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で、サイクル内のそれぞれの経路の△Gの総和は等しい。4−1式は、図4−2で 定義されるサイクルにおける自由エネルギー変化の関係を示している。

    AGWr.,E〈N) + A GM = A GwT + A〈1inr一 s(D) (4el)

変異体の熱安定性を現わす様に4−1式を変形すると4−2式になる。

    MGM   A GM 一 A GENT = A GI !r.M(D) 一 A GwT.M(N) (4−2)

これにより右辺の計算値と左辺の実験値が比較できる様になる。ここで、△△儀>

0のとき、変異型が野生型より安定であることを、△△(もく0のとき、変異型 が野生型より不安定であることを現わしていることに注意せよ。

 天然状態の初期構造は、Brookhaven National Laboratories Pro七ein Data Bank(USA》に2SNSとして登録されている野生型のstaphylococcal nucleaseのX線結晶構造を用いた[42】。そして、 Ala69のC。原子から半径

16Aの球状に321個のTIP3P水分子[35】を被せた(図4−3)。系をエネルギ ー極小化し、M)法を用いて定温293 K[36】で10 ps平衡化した。計算の間、

AbCBERのBellyオプションの使用して、 Ala69のC。原子から13 Aの半径内 にある残基と水分子のみを動かした。

 変性状態の初期構造として利用できる構造は無いので、残基距離の離れた残 基との相互作用は変性状態では野生型と変異型に差はないと考え、伸びた構造 のペンタペプチドモデルを使用した。Ala69から両側二残基までの五残基を取 り、N末端をアセチル基で、 C末端をN一メチル基で保護した(Ac−Glu−Asn。

央に置いた(図4−4》。系をエネルギー極小化し、M)法を用いて、定圧1気圧[36】、

定温293K、周期境界条件下で10 ps平衡化した。

 FEP計算は、 AbEBERのSlow一一Growth法を使って行われ、自由エネルギー一変 化は、行き(λ=0→1》と帰り(λ=1→0》を平均して求められた。摂動時間 は、天然状態では90ps、変性状態では、60 psとした。摂動基として置換 残基全体を取った。置換残基と他の残基及び水との相互作用のみを△Gの評価 に含めた。したがって、置換残基内部の相互作用は、天然状態と変性状態で同 様であると仮定している。FEP計算の終了時には、 Ala69はThr69に完全に 置き変わっている。この構造を初期構造と同様にエネルギー極小化し、MD法 で10ps平衡化して、 A69丁変異体の立体構造を得た。

 力場は、AMBER 1989年力場【18−201を用いた。高振動運動を取り除く目 的のためにSHAKEを用いて結合長を拘束した【37】。そして、タイムスチップ を1fsとした。非結合相互作用のためのカットオフ半径は8Aとした。ペア リストは、20ステップ毎に更新された。M)/FEP計算はSilicon Graphics IRエS 4D!420上で1WBER 3.OA【38】を用いて行われた。 Midasplus[57】

及びSYBYL 6.5【581を用いて、立体構造を調査した。

26

騨ナ「願願鳳鳳隔願闘騨闘一一一顯願■闘鳳願騨嗣鳳隔顧一胴「

図4−3天然状態の初期構造の立体図

図4−4変性状態の初期構造の立体図

4.2.2結菓と考察

  表4−1Staphylococcaユnuclease A69Tの熱安定性

変異体 △(輪→A69T(N)△G ec1r→。69T(D) AA Gcaic AAGexpt

A69T

一3.8±O.1 一6.6±O.1 一2.8 一2.7 単位は、kca1/mo1(293 K)。△(藁→A69T(N)、△(輪→A69T(D》は、天然状態、変性 状態それぞれにおけるアミノ酸置換に伴われる自由エネルギー変化。△△Gは、熱 安定性で、4−2式から求められた。△△G。。Z。は、計算値。△△GexPtは、実験値[46】。

 A69丁変異体の熱安定性は、△△(;A6g.零。2.8kcal!molとなり、実験値一2.7

kcal/moユ【46】と良く一致している(表4−1)。 Ala69→Thrの置換に伴われ

る自由エネルギー変化は、天然状態において△(M→A69T(N)=一3.8±O.1

kcal/mol、変性状態において△(輪→。6gT(D》=一6.6±0.2 kcal/rno1であっ

た。置換は、天然状態及び変性状態共に、自由エネルギー的に有利であるが、

変性状態での自由エネルギー変化がより有利であるので、結果として、A69丁 変異体は、野生型よりも不安定となる。計算誤差は、天然状態において。.1 kcal/mo1、変性状態において0.2 kcal/mo1であり、計算結果は信頼でき

る。

 天然状態において(図4−5》、A69丁変異体のThr69の側鎖の水酸基の近傍に 一個の水分子が浸入してきているが、Thr69の水酸基は、完全には水に露出し ていない。Thr69の水酸基は、 Met65の主鎖のカルボニル基との間に水素結 合を新たに形成している。また、野生型において、Ala69のメチル基はIle72、

Ala94、及びAsp95との間でファン・デル・ワールス相互作用しているが、 A69T

      28

ワト剛■■■胴闘胴隔隔■闘一鳳一一一■一一闘一一鳳一闘一一鳳一一

変異型では、よりかさ高いスレオニン側鎖の立体障害のため、Thr69のメチル 基はエle72と相互作用するのみで、他は失われている。この様な環境のため、

天然状態においてAla69→Thrの置換に伴われる自由エネルギー変化は、・一3.8

kca1/molと自由エネルギー一的に有利であるが、アラニンとスレオニン間の水 和の自由エネルギー差(AAGhydr(Ala→Thr》=一6.17 kcal/mo1【31Dと比

較して小さい。

 変性状態において(図4−6)、69残基目の側鎖は、野生型及び変異型におい て、完全に水に露出している。そのため、変性状態においてAla69→Thrの置 換に伴われる自由エネルギー変化は、一6.6kca1!mo1と、アラニンとスレオ ニン間の水和の自由エネルギー差(一6.17kcal/mol》に匹敵する。

(a)

  v N

  ×

69

65

.,.!lii

N

×

94

 7

69

(b)

9

J J

94

V︐

5

〃V

Vイ

V4

図4−5A69丁変異体の天然状態の立体図

   (a)野生型、(b》A69丁変異型

30

▼擁

(a)

   マ

( へく

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