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機械知覚&ロボティクスグループ/中部大学

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(1)

社団法人 電子情報通信学会

THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,

INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS

信学技報

TECHNICAL REPORT OF IEICE.

自己状態を付与した

CNN

による自動運転制御の高精度化

村瀬 卓也

平川

山下 隆義

藤吉 弘亘

中部大学 〒

487–8501

愛知県春日井市松本町

1200

E-mail:

{murarin,hirakawa}@mprg.cs.chubu.ac.jp,

††

{yamashita,hf}@cs.chubu.ac.jp

あらまし

自動車の自動運転制御は,人間が運転するときに行う道路環境の認知・状況の判断・車両操作の制御をす

べて機械が行うことである.深層学習によりカメラ映像のみを入力とし,車両制御信号を出力する研究が行われ,自

動運転を実現している.しかし,制御対象自体の状態を把握することができないため,安定した運転制御を行うこと

が難しい場合があるという問題がある.本稿では,車載カメラ映像に加えて車体速度を自己状態として付与すること

で,自動運転制御の精度向上を図る.また,車体速度情報を追加する層を変化させた場合や,スロットルとステアリ

ングを独立に学習させた場合の運転制御にどのような影響があるかを報告する.

キーワード

自動運転制御

,

畳み込みニューラルネットワーク,車体速度

1.

は じ め に

現在,自動車の自動運転技術の開発は世界中で広く行われて いる.フランスでは,自動運転の電動バスを開発するNavya

が,パリのビジネス街であるラ・デファンス地区において,無 人運転シャトルバスの試験運行を開始した[1].最大15人が乗 車可能な小型バスをシャトルサービスとして運行している.ド イツでは,アウディが世界で初めて人の代わりに車が運転を担 う自動運転車A8を発売すると発表した.中央分離帯のある高 速道路を時速60キロメートル以下で走行している場合のみ全 ての操作をシステムが実施し,運転手は運転以外の作業をする 事が可能である.このように限定的な環境下では自動運転制 御が実用化され始めている.しかし,任意の環境下での自動制 御を行うためには周囲の環境を自動で取得・理解する必要があ る.周囲の情報を取得するには車載カメラ,ミリ波レーダー,

Light Detection and Ranging (LIDAR)などを用いる方法が ある.中でも車載カメラは他の計測デバイスよりも安価である ことから多くの車両に設置されている.車載カメラの普及と機 械学習技術の発展に伴い,車載カメラ映像を用いた画像認識技 術の開発が盛んに行われている.例えば,歩行者検出[2] [3] [4], 白線検出[5] [6],セマンティックセグメンテーション[7] [8]な どが挙げられる.

このような,車載カメラ映像から車両の周囲環境を理解する 研究だけでなく,映像から直接車両の制御を行う研究も行わ れている[9].この手法では,車両の前方を車載カメラで撮影 した車両前方の映像をConvolutional Neural Network (CNN)

に入力する.そして,車両前方の映像から車両が走行するべき 車道や領域をCNNにより暗に推定し,その領域を走行するた めのステアリングの角度を出力することで,適切な位置での自 動走行を可能にしている.しかし,車両の運転制御はステアリ ングのみだけでなく,スロットルも重要な要素である.スロッ

トルはアクセルやブレーキと置き換えることもでき,車両の移 動速度を制御する.前述のCNNを用いた車両制御法ではステ アリングのみを自動で制御しており,スロットルの出力は一定 に保ったまま走行実験を行っている.この理由としてCNNを 用いた場合,映像を1フレームずつ独立して入力するため,制 御対象自体の状態,すなわち車両速度を表現することが難しい ことが挙げられる.この問題を解決するために,Xuら[10]は

Long Short-Term Memory (LSTM)を用いた手法を提案して いる.この手法では,LSTMにCNNで抽出した特徴を入力す ることで,過去のフレームの情報を考慮しながら現在の車両速 度を推定する.しかし,この方法では学習時と評価時のフレー ムレートが異る場合にはうまく動作せず,過去のフレームを使 用することから計算コストが増加することからリアルタイムで の車両制御が難しいという問題がある.

そこで本研究では,CNNを用いて抽出した車載カメラ映像の 特徴量に加え,車体速度を自己状態として付与することで,ス テアリング及びスロットルの同時制御を行う.これにより,制 御対象の車両速度を把握することが可能となり,LSTMのよう にフレームレートに影響されずに様々な環境下で状況に応じた スロットルの制御が実現可能となる.また,ステアリングとス ロットルの異なる2つの要素を効率的に学習するために,独立 して学習をした場合の誤差や精度の変化についても報告する.

2.

関 連 研 究

従来の自動運転制御システムは,物体認識技術を用いた自動 運転制御とEnd-to-Endによる自動運転制御に分類できる.本 章では,これらの代表的な手法について述べる.

2. 1 物体認識技術を用いた自動運転制御

金沢大学で開発されている自動運転制御システム[12]は, 白線や車両周辺の障害物をセンサで検出し,自動運転を行う. 認識(Perception),パスプランニング(Path Planning),制御

— 1 —

85

-一般社団法人 電子情報通信学会

THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,

INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS

信学技報

(2)

(a)軌道候補

(b)新しい奇跡と古い奇跡のつながり

図1 ローカルパスプランニングの概要

(Controller)の3つのモジュール群から構成されている.認識

モジュールは,白線認識,マップマッチング,環境認識の3つか ら構成されている.白線認識は,車両側面に設置したLIDAR

から白線を検出する[13].LIDARから取得した距離と反射率 から,時系列の計測値からカルマンフィルタを用いて白線位置, 白線の曲率を推定する.マップマッチングでは,GNSS/INSシ ステムから得られる自車の位置姿勢情報を補正する[14].環境 認識モジュールは,オンボードセンサから得られる情報を基に 車両周辺の障害物を検出し,移動物体の運動を推定する.パス プランニングモジュールは認識モジュールから得られた情報を 基に安全に走行可能な軌道を生成する[15].パスプランニング モジュールは,ハイレベルパスプランナとローレベルパスプラ ンナの2つのモジュールから構成される.ハイレベルパスプラ ンナは,カーナビのようにデジタル地図から最適な経理を探索 する機能と,デジタル地図に基づき交通ルールに則った運動行 動の候補を提案する機能から構成されている.ローレベルパス プランナは,上位プランナが提案した運転行動の決定を行うと 同時に自動運転自動車が最終的に追従する軌道を生成する.図

1(a)に示すように,複数の起動候補が同時に生成され,安全性, コース中心からの横方向偏差との複数の評価等から最適な軌道 が選択される.これらの軌道候補は,図1(b)に示すように過 去に生成された軌道に滑らかに接続するように生成される.パ スプランニングモジュールで生成された軌道を,制御モジュー ルに与えて車両を走行させる.

2. 2 End-to-Endによる自動運転制御

車載カメラ,LIDAR,ミリ波レーダなどのセンサから取得さ れた情報から深層学習を用いて直接操舵角を推定する End-to-Endアプローチが注目を集めている[9] [10] [11].End-to-End

による自動運転制御の最大の特徴は,データの入力から出力ま でをニューラルネットワークで処理することである.センサか ら取得された情報をネットワークへ入力し,状況に応じた操舵 角を直接出力する.モデルの学習には,人間が実際に車で道路 を走行して記録した車載カメラ映像などのセンサ情報とそれに 対応する操舵角を教師データに用いる.システムが自律的に運

speed

camera Convolution fully connected

Convolutional Neural Network

− Back propagation

Recorded steering and throttle command Error

Estimated steering and throttle command

図2 提案手法の学習システム

転技術を学習するので,システム構成がシンプルになるという メリットがある.ネットワークが出力した操舵角と教師データ を比較し,その差分を補正することでネットワークは人間が運 転する際の操舵角に近づいていく.モデルは,教師データに依 存するため,教師データ内に白線がない道路の走行データが 入っていれば道路に白線がなくても走行することができ,認識 技術を用いた自動運転制御システムよりも柔軟な制御が可能と なる.

3.

提 案 手 法

本研究では,End-to-Endによる自動運転制御を対象とし,前 方を撮影した車載カメラ映像を1フレームずつCNNに入力す る.CNNから抽出された特徴量に加え,車体速度を自己状態 として全結合層に付与し,自動運転制御の高精度化を図る.

3. 1 学習システム

本研究で提案する自己状態を付与した自動運転制御の学習シ ステムを図2に示す.車載カメラ映像から得られた1枚の画像 をCNNは畳み込みの後に,制御対象の車体速度を全結合層に 入力する.CNNから出力されたスロットルおよびステアリン グと人間が実際に運転したデータを比較して誤差を計算する. 計算された誤差から誤差逆伝搬法により重みを更新する.ス ロットルとステアリングの値域は-1.0∼1.0の連続値であり,ス テアリングは,正の値の場合右に曲がり,負の値の場合左に曲 がる.スロットルは,正の値をアクセル,負の値をブレーキと する.

3. 2 Convolutional Neural Network

提案手法で用いるCNNの構成を図3に,詳細な構成を表1

に示す.提案手法では,プーリング層を取り除き畳み込み層の みで特徴を抽出し,活性化関数はLeaky Rectified Linear Unit (Leaky ReLU)を用いる.Leaky ReLUは式(1)のように表さ れる関数であり,vが正の値であればvの値をそのまま返し,

0以下の値ならばvαを乗算したものを出力する.本研究で はαを0.01とする.

v (v >0)

αv (v <= 0)

(1)

(3)

入力画像 畳み込み層 畳み込み層 畳み込み層 畳み込み層 畳み込み層

ステアリング

スロットル

全結合層 全結合層

全結合層 出力層

・ ・・

・ ・・

・ ・・

Ŏ

車両速度

・・・

図3 提案手法のCNNの構成

表1 提案手法で使用するCNNの詳細 Layer 詳細

畳み込み層1層目 畳み込みフィルタ: 5× 5× 24 活性化関数: Leaky ReLU stride : 2

畳み込み層2層目 畳み込みフィルタ: 5× 5× 36 活性化関数: Leaky ReLU stride : 2

畳み込み層3層目 畳み込みフィルタ: 5× 5× 48 活性化関数: Leaky ReLU stride : 2

畳み込み層4層目 畳み込みフィルタ: 3× 3× 64 活性化関数: Leaky ReLU 畳み込み層5層目 畳み込みフィルタ: 3× 3× 96

活性化関数: Leaky ReLU 全結合層1層目 ユニット数: 1000

活性化関数: Leaky ReLU dropout : 0.5

全結合層2層目 ユニット数: 100

活性化関数: Leaky ReLU dropout : 0.5

全結合層3層目 concat : 100+1 ユニット数: 10

活性化関数: Leaky ReLU 出力層 ユニット数: 2

畳み込み層1層目から畳み込み層3層目まではプーリングの代 わりにストライドを2とし,フィルタサイズを5×5とする.畳 み込み層4層目と畳み込み層5層目は,ストライドを1とし, カーネルサイズを3×3とすることで,詳細な特徴を扱えるよう にする.全結合層は3層とし,車両速度を追加しない層にはド ロップアウトを用いて過学習を防ぐ.出力層はスロットルとス テアリングの2つの値を出力する.

学習の最適化法はRMSProp+Gravesとし,学習率は0.0001, 割引率を0.99とする.エポック数は150,バッチサイズは4, ドロップアウト率は0.5とする.

3. 3 誤 差 関 数

CNNから出力されたステアリングとスロットルの二つの値 と,人間が運転した際に出力された値との二乗誤差から学習を 行う.二乗誤差は式(2)のように表される関数である.

E= N

n=1

rnyn∥2 (2)

ここで,rnが教師データ,ynはCNNの出力を表し,Nはデー

タの総数を表す.教師データの値とCNNから出力された値の 差を二乗して誤差を計算する.式(2)を用いて,スロットルと ステアリングの誤差を別々に計算し,計算された二つの誤差の 平均値を用いて,誤差逆伝搬法により学習を行う.

4.

評 価 実 験

本研究で提案する手法の有効性を確認するために,評価実験 を行う.以下の条件を比較対象とする.

(1) カメラ映像のみを入力 (2) 車体速度情報の追加

(3) ステアリングとスロットルを独立して学習

まず,カメラ映像のみと,車体速度情報を追加した際の比較 を行う.これらは,スロットルとステアリングを同時に学習さ せ重みを共有するが,それぞれ独立した動きであるため,ステ アリングとスロットルを独立して学習させた際の精度への影響 を調査する.

4. 1 データセット

本研究では,走行実験をGrand Theft Auto V (GTAV) [16]

で行う.GTAVは,オープンワールド型クライムアクション ゲームである.約126平方キロメートルの広大な街でキャラク ターを自由に操作することができ,ショッピングやドライブ, 海水浴など現実世界でできることをゲーム内で再現することが できる.現実世界で走行実験を行うと,事故を起こす可能性も あり,大きなリスクを伴うことになる.シミュレータ上であれ ば事故を起こしてもリスクは無く,安全に走行実験を行うこと ができる.さらに,現実世界では走行実験時やデータセット作 成時,天候や時間帯に左右されてしまうが,GTAVは天候も晴 天,雨天,曇天,雷雨,降雪と自由に変更することができ,時 間の概念もあるため朝,昼,夜の変更が自由に行える.そのた め,現実世界よりも柔軟に走行条件を制御することができる. また,田舎道,市街地,トンネルなど様々な走行環境があり,歩 行者や他車両もあるため,現実とほとんど変わらない走行環境 で自動運転車の実験を行うことができる.このシミュレータを 用いてデータセットを構築した.人間が実際にGTAV内の自 動車を運転し,走行時の車載カメラ映像からのフレームをキャ プチャ,保存し,それぞれのフレームに対応するスロットル, ステアリング,車体速度を保存する.フレームは1秒間に10

フレーム分キャプチャすることができる.

(4)

表2 カメラ映像のみを入力した実験の結果[%]

スロットル ステアリング

田舎道 市街地 田舎道 市街地

昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 RGB 90.0 80.0 80.0 80.0 81.8 75.0 96.6 96.6 86.6 90.0 YUV 90.0 83.3 86.6 83.3 85.4 80.0 96.6 96.6 93.3 92.7

輝度 90.0 76.6 76.6 76.6 79.0 90.0 100.0 100.0 93.3 96.3

輝度+RGB 90.0 80.0 80.0 76.6 80.9 75.0 96.6 96.6 90.0 90.0

(a)田舎道 (b)市街地

(c)夜間 (d)雨天

図4 GTAVにより作成したデータセット

曇天,雨天,雷雨の4種類が含まれる.ここで,本研究におけ る田舎道の定義は,一本道もしくは2車線道路であり信号機及 び街灯が一つもない道とし,舗装されていない道や山道も田舎 道とする.また市街地の定義は,家屋や商業施設が密集し常に 交通量が多い道とする.このデータセットの8万フレーム分を 学習データとし,残りの2万フレーム分をテストデータに使用 する.

4. 2 学習環境システム

本研究で使用する学習環境システムを図5に示す.多くの深 層学習フレームワークは,Linuxに対応しており,Windowsで は非公式サポートであることが多い,しかし,GTAVは Win-dowsのみにしか対応しておらず,Linuxで動かすことはでき ない.そこで,Virtual Network Computing (VNC)技術を用

いて,Linuxで起動している学習モデルとWindowsで起動し

ているGTAVを接続する.さらに,GTAVと学習モデルの間

のWindowsアプリケーションで,GTAVからカメラ映像や車

体速度を取得し,VNCを通して学習モデルへ送信する.また, 学習モデルから受信したステアリングとスロットルをvJoyと いう仮想的なゲームコントローラを用いてGTAVへ送信する. このシステムを用いて,OSが異なる学習モデルとGTAVの通 信を可能とする.

4. 3 評 価 方 法

走行実験の成功率の計算方法として,文献[9]と同様の評価

図5 学習環境システム

方法を用いる.

autonomy= (1−(interventions・6seconds

elapsed time )・100 (3)

ここで,interventionsは人間の介入数であり,elapsed time は総走行時間(s)である.人間の介入から自動運転車が自動走 行に戻るのに必要な時間を6秒と仮定し,介入数に6を乗算す る.人間の介入数に6を乗算し,総走行時間(s)を除算したも のを1から減算することにより,自律性のパーセンテージを計 算する.本研究では,田舎道を120秒間,市街地を180秒間, 合計300秒間の走行に対しての人間の介入数をカウントする. 人間の介入数は,スロットル,ステアリングそれぞれに対しカ ウントし,自律性を計算する.天候は晴天,時間帯は昼間とす るが,天候や時間帯の変化による走行への影響を確認するため, 市街地の夜間の晴天時,昼間の雨天時の実験も行う.

4. 4 カメラ映像のみを入力した実験

4. 4. 1 実 験 条 件

提案手法との比較を行うため,全結合層に車体速度情報を追 加せずカメラ映像のみを入力とした場合の実験を行う.入力画 像は,RGB画像,YUV画像,輝度画像,輝度+RGB画像の

4種類を比較する.画像サイズは806×629[pix.]だが,このま まネットワークに入力すると計算コストが莫大となるため,入 力画像は420×350[pix.]にリサイズする.これ以上小さくして しまうと,画像が不鮮明となり遠く前方にいる他車両のブレー キランプと信号機との区別ができなくなってしまい精度に影響 が出てしまうため,このサイズとしている.

4. 4. 2 実 験 結 果

カメラ映像のみを入力した実験の結果を表2に示す.スロッ トルに注目してみると,田舎道では全ての画像フォーマットで

90.0%となっている.田舎道では,信号機が無く,他車両も少

(5)

表3 車体速度を追加した実験の結果[%]

スロットル ステアリング

田舎道 市街地 田舎道 市街地

昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 YUV FC1層目 80.0 76.6 73.3 73.3 76.3 70.0 86.6 86.6 83.3 82.7 FC2層目 90.0 90.0 90.0 86.6 89.0 85.0 93.3 93.3 86.6 90.0

FC3層目 95.0 100.0 100.0 100.0 99.0 90.0 96.6 93.3 86.6 91.8

出力層 80.0 83.3 80.0 83.3 81.8 80.0 86.6 86.6 83.3 84.5 輝度 FC1層目 80.0 73.3 70.0 73.3 73.6 80.0 90.0 86.6 86.6 86.3 FC2層目 90.0 86.6 83.3 83.3 85.4 95.0 96.6 96.6 90.0 94.5

FC3層目 95.0 93.3 93.3 90.0 92.7 95.0 100.0 100 93.3 97.2

出力層 80.0 83.3 83.3 83.3 82.7 85.0 90.0 90.0 83.3 87.2

を踏むタイミングが遅れる又は一切踏まない動作が目立ちこの ような結果となった.全体では,YUV画像が最も良い結果と なった.ステアリングに注目すると,全体的に田舎道における 精度は低く,市街地では精度が高いことがわかる.これは,田 舎道ではカーブが多く,市街地では直線の道が多いためだと考 えられる.

次に天候と時間帯の変化による精度の影響を確認する.ス ロットルは,夜間,雨天共に昼間の晴天時と比べ,自律性に大 きな影響は出ていない.ステアリングは,夜間では特に変化は 無いが,雨天での走行時,自律性が少し低下しているのがわか る.原因として,道路にできた水溜りが光に反射して,白線が 認識しづらくなっていたためだと考えられる.全体では,輝度 画像が最も良い結果となった.

4. 5 車体速度情報を追加した実験

4. 5. 1 実 験 条 件

提案手法である車体速度情報を自己状態として追加すること による精度の変化を確認する.車体速度情報を追加する層を全 結合層1層目,全結合層2層目,全結合層3層目,出力層と変 更させ,精度の比較を行う.入力画像は,カメラ映像のみを入 力とした実験のスロットルで最も良い結果だったYUV画像と, ステアリングで最も良い結果だった輝度画像を用いて実験を行 う.画像サイズは同等とする.

4. 5. 2 実 験 結 果

車体速度情報を追加した実験の結果を表3に示す.全結合層

3層目に車体速度を追加した場合,YUV画像,輝度画像共にカ メラ映像のみを入力した場合と比べ精度が向上している.特に スロットルの精度が著しく向上している.カメラ映像のみの入 力では,図6のようなシーンにおいて,坂道で停止,前方車と の衝突,信号無視などが見られたが,車体速度を追加すること で,自律性が高くなっている.また,天候,時間帯を変更した 場合においても,精度向上が見られた.

一方,その他の層への追加では精度向上は見られなかった. 特に,全結合層1層目に追加した場合と出力層に追加した場合 では,精度の低下が見られた.全結合層1層目では,入力され るユニットが多いため車体速度を追加してもノイズとして扱わ れたと考えられる.出力層では,全結合層1層目とは逆にユ ニット数が少なすぎたため,車体速度の占める割合が大きすぎ たのが原因と考えられる.

(a)坂道 (b)下り坂

(c)前方車 (d)信号

図6 成功シーン

この結果から,車両速度を追加することによって高精度化が 可能であるが,追加する層によって精度が変化することがわか る.また,夜間,雨天時にも精度向上が見られたため,天候, 昼夜に限らず,車体速度情報を追加することは有効であるとわ かる.

4. 6 ステアリングとスロットルを独立して学習した実験

4. 6. 1 実 験 条 件

車体速度情報を追加し,それぞれ独立した動きであるステア リングとスロットルを独立して学習することによる精度への影 響を確認する.CNN構造及び車体速度を追加する層はステア リング,スロットル共に同様とし,重みの共有は行わないことと する.車体速度を追加する層は,車体速度情報を追加した実験 で最も良い結果だった全結合層3層目とする.入力画像は,ス ロットルではYUV画像,ステアリングでは輝度画像を用いる.

4. 6. 2 実 験 結 果

(6)

表4 独立して学習する実験の結果[%]

スロットル ステアリング

田舎道 市街地 田舎道 市街地

昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 同時に学習 95.0 100.0 100.0 100.0 99.0 95.0 100.0 100.0 93.0 97.2

独立して学習 95.0 100.0 100.0 100.0 99.0 95.0 100.0 100.0 96.6 98.1

(a)スロットル (b)ステアリング

図7 誤差の推移

までにかかるエポック数が減っていることがわかる.この結果 から,独立して学習させることにより精度に影響は表れないが 収束が早くなることがわかる.

5.

お わ り に

本研究では,自動車の自動運転制御を目的とし,車載カメラ 映像に加え車両速度を表す自己状態をCNNへ付与することで, ステアリングとスロットルの自動制御の高精度化の手法を提案 した.車両速度情報を追加することにより,車載カメラ映像の みでは走行不可能だった環境の走行に成功し,天候や時間帯の 変化にも有効であることを確認した.また,数値情報を追加す る層により精度が変化し,別々に学習させることによって収束 に必要なエポック数が減少することも確認した.今後は,目的 地を設定するなどより複雑な問題設定に取り組むことが挙げら れる.

文 献

[1] Navya,100 % AUTONOMOUS, DRIVERLESS AND ELECTRIC,

[http://navya.tech/](最終検索日: 2017年9月20日) [2] Yonglong Tian,Ping Luo,Xiaogang Wang et al.,

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[15] 管沼直樹,魚住剛弘,”東京モーターショー2011における金沢 大学自律自動運転車両の概要-第1報 自動運転自動車の障害物 回避走行のためのバスプランニング-”,自動車技術会学術講演会 前刷集,No.16-12,pp.11-16,2012

[16] Rockstar Games,Grand Theft Auto V,

表 2 カメラ映像のみを入力した実験の結果 [%] スロットル ステアリング 田舎道 市街地 田舎道 市街地 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 RGB 90.0 80.0 80.0 80.0 81.8 75.0 96.6 96.6 86.6 90.0 YUV 90.0 83.3 86.6 83.3 85.4 80.0 96.6 96.6 93.3 92.7 輝度 90.0 76.6 76.6 76.6 79.0 90.0 100.0
表 3 車体速度を追加した実験の結果 [%] スロットル ステアリング 田舎道 市街地 田舎道 市街地 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 YUV FC1 層目 80.0 76.6 73.3 73.3 76.3 70.0 86.6 86.6 83.3 82.7 FC2 層目 90.0 90.0 90.0 86.6 89.0 85.0 93.3 93.3 86.6 90.0 FC3 層目 95.0 100.0 100.0 100.0 99
表 4 独立して学習する実験の結果 [%] スロットル ステアリング 田舎道 市街地 田舎道 市街地 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 昼間・晴天 昼間・晴天 夜間・晴天 昼間・雨天 全体 同時に学習 95.0 100.0 100.0 100.0 99.0 95.0 100.0 100.0 93.0 97.2 独立して学習 95.0 100.0 100.0 100.0 99.0 95.0 100.0 100.0 96.6 98.1 (a) スロットル (b) ステアリング 図 7 誤差の

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