平 成 2 6 年 度
行 政 監 査 報 告 書
≪職員研修に関する事務≫
㊢
草 監 第 134 号 平成27年 3月25日
草加市議会議長 浅 井 昌 志 様 草 加 市 長 田 中 和 明 様 草加市教育委員会教育長 髙 木 宏 幸 様 草加市選挙管理委員会委員長 秋 元 秀 雄 様 草加市公平委員会委員長 木 村 博 行 様 草加市固定資産評価審査委員会委員長 田 中 幸 雄 様 草加市農業委員会会長 田 口 智 嘉 様
草加市監査委員 中 村 幸 彦
草加市監査委員 中 野 修
監査の結果に関する報告について
平成26年度行政監査「職員研修に関する事務」
目
次
Ⅰ 監査の概要
1 監査の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 監査対象部局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3 監査の対象事務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
4 監査の対象範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
5 監査期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
6 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
7 監査の実施手続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
8 主な留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
9 監査の着眼点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ 監査の結果
1 職員研修の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2 調査結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
⑴ 各所属への調査結果(所属別)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
⑵ 各所属への調査結果(研修別)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
⑶ 各所属への調査結果からの分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
⑷ 職員課への調査・ヒアリング結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
3 監査意見(総合的な意見)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
Ⅰ
監査の概要
1 監査の種類
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第2項の規定による行政監査
2 監査対象部局 全部局室
3 監査の対象事務
平成25年度における職員研修に関する事務の執行とし、必要と認める場合は、その 他の年度についても監査の対象としました。
4 監査の対象範囲
平成25年度において、職員(臨時及び非常勤を含む。)が受講した研修。ただし、 医療職を除く。
5 監査期間
平成26年10月15日(水)から平成27年2月17日(火)まで(講評を含む。)
6 基本方針
少子高齢化等による社会構造の変化に伴い、行政に対する市民ニーズがますます多様 化・高度化し、より質の高いサービスが求められています。
このような状況の中、本市においては、職員定数の適正化や人材育成システムなど、 各種の取組を推進し、行政サービスの向上が図られているところですが、本市をさらに 発展・向上させていくためには、職員の意識改革や資質の向上が必要不可欠であり、そ のための手段である「職員研修」は非常に重要なものと考えます。
そこで、「職員研修」について、本市の全体像を把握し、効率的・有機的に機能して いるか等の観点から監査することにより、今後の適切な「職員研修」に資することを目 的としました。
7 監査の実施手続
職員研修に関する事務の執行について、調査を行った上で、証拠書類等との照合並び に関係者からの事情聴取等、通常実施すべき監査手続により監査を実施しました。
8 主な留意事項
9 監査の着眼点
⑴ 本市における職員研修の位置づけ ⑵ 人材育成システムとの関連性 ⑶ 職員研修の計画性
⑷ 職員研修の費用対効果 ⑸ 職員研修の効果及び成果 ⑹ 職員課との連携
Ⅱ
監査の結果
監査の対象とした職員研修に関する事務の執行については、その現況を書面調査するとと もに、研修担当所管である職員課へのヒアリングを行い、分析・検証を行った結果、おおむ ね適正に執行されているものと認められました。
なお、監査の概要及び意見については、以下のとおりです。
1 職員研修の位置づけ
⑴ 地方公務員法第39条第1項及び第3項(抄)
⑵ 第三次草加市総合振興計画後期基本計画(計画期間:平成23年度∼平成27年度) ( 研修)
第三十九条 職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける 機会が与えられなければならない。
2 前項の研修は、任命権者が行うものとする。
3 地方公共団体は、研修の目標、研修に関する計画の指針となるべき事項そ の他研修に関する基本的な方針を定めるものとする。
4 市役所を変える
(1)市民と協働できる市役所に
[施策31]市民と協働できる職員の育成
地方分権による権限移譲、三位一体の改革、平成の大合併など、地方自治を 取り巻く環境は大きく変化をしていますが、このような現状の中で真の地方主 権を実現するためには、自己決定・自己責任の原則を基本とし、市民と協働を しながら草加らしい地域の実情にあったまちづくりを進めることが求められて います。
そのためには、市民と協働できる職員を育成する必要性が高くなっており、 これまでの職員の能力開発やモラルアップのための様々な人事・研修制度を充 実させるとともに、職員一人一人の自己変革を促し、能力と意欲のある職員を 育成し、その力を引き出し活用していく取組を強化していかなければなりませ ん。
〔第三次草加市総合振興計画後期基本計画より抜粋〕 このような視点から、組織の活力を高め、職員一人一人の個性を重視した長 期的・総合的な人材育成の推進により、市民と接する仕事に対する誇りとプロ 意識を持った職員を育成するとともに、人事異動によっても業務の継続性が保 てるよう、現行の人事・研修制度を点検し、その課題を整理する中で、開かれ た人事制度の確立を図ります。
2 調査結果の概要
本監査は、監査の着眼点に基づき、各所属に対しては、「職員研修の計画性」、「人 材育成システムとの関連性」、「職員研修の問題点」の総合的な内容及び職員課主催研 修以外の自主的に実施又は参加した個別研修について書面調査を行い、全部局室(行政 委員会を含む。)の 76所属(最大)から回答を得ました。
また、研修担当所管である職員課に対しては、総括的な立場としての職員研修と人材 育成システムとの関連性や今後の職員研修のあり方等について、書面調査とヒアリング を行い、職員研修の実態等について確認しました。
調査結果の概要は次のとおりです。
なお、回答内容は集計処理の統一性を図るため、一部、調整・要約等を行っています。
⑴ 各所属への調査結果(所属別)
① 職員研修の計画性について(※ 1所属において重複回答あり)
「計画を策定している」と回答した所属は 26. 0%( 20件) 、「計画は策定してい ない」と回答した所属は 61. 0%( 47件) 、「その他」と回答した所属は 13. 0%( 10 件) でした。なお、「その他」と回答した理由を見ますと、そのほとんどが策定し ていない理由について記入されていましたので、これを含めますと「計画は策定し ていない」所属は 74. 0%( 57件) となります。
計画を策定 し、それに基
づき研修を 行っている 1 9 .5 %
計画は策定し ているが、計 画どおりにで きていない
6 .5 %
計画は策定し ていない
6 1 .0 % その他
1 3 .0 %
・計画策定の必要性を感じていないため(4 件)
・職員課や研修機関等主催の研修に参加しているため(2 件)
・職員研修を実施していないため(2 件)
・研修が定期的なものや、事前に把握できないもののため(1 件)
・職員に有益な研修について、適宜情報を得る中で精査しているため(1 件)
② 人材育成システムとの関連性について
研修の効果・成果を人材育成システム(評価)に「加味している」と回答した所 属は 26. 3%( 20件) 、「加味していない」と回答した所属は 68. 4%( 52件) 、「その 他」と回答した所属は 5. 3%( 4件) でした。
③ 職員研修の問題点について
職員研修の問題点について回答を分類した結果、業務関連の問題が 24. 7%( 22 件) と最も多く、また、職員数関連の問題でも 19. 1%( 17件) を占めており、業務と 人員の両面の問題による研修受講への余裕の無さがうかがえます。なお、分類別の 回答(要約)内容は次頁のとおりです。
研修の効果・ 成果を人材育 成システム (評価)に加
味している 2 6 .3 % 人材育成シス
テムには加味 していない
6 8 .4 % その他
5 .3 %
業務関連 2 4 .7 %
その他 2 0 .2 % 職員数関連
1 9 .1 %
意見、要望等 1 4 .6 %
人事関連 1 2 .4 %
予算関連 9 .0 %
(全て1件)
・研修等による職務遂行能力の向上が図られていれば間接的に評価
・効果、成果が表れていれば反映している
・研修未受講のため
≪職員数関連≫
・限られた人数の中、必要な研修が受けられない場合がある(1 6 件)
・新人職員等への教育に費やせる時間と人員が足りない(1 件)
≪予算関連≫
・限られた予算により、必要な研修が受けられない場合がある(7 件)
・限られた予算の中で、適切な講師を探すことに苦慮している(1 件)
≪人事関連≫
・人事異動等により研修成果を発揮できない場合がある(8 件)
・専門的な知識、技術の習得に時間を要してしまう中で、人事異動等がある(2 件)
・人事異動サイクルが2 ∼3 年なため、人材育成に苦慮している(1 件)
≪業務関連≫
・業務多忙により、研修を受けられない場合がある(9 件)
・研修により業務に支障が出る場合がある(3 件)
・専門的な業務の担当者が研修に参加すると、その業務に影響を及ぼす場合がある(1 件)
・繁忙期の新人研修等は、深夜までの残業を余儀なくされている(1 件)
・その他(8 件)
≪その他≫
・限られた施設・資機材の中で行う研修には限界がある(3 件)
・限られた人数と予算の中で、優先順位を決めて受講している(2 件)
・実務研修は多いが、視野を広げる研修が少ない(1 件)
・技術系の研修が少ない(1 件)
・受講できる研修に限りがあるため、習熟が図れない場合がある(1 件)
・研修が実務に活かせない場合がある(1 件)
・日々能力向上等に努めているが、それ以上の内容については外部研修に頼らざるを得ない(1 件)
・その他(8 件)
≪意見・要望等≫
・受講者が異動しても研修内容が活かせるシステムが必要(3 件)
・現場経験や職場内の情報共有、継承が重要と考えている(以下1 件)
・実務に直結しない研修は、業務との関連性を示す内容にするなどの検討をすべき
・職場内研修の必要性は感じている
・重要な研修については、報告の場の設定が必要
・事業数が多いため日程調整等に苦慮しているが、研修の重要性、必要性は感じている
・有資格者の退職等により業務に支障が出る恐れがあるため、資格者増員に向けた研修予算の確保が必要
・各職員の意思を尊重しながら随時研修に参加しているため、問題はない
・積極的な研修参加を促し、日常業務が多忙な中、多くの研修に参加してもらっている
・対象者の経験年数により、研修内容等を検討する必要がある
⑵ 各所属への調査結果(研修別) ※ 職員課主催研修以外の個別研修
① 研修実績数について
本調査において、各所属からの回答をもとに、部局別に集計したものです。 なお、棒グラフの色分けは、部局内における各所属の研修件数を表しています。
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0
消防本部 水道部 固定資産評価審査委員会事務局 農業委員会事務局 公平委員会事務局 監査委員事務局 教育委員会 議会事務局 市立病院 会計課 建設部 都市整備部 市民生活部 子ども未来部 健康福祉部 自治文化部 総務部 総合政策部 市長室
部局別研修実績数(平成2 5 年度)
6 3 0 1 6 1 0 6 6 7 0 2 3 5 6 5 7 3 1 2 6 7 5 3 1 4 7 9 2 6 5 4
② 研修種別について
「職場活用」が 96. 2%( 513件) を占めています。
職場で必要としている研修を集約化し、各所属で企画又は申込みにより実施してい ます。
各所属での自己啓発の研修が 2. 1%( 11件) にとどまっています。
③ 講師等について
「外部講師」が 52. 6%( 277件) 、「内部講師」が 23. 1%( 122件) となっています。 「研修機関(の講師)」及び「外部講師」を合わせると、70%以上を外部に講 師をお願いしています。
内部講師 2 3 .1 %
外部講師 5 2 .6 % 研修機関
(の講師) 1 9 .2 %
自己啓発 2 .1 %
職場活用 9 6 .2 % 倫理向上
0 .0 %
④ 選定方法について
「職務上の必要性を反映」が 83. 4%( 437件) 、「職員のレベルを反映」が 5. 7% ( 30件) となっています。
職員の要望を反映した研修は 9. 2%( 48件) にとどまり、職員の意見を聞いて実施 する研修が少ないものとなっています。
⑤ 費用対効果の期待度について
「業務に活かせる」が 90. 4%( 480件) を占めています。
費用対効果の期待度は、「業務に活かせる」と「少しは業務に活かせる」を合わ せると、100%に近いものとなっています。
職員の要望を 反映 9 .2 %
職員のレベル を反映
5 .7 %
職務上の 必要性を反映
8 3 .4 % その他
1 .7 %
業務 に活かせる
9 0 .4 % 少しは業務に
活かせる 7 .9 %
どちらとも いえない
1 .3 %
あまり業務に は活かせない
0 .0 %
業務には活か せない
0 .2 %
⑥ 効果測定の方法について
「復命書」が 72. 0%( 381件) を占め、復命書で効果を確認したものが多くなって います。
「何もしていない」が 11. 0%( 31件) となっており、研修を受けたことに対する 説明責任を果たし、研修内容の情報共有を図るためには、少なくとも復命書を作成 の上、課内供覧をする必要があります。
⑦ 研修成果について
「発揮された」が 81. 5%( 433件) 、「少しは発揮された」が 15. 1%( 80件) とな っており、合わせると、95%以上を発揮されたものとして捉えられています。
復命書 7 2 .0 % 研修報告書
5 .9 % 試験 0 .4 %
何も していない
1 1 .0 %
その他 9 .6 %
発揮された 8 1 .5 % 少しは
発揮された 1 5 .1 % どちらともい
えない 2 .8 %
あまり発揮さ れていない
0 .2 %
発揮されてい ない 0 .2 %
⑧ 職員課との連携について
上記表中の理由から、「いいえ」が 83. 1%( 443件) を占めています。
「はい」は 6. 6%( 35件) で、職員課による予算措置がなされている研修等が挙げ られます。
⑶ 各所属への調査結果からの分析
各所属における職員研修に対する考え方を見ますと、研修の成果が現れたとしても、 それが人材育成システムの評価につながるかの判断が難しい状況がうかがえます。
また、研修の問題点では、研修の重要性・必要性への理解や研修内容の工夫を要望す るなど、積極的な意見も挙げられていますが、多くの所属が業務と人員の問題による研 修受講の困難さを挙げています。
次に、各所属の実施した研修別の調査結果から見ますと、職務に特化したものが多く、 外部研修の割合が高くなっています。また、選定方法についても、職務上の必要性を反 映している研修が多くを占めていることから、職務に直結し、研修成果が比較的短期間 で表れるものが選ばれています。
このことから、費用対効果の期待度では、多くの研修が業務に活かせるものとされ、 その成果は発揮されたものと捉えられています。
一方、職員の要望を反映した研修は少なく、自発的に参加しモチベーションの向上に つながるような研修は限られているように見受けられます。
また、職員課との連携では「いいえ」の割合が高いことから、職員課で実施する研修 と各所属で参加する研修とのすみ分けが明確でないことも見受けられます。
以上の分析から、職員にとって必要な研修を充分に受けられる環境作りをはじめ、人 材育成システムの見直しや各所属の実施する研修についても体系化を図っていくことな どが必要と考えます。
はい 6 .6 %
いいえ 8 3 .1 % その他
1 0 .3 %
・県主催の研修のため
・全職員対象の研修でないため
・専門的な内容のため、職員課との連携を図る必要がない
⑷ 職員課への調査・ヒアリング結果
① 職員研修の基本方針及び基本計画
職員課では、次の職員像をめざし、研修の基本方針を定めています。
〇いかなる業務においても住民ニーズは何かを探ることを忘れず。その具体化のため に迅速かつ主体的な行動を行う職員
〇慣習や先例にとらわれない、新しい行政のあり方を追求するチャレンジと最大限の 能力発揮を行う職員
〇環境変化と多様化・高度化する住民ニーズに対して絶えざる意識改革と自己研鑽を 行う職員
〇行政サービスに携わる使命感と責任感を持ち、常に職務遂行に全力を傾ける職員
人材育成の「4つの視点」(研修の基本方針) 平成25年4月策定
視点① 業務知識・実務能力の開発と継続的な育成
行政課題が複雑化・高度化するなかで、市民から信頼される行政運営を実現するには、業務 知識・実務能力を着実に定着することが不可欠です。とりわけ、業務に従事する職員が、業務 知識・実務能力を十分に備えることで、仕事に対する安心感・納得感を生み、草加市役所全体 に対する市民の信頼を生むことにつながります。そのため、本市職員が身に付けておくべき業 務知識・実務能力の開発と継続的な育成を進めます。
視点② 職員年齢構成の変化に応じた職員の育成
大量退職・採用により職員年齢構成が大きく変化しつつあることから、経験の少ない若年層 の力を高める取組を進めることが、組織の力を高める上で重要になっています。そのため、職 員年齢構成の変化に応じた職員の育成、特に若手職員の育成を進めます。
視点③ 日常業務のなかで人を育て・学びあうこと(OJT)を中心に据えた育成
日常業務のなかで上司が部下を指導・育成するのみならず、職員が互いに学びあうこと(O JT)を人材育成の中心に据え、職場外研修等(OFF−JT)と関連づけながら、人材育成 を進めます。
視点④ 人材育成システム(人事評価)と研修の効果的な連携を通じた育成
② 職員研修体系
③ 職員課への調査及びヒアリング結果を踏まえた意見
職員課では、人事研修係の6名により人事・表彰・研修を担当しており、うち2 名が研修担当として、研修計画の策定・研修メニュー及び講師の選定・専用施設の 無い中での研修会場の確保等、限られたスタッフの中で、その業務は多岐に渡って います。
このような状況の中、平成21年度から、研修終了後に約1か月先の目標を掲げ、 受講者本人と所属長が相互に確認し、1か月経過後に所属長の評価を受け、改めて 研修に臨み効果を高める「フォローアップ研修」を他市町村に先駆けて実施してい ます。
また、平成23年度からは、人材育成システムの評価結果等から、職員の長所を 伸ばし短所を補完するため、特定の課題に特化した研修として上司の推薦を受けた 職員が受講する「ジャンプアップセミナー(課題別研修)」を実施しており、研修 ニーズや社会情勢の変化に応じた研修内容とするなど、職員の育成に努めています。
しかしながら、団塊世代の大量退職に伴い、多くの職員を新規採用した影響から、 職員の年齢別構成割合に偏りが見られ、公務員経験の少ない職員の育成強化など、 直面する課題も見られます。
また、研修の受講履歴については、一部の研修についてのみ記録管理されている ことから、職員一人一人の能力を把握することは困難となっていますので、研修の 受講履歴及び効果・成果等を管理できるシステムを構築することにより、よりきめ 細やかな職員の育成が図れるものと考えます。
さらに、平成26年5月に地方公務員法が改正・公布され、人事評価制度の導入 による能力・業績に基づく人事管理の徹底が平成28年度から実施されることから、 現行の人材育成システムの見直しや「人材育成基本方針」の策定が予定されていま す。
以上を踏まえ、所管課として職員研修や人材育成の推進に努めていることは評価 できますが、さらなる職員の行政能力向上や行政のプロを育成していくためには、 研修の基本方針を明確に打ち出し、組織全体に浸透させるとともに、研修所管課と しての体制を整備・充実させることが大切です。
3 監査意見(総合的な意見)
少子高齢化等による社会構造の変化に伴い、行政に対する市民ニーズがますます多様 化・高度化し、より質の高いサービスが求められています。
このような状況の中、本市においては、職員定数の適正化や人材育成システムなど、 各種の取組を推進し、行政サービスの向上が図られているところですが、本市をさらに 発展・向上させていくためには、職員の意識改革や資質の向上が必要不可欠であり、そ のための手段である「職員研修」は非常に重要なものと考えます。
また、職員は、いうまでもなく貴重な財産であり、その職員を研く研修というのは、 組織として必要な投資でもあります。研修には、成果が短期的に表れるものもあれば、 長い時間をかけて計画的に行うことで、徐々に成果が表れるものなど様々あり、それら を職員の育成レベルに応じて行いながら、行政能力を向上させ、行政職員として将来ビ ジョンが描けるまでの能力を身に付けさせるような研修を行うことが理想です。
一方、本市における研修の実態を見ますと、行財政改革に伴う人員削減等の影響によ り、職員が十分に研修を受ける余裕が無いことや、研修に対する職場の理解の希薄さな どが見受けられますが、研修を受講することにより仕事の効率化が図られ、業務を円滑 に遂行できるようになるとも言えます。
また、職員課で実施する研修と各所属で参加する研修のすみ分けが明確ではないため、 その役割分担を明確にすることで、円滑な研修事業の実施が図られるものと考えます。
さらに、研修を受ける受講者の意識にも注視しなければなりません。義務として受講 するのではなく、自ら必要と感じて積極的に研修に参加することにより、モチベーショ ンを向上させることが重要となります。それには、職員課の支援や職場の理解が必要不 可欠なものとなります。
さて、近年の監査において感じることは、二点あります。
一点目は、全庁的に周知されている必要事項の記載漏れや公務員経験で培われる事務 手続にミスがあるなど、大きなミスにつながる可能性もあるケアレスミスが多く見受け られます。
二点目は、昨今の団塊世代の大量退職に伴い、これまで蓄積してきた知識や技術が途 絶えてしまっている現状があります。一時的な職員の補充を行っても、次の世代に託す 時間的余裕がなく、結果として伝承されることなく業務が進んでしまう状況も起きてい ます。
これらの点からも、職場のチェック体制の強化を図り、業務上の知識や技術を受け継 いでいく上で、研修事業における基礎知識の習得に加え、職場内の日常的なOJTが必 要と考えます。
の低下を招く危険性もあります。
職員課におきましては、この法改正に伴い現行の人材育成システムの見直し並びに 「人材育成基本方針」の策定を行うことから、職員研修等に関する現状の課題を踏まえ た適正な人事評価制度となるよう期待します。