Tamio Fushimi,"
andEri Yokotat
ABSTRACT
This paper examines the characteristics of divisionalizedmanagement in Japanese companies
based,
on afield
study of management control systerns.Many Japanese companies introduced decentralized management systems around 1960, when a now well known report, "Profit
Control
through DivisionalManagement Systems",
was publishedby MITI.
Many
of theJapanese
companies which "imported" theAmericah-styledivisionalsystems gradually modified and adapted them totheirown business practices.
Vvriileeach company applied its own process to adjusting and modifying the
systems, we
found
several cernmon characteristics which couldbe
called"Japanese
MCS"
as we examinedfundamental
aspeets of the fieldstudy.An important observation isthattherewere two typesof adaptive processesby
which Japanese eompanies modified theirdivisionalMCS from American style to Japanese style, These are
(a)
modifieatipn of the "hardware"aspects of MCS, and
(b)
modification of the "software"aspects involvedinthe practical business and organizational
behavior.
Thefield
study shows thatthe aspectindentified in (b)
are more important becausethey are deeplyrelated tothecorporate culture.
KEYWORDS
Divisional Management,
InvestmentCenters,
Japanese Management,Management Accounting, Management Control, Organizational Structure,
ProfitCenters
SubmittedOctober 1993 Accepted Deeember 1993
* Professorof Management Control,Graduate School of Business Administration, tGraduate School of Business Administration, KeioVniversity
KeioUniversity
45
日 本 管 理 会計 学会 誌 管 理 会 計 学 第 2巻 第 2 号 1993年 秋 季 号
論 文
銀 行 の リ
スク 管 理 の た め
の多 目 標 単 純 リ
コ ー ス確 率 計 画 ALM
モデ
ル枇
々木 規 雄
*福 川 忠 昭
†〈 論 文 要旨〉
日 本の 銀行 は金融 の 自由 化 ・国 際化の影 響 を受け,厳 しい 経 営 を 追 ら れ てい る.
この よう な 経 営 環 境の 中で, 銀 行は様々 な規 制み下で リス ク管理 を十 分に行い な が ら, 利 益 を あ げる必 要が で て きた.本 論 文で は , 銀 行の リス ク管理 手法で あ る ALM (資 産 負 債 管 理)の考 え方を利 用 し, 不確 実 性 を考慮 した多目標 単 純リコ ース 確 率 計 画ALM モ デ ル を提 案 する.こ の モデル の特 徴は, 銀 行 経 営に とっ て重 要に なっ て きて い る BIS (国 際 決 済 銀 行 )の 自 己 資 本比率 規 制に含ま れ る確 率 的 要 素を確 率 制 約式と して取 り扱 うな ど,不確 実 性を考 慮 しつ つ , トレー ドオ フ の 関 係 に あ る リ
ス ク と利 益とい う 多 目標を取 り扱 うことがで きる こ とで ある.そ して ,この モ デル
に よっ てALM の問題 を解 く方 法 論 とし て, 単 純リコ ース型の確率計 画 法に おける
確 率 制 約 式と目標 計 画 法における目標 制 約 式 との 両 方を一度に取 り扱 う方 法を提 案
す る.
〈 キーワー ド〉
資 産 負 債 管理, 銀 行 経 営, リスク管 理, 目標 計 画 法, 単 純リコ ース確 率 計 画 法
, トレ
ード オフ
1993年 8月受 付
1993年12月 受理
*慶 應 義 塾 大学 助 手 (理工学 部 管 埋工学 科 )
†慶 應 義 塾 大 学 教 授 (理工学 部 管理工学科 )
The Japanese Association of Management Accounting
NII-Electronic Library Service
The Japanese Assoolatlon of Management Aooountlng
管理会副学 第 2巻 第 2 号
1
. は じ めに1990
年代
に入 り, 日本の 銀行は 金 融 の 自由 化 ・国際 化の 影響を受け, 厳 しい 経営 を迫ら れ て い る.1993 年 6 月には定 期性 預金の 金利が自由化 さ れ, ス ケ ジュ ール通 りに 自 由化が 進 展す れ ば, 1994 年度 に は 流動 性預金 も含め た すべ ての 預金金利が完全に 自由化 さ れ る 予 定で ある.また 国 際 的 に業 務を行 う銀 行は,BIS
(Bank
for
International
Settlements
;国際 決 済 銀行 ) 規 制に よっ て 自己 資本 比 率を
8
%以 上に保つ こ と が義 務付 けら れてい るこ とに加 えて , 新 た な 規 制 も 予 想 さ れる.この よ うに経営環 境 が大 きく変化 する中で, 銀 行 は様々 な規制の 下で リス ク管理 を 十 分 に行い な が ら, 利益 を あ げ る 必 要 がで て き た. 一方,銀行 経営の 財務計 画 問 題 に 対 して ,様々 な数理 計 画モ デルが提 案さ れて い る。多目標の達 成を 目指 すモ デ ル と し て ,
BOQth
&Bessler
[1
]の利 益 と 金利 リス ク を目標 と するモ デ ル,Giokas
&Vassiloglou
[3
]の 総収益,自 己資 本比率, 流動 性比率, 預金高,貸 付 高 を目 標 と した モ デル ,
Korhonen
[12 ]の 期待 利 益, リス ク, 流動 性, 資 本の 充実 性な ど を 目標 と し たモ デ ル が 提 案 さ れて い る.こ の 他に も,Langen
[14
]の 金利 リス ク, 信 用 リス ク, 為 替 リス ク な ど を取 り扱 う多目的計 画モ デ ル ,Tayi
&Leonard
[16 ]の利 益 , 資 本 充 実 度 ,リ ス クア セ ッ ト を 目標 と す る 多 目 的計 画モ デ ル ,そ してKusy
&Ziemba
[13]の 不確実性 を考慮 した 多期間確 率線 形 計画モ デル (単純 リコ ース モ デル )が 開発さ れ てい る.
そ し て ,枇々木 ・福川 [
5
,6
,7,8,9
]はALM
の考え方に基づ い て , 利 益 と リス ク の トレ ー ドオ フ の 関係をうまく表現で きる銀行の リス ク管 理の ため の モ デ ル化を行っ た.1
計 画 期 問問題 [5
]を 基本モ デ ル と して ,多 計 画期 間モ デ ル [6
,7
],通 貨 別 (多通 貨 )モ デ ル[
8
,9
]へ と拡 張 を 行 っ た.こ れ らのALM
モ デル は, 「あ る一定の市 場 環 境 及び銀 行が か か える制約の下で ,銀 行が 目指す 目標を達成する た め に は どの よ うな方 策が 必 要か とい うことを 見い 出 す.そ して さ ら に市場 環 境 や 制 約 が 変 わ っ た と きに は どうなるか など を 調べ る
こ とによ り,銀 行の
ALM
を支援 する 」確 定 的なモ デ ル であっ た,そ れ に 対 し,不確実 性 を考 慮 し たモ デ ル に は様 々 な もの が考え ら れるが,本 研 究で はパ
ラ メータ の 一部 を確 率分布と して与える多目標 単純 リコ ース 確 率計画 モ デル に よ るア プロ ーチ を 試み る.こ の 単 純 リコ ース 確 率 計 画 法に よ るモ デ ル 化は, すで に
Kusy
&Ziemba
[
13
]に よ っ て提 唱 され てい るが, 本研 究で は, 銀 行 経営 にと っ て 重要 に なっ て きて い るBIS
の 自己資 本比率 規制 も確 率 制約 式 と し て取 り扱 うな ど, 不確 実 性を考慮 しつ つ , トレ ー ド オフ の 関 係 に あ る リス ク と 利益 とい う多目 標 を取 り扱 うこ と がで き るモ デ ル を 提 案する.その 特 徴は
2
節に お い て述べ , その定 式 化は3
節 に示 す.な お, こ の モ デル に関 す る数値 実 験は,枇々木 ・福 川 [
10
]におい て詳 し く記 述さ れ て い る.48
N工 工一Eleotronlo Llbrary
銀行の リス ク管理のた めの多目標 単 純リコース確 率 計画ALM モ デル
2
. 不確
実 性 を考 慮 したALM
モデ
ル2
.1
. 確 定モ デル から確 率モデルへ確 定モ デ ル は想 定 され るあ る一つ の 状 況の 下で
, 最 適解 を求め る た めの モ デル で ある .
モ デ ル で取 り扱 うパ ラ メ ータ は
, そ の 状 況の ドで はすべ て ある一つ の値 に決まっ て お り,
モ デ ル の 中に不確実性を取 り入れ て い ない ,確定モ デ ル は , その モ デ ル に基づ い て ALM
の 問 題 を 解 くと き に 設定す る問 題 の 状 況 が 実 現 した場 合 に, 銀 行 にとっ て最 も望 ま しい 方 策を与えて くれ る,ま た,パ ラ メータが すべ て確 定値 なの で,モ デ ル で与 えら れ た 問 題 を 解 く方 法論 と して通常の数理計 画 法を用い るこ と がで き る とい う良さ も ある.し か し な が
ら, 取 り扱 うパ ラ メータを前 もっ て確 定で きる と は限ら な い の で ,確 定モ デ ル で はパ ラ メ ータの 値 を様々 に変えて み て得 ら れ た結果を吟味 する こ とで対応する必要が ある.つ まり,
確定モデル で は異なるパ ラメ ータ値 毎に解が得 られ, そ れ らを検 討 する こ と によっ てパ ラ
メ ータの 変 動 を 考 慮 した意思 決定を行 うもの と してい る,し か しな が ら, パ ラ メータの 変 動 を前提 と し た 解 をモ デルで 与 えら れ た 問 題 か ら直接求める こ と はで きない .この ような 場 合 に は確 定モ デ ル で は な く, 不 確 実 性 を考慮 したモ デ ル の構 築 が 必 要 になる.
すなわ ち, こ れ らの パ ラ メ ータの う ちで 確率的に変動する もの は確 率的な もの と して ,
つ ま りある 一
定の確率分布に従 う確率変数 と して取 り扱 う必要 がある.こ うし た扱い の モ
デル を 以降,確 率モ デル と呼ぶ .
確 率を含む数理 計 画 問 題 は,その 取 り扱 い 方の違い に よっ て大 き く リコ ース 問 題 (二段 階問題 )と機 会制約 条 件問 題 とに分 けら れる 。これ らの 問題 を簡単に記 すと,まず リコ ー
ス問題で は, 確 率制 約 式が成 り立たない場 合に生 じる影響 (成 り立 た ない 場合の量にその 確 率を掛けた もの) を 最小 化 する よ うに問 題 を 取 り扱 う.他 方, 機 会制 約 条件問 題で は確 率 制約式 が 成 り 立 た ない 確 率 を 最 小 化 す る よ うに問 題 を取 り扱 う.こ こ で問 題 を与 える
ALM
モ デ ル は「リス ク が 発 生 し た場合に,どの程度 量 的 な影 響がで る か,そ してそ れ らに 対応する た めに あ ら か じ め どの よ う な方 策を とるべ き か」とい う考え 方に基づ い た もの で あ る.従っ て , モ デ ル化 を行 う場合, 機会 制 約条件 問 題 よ り も リコ ース問 題 と してモ デル 化した方が, こ の 考え方に合っ てい る もの と考える.そ して , 実用 的に問 題 を解 くこ とを考慮 して, 単純 リコ ース 型の モ デ ル 化を試み るこ と
に す る.
2
.2
.単純
リコ ース確率
計 画問 題 とは2 .2 .1 単 純 リコ ース問題の定 式化
The Japanese Association of Management Accounting
NII-Electronic Library Service
The Japanese Assoolatlon of Management Aotountlng
管 理 会 計 学 第 2 巻 第 2 号
次の ような 問 題
P1
を単純 リコ ース 問 題 とい う [11
,18
,19 ].ns s
P1
・ m ’・君
・謝E 囎 恩
(P
・ ・・’・q
・ ・・一)ns
s・t,
Σ
α、,j ・j +yi
−yi
= δ∴
(i
=1
,…,肌 ・ )丿;1
Xj ∈
Fs
(1
)
筋 , yi ,ツ『≧
0
(
i
=1
,_,ms , 」=1
,...,ns )こ こ で,Xj は決 定 変 数,
鷲
,ylは リコ ース変 数, Pi, qiは各々 の リコ ース 変 数 に 対 す るペ ナ ル テ ィ コ ス ト係 数 ,
bi
は確 率 変 数,Fs
は 実行可 能 空 間 を 表 す.ま た, Cj は コ ス ト係 数,ai ,
j
は確 率 制約 条件式の 係 数を表 す . ns は決定変 数の 数 ms は確率制約 式の 本 数 とする.EF
】は期 待 値を表す.そ して , min は最小化する とい う意 味であるの に対 し,戴 i
鼻
は擁
とy 厂につ い て最 小化 し た値 とい う意 味を表 し てい る .
と こ ろで , 目的関数の第
2
項は確 率 制 約 式が成 り立 た ない 場 合の期 待 値にペ ナ ル テ ィを 与えた もの で ある. 従っ て , リ コ ース変 数は経 済 的に は制 約が破 ら れ た と きにペ ナ ル テ ィを受ける量 (金額) とい う意 味 を持つ .
この 問 題
P1
は ,次の 問 題P2
と等 価で ある (導 出 過程は石井 [11
] pp .14
−15
を参照 され た い ),
ns
s
… m ・・
混 (
・一恩
・μの
第・
毟
(Pi 十(1i){ ( 慧
・・,、の 礁
・・凹 )一齋 吻 齲
・}
…s・t・
o
≦ SCj∈Fs
,(j
=1
,…,ns )こ こで ,
Fi
(・)は累積 分 布 関数を表す.ま た,この 問題P2
の 目 的関数の 第1
項 目は線 形で ある が, 第
2
項目 は一般に非 線 形な項 と なる .しか し,全体 と して は 凸関 数で ある の で, 全域 的な最適解が保証 さ れる (証 明は石井 [11
]pp
.15
− 16 を参照 され た い ).とこ ろ で, 問題
P2
で は分か りに くい の で具 体 的に確 率分布を挙 げて 問題 を示そう.例 え ば, 確 率 変 数bi
の確 率分布が図1
に示 す ような 有 限で 離散型 (確率変 数の と り得る値がri,1_ri, liで ,そ れ らの生 じ る確 率が
fi
,i...fi
,.iiで あ る離散分布)の場合は次の 問 題P3
の よ うに なる (導出 過程はWets
[19
]pp .223
−227
を参照 さ れた’v・).50
N工 工一Eleotronlo Llbrary