3.3 演算機能
3.3.7 dB/dBm
A. dB 機能
定義
dB機能は、測定値と保存されている相対値を、それぞれdBm換算した後の差をdB(デシベル)表示します。
dB機能はDC電圧またはAC電圧測定のみに有効で、相対値は0dBm 200dBmの範囲で任意に設定で きます。相対基準は揮発性メモリに保存され、マルチメータの電源が切れる、またはリモートインタフェースがリ セットされるとクリアされます。
dB= 測定値(dBm) – 相対値(dBm)
dB機能の測定方法
相対値を指定する方法は、手動で値を設定する方法と最初の測定値を相対値とする方法の2つあります。
それぞれの前面パネルの操作方法は以下になります。
※注意: 機能を終了するには再びSHIFT、dB(NULL)ボタンを順に押してください。
ディスプレイ上に”MATH”表示がある場合dB機能が有効となっています。
前面パネル操作
方法1: 手動で相対値を設定する方法
前面パネルのDCVまたは ACVボタンを押し、測定機能を選択します。次にCONFIG、SHIFT、dB(NULL)ボ タンを順に押し、 △ および ▽ 、△および▽ボタンを使い相対値を設定し、ENTERボタンを押します。使用するボ タンの位置は、図4-21上に赤枠で示します。
図4-21
方法2: 最初の測定値を相対値とする方法
前面パネルのDCVまたはACVボタンを押し、測定機能を選択します。次にSHIFT、dB(NULL)ボタンを順に 押すとdB機能が有効になり、最初の測定値を相対値とします。 以後、表示される測定値は相対値に対する dB表示となります。使用するボタンは図4-22上に赤枠で示します。
図4-22
リモートインタフェース操作
パソコンのインタフェースで以下のコマンドを使用してdB設定をおこないます。
CALCulate:FUNCtion DB CALCulate:STATe {OFF|ON}
CALCulate:STATe?
CALCulate:DB:REFerence {<value>|MINimum|MAXimum}
または
B. dBm 機能
定義
dBm機能は電圧の測定値を、基準抵抗を通して消費される電力レベル(基準は1mW)で表示します。dBmの 計算式は以下のようになります。また、DL-2060は基準抵抗値を変更することが可能です。
dBm = 10 × log( 測定値の2乗 / 基準抵抗値 ) / 1mW
※注意: 基準抵抗値が変更されても、保存された値には影響を与えません。
基準抵抗値は50Ωから8,000Ωの範囲で設定することが可能で、初期設定は600Ωになっています。
選択した基準抵抗値は揮発性メモリに保存され、マルチメータの電源が切れると記憶は消去されます。
本機能は、DC電圧および AC電圧でのみ有効です。
基準抵抗値の設定方法
前面パネルまたはリモートインタフェースの操作によって基準抵抗値を設定することができます。
前面パネル操作
CONFIG、SHIFT、dBm(MIN/MAX)ボタンを順に押し、 △ および ▽ 、△および▽ボタンを使い抵抗値を設定し ます。使用するボタンの位置は、図4-23上に赤枠で示します。
図4-23
dBm機能の設定方法
DCVまたはACVボタンを押して測定機能を選択します。SHIFT、dBm(MIN/MAX)ボタンを順に押すとdBm機 能が有効になります。使用するボタンの位置は、図4-24上に赤枠で示します。
※注意: 本機能を終了するには再びSHIFT、MIN/MAXボタンを順に押してください。
ディスプレイ上に”MATH”表示がある場合dBm機能が有効となっています。
図4-24
リモートインタフェース操作
以下のコマンドを使用してdBm機能の設定をおこないます。
CALCulate:FUNCtion DBM CALCulate:STATe {OFF|ON}
CALCulate:STATe?
CALCulate:DBM:REFerence {<value>|MINimum|MAXimum}
または