さ75 菅吋 ‘ω
N- Acetyldopamin�
一: oot determioed
第四章 プロフエノールオキシダーゼcDNAのクローニングおよび塩基配列
第一節 緒言
カイコ変態過程におけるプロフエノールオキシダーゼ遺伝子の制御機精を 調べるためには、プロフエノールオキシダーゼをコードする遺伝子をクロー ニンク令することが不可欠である。 前章において、3種のPPOイソフォーム (Q1, Q2そしてQ3)は、いずれも73kDaおよび、74kDaのポリペプチドよ り構成されていることが明らかとなった。 そこで本章では、2種のポリペプ チドをコードする遺伝子をカイコ血球細胞よりクローニングし、その塩基配 列を決定することを目的とした。
第二節 実験材料 第一項 血球
カイコ(a80系統)5齢4日の体液をフェニルチオ尿素を含む遠心管中に氷 上で採取し、40C、3,000 rpmで15分間遠心分離を行い血球を沈殿させた。
沈殿した血球を氷冷した生理食境水で2回洗浄し、使用時まで-800Cにて保 存した。
第二項 プラスミド
Vieira1)らによって開発されたpUC18(宝酒造社製)を用いた。 このプラ スミドは、pBR322由来のアンピシリナーゼ遺伝子とDNAの複製開始点およ び大腸菌のlacZ'遺伝子から構成されており、lac領域には制限酵素認識部位 が連なったマルチクローニング部位があるため、種々の制限酵素DNA断片 が挿入できるという特徴を持っている。 また、pUC18をlac-大腸菌
(JMI09)に形質転換すると、コロニーの色の違いによりDNA断片の挿入 を判定できる。
第三項 菌株
大阪菌は、 JMI09
(recAl supE44 endAl hsdR17 gyrA96 relAl thi (1ac-proAB) F' [traD36 proAB+ laclq lacZL1M15J
)を夜間した。第四項 培地
大腸菌JM109の培養にはLB培地(1%トリプトン: Difco社製/0.5% イー ストエキストラクト: Difco社製 /0.5% NaCl)を用いた。 寒天培地は、 そ れぞれ倍地にl.5%になるようにバクトアガー(Difco社製)を加えたものを 使用した。 培地は使用前に高圧滅菌した。 培地にアンピシリンを加える場 合、 高圧滅菌後、 100μg/rrùとなるように加えた。
第五項 制限酵素および、核酸修飾酵素
制限酵素BmηHIとHindIIIおよび�4 DNA ligaseは、 ニッポンジーン社製 を用いた。 RNase Aは、 シグマ社製、 bacterial alkaline phosphatase (BAP)は宝酒造社製を用いた。 Reverse transcriptaseにはGIBCO社製 を、 Taq DNA polymeraseにはプロメガ社製を用いた。
第六項 その他の試薬
グアニジニンチオシアネート、 塩化セシウム、 イソプロピル-ß-Dーチオー ガラクトピラノシド(IPTG)および5ーブロモ-4ークロロ-3-インドリル-ß
Dーガラクトシド(X-gal)は、 Wa1王0社製を用いた。 その他の試薬、 緩衝液 はすべて高圧滅菌、 またはフィルター滅菌したものを用いた。
第三節 実験方法
第一項 トータノレRNAの調製
血球からトータルRNAの調製は、 グアニジン一塩化セシウム超遠心法にて 行った。 すなわち、 -800Cで保存していた血球0.2 gに2 mlのdenaturing solution (4 Mグアニジンチオシアネート、 0.1 M酢酸ナトリウム(pH
5.0)、 5mMEDTA、 1 .0% 2ーメルカプトエタノーノレ)を添加し、 ポリトロ ンホモジナイザーで磨砕した。 この磨砕液を8 ,000 rpm、 室温で 10分間遠心 し、 上清を回収した。 ポリアロマー製の超遠心チューブに4mlの塩化セシウ ム溶液(5M塩化セシウム、 0.1 M酢酸ナトリウム(pH5.0)、 5mM
EDTA)を入れ、 上層に5mlの磨砕液を界面を乱さないように重層し、 スイ ングローター( SW41Ti)を用いて200C、 32 ,000 rpmで20時間遠心分離し た。 沈殿を氷冷した80%エタノールで3回洗浄し、 160μiのETS溶液( 10 mM Tris-HCl ( pH 7.6), 10 mM EDTA , 0.5 % SDS)に溶解した。 これを トータルRNAサンプルとし、 使用時まで-200Cにて保存した。第二項 Reverse transcriptase-polymerase chain reaction
(RT
PCR)
第一項で調製したトータノレRNAを鋳型とし、 オリゴ(dT)プライマーを プライマーとしてreverse transcriptaseを用いて 1本鎖cDNAを合成した。
このcDNAを鋳型とし、 HindIIIとBamHIの切断部位を付加した以下のプラ イマーを用いてPCRを行った。
Primer 1 , 5'一CCAAGCITATGTCTGACGCCAAGAACAACC-3'・
Primer 2 ,5'一CCGGATCCCTACCCCTGCTGGCCGCGCTGG-3':
primer 3,5'一CCAAGCTTATGGCTGACG1"1"1'1"1、GAAAGCC-3';
primer 4,5'一CCGGATCC1寸AAACAGACATGGGAGGGITC-3'・
primer 5,5'一CCAAGCTTCACCACTGGCACTGGCACCTCG-3';
primer 6,5'一CCAAGC了rCATCAITATCACTGGC�γI寸GG-3'
第三項 Polymerase chain reaction ( PCR) 以下の組成でPCR反応液 100μ1を作製した。
49
1九rater
78μl
10
xPCR buffer 10μl
25 mM MgC12 6μl
10 lnM dNTP mix 2μl
primer (forward) lμ1 (10 nM) primer (reverse) 1μ1 (10 nM) 1st strand cDNA solution lμl
Taq DNA polymerase (5U /μ1) 1μl
ミネラルオイルを100μl重層し、 以下の条件でPCR反応を行った。 サイク ル数は35回とした。
熱変性:
940C, 1 min
↓
アニーリング: 550C, 1 min
↓
伸長反応: 720C, 2 min
第四項 アガロースゲル電気泳動
アガロースをTAE緩衝液(40 mM Tris-acetate/ 1 mM EDTA)に溶解し て加熱し、 泳動用プレートに流し込み完全に固化させた。 このゲルをミュー ピットII電気泳動装置(アドバンス社製)に入れ、 TAE緩衝液を泳動用緩衝 液として、 100Vで電気泳動した。 DNA溶液は1/ 5容のローディングダイ (30%グリセロール/ 30 mM EDTA/ 0.03%ブロモフェノールブルー
/0.03%キシレンシアノール)と混合して電気泳動した。 DNAはエチジウム ブロマイド溶液(0.5 mg/ ml)に10分間浸した後、 紫外線下により検出し た。
第五項 PCR生成物のサブクローニング
第三項で合成したPCR産物を以下の方法でプラスミドpUC18ベクターに サブクローニングした。
(1) PCR産物の制限酵素消化
第三項で合成したPCR産物に等量のPCl(フエノール/クロロホルム/イソ アミルアルコール、25/24/1)溶液を添加し、PCR産物を抽出した(フエ ノール抽出)0 0.1容の3M酢酸ナトリウム、2.5容のエタノールを添加し、
-200Cにて1時間放置し、遠心分離し、得られた沈殿を70%のエタノールで 洗浄し、遠心乾燥機で乾燥させた(エタノール沈殿)。 これを少量のTE緩 衝液(10 mM Tris-HCl (pH7.5)、1 mMEDTA)に溶解し、HindIIIおよ
びBamHIを添加し、370Cで3時間消化を行った。
(2)アガロースゲル電気泳動によるPCR産物の精製
消化産物を電気泳動後、ゲルをエチジウムブロマイドによって染色し、紫 外線を照射して目的のバンド部分を切り出した。 切り出したゲルを650Cで 10分間保温し溶解させ、その後、フェノール摘出を 3回繰り返し、さらにエ タノール沈殿を行った。 得られた沈殿を少量のTE緩衝液に溶解し、insert DNA溶液とした。
(3) Vector DNAの調製
フラスミドベクターpUC18にHindIIIとB♂ηHIを添加し、370Cで3時間消 化した。 等量のPClを添加し、フェノール抽出および、エタノール沈殿を行っ た。 沈殿を少量のTE緩衝液で溶解し、終濃度が1.2ユニットとなるよう ba cterial alkaline phosphateseを添加し、600Cで30分間脱リン酸化を行っ た。 その後、等量のPClを添加し、フェノール抽出および、エタノール沈殿を 行った。 遠心後、沈殿を少量のTE緩衝液に溶解し、 これをvector DNA溶液 とした。
51
(4)ライゲーション
Vector DNAとinsert DNAとのライゲーション反応は、 T4 DNA 1igase を用いて行った。 この際、 vector DNAとinsert DNAのモル比は1:2とし
て、 160Cで111免反応させた。
(5)コンビテントセルの調製
LB培地に大腸菌JM109を接種し370Cで1晩振とう培養した。 そのうち1rr吐 を新たにLB培地50 mlに接種し、 370CでOD550=0.5になるまで培養した。 菌 イ本を氷中に10分間放置後、 40C、 3,000 rpmで15分間遠心分離して菌体を集
めた。 菌イ本を 氷冷した10 mlのコンビテントセル化緩衝液(10 mM PIPES
(PH
6.7)、 55 mM MgC12、 15 mM CaC12、 250 mM KCl )に懸濁し、40C、 3,000 rpmで15分間遠心分離した。 菌イ本を氷冷した10 mlのコンビテ ントセル化緩衝液に再懸濁し、 再度40C、 3,000 rpmで15分間遠心した。 菌
体を5 mlの氷冷したコンビテントセル化緩衝液に懸濁し、 とれをコンビテン
トセルとした。(6)トランスフォーメーション(形質転換)
コンビテントセル(200μ1)に第五項(4) で調製したライゲーション溶 液2μiを加え、 穏やかに撹伴し氷中に 30分静置した。 次に 、 420Cで45秒間ヒ ートショックを 行い、 直ちに氷中に2分間静置し、 800μ!のLB培地を添加 し、 370Cで1時間培養した。 3,000 rpmで15分間遠心分離-した後、 菌体を80 μlのLB培地に懸濁し、 それを40μlの100 mM IPTGと40μlの 2%X-galを塗
布したLB寒天培地(Amp+)にまいた。
(7)プラスミドDNAの精製
フラスミドDNAは、 BirnboinらのアルカリーSDS法2)により単離した。 す なわち 、 形質転換した大腸菌を10 mlのLB培地(Amp+)に接種後、 370Cで
1晩培養した。 3,000 rpm、 40Cで15分間遠心分離して菌体を集め、 STE溶液
(10 mM Tris-HCl (PH 7.5), 1 mM EDTA, 50 mM NaCl) で洗浄し、 200 μlのGTE溶液(25 mM Tris-HCl (pH 8.0), 50 mM Glucose, 10 mM
EDTA) に懸濁した。 この懸濁液にリゾチーム溶液(10 mg/ml in GTE) を30μ1加え、 370Cで5分間保温した。 次に、
0.2 N NaOH/ 1% SDS溶液を
300μl)JUえ、 混和した後、 氷上で5分間静置した。 さらに225μiの3 M酢酸ナトリウム溶液(pH 5.2) を加え十分に懸濁し、 氷上で15分間静置した。
12,000 rpmで10分間遠心分離し、 上清を別のエッペンドルフチューブに移 した。 等量のPCl溶液を加え撹枠後、 15,000 rpmで5分間遠心分離した。 水 層を回収し、 これに1.5倍量のエタノールを加え撹枠後、 90分間、 -200Cで 静置した。 その後、 15,000 rpmで5分間遠心分離し、 得られた沈殿を70%エ タノールで洗浄後、 真空乾燥した。 この沈殿を50μiのTE緩衝液に懸濁し、
RNase A (10 mg/ml)を1μi加え撹枠後、 370Cで30分間保温した。 ついで、
PEG溶液(20%ポリエチレングリコール-6,000/2.5 M NaCl) 30μlを加え 撹枠後、 氷上に1晩静置した。 15,000 rpmで20分間遠心分離し、 得られた沈 殿を70%エタノールで洗浄し、 真空乾燥した。 これをTE緩衝液で溶解しプ ラスミドDNA溶液とした。
第六項 塩基配列の決定 (1) シークエンス反応
シークエンス反応には、 Thermo Sequenase fluorescent labelled primer cycle sequencing kit (アマシャム社製) を用いた。 即ち、 第三項 (8) で調製したプラスミドDNA750 ngにFITC標識プライマー(2 pmol)
1μl、 滅菌蒸留水2.3μl、 四種類のdNTP-ddNTP-Taq DNA polymerase混 合液を2μl加え、 よく混合しさらに25μlのミネラルオイルを加えサーマルサ イクラー上で下記の通りのサイクル反応を行った。
53
940C, 3 min
940C, 0.5凶n; 50oC, 0.5 min; 720C, 1.0 min; 20 cycles
↓
940C, 0.5 min; 720C, 1.0 lnin; 20 cycles
反応終了後、 8μlのホルムアミドローディングダイを添加し) 940Cで3分 間加熱した後、 氷上で急冷し、 このうち2μlをシークエンスに用いた。
(2)ポリアクリルアミドゲル電気泳動
4%ロングレンジャー溶液(宝酒造社製)/40%尿素/1.2
X
TBE緩衝液(108 mM Tris-borate/2.4 mM EDTA)の組成をもっゲル溶液を50ml調 製し、 過硫酸アンモニウム25mgを加え、 ミリポア製フィルター(0.25 μm)で鴻過した。 TEMED25μlを加え撹枠後、 ガラス板に注入し、 シャー
クコームを差し込んだ。 室温で3時間放置後、 コームを抜き、 島津DNAシー クエンサーDSQ-1000に取り付け、 上下の電極層に1.2
X
TBE緩衝液をい れ、 2,750 Vで10分間、 予備泳動した。 上端界面の尿素をよく取り除いた 後、 コームをゲル上端に差し込みサンプルを2μl供与し、 予備泳動と同じ電 圧で12時間泳動した。 DNAは、 泳動と同時に蛍光モニターで検出した。第四節 実験結果
第一項 プロフェノールオキシダーゼcDNAのクローニング
前節第三項に従い、 カイコ血球よりcDNAを調製し、 それぞれのプライマ
ーを用いてRT-PCRを行った。 PCR産物のアガロースゲル電気泳動の結果を Fig.4-1に示す。 約2kbの2種のDNA断片が検出され、 このDNAを前節第五 項に述べた方法に従って精製し、 あらかじめBmηHIおよび泊fndIIIで消化し たpUC18にサブクローニングした。 得られた組み換えプラスミドをそれぞ れPUCPP01およびpUCPP02とした。