋 及 び 進 入 灯 の 設
置 、 仮 設 桟 橋 及 び 仮 設 岸 壁 の 設 置 、 海 上 ヤ ー ド 整 備 、 浚 渫 ・ 床 堀 工 、 美
謝 川 の 切 替 え 水 路 の 整 備 な ど が 、 辺 野 古 漁 港 部 で は 傾 斜 堤 護 岸 の 築 造 な ど が 計 画 さ れ て い た 。 水 産 課 で は 、 同 年 9 月 30日 付 け 農 水 第 2003号 に
よ り 、 当 該 行 為 の 内 容 か ら 、 海 水 の 汚 濁 が 水 産 資 源 の 他 、 漁 業 及 び 養 殖
業 に 与 え る 影 響 を 考 慮 し て 、 汚 濁 対 策 を 十 分 に 実 施 す る こ と で そ の 影 響 を 最 小 限 に 抑 え る よ う 配 慮 を 求 め 、 工 事 の 実 施 に あ た り 、 岩 礁 破 砕 等 許
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2 沖 縄 防 衛 局 か ら の 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請
原 告 は 、沖 縄 防 衛 局 か ら 、平 成 26年 7 月 11 日 付 け 沖 防 第2769号 に よ り 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 書 の 提 出 を 受 け た 。 申 請 書 は 、 普 天 間 飛 行 場 代
替 施 設 建 設 事 業 に 係 る キ ャ ン プ ・ シ ュ ワ ブ 海 域 の 工 事 と し て 、 平 成 29
年 3 月 31日 ま で の 許 可 を 求 め る も の で あ っ た 。同 申 請 書 で は 、公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 に あ っ た 代 替 施 設 本 体 部 と 辺 野 古 漁 港 部 の 埋 立 に 係 る 海 上
工 事 が 示 さ れ て い た が 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 審 査 す る 上 で 、 「 漁 業 権 者 か
ら の 同 意 書 、 隣 接 漁 業 権 者 及 び 関 係 市 町 村 長 か ら の 意 見 書 」 、 「 漁 業 権
者 の 議 事 録 の 写 し 」 、 「 漁 場 汚 濁 防 止 対 策 の 内 容 が 判 る 資 料 」 、 「 位 置 図 及 び 行 為 の 内 容 に 関 す る 図 面 」 、 「 概 要 説 明 書 」 及 び 「 行 為 の 面 積 及
び 容 積 の 計 算 書 」 に お け る 記 載 内 容 等 が 不 十 分 で あ っ た こ と か ら 、 原 告
は 、 平 成 26年 8 月 7 日 付 け 農 水 第1122 号 文 書 に よ り 、 沖 縄 防 衛 局 に 対 し 、 補 正 を 求 め た 。
3 沖 縄 防 衛 局 か ら の 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 の 補 正
原 告 は 、沖 縄 防 衛 局 か ら 、平 成26 年 8 月11 日 付 け 沖 防 第3088号( 甲
A 7 - 2 号 証 )に よ り 、岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 書 の 補 正 書 の 提 出 を 受 け た 。 当 該 補 正 書 に お い て 、 「 行 為 の 概 要 説 明 書 及 び 行 為 の 範 囲 を 明 示 し た 現
況 写 真 」 に 関 す る 事 項 の 中 で 、 代 替 施 設 本 体 部 で は 外 周 護 岸 、 中 仕 切 護
岸 、 中 仕 切 岸 壁 の 築 造 と そ れ ら で 囲 わ れ た 区 域 で の 埋 立 行 為 、 付 帯 工 と し て の 汚 濁 防 止 膜 、 燃 料 桟 橋 、 東 側 進 入 灯 及 び 西 側 進 入 灯 の 設 置 、 仮 設
工 と し て の 仮 設 桟 橋 及 び 仮 設 岸 壁 の 設 置 、 海 上 ヤ ー ド 整 備 、 浚 渫 ・ 床 堀
工 、 美 謝 川 の 切 替 え 水 路 の 整 備 が 、 辺 野 古 漁 港 部 で は 護 岸 築 造 と そ れ ら で 囲 わ れ た 区 域 で の 埋 立 行 為 が 、 そ れ ぞ れ 岩 礁 破 砕 等 の 伴 う 行 為 と し て
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4 沖 縄 防 衛 局 に 対 す る 岩 礁 破 砕 等 の 許 可
原 告 は 、 沖 縄 防 衛 局 か ら 、 平 成26年 8 月20 日 付 け 事 務 連 絡 に よ り 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 書 に 係 る 基 本 的 な 考 え 方 に 関 す る 参 考 資 料 の 提 出 を
受 け た 。そ の 上 で 、規 則 39条 と 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 に 関 す る 取 扱 方 針 に 基
づ き 、 農 林 水 産 部 内 で 審 査 を 行 い 、 取 扱 方 針 の 第 4 の 各 事 項 を 考 慮 し 、 漁 業 権 者 の 同 意 書 、 総 会 の 議 事 録 、 隣 接 漁 業 権 者 の 意 見 書 、 名 護 市 長 か
ら の 意 見 書 、 漁 場 汚 濁 防 止 対 策 等 に つ い て 検 討 を 行 っ た 上 で 、 そ れ ら 全
て を 総 合 的 に 判 断 し て 、 同 年 8 月 28日 、 沖 縄 県 指 令 農 第 1381号 ( 甲 A
5 号 証 ) に よ り 、 沖 縄 防 衛 局 に 対 し て 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 行 っ た 。 5 公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 に 係 る 設 計 概 要 変 更 承 認 に 対 す る 意 見 照 会
岩 礁 破 砕 等 許 可 後 、沖 縄 防 衛 局 か ら 、原 告 に 対 し 、平 成26 年 9 月 3 日
付 け 沖 防 第33 56 号 に よ り 設 計 概 要 変 更 承 認 申 請 書 が 提 出 さ れ た( 甲 A 7 - 3 号 証 ) 。 こ れ に 関 し 、 土 木 建 築 部 海 岸 防 災 課 及 び 農 林 水 産 部 漁 港 漁
場 課 か ら 、 同 年10月 1 日 付 け 土 海 第 925号 、 農 港 第14 84 号 に よ り 、 水
産 課 に 対 し て 意 見 照 会 が な さ れ た 。 変 更 内 容 は 、 中 仕 切 護 岸 の 追 加 、 仮
設 道 路 の 追 加 、 切 替 え 水 路 の 変 更 、 土 砂 運 搬 方 法 の 変 更 に 関 す る も の で あ っ た 。 そ の 中 で 、 海 上 工 事 の 進 捗 計 画 に 関 し て 、 工 事 着 工 か ら 1 年 以
内 の 計 画 に つ い て 、 2 ヶ 月 毎 の 6 期 に 分 け て 示 さ れ て い た 。 1 年 次 1 ~
2 ヶ 月 目 に 着 手 さ れ る 工 事 と し て は 、 代 替 施 設 本 体 部 で は 二 重 締 切 矢 板 式 護 岸 ( A 護 岸 ) 、 二 重 締 切 岸 壁 ( 中 仕 切 岸 壁 A ・ B ) の 築 造 、 海 上 ヤ
ー ド の 整 備 、 汚 濁 防 止 膜 敷 設 が 、 辺 野 古 漁 港 部 で は 傾 斜 堤 護 岸 の 築 造 が
そ れ ぞ れ 計 画 さ れ て い た 。 続 い て 1 年 次 3 ~ 4 ヶ 月 目 に は 、 新 た に 着 手 さ れ る 工 事 と し て 、 代 替 施 設 本 体 部 で 中 仕 切 護 岸 N - 3 ・ N - 4 ・ N -
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岸 の 基 礎 工 、 床 堀 ・ 浚 渫 工 が 計 画 さ れ て い た 。 水 産 課 は 、 同 年 10 月 31
日 付 け 農 水 第 1790 号 に よ り 、 当 該 意 見 照 会 に 対 し 、 平 成 25 年 9 月 30 日 付 け 農 水 第2003号 と 同 様 の 意 見 で あ る 旨 の 回 答 を し た 。
つ ま り 、 海 水 の 汚 濁 が 水 産 資 源 の 他 、 漁 業 及 び 養 殖 業 に 与 え る 影 響 を
考 慮 し て 、 汚 濁 対 策 を 十 分 に 実 施 す る こ と で そ の 影 響 を 最 小 限 に 抑 え る よ う 配 慮 を 求 め 、 工 事 の 実 施 に あ た り 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 が 必 要 で あ る と
の 意 見 を 出 し た 。
こ の よ う に し て 、 原 告 と し て は 、 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 が あ っ た 場 合 、
種 々 の 観 点 か ら 審 査 し 、 そ の 上 で 、 許 可 を 出 し た も の で あ っ て 、 今 回 、 被 告 が こ れ を 回 避 す る 便 法 を と ろ う と す る こ と は 、 容 認 で き る も の で は
な い の で あ る 。
第 3 水 産 庁 に よ る 「 漁 業 権 の 一 部 放 棄 と 岩 礁 破 砕 等 許 可 に つ い て 」 の 通 知
に つ い て
い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 に 関 し て 、 こ れ ま で 被 告 の と っ て き た 見 解 が
ど の よ う な も の で あ っ た か に つ い て は 、 す で に 主 張 し て き た と こ ろ で あ る が 、 今 一 度 、 概 観 し て み る 。
1 沖 縄 防 衛 局 が 新 た な 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 を 行 わ な い と し た こ と
沖 縄 防 衛 局 に 対 す る 平 成26年 8 月 28 日 付 け の 岩 礁 破 砕 等 許 可 で は 、 許 可 の 期 間 は 平 成 29年 3 月 31日 で と な っ て い た 。 そ の 期 間 満 了 に 先 だ
っ て 、同 年 1 月28 日 に 、沖 縄 防 衛 局 が 4 月 以 降 の 海 上 工 事 に 関 し て 許 可
申 請 を 行 わ な い 旨 の 報 道 が あ っ た 。 そ の た め 、 原 告 は 、 沖 縄 防 衛 局 に 対 し 、同 年 2 月 3 日 付 け 農 水 第2338号 及 び 同 月 15日 付 け 農 水 第24 44 号 文
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月14 日 付 け 2 8水 管 第2332号 に よ る 水 産 庁 長 官 の 通 知 を 根 拠 と し て 、同
月15 日 付 け 沖 防 第12 80号 に よ り 、 当 該 許 可 申 請 を 行 わ な い と 意 思 を 示 し た 。
2 沖 縄 防 衛 局 の 意 思 表 示 の 根 拠 と な っ た 水 産 庁 長 官 の 見 解 通 知
沖 縄 防 衛 局 が 根 拠 と し た 水 産 庁 長 官 通 知 は 、 「 漁 業 権 の 設 定 さ れ て い る 漁 場 内 の う ち の 一 部 の 区 域 に つ い て 、 漁 業 権 が 、 法 定 の 手 続 で あ る 漁
業 法 ( 昭 和24 年 法 律 第 267号 ) 第 31 条 の 規 定 に 基 づ く 組 合 員 の 同 意 及
び 水 産 業 協 同 組 合 法 ( 昭 和 23年 法 律 第 24 2号 ) 第 50条 の 規 定 に 基 づ く
特 別 決 議 を 経 て 放 棄 さ れ た 場 合 、漁 業 法 第 22条 の 規 定 に 基 づ く 漁 業 権 の 変 更 の 免 許 を 受 け な く て も 漁 業 権 は 消 滅 し 、 当 該 区 域 は 、 『 漁 業 権 の 設
定 さ れ て い る 漁 場 内 』 に 当 た ら ず 、 岩 礁 破 砕 等 を 行 う た め に 許 可 を 受 け
る 必 要 は な い と 解 さ れ る 」 と い う も の で あ っ た 。
こ れ は 、 こ れ ま で の 被 告 の 見 解 を ひ っ く り 返 す よ う な も の で あ っ た 。
3 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 に 関 す る 従 来 の 政 府 見 解
漁 業 権 者 に よ る 「 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 」 に 関 し た 政 府 見 解 と し
て は 、
⑴ 「 参 議 院 議 員 久 保 亘 君 提 出 公 有 水 面 埋 立 計 画 に 関 す る 漁 業 補 償 契 約
な ら び に 総 会 決 議 に 関 す る 質 問 に 対 す る 答 弁 書( 答 弁 書 第 41内 閣 参 質
102第41 号 昭 和60年 6 月14日 ) 」
⑵ 「 参 議 院 議 員 久 保 亘 君 提 出 共 同 漁 業 権 の 一 部 放 棄 及 び 漁 業 補 償 に つ
い て の 漁 協 の 権 限 に 関 す る 質 問 に 対 す る 答 弁 書( 答 弁 書 第 44号 内 閣 参
質104第 44号 昭 和6 1年 5 月27 日 ) 」
⑶ 「 衆 議 院 議 員 岩 垂 寿 喜 男 君 提 出 共 同 漁 業 権 の 漁 場 区 域 の 一 部 削 除 に
15
年 3 月 14日 ) 」
が あ る 。
こ れ ら の 政 府 見 解 は 、「 埋 立 計 画 に 対 し て 、『 共 同 漁 業 権 の 一 部 放 棄 』
が 、 漁 協 総 会 で 議 決 さ れ た 場 合 、 共 同 漁 業 権 は 、 そ の 決 議 に よ っ て 一 部
消 滅 す る の か 。」と の 質 問 に 対 し 、「 漁 業 権 を 変 更 し よ う と す る と き は 、 漁 業 法 ( 昭 和24 年 法 律 第2167号 ) 上 、 都 道 府 県 知 事 の 免 許 を 受 け な け
れ ば な ら な い こ と と さ れ て お り 、 漁 業 協 同 組 合 の 総 会 で 『 共 同 漁 業 権 の
一 部 放 棄 』 が 議 決 さ れ た と し て も 、 そ の こ と に よ り 漁 業 権 が 当 然 に 変 更
さ れ る も の で は な い 。 」 と さ れ 、 ま た 、 「 埋 立 計 画 に 対 し て 、 『 共 同 漁 業 権 の 一 部 放 棄 』が 漁 協 総 会 で 議 決 さ れ 、当 該 議 決 に 基 づ き 漁 協 よ り『 漁
業 権 の 変 更 免 許 』 の 申 請 が あ つ た 場 合 、 都 道 府 県 知 事 は 『 漁 業 権 の 変 更
免 許 』を な す こ と が で き る か 。漁 業 法 第 1 3条 第 1 項 第 2 号 に 基 づ き 、右 変 更 免 許 は で き な い と 解 す べ き か 。」と の 質 問 に は 、「 御 質 問 の よ う に 、
漁 業 権 者 が 漁 場 区 域 の 縮 小 を 内 容 と す る 漁 業 権 の 変 更 の 免 許 を 受 け よ う
と す る 場 合 に 都 道 府 県 知 事 が い わ ゆ る 漁 場 計 画 の 見 直 し を 行 っ た 上 で 変
更 の 免 許 を 行 う こ と に つ い て は 、 漁 場 区 域 か ら 除 か れ る 区 域 に つ い て 現 在 免 許 を 有 し て い る 者 に 免 許 を 与 え て お く こ と が 、 水 面 に つ き 漁 業 上 の
総 合 利 用 を 図 り 漁 業 生 産 力 を 維 持 発 展 さ せ る た め 漁 業 の 免 許 を す る 必 要
が あ る 場 合 に 漁 場 計 画 を 定 め な け れ ば な ら な い と い う 制 度 の 趣 旨 に 照 ら し 、 必 要 で な い 場 合 に は 、 都 道 府 県 知 事 は 、 漁 業 法 の 規 定 に 従 い 、 漁 場
計 画 の 見 直 し を 行 い 、 そ の 見 直 し 後 の 漁 場 計 画 に 即 し て 漁 業 権 の 変 更 の
免 許 を 行 う こ と が で き る と 解 し て い る 。 」 と 説 明 し て い る 。
こ れ ら の 説 明 は 、 明 ら か に 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 は 漁 業 法 上 の
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4 漁 業 権 の 免 許 に 係 る 水 産 庁 か ら の 技 術 的 助 言
ま た 、 地 自 法 に 基 づ く 技 術 的 助 言 と し て 発 出 さ れ た 、 水 産 庁 長 官 名 で の 平 成 24年 6 月 8 日 付 け24 水 管 第684号 に よ る 「 漁 場 計 画 の 樹 立 に つ
い て 」 の 中 で は 、 こ れ ら の 政 府 見 解 を 基 に 、 漁 業 補 償 契 約 等 に よ る 「 漁
業 権 の 変 更 」 に つ い て 、 「 漁 業 補 償 の 際 に 、 組 合 の 総 会 の 議 決 を 経 た 上 で 、 事 業 者 と の 間 で 『 漁 業 権 の 変 更 ( 一 部 放 棄 ) 』 等 を 約 す る 旨 の 契 約
が 交 わ さ れ る 事 例 が 見 受 け ら れ ま す が 、 か か る 契 約 行 為 は あ く ま で も 当
事 者 間 の 民 事 上 の 問 題 で あ り 、法 第22 条 の 規 定 上 、こ の こ と に よ り 漁 業
権 が 当 然 に 変 更 さ れ る も の で は あ り ま せ ん 。」と の 見 解 が 示 さ れ て い る 。 こ の こ と も 、い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 は 漁 業 権 の 変 更 で あ る こ と を 、
意 味 す る も の で あ る 。
5 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 に 関 す る 従 来 の 水 産 庁 見 解
さ ら に 、 昭 和2 7年10月 2 日 付 け 27水 7902号 水 産 庁 漁 政 部 長 通 知 に
よ る 「 漁 業 法 第 二 十 二 条 の 事 務 取 扱 上 の 解 釈 に つ い て 」 で は 、 共 同 漁 業
権 の 漁 場 の 変 更 に つ い て 、 「 ( A ) 漁 場 を 拡 張 す る 場 合 、 当 初 の 漁 場
計 画 の 際 の 測 量 の 誤 り 等 の 理 由 で 止 む を 得 ず 漁 場 を 拡 張 す る 場 合 、 そ の 漁 業 権 の 本 質 が 変 わ ら ず 、 か つ 、 他 の 漁 業 に 影 響 を 及 ぼ さ な い 程 度 の 拡
張 な ら ば 、 法 第 二 十 二 条 の 変 更 と し て 処 理 す る こ と は 差 し 支 え な い が 、
拡 張 の 範 囲 が 相 当 大 き く な る と 近 隣 の 漁 業 に も 影 響 を 及 ぼ す こ と は 必 至 で あ る か ら 、 こ の よ う な 場 合 に は 法 第 二 十 二 条 で 処 理 せ ず 、 新 規 計 画 と
し て 処 理 す べ き で あ る 。 ( B ) 漁 場 を 縮 小 す る 場 合 他 漁 業 と 関 係 が
な い も の と 考 え ら れ る か ら 法 第 二 十 二 条 の 変 更 手 続 き で よ い 。 」 と さ れ て お り 、 岐 阜 県 農 務 部 長 の 照 会 に 対 す る 昭 和 46 年 11 月 18 日 付 け 46-
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業 法 上 漁 業 権 の 変 更 に あ た り 知 事 の 免 許 を 要 す る 」 と 明 確 に 示 さ れ て い
る 。
6 沖 縄 県 に お け る 埋 立 事 業 に 対 す る 岩 礁 破 砕 等 許 可 の 実 例
こ の よ う な 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 に 関 す る 国 の 見 解 が 従 前 よ り
示 さ れ て い た こ と か ら 、 原 告 で は 、 例 え ば 公 有 水 面 埋 立 工 事 に お い て 、 漁 業 権 者 に よ り 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 が 総 会 で 議 決 さ れ た と し て
も 、 知 事 に よ る 漁 業 権 の 変 更 の 免 許 が な さ れ な け れ ば 漁 業 権 は 消 滅 し な
い と の 理 解 の も と 、 当 該 工 事 で 発 生 す る 岩 礁 破 砕 等 行 為 に は 、 知 事 の 許
可 が 必 要 で あ る と し て 、 一 貫 し た 対 応 を 行 っ て き た 。
過 去 5 年 間 の 埋 立 事 業 に お い て も 、 那 覇 空 港 路 滑 走 路 増 設 事 業 ( 平 成
26年 2 月 14 日 岩 礁 破 砕 等 許 可 。)、普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業( 平
成 26 年 8 月 28 日 岩 礁 破 砕 等 許 可 。 ) 、 白 浜 港 港 湾 整 備 事 業 ( 平 成 26 年11 月27 日 。)、村 道77号 線 黒 崎 原 支 線 整 備 事 業 周 辺 海 域 整 備 事 業( 平
成28 年 5 月 1 0日 岩 礁 破 砕 等 許 可 。)、那 覇 空 港 滑 走 路 増 設 事 業 整 備( 平
成29 年 3 月 9 日 岩 礁 破 砕 等 許 可 。)に 対 し 、岩 礁 破 砕 等 許 可 を 行 っ て き
た 事 例 が あ る 。
7 沖 縄 県 に 対 す る 水 産 庁 の い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 に 関 す る 指 導 事 例
こ れ ら の 政 府 見 解 や 水 産 庁 の 技 術 的 助 言 等 に 加 え て 、 原 告 で は 、 平 成
13年 度 に 水 産 庁 の 見 解 を 確 認 し た 事 例 が あ り 、水 産 課 担 当 者 間 で 引 き 継 が れ て き て い る 。
当 時 、 実 施 が 計 画 さ れ て い た 中 城 湾 港 泡 瀬 地 区 埋 立 事 業 に 関 し て 事 業
者 か ら 問 合 せ を 受 け た こ と か ら 、平 成13 年 6 月 4 日 付 け で 水 産 課 担 当 者 か ら 、 「 既 に 公 有 水 面 埋 立 法 に 基 づ く 埋 立 免 許 を 受 け た 区 域 ( 中 城 港 湾
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漁 業 権 者 が 漁 業 権 の 消 滅 に 同 意 し 、 仮 登 録 も な さ れ 、 漁 業 補 償 も な さ れ
て い る 場 合 に お い て 、沖 縄 県 漁 業 調 整 規 則( 昭 和 47年 沖 縄 県 規 則 第143 号 。以 下「 規 則 」と い う 。) 第38条*1の 規 定 に 基 づ く 知 事 の 許 可 を 受 け る 必 要 が あ る で し ょ う か 。 」 と 照 会 し た と こ ろ 、 同 月 5 日 、 水 産 庁 担
当 者 か ら「 沖 縄 県 漁 業 調 整 規 則 第38条 に 基 づ く 岩 礁 破 砕 等 の 知 事 許 可 は 必 要 で あ る 。 漁 業 権 者 が 漁 業 権 の 消 滅 に 同 意 し 、 仮 登 録 が な さ れ 、 漁 業
補 償 が な さ れ て も 、 漁 業 権 は 存 在 す る 。 漁 業 権 の 消 滅 の 同 意 は 契 約 行 為
で あ り 、 当 事 者 間 の 話 で あ り 、 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 権 者 で あ る 知 事 が 知 る
と こ ろ で は な い 。 当 該 許 可 は 、 水 産 資 源 保 護 法 に 基 づ く も の で あ り 、 同 法 の 目 的 は 『 水 産 資 源 の 保 護 培 養 を 図 り 、 且 つ 、 そ の 効 果 を 将 来 に わ た
っ て 維 持 す る こ と に よ り 、 漁 業 の 発 展 に 寄 与 す る こ と 』 で あ る の で 、 知
事 は 同 法 の 目 的 に 鑑 み 、 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 を す べ き か 否 か を 判 断 す べ き で あ る 。 漁 業 権 者 が 漁 業 権 の 消 滅 に 同 意 し た か ら と い っ て 、 漁 業 権 が 消
滅 し た わ け で は な く 、 岩 礁 破 砕 等 の 許 可 が い ら な い と い う こ と に な ら な
い 。 漁 業 権 の 消 滅 に 同 意 し た 漁 業 権 者 が 岩 礁 破 砕 等 に 同 意 す る こ と は 矛
盾 せ ず 、 両 立 し 得 る 」 と 回 答 を 受 け て い る 。
こ れ ら の よ う な 明 確 な 見 解 や 水 産 庁 か ら の 指 導 が あ る 中 で 、 原 告 は 、
水 産 庁 長 官 か ら 、 前 記 平 成 29年 3 月14 日 付 け 文 書 に よ り 、 従 前 と 全 く
異 な る 内 容 の 見 解 通 知 を 受 け た の で あ る 。
8 水 産 庁 長 官 の 見 解 通 知 に 関 す る 国 会 で の や り と り
平 成29年 4 月18 日 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 に お い て 、 赤 嶺 政 賢 委 員 が
「 水 産 庁 長 官 に 聞 き ま す が 、 漁 協 が 共 同 漁 業 権 の 一 部 放 棄 を 議 決 し た と し て も 、 知 事 の 変 更 免 許 が な い 限 り 、 漁 業 権 が 当 然 に 変 更 さ れ る も の で
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は な い 、 つ ま り 、 知 事 が 変 更 免 許 を 与 え る か 、 あ る い は 実 際 に 埋 め 立 て
ら れ て し ま う ま で は 漁 業 権 は 消 滅 さ れ な い 、 消 滅 さ れ る べ き で は な い と い う 見 解 を こ れ ま で と っ て い た の で は あ り ま せ ん か 。」と の 質 問 を し た 。
こ れ に 対 し 、 政 府 参 考 人 と し て の 佐 藤 水 産 庁 長 官 か ら 「 お 答 え い た し
ま す 。埋 め 立 て に 当 た り ま し て 、事 務 処 理 の 仕 方 で ご ざ い ま す け れ ど も 、 漁 業 協 同 組 合 が 知 事 に 対 し ま し て 、 埋 立 予 定 水 面 を 漁 業 権 の 対 象 区 域 か ら 除 外 す る 漁 業 権 の 変 更 を す る 意 思 で 一 般
マ マ
放 棄 の 総 会 議 決 を 行 い ま
し て 、 そ の 後 、 知 事 に 対 し て 変 更 免 許 を 申 請 す る と い っ た よ う な 、 一 部
放 棄 と 変 更 が 混 同 さ れ て い た 実 態 が あ っ た と こ ろ で ご ざ い ま す 。 法 制 的 に そ れ で は ど う い う こ と に な る か と 申 し ま す と 、 こ の 二 十 二 条 で 、 漁 業
権 を 設 定 す る と き は 知 事 の 免 許 が 必 要 で す が 、 こ れ を 変 更 す る と き も 当
然 免 許 が 必 要 に な る わ け で ご ざ い ま す が 、条 文 に は 、『 漁 業 権 を 分 割 し 、 又 は 変 更 し よ う と す る と き は 、 都 道 府 県 知 事 に 申 請 し て そ の 免 許 を 受 け
な け れ ば な ら な い 。 』 と い う ふ う に な っ て お り ま す 。 他 方 、 漁 業 法 の 第
三 十 条 に お き ま し て は 、 『 漁 業 権 は 、 第 五 十 条 の 規 定 に よ り 登 録 し た 権
利 者 の 同 意 を 得 な け れ ば 、 分 割 し 、 変 更 し 、 又 は 放 棄 す る こ と が で き な い 。 』 と い う こ と に な っ て お り ま し て 、 こ の 変 更 の 中 に は 、 分 割 と い っ
た も の は 明 ら か に 書 き 分 け ら れ て お り ま し て 、 一 部 放 棄 と い う も の は 変
更 に 該 当 し な い と い う ふ う に 法 律 上 解 釈 で き る わ け で ご ざ い ま す 。 こ う し た こ と か ら 、 今 申 し 上 げ ま し た 、 全 く 別 個 の 手 続 で や れ る も の で ご ざ
い ま す が 、 こ れ が 非 常 に 混 乱 し て お っ た と い う こ と で 、 御 指 摘 の 答 弁 書
は 、 今 言 っ た よ う な 法 解 釈 を 前 提 と し ま し て 、 一 部 放 棄 の 議 決 を 行 え ば 知 事 か ら 漁 業 権 の 変 更 免 許 が 得 ら れ る と の 誤 解 が 生 じ な い よ う に 説 明 し
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こ の 答 弁 は 、 す ぐ に 理 解 で き る よ う な も の で は な い 。 そ も そ も 「 漁 業
協 同 組 合 が 、 知 事 に 対 し て 、 埋 立 予 定 水 面 を 漁 業 権 の 対 象 区 域 か ら 除 外 す る 漁 業 権 の 変 更 を す る 意 思 で 一 部 放 棄 の 総 会 議 決 を 行 い ま し て 、 そ の
後 、 知 事 に 対 し て 変 更 免 許 を 申 請 す る と い っ た よ う な 、 一 部 放 棄 と 変 更
が 混 同 さ れ て い た 実 態 が あ っ た と こ ろ で ご ざ い ま す 。 」 と 説 明 さ れ る よ う な 混 同 は な い 。
漁 業 協 同 組 合 が 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 の 総 会 議 決 を 行 い 、 そ の
後 、 知 事 に 対 し て 変 更 免 許 を 申 請 す る と い う 手 続 き は 、 従 来 の 政 府 見 解
に 従 え ば 、 当 然 の こ と で あ っ て 、 実 態 の 方 に 混 同 が あ っ た の で は な く 、 混 同 の な か っ た 実 態 に つ い て 、 混 同 が あ っ た ん だ と 事 実 と 異 な る 説 明 を
し て い る も の で あ る 。
さ ら に 「 一 部 放 棄 と い う も の は 変 更 に 該 当 し な い と い う ふ う に 法 律 上 解 釈 で き る わ け で ご ざ い ま す 。 」 と の 説 明 に つ い て も 、 従 前 の 政 府 見 解
と 真 逆 の も の で あ っ て 、こ の よ う な 説 明 は 、全 く 根 拠 が 明 ら か で は な い 。
こ の 答 弁 は 論 理 に 整 合 性 が な く 不 合 理 な も の で あ っ て 、 質 問 に 対 す る 答
弁 と し て は 、 的 を 射 た も の と な っ て い な い 。 9 水 産 庁 の 見 解 通 知 に 対 す る 沖 縄 県 か ら の 照 会
こ の 水 産 庁 長 官 の 答 弁 は 、 明 ら か に 従 来 の 政 府 見 解 等 と 矛 盾 す る も の
で あ る 。 原 告 に 対 す る 過 去 の 指 導 事 例 と も 明 確 に 異 な る こ と か ら 、 平 成 29 年 4 月 25 日 付 け 農 水 第 29 0 号 に よ り 、 政 府 見 解 等 の 内 容 を 具 体 的 に
示 し て 、 同 年 3 月 14日 付 け 水 産 庁 長 官 通 知 と の 整 合 性 に つ い て10 項 目
に わ た る 照 会 を 行 っ た と こ ろ 、同 年 5 月 1 日 付 け 29水 管 第273号 に よ る 回 答 で は 、 過 去 の 質 問 主 意 書 へ の 答 弁 等 に つ い て は 、 漁 業 権 の 変 更 に 係
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な い よ う 適 切 に 対 応 さ れ た い と す る の み で 、 具 体 的 な 回 答 は な か っ た 。
そ の た め 、 さ ら に 同 月15 日 付 け 農 水408号 に よ り 改 め て13項 目 の 内 容 を も っ て 再 照 会 を し た が 、 同 月25 日 付 け 29水 管 第 463号 に よ る 文 書 で
も 同 様 に 、 具 体 的 な 回 答 は 得 ら れ な か っ た 。
第 4 知 事 の 許 可 を 得 な い ま ま に 海 上 工 事 が 着 工 さ れ 、 岩 礁 破 砕 等 行 為 が 差
し 迫 っ て い る こ と
1 沖 縄 防 衛 局 に よ る 海 上 工 事 の 現 状
沖 縄 防 衛 局 は 、平 成 29年 4 月 以 降 、知 事 の 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 得 な い ま ま 、普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に 係 る 海 上 工 事 に 着 手 し た 。原 告 は 、
関 係 部 局 で 連 携 し て 、 陸 域 か ら 海 上 工 事 の 実 施 状 況 確 認 を 継 続 し て 実 施
し て い る 。 そ の 確 認 報 告 や 、 沖 縄 防 衛 局 か ら 土 木 建 築 部 へ の 工 事 の 施 工 状 況 に 関 す る 回 答 文 書 、 そ の 他 新 聞 報 道 等 の 情 報 か ら 、 海 上 工 事 の 進 捗
状 況 の 把 握 に 努 め て い る 。 同 年1 1月 時 点 で は 、 同 年 4 月25日 に 着 手 さ
れ た 傾 斜 堤 護 岸 K - 9 の 築 造 は 、 根 固 め 用 袋 材 の 設 置 及 び 石 材 の 投 入 に
よ り 約 100メ ー ト ル の 長 さ ま で 整 備 さ れ た 後 に 、 周 辺 に 消 波 ブ ロ ッ ク の 投 入 が 行 わ れ た 。同 年 6 月28 日 に 報 道 さ れ た 辺 野 古 漁 港 側 海 岸 部 で の 石
材 投 下 行 為 に つ い て は 、 沖 縄 防 衛 局 に よ る と 、 搬 入 路 の 整 備 の た め と さ
れ て い る ( 平 成29年 8 月 4 日 付 け 沖 防 調 第4154 号 ) 。 こ の 搬 入 路 整 備 に つ い て は 、中 仕 切 護 岸 N - 5 付 近 で は 、約20 メ ー ト ル の 長 さ の 搬 入 路
の 他 、約150メ ー ト ル の 長 さ ま で 根 固 め 用 袋 材 が 設 置 さ れ た 箇 所 が あ る 。
傾 斜 堤 護 岸 K - 1 付 近 の 搬 入 路 は 、約90 メ ー ト ル の 長 さ ま で 根 固 め 用 袋 材 が 設 置 さ れ て い る と 推 認 さ れ る 。
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公 有 水 面 埋 立 承 認 申 請 書 や 岩 礁 破 砕 等 許 可 申 請 書 に 記 載 さ れ た そ れ ら
護 岸 工 事 の 内 容 か ら す る と 、捨 石 の 投 入 や そ の 均 し と い う 行 為 の 性 質 上 、 岩 礁 が 存 在 す れ ば 、 そ れ が 破 砕 さ れ る 可 能 性 は 極 め て 高 く 、 傾 斜 堤 護 岸
K - 9 の 工 事 着 手 位 置 近 傍 の 海 底 に 岩 盤 の 存 在 が 確 認 さ れ て い る こ と か
ら 、 岩 礁 破 砕 の 発 生 は 確 実 な 状 況 で あ る 。
ま た 、 同 じ く 初 期 に 行 わ れ る 予 定 で 、 現 在 未 着 手 の 工 事 に つ い て も 、
二 重 締 切 矢 板 式 護 岸 ( A 護 岸 ) に 関 し て は 、 そ の 着 手 位 置 近 傍 に 岩 礁 が
存 在 す る こ と か ら 、 傾 斜 堤 護 岸 K - 9 と 同 様 の 状 況 で あ り 、 中 仕 切 護 岸
N - 4 に お い て も 、 築 造 予 定 の 海 底 に 岩 盤 が 存 在 す る こ と か ら 、 こ れ ら の 工 事 に 着 手 さ れ れ ば 、 岩 礁 破 砕 は 確 実 に 発 生 す る 。
さ ら に 、 床 堀 ・ 浚 渫 工 も 初 期 工 事 に 位 置 づ け ら れ て お り 、 直 接 的 な 土
砂 又 は 岩 石 の 採 取 行 為 の 実 施 も 、 目 前 に 計 画 さ れ て お り 、 沖 縄 県 知 事 の 許 可 を 得 る こ と な く 実 施 継 続 さ れ て い る 沖 縄 防 衛 局 に よ る 普 天 間 飛 行 場
代 替 施 設 建 設 工 事 に 関 し て は 、 今 後 、 岩 礁 破 砕 等 行 為 の 発 生 す る こ と が
確 実 で あ り 、 ま た 、 海 底 の 底 質 状 況 や 各 行 為 の 性 質 か ら 、 岩 礁 破 砕 等 行
為 の 発 生 が 差 し 迫 っ て い る と 判 断 さ れ る 。
第 5 結 論
岩 礁 破 砕 等 許 可 制 度 は 、 水 産 資 源 の 保 護 培 養 を 図 る 上 で 、 必 要 不 可 欠 な 制 度 で あ る 。 そ の 上 で 、 そ の 適 用 に か か わ る 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄
に 関 す る 解 釈 に 関 し て は 、 一 貫 し た 運 用 が 求 め ら れ る こ と は 言 う ま で も な
い 。
つ ま り 、 い わ ゆ る 漁 業 権 の 一 部 放 棄 の 決 議 が あ っ て も 、 そ の こ と に よ っ
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し か し な が ら 、 今 回 の 普 天 間 飛 行 場 代 替 施 設 建 設 事 業 に お け る 許 可 手 続
に 際 し て 、 突 然 、 水 産 庁 か ら 、 従 前 と 明 確 に 異 な る 見 解 が 示 さ れ た 。 そ の た め 、 原 告 に お い て は 、 同 制 度 の 適 用 に よ る 水 産 資 源 の 保 護 培 養 が 図 れ な
い 状 況 が 作 り 出 さ れ 、 当 該 事 業 実 施 海 域 で は 、 知 事 の 許 可 を 得 な い ま ま で
岩 礁 破 砕 等 行 為 が 差 し 迫 っ て い る 。
本 件 で は 法 律 上 の 争 訟 性 に 関 す る 論 点 が あ り 、 被 告 は こ の 訴 訟 の 入 り 口
論 で 逃 げ 切 ろ う と す る 姿 勢 で こ の 訴 訟 に 臨 ん で い る 。し か し 、本 件 は 実 体
的 に は 、漁 業 権 の 消 滅 し て い な い 海 域 に お い て 、こ れ を「 漁 業 権 は 消 滅 し
た 。」と 強 弁 し て 、必 要 な 岩 礁 破 砕 等 許 可 を 省 略 す る と い う 被 告 の 行 為 を 許 し て し ま う の か と い う 重 大 な 問 題 が あ る の で あ る 。い わ ゆ る 入 り 口 論 で 、
問 題 の 実 体 を 訴 訟 で 争 点 に す る こ と を 避 け よ う と す る 被 告 に 対 し て 、司 法
が こ れ を 許 さ ず 、実 体 問 題 に 立 ち 入 り 、被 告 の 態 度 を 是 正 す る こ と が 強 く 求 め ら れ る の で あ る 。