ミクロ経済学第 2 回課題
今井 陽介
2016 年 11 月 4 日
1 確認問題
以下の用語の定義を述べよ。ただし、小問3と4は数式を用いて答えよ。
1. 労働の限界生産性
2. 規模に関して収穫逓減、逓増、一定 3. 供給関数と要素需要関数
4. 費用関数と生産量条件付き要素需要関数 5. 限界費用と平均費用
6. 可変費用と固定費用
2 標準問題
2.1 演習問題(抜粋)
奥野正寛編『ミクロ経済学演習』の以下の演習問題を解け。
1. 問題2.1 2. 問題2.3 3. 問題2.4 4. 問題2.5
2.2 政府の課税と生産
上記の演習問題2.4と同じ費用関数をもつ企業を考える。ただし固定費用はすべてサンクされており、なお かつ生産物の市場価格を532と仮定する。このとき、以下の問いに答えよ。
1. 政府が、この企業の生産物1単位当たり132の税金(従量税)をかけたとする。このとき企業の最適生 産量はどのように変化するか。
2. 次に政府は従量税ではなく、先の小問の税収増分を直接企業に課税したとする。このとき企業の最適生 産量はどのように変化するか。
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3 発展問題
『ミクロ経済学演習』の演習問題2.5では、線形関数、コブ・ダグラス型関数、レオンチェフ型関数が収穫 一定な生産関数の例として挙げられていた。実はこれらの関数をより一般的に表現した関数がある。それは CES(Constant Elasticity Substitution)型関数とよばれ、下式で定義される*1。
f (K, L) = [αKρ+ (1 − α)Lρ]1ρ (0 < α < 1)
1. ρ = 1, ρ → 0, ρ → −∞のとき、CES型関数がそれぞれ線形関数、コブ・ダグラス型関数、レオンチェ
フ型関数となることを示せ。
2. CES型生産関数が規模に関して収穫一定であること示せ。
3. CES型生産関数について以下を計算し、ρの経済学的意義を考えよ。
ζKL= −fK(K, L)/fL(K, L)
K/L /
∂[fK(K, L)/fL(K, L)]
∂[K/L]
ただしfi(K, L) = ∂f
∂i(K, L) , i = K, L とする。
4. 以下の小問では、−∞< ρ < 1, ρ ̸= 0を仮定する。名目賃金率と資本価格をそれぞれw、rとすると き、費用最小化問題を定式化せよ。またラグランジュの未定乗数法を用いて、費用関数と生産量条件付 き要素需要関数をそれぞれ求めよ。
5. 小問4の費用最小化問題における、ラグランジュ乗数の経済学的意義を考えよ。
6. 小問4の費用最小化問題の結果を用いて、 生産物価格をpとしたときの供給関数と利潤関数をそれぞ れ求めよ。
*1演習問題 2.5 と同様に、資本量 K と労働量 L を投入して1種類の生産財を作る場合を考える。
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