6 ローマー・モデル 2 、成長会計
6.0 今回のアウトライン
A. ローマー・モデルとソロー・モデルの組み合わせと計算方法を理解する B. 成長会計における基本的な考え方と計算方法を理解する
6.1 ローマー・モデルとソロー・モデルを組み合わせる
A. ローマー・モデルでは省かれた資本の検討 (テキスト p.232)
B. ソローモデルと組み合わせるとどうなるのか 1. なお、研究開発就業者比率の内生化は行わない
6.2 ローマ−およびソローの組み合わせモデルの設定
A. 生産:コブ=ダグラス型生産関数で表現
Yt= AtKtβL1−βn (6.1)
B. 家計:投資は所得の一定割合 s だけすると仮定する
It= sYt (6.2)
C. 労働市場:総労働者数は ¯L、研究開発産業に従事する割合を ℓ(パラメータ) 一般産業労働者: Ln = (1 − ℓ) ¯L (6.3) 研究開発産業労働者: La = ℓ ¯L (6.4) 労働市場の均衡: L¯ = La+ Ln (6.5)
D. マクロの恒等式
1. 資本蓄積方程式:生産の投入要素
Kt+1 = Kt+ It−d · K¯ t (6.6)
2. 知識ストックの蓄積:研究開発産業が蓄積
マクロ経済分析 第 6 回 講義ノート 2/ 6
6.3 ローマ−およびソローの組み合わせモデルの解と特性
A. 本講の離散型でなく連続型だが使える基礎知識 1. 合成関数の微分公式
df(g (x))
dx = (6.8)
2. 対数関数の微分計算の導出
h→0lim
ln x + h − ln x
h (6.9)
B. 成長率を分解
ln Yt= ln Atln Ktβln L1−n β (6.10)
C. gA, gL, gKと gY の算出 (第 4 回の gY = zℓ ¯Lと比較) gA=
gL =
gK =
gY = gA+ (1 − β) gL+ βgK =
マクロ経済分析 第 6 回 講義ノート 4/ 6
D. ローマー・モデルとの比較:なぜ成長率は高まったか?
E. 均整成長経路の産出量
Yt∗ = A∗tKt∗βL∗1−n β (6.11)
1. 知識ストックは成長率が一定ならば
A∗t = A∗0 (A∗0は均整成長経路時の知識ストック) (6.12) 2. 均整成長時の資本ストックは投資と資本減耗の均衡式から
sYt∗ = (6.13)
3. 均整成長経路での産出量
Yt∗ = (6.14)
F. 均整成長経路での一人あたり産出量 (Ln= (1 − ℓ) ¯Lを使って)
G. 均整成長経路での一人あたり産出量の成長率は対数をとって、
H. 投資率の変動による影響:水準効果 (level effect) 一
人 あ た り 産 出 量
(対 数 目 盛
)
マクロ経済分析 第 6 回 講義ノート 6/ 6
6.4 成長会計
A. 成長率の分解
gY = gA+ (1 − β) gLn+ βgK
B. 一人あたり成長率 gLの分解 gY − gL =
C. 日本の成長率の要因分解 (テキスト p.243)
6.5 次の課題について検討しなさい
A. テキスト p.243 の表 6.2-J(1)から表 6.2-J(2)の算出方法を考えなさい B. 可能であれば、経済産業研究所日本産業生産性 (JIP) データベース 2014HP
http://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2014/index.htmlの「4 成長会計」をダウンロードして、2014 年版のテキストと同様の項目の 2000 − 2005および 2006 − 2010 を作成しなさい
A. なお、「成長会計(付加価値ベース)」の「マクロ(住宅・分類不明を除 く)」を利用し、マンアワーの増加率は「マンアワー指数」の変化率を利 用すること