物理基礎講座「電気回路」 練習問題
12
月
4
日
解答例
(問 1.1)AB間の電圧 VAB は VAB=VA−VB= 12−3 = 9 [V] . したがって、電荷が2 [C] のポテ
ンシャルエネルギーは点A の方が点B よりも2 ×9 = 18 [J]大きい。したがって、求め
る仕事は 18 [J] . (問 1.2)
図の回路で直列に並んだ抵抗 3 つを1 つの合成抵抗にまとめると、
その抵抗値は1 + 2 + 3 = 6 [kΩ] .
したがって、オームの法則より、流れる電流 I は I =
120 [V]
6 [kΩ] = 20 [mA] . 再びオームの法則を使うと、それぞれの抵抗の電圧降下は、
1 kΩ: 1 [kΩ]× 20 [mA] = 20 [V] . 2 kΩ: 2 [kΩ] ×20 [mA] = 40 [V] . 3 kΩ: 3 [kΩ]× 20 [mA] = 60 [V] . となる。
(問 1.3)
正確に電圧を測定するには、電圧計での電圧降下は 50 V までに抑えないといけないの
で、倍率器で200−50 = 150 [V] の電圧効果を実現させる必要がある。
したがって、求める倍率器の値を x[kΩ]とし、分圧の公式[(電圧降下の比) = (抵抗の比)]
を用いると、50 : 150= 3 : x .
これを解くと、x= 9 なので、求めるべき倍率器の値は x= 9 [kΩ]である。
(問 1.4)
まず、上の枝で直列に並んでいる 2 つの抵抗に等価な合成抵抗の抵抗値は、1 + 3 = 4
[kΩ] である。次に、上の枝 4 [kΩ] と真ん中の枝 2 [kΩ] の並列合成抵抗を R とすると、
1
R =
1 4+
1 2 =
3
4 ∴R = 4 3 [kΩ] . したがって、下の枝に流れる全電流は
120[V]
R =
120 [V] 4 3 [kΩ]
= 90 [mA] .
この 90 mAが上の枝と真ん中の枝に分れて流れる。分流の公式 [(電流の比) = (抵抗の逆
数の比)]を用いると、上の枝と真ん中の枝に分れて流れる電流の比は、
1 4 :
1
2 = 1 : 2 .
したがって、上の枝に流れる電流 I は I = 90×
1
1 + 2 = 30 mA である。下の枝にはキ
ルヒホッフの電流則から 90−30 = 60 [mA] の電流が流れる。
したがって、それぞれの抵抗における電圧降下は、
1 kΩ: 1 [kΩ]× 30 [mA] = 30 [V] . 2 kΩ: 2 [kΩ] ×60 [mA] = 120 [V] . 3 kΩ: 3 [kΩ]× 30 [mA] = 90 [V] . となる。
(問 1.5)
正確に電流を測定するには、電流計に流れる電流は50 mA までに抑えないといけないの
で、分流器に300−50 = 250 [mA]の電流を流す必要がある。
の比)]を用いると、50 : 250= 1 0.5:
1
x .
したがって、 50
x = 500なので、求めるべき分流器の抵抗は x=
50
500 = 0.1 [Ω] である。 (問 1.6)
まず、並列部分の合成抵抗は
(
1 2 +
1 3 +
1 6
)−1
=
(
3 + 2 + 1 6
)−1
= 1−1 = 1 [Ω] である。
したがって、全体の合成抵抗は、これに右の抵抗 1 [Ω] を足して、1+1 =2 [Ω]であるの
で、下の枝に流れる電流は100/2 = 50 [A] である。これが3つの抵抗に分かれて流れる。
分流の公式 [(電流の比) = (抵抗の逆数の比)] を用いると、3 つの抵抗に流れる電流の比
は、上から順に書くと 1 2 :
1 3 :
1
6 = 3 : 2 : 1である。したがって、上の2 [Ω] に流れる電流
I は、50×
3
3 + 2 + 1 = 25 [A] であり、その抵抗が消費する消費電力は、2 ×25 2
= 1250 [W] となる。これは1 秒間に 1250 [J] = 300 [cal]の熱量が抵抗から出されることを意味 する。水1 kgの温度を 10 [◦C]上昇させるのに必要な熱量は、1000 [g]×10 [◦C] = 10000 [cal] であるので、求める時間は 10000/300 ≒ 33.3 [s]となる。
(問 1.7)
まず末端の12 [Ω] に流れる電流が全電流の1/3であるということから、抵抗 r2 [Ω]には、
12 [Ω]に流れる電流の 2倍が流れることになる。したがって、分流の公式 [(電流の比) =
(抵抗の逆数の比)]を用いて、2 : 1 = 1
r2 :
1
12 . これを解くと、r2 = 6 [Ω]。また、r2 [Ω] と 12 [Ω] の合成抵抗は、
(
1 6+
1 12
)−1
=
(
1 4
)−1
物理基礎講座「電気回路」 練習問題
12
月
11
日
解答例
(問 2.0)枝電流i1 ∼ i6 の向きはスライドの図に示した枝電圧v1 ∼v6 に等しいとする。枝 b1 ∼
b6 に対してそれぞれ素子方程式を作ると、
b1: v1 = −5i1, b2: v2 = −2i2, b3: v3 = −3i3, b4: v4 = −i4, b5: v5 = −7i5,
b6: v6 =−3i6+ 18 .
次に節点 n1 ∼ n3 についてキルヒホッフの電流則を用いると、
n1: i1+i4−i6 = 0, n2: i1−i2−i3 = 0, n3: i2+i5−i6 = 0 .
ループ L1, L2, L3 に対してそれぞれキルヒホッフの電圧則を用いると、
L1: v1+v3−v4 = 0, L2: v2−v3−v5 = 0, L3: v4+v5+v6 = 0 .
(問 2.1)
ループ電流をスライドの図のように I1, I2, I3 とおく。枝電流とループ電流の関係は、
i1 =I1, i2 =I2, i3 =I1−I2, i4 =I3−I1, i5 =I3−I2, i6 =I3 であり、これら は自動的に (問 2.0) の式 n1 ∼ n3 を満たす (各自確かめよ)。
式 b1 ∼ b6 をループ電流で表すと、
b1: v1 =−5i1 =−5I1, b2: v2 =−2i2 =−2I2, b3: v3 =−3i3 =−3(I1−I2),
b4: v4 =−i4 =−(I3−I1), b5: v5 =−7i5 =−7(I3 −I2),
b6: v6 =−3i6+ 18 =−3I3+ 18 .
これを式 L1 ∼ L3 に代入して、
L1: v1+v3−v4 =−5I1−3(I1−I2) + (I3 −I1) = 0 ∴9I1 −3I2−I3 = 0 .
L2: v2−v3−v5 =−2I2 + 3(I1−I2) + 7(I3−I2) = 0 ∴−3I1+ 12I2−7I3 = 0 .
L3: v4+v5+v6 =−(I3−I1)−7(I3−I2) + (−3I3+ 18) = 0 ∴−I1−7I2+ 11I3 = 18 .
式 L1 からI3 = 9I2−3I1 . これを式L2 に代入すると、−66I1+ 33I2 = 0 .
したがって、I2 = 2I1 .これと L1 とを合わせると I3 = 3I1 であることが分かる。
I1, I2 を式 L3 に代入すると18I1 = 18 . よって、I1 = 1 [A],I2 = 2 [A],I3 = 3 [A] が得ら れる。したがって、i3 =I1−I2 = 1−2 =−1 [A] .
よって、枝 b3 では上向きに1 A の電流が流れている。
(問 2.2)
ループ電流をスライドの図のように I1, I2, I3 とおく。v1 ∼ v6 をループ電流で表すと、 v1 = 11, v2 =−I2, v3 =−4(I1−I2), v4 =−4I3, v5 =−(I1−I3),
v6 =−5(I2−I3) .
ループ L1, L2, L3 に対してそれぞれキルヒホッフの電圧則を用いると、
L1: v1+v3+v5 = 11−4(I1−I2)−(I1 −I3) = 0 ∴5I1−4I2−I3 = 11 .
L2: v2−v3+v6 =−I2 + 4(I1 −I2)−5(I2 −I3) = 0 ∴−4I1+ 10I2−5I3 = 0 .
式 L3 からI1 =−5I2+ 10I3 . これを式 L2 に代入すると、30I2−45I3 = 0 .
したがって、I2 = 3
2I3 . これと L3 とを合わせるとI1 = 5
2I3 であることが分かる。
I1, I2 を式 L1 に代入すると
11
2I3 = 11 . よって、I1 = 5 [A], I2 = 3 [A],I3 = 2 [A] が得ら
れる。したがって、v6 =−5(I2−I3) =−5 [V] .
(問 2.3)
この場合は向かい合う抵抗の抵抗値の積が等しい (4×9 = 6×6) ので、ブリッジの平衡
条件が成り立っている。したがって、この場合は真ん中の抵抗の上下の節点は等電位であ
り、中央の 1 Ω の枝を取り去って開放しても他の電流電圧分布に影響はない。開放する
と、上の枝は 4+6 = 10 Ω の、下の枝は 6+9 = 15 Ω の合成抵抗をそれぞれ持っている
ので、全合成抵抗 R は R =
(
1 10 +
1 15
)−1
=
(
1 6
)−1
= 6 Ω である。よって、求める電 流 I は I = 30/6 = 5 [A] .
(問 2.4)
点 a と 点 gに対して幾何学的に対称な点が等電位な節点となる。その節点の組は (b, d,
e), (c, f, h)である。よって、b-d-e, c-f-h をそれぞれ短絡しても電流電圧分布は変わらな
い。短絡すると、3 辺 ab, ad, aeの抵抗は並列と見なせ、これらの合成抵抗は 12/3 = 4
物理基礎講座「電気回路」 練習問題
12
月
18
日
(
略解
)
(問 3.0)
網目閉路を取り上から時計回りの方向にループL1, L2 を定める。また同じ向きに流れる
電流を考え、上から I1, I2 と名付ける。
それぞれのループに対してキルヒホッフの電圧則を用いて、I1,I2 に対する連立方程式を
作ると、
L1 : 35−20(I1−I2)−3I1 = 0 ∴23I1−20I2 = 35 .
L2 : 60−20(I2−I1)−30I2−35 = 0→ −20I1 + 50I2 = 25 ∴−4I1+ 10I2 = 5 .
これを解くと、I1 = 3 [A], I2 = 1.7 [A] . よって求める答えは、3 [A] .
(問 3.1)
3 Ω と 30 Ω の並列の合成抵抗は ( 1 3 +
1 30)
−1 = 30/11 [Ω] .
真ん中の 35 [V]の電源だけが働いている場合、流れる全電流は35/(20+ 30
11) = 77/50 [A] .
30 Ωと 3 Ωには 1 30 :
1
3 = 1 : 10の比で流れるので、3 Ωの抵抗には、(77/50)×(10/11) =
7/5 [A]流れる。
3 Ω と 20 Ω の並列の合成抵抗は ( 1 3 +
1 20)
−1 = 60/23 [Ω] .
下の60 [V] の電源だけが働いている場合、流れる全電流は 60/(30+ 60
23) = 46/25 [A] .
20 Ωと 3 Ωには 1 20 :
1
3 = 3 : 20の比で流れるので、3 Ωの抵抗には、(46/25)×(20/23) =
8/5 [A]流れる。
重ね合わせの理より、この 2つを足したものが実際の3 Ωの抵抗に流れる電流であり、そ
れは(7/5)+(8/5) = 3 [A] である。
(問 3.2)
ひとまず 3 [Ω] の抵抗を取り去って考える。
20 Ω と 30 Ω の並列の合成抵抗 r は ( 1 20+
1 30)
−1 = 12 [Ω] .
また、開放電圧を求めるため、下の閉路に時計回りのループ電流 I を仮定してキルヒホッ
フの電圧則を用いると、60−30I−20I −35 = 0 ∴I = 0.5 [A] . したがって、開放電圧vは v = 60−30×0.5 = 45 [V] .
よって求める電流 I は I =v/(r+ 3) = 45/(12 + 3) = 3 [A] .
(問 3.3)
等価回路の抵抗を考えるときは、電流源を含む枝は取り去って考えることに注意。する と、求める抵抗は 2 つの 30 +60 = 90 [Ω] の並列になるので、90/2 = 45 [Ω] と求まる。 開放電圧は 2×(60−30) = 60 [V] . よって、求める等価回路は 60 [V] の電源 と 45 [Ω] の抵抗をつないだものとなる。
(問 3.4)
回路に置き換えても、抵抗 R に流れる電流は変わらない。
R= 0.5 [Ω]の時に、キルヒホッフの電圧則を使うと、E−(0.5+r)×4 = 0 ∴E−4r = 2 .
R= 1 [Ω] の時も同様に、 E−(1 +r)×3 = 0 ∴E−3r = 3 .
これを解くと、E = 6 [V],r = 1 [Ω] . したがって、R= 2 [Ω] の抵抗をつないだ時に流れ る電流 I は I = 6/(1 + 2) = 2 [A] .
(問 3.5)
中央の 5 [Ω] の抵抗をひとまず取り去って考える。
等価回路の抵抗は 4 [Ω]と 1 [Ω] の並列の合成抵抗、すなわち、(
1 4 +
1 1)
−1 = 4/5 [Ω]
が 2 つ直列に並んだものとなる。したがって、等価抵抗 rは r= 4/5×2 = 1.6 [Ω] .
次に開放電圧を考える。回路の右下を電位の基準(= 0V)とすると、橋の部分の上の接点
の電位は 11−11×(1/5) = 8.8 [V] .
橋の部分の下の接点の電位は 11−11×(4/5) = 2.2 [V] . よって、上の接点の電位の方が