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SCPI 言語について

ドキュメント内 DL-2060シリーズ取扱説明書 (ページ 111-115)

B. リモートインタフェース資料

B.1 SCPI 言語について

コマンド構文はほとんどのコマンド(および一部のパラメータ)を、大文字と小文字の組み合わせで表します。コ マンドの小文字部分は省略可能で、小文字を省略したコマンドはプログラムを簡略化する場合に使用されます。

プログラムの可読性を高めるには、小文字を省略しない型のコマンドを送信します。例えば、上記の構文にお いては、VOLTとVOLTageのどちらの使用も可能です。大文字と小文字のどちらの使用も可能で、VOLTAGE、

volt、Voltのいずれも使用できます。但しVOLやVOLTAGなど、その他の形式ではエラーが発生します。

コマンド列に各種カッコが記述されておりますが、意味は以下のようになります。

※ 実際のコマンドには、カッコ、縦線の記述は不要です。

{ } (中カッコ)内は、選択するパラメータを示します。

| (縦直線)は、{ }内で選択されるパラメータの区切りを示します。

< > (山カッコ)は、囲まれたパラメータの値を指定する必要があることを示します。

例えば、上記の構文においては、range パラメータが山カッコで囲まれており、パラメータに対する数値を 指定する必要があります(例:VOLT:DC:RANG 10)。

[ ] (大カッコ)は、囲まれたパラメータが省略可能であることを示します。パラメータに対する数値を指定しない

と、マルチメータが初期設定値を選択します。

MIN および MAX パラメータの使用

多くのコマンドでパラメータの代わりに MINimumまたはMAXimumを使用することができます。

例として、以下のコマンドを示します。

VOLTage:DC:RANGe {<range>|MINimum|MAXimum}

特定の電圧レンジを選択する代わりに、MINを使用して電圧レンジを最小値に、MAXを使用して電圧レンジを 最大値に設定することができます。

パラメータ設定の問い合わせ

コマンドに ? (疑問符)を加えるで、大部分のパラメータの現在の値を、問い合わせることができます。

例えば、以下のコマンドでは、サンプル数を10に設定します。

"SAMP:COUN 10"

以下のコマンドを実行して、サンプル数を問い合わせることができます。

"SAMP:COUN?"

以下のコマンドを使用して、使用できる最大または最小のサンプル数を問い合わせることができます。

"SAMP:COUN? MIN"

"SAMP:COUN? MAX"

※注意: 最初の問い合わせコマンドから結果を読み取る前に、次の問い合わせコマンドを送信すると、二番目 のコマンドの結果を読み取ろうとする際に、一番目の結果の一部と二番目の結果が一緒に受信され る場合があります。

このような状況を回避するために、結果を読み取る前に問い合わせコマンドを送信しないようにしてく ださい。

この状況が回避できない場合には、二番目の問い合わせコマンドを送信する前に、デバイスクリアを 送信してください。

SCPI コマンドの終了記号

マルチメータに送信されるコマンド列は末尾を<new line>の文字で終了する必要があります。GPIBの EOI (end-or-identify)メッセージは、<new line>の文字と解釈され、<new line>の代わりにコマンド列を終了するの に使用することができます。また、<carriage return> の後に <new line>を続けることもできます。コマンド列 の終了により、現在のSCPIコマンドパスがルートレベルにリセットされます。

GPIB (IEEE-488.2) 共通コマンド

GPIB (IEEE-488.2)規格では、リセット、自己テスト、ステータスなどの機能を実行する共通コマンドを定義し

ています。共通コマンドは必ず アスタリスク( * )で始まり、長さが4~5文字で、一つもしくはそれ以上のパラ メータを含みます。コマンドキーワードは、スペースによって一番目のパラメータと区切られています。

以下のように、複数のコマンドを分割するにはセミコロン( ; )を使用します。

"*RST; *CLS; *ESE 32; *OPC?"

SCPI パラメータのタイプ

SCPI言語では、プログラムメッセージおよび応答メッセージで使用されるさまざまなデータ形式を定義してい ます。

数値パラメータ

数値パラメータが必要なコマンドでは、一般的に使用されている十進数が使用できます(記号、小数点、単位も 含む)。更にMINimum、MAXimum、DEFaultなどの特殊な数値も使用できます。工学記号単位(M、k、m、µな ど)も数値パラメータと共に使用できます。特定の数値のみが使用できる場合には、マルチメータは自動的に入 力された数値パラメータを四捨五入します。以下は、数値パラメータを使用したコマンド例です。

VOLTage:DC:RANGe {<range>|MINimum|MAXimum}

離散パラメータ

離散パラメータは、プログラム上で設定内容が限定されるパラメータ(BUS、IMMediate、 EXTernalなど)の設 定に使用されます。コマンドキーワードと同様に、短い形式(省略型)と長い形式(非省略型)があり、大文字と 小文字の混合使用が可能です。問い合わせの応答は、常に大文字の短い形式で返信されます。以下は、離散 パラメータを使用したコマンド例です。

TRIGger:SOURce {BUS|IMMediate|EXTernal}

ブール パラメータ

ブール パラメータは、真または偽のどちらかの状態を示します。 偽の状態では、マルチメータが“OFF” また は“0”を受信し、真の状態では、マルチメータが “ON” または “1”を受信します。ブール値の問い合わせの応 答は、常に “0” または “1”のみを返信します。以下は、ブール パラメータを使用したコマンド例です。

INPut:IMPedance:AUTO {OFF|ON}

文字列パラメータ

文字列パラメータには、どのASCII文字の組み合わせも使用することができます。文字列の最初と最後は、同 じ引用符(一重引用符または二重引用符)を付けなければなりません。引用符デリミタを文字列の一部として使 用するときは、文字を入れずに引用符を2つ続けて入力します。以下は文字列パラメータを使用したコマンド例 です。

DISPlay:TEXT <quoted string>

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