tx-ring-limit
プライオリティキューの深さを指定するには、プライオリティキューモードで tx-ring-limit コマンド を使用します。この指定を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
tx-ring-limit number-of-packets no tx-ring-limit number-of-packets
構文の説明
デフォルト デフォルトの tx-ring-limit は、128 パケットです。
コマンドモード 次の表は、このコマンドを入力できるモードを示しています。
コマンド履歴
使用上のガイドライン 適応型セキュリティアプライアンスでは、遅延の影響を受けやすい、プライオリティの高いトラ フィック(音声およびビデオなど)用の Low-Latency Queuing(LLQ; 低遅延キューイング)と、それ 以外のすべてのトラフィック用のベストエフォート(デフォルト)の 2 つのトラフィッククラスを使 用できます。適応型セキュリティアプライアンスは、プライオリティトラフィックを認識し、適切な
Quality of Service(QoS; サービス品質)ポリシーを実施します。プライオリティキューのサイズと深
さを設定して、トラフィックフローを微調整できます。
プライオリティキューイングを有効にするには、priority-queue コマンドを使用して、インターフェ イスのプライオリティキューをあらかじめ作成しておく必要があります。1 つの priority-queue コマ
ンドを、nameif コマンドで定義できるすべてのインターフェイスに対して適用できます。
priority-queue コマンドで、プライオリティキューモードを開始します。これはプロンプトに表示され
ます。プライオリティキューモードでは、送信キューに任意のタイミングで入れることができるパケッ トの最大数(tx-ring-limit コマンド)、パケットがドロップされるまで、バッファできる両方のタイプ
(プライオリティまたはベストエフォート)のパケット数を設定できます(queue-limit コマンド)。
number-of-packets イーサネット送信ドライバが許容できる低遅延パケットまたは標準の優先
順位のパケットの最大数を指定します。この値を超えると、イーサネット 送信ドライバは輻輳が解消するまで、インターフェイス上のキューにパ ケットを戻しバッファに格納させます。tx-ring-limit の値の範囲は、PIX プラットフォームでは 3 から 128 パケットで、ASA プラットフォームで は 3 から 256 パケットです。
コマンドモード
ファイアウォールモード セキュリティコンテキスト
ルーテッド
トランスペ
アレント シングル
マルチ
コンテキスト システム
プライオリティキュー • • • • —
リリース 変更内容
7.0(1) このコマンドが追加されました。
第 31 章 tcp-map コマンド~ type echo コマンド tx-ring-limit
(注) インターフェイスのプライオリティキューイングをイネーブルにするには、priority-queue コマンド を設定する必要があります。
指定する tx-ring-limit および queue-limit は、プライオリティの高い低遅延キューとベストエフォート キューの両方に適用されます。tx-ring-limit は、ドライバが許容できる両方のタイプのパケットの数で す。このパケット数を超えると、ドライバはインターフェイスの先頭にある複数のキューにパケットを 戻し、輻輳が解消するまでそのキューでパケットをバッファしておきます。通常、これらの 2 つのパラ メータを調整することで、低遅延トラフィックのフローを最適化できます。
キューのサイズは無限大ではないため、いっぱいになってオーバーフローすることがあります。キュー がいっぱいになると、以降のパケットはキューに入ることができず、すべてドロップされます。これが
「テール ドロップ」です。キューがいっぱいになることを避けるには、queue-limit コマンドを使用し て、キューのバッファサイズを大きくします。
(注) queue-limit コマンドと tx-ring-limit コマンドに対する値の範囲の上限は、実行時に動的に決定されま す。この上限を表示するには、コマンドラインで help または ? と入力します。主な決定要素は、
キューをサポートするために必要なメモリと、デバイス上で使用可能なメモリです。queue-limit の値 の範囲は、0 ~ 2048 パケットです。tx-ring-limit の値の範囲は、PIX プラットフォームでは 3 から 128 パケットで、ASA プラットフォームでは 3 から 256 パケットです。
ASA モデル 5505(のみ)では、1 つのインターフェイスにプライオリティキューを設定すると、他の
すべてのインターフェイスで同じコンフィギュレーションが上書きされます。つまり、最後に適用され たコンフィギュレーションだけが、すべてのインターフェイスに存在することになります。さらに、プ ライオリティキューコンフィギュレーションは、1 つのインターフェイスから削除すると、すべての インターフェイスからも削除されます。
この問題を回避するには、priority-queue コマンドを 1 つのインターフェイスにのみ設定します。
queue-limit コマンドと tx-ring-limit コマンドの両方またはそのいずれかの設定を、さまざまなイン ターフェイスで異なる設定にする必要がある場合、任意の 1 つのインターフェイスで、すべての queue-limit のうちで最大の値と、すべての tx-ring-limit のうちで最小の値を使用します
(CSCsi13132)。
例 次の例では、test というインターフェイスにプライオリティキューを、キュー制限を 2048 パケット に、送信キュー制限を 256 パケットに設定しています。
hostname(config)# priority-queue test hostname(priority-queue)# queue-limit 2048 hostname(priority-queue)# tx-ring-limit 256
関連コマンド コマンド 説明
clear configure priority-queue
指定したインターフェイスの現在のプライオリティキューコンフィギュ レーションを削除します。
priority-queue インターフェイスにプライオリティキューイングを設定します。
queue-limit プライオリティキューに入れることができるパケットの最大数を指定しま
す。この数を超えると、以後のデータはドロップされます。
第 31 章 tcp-map コマンド~ type echo コマンド
tx-ring-limit
show priority-queue statistics
指定されたインターフェイスのプライオリティキュー統計情報を表示します。
show running-config priority-queue
現在のプライオリティキューコンフィギュレーションを表示します。all キーワードを指定した場合、このコマンドは現在のすべての
priority-queue、queue-limit、および tx-ring-limit コマンド設定値を表示 します。
コマンド 説明
第 31 章 tcp-map コマンド~ type echo コマンド