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band

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 79-87)

Raman Shift(cm -1 )2019/2/28 : 試料B

G- band

Raman Shift (cm-1 )

加圧 減圧

試料B (真空加熱なし) HHSフィルムなし 試料C (真空加熱なし) HHSフィルムあり 試料G (真空加熱あり) HHSフィルムあり

図4.3.4 ピークシフトのセル高さh依存性。(a) はRBM、(b) はG-bandのピークシフ トである。

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図より、(10)ピーク強度が減少し始めるのはh < ~28.4mmであることが分かる。これは、

ラマン測定においてRBMとG-bandのピーク位置が加圧によりシフトし始める(図4.3.4)

セル高さとほぼ一致する。このことから、SWCNTバンドル試料を加圧したとき、SWCNT自 体の変形とバンドル構造の変形が同時に起こるものと考えられる。また図4.3.7より、脱圧 しても(10)ピークが回復しなくなる臨界のセル高さ hc’ は 28.3mm 近傍であることが分か る。これもラマン測定の結果とほぼ一致している。

a b

図4.3.5 ダイヤモンドアンビルで空のSWCNT試料をHHSフィルムなしで加圧したと

きのXRDパターン。(a) 加圧過程のXRDパターン。内挿図はSWCNTバンドルの三 角格子構造。(b) 減圧過程のXRDパターン。

4 6 8 10 12 14

Intensity

Q (1/nm)

加圧前 (h = 28.51mm) 低圧 (h = 28.38mm) 低圧 (h = 28.34mm) 高圧 (h = 28.33mm) 2019/3/24 : 試料C λ=0.1nm

(10)

4 6 8 10 12 14

Intensity

Q (1/nm)

高圧 (h = 28.33mm) 低圧 (h = 28.49mm) 脱圧後 (h = 28.52mm) (10)

2019/3/24 : 試料C λ=0.1nm

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4 6 8 10 12 14

Intensity

Q (1/nm)

加圧前 (h = 28.65mm) 高圧 (h = 28.39mm) 脱圧後 (h = 28.62mm) 2019/5/26 : 試料E

λ=0.0689nm

4 6 8 10 12 14

Q (1/nm)

Intensity

加圧前 (h = 28.48mm) 高圧 (h = 28.36mm) 脱圧後 (h = 28.49mm) 2019/5/26 : 試料 F

λ=0.0689nm

図4.3.6 ダイヤモンドアンビルで空のSWCNT試料を加圧したときのXRDパターン。

(a) HHSフィルムありで強く加圧した時のXRDパターン。内挿図は使用後のHHSフ

ィルムで、圧力が測定可能範囲外だったため、黒く変色している。(b)は HHSフィルム なしで弱く加圧したときのXRDパターン。

a b

0 0.5 1

28.2 28.3

28.4 28.5

28.6 28.7

(10) peak intensity

h' (mm)

試料C (真空加熱なし)

試料E (真空加熱あり) 試料F (真空加熱あり)

図4.3.7 (10)ピーク強度のセル高さh’ 依存性。丸印は加圧過程、四角印は減圧過程に

おける強度をプロットしている。

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4.3.3 ラマン散乱分光実験とXRD実験の結果比較

以上のラマン散乱分光実験とXRD実験の実験結果の概略を、図4.3.8にまとめた。

(i) 変形が始まる圧力

ラマン測定とXRD実験でほぼ一致(h’~28.4mm)した。これは、SWCNT自体の変形とバ ンドル構造の変形がほぼ等しい圧力で起こることを示している。HHS フィルムを用いた測 圧により、これらの変形は130~300MPa程度の圧力で起こることが示唆された。

(ii) 可逆変形と不可逆変形

SWCNTのバンドル構造の変形は、加圧の度合いが小さいときは可逆的であり、加圧度合

いが大きいときは不可逆的である。これをふまえて、図のように圧力領域を 2 つに大別し た。変形が圧力に対して可逆的であることが期待される領域を「低圧」、不可逆的であるこ とが期待される領域を「高圧」とした。可逆変形から不可逆変形へと変わる臨界のセル高さ は、hc’ ~28.3mmである。なお、19.05.08測定の試料Cは加圧・減圧サイクルを複数回行っ ているため除外して考えた。

(iii)真空加熱処理の有無が及ぼす影響

SWCNTバンドルへの分子吸着は、変形度合いや変形の復元しやすさに影響する可能性が

ある。これを検証するためには、真空加熱処理を行っていない(吸着分子を取り除いていな い)試料を用いて、hc’ ~28.3mm以上の加圧実験を行う必要がある。

今後は、(i)と(ii)の再現性の確認や(iii)の検討を行うとともに、SWCNTの変形割合やバン ドル構造の崩れ方、加圧によるバンドル同士の接合面の変化について詳細に解析したい。そ れに先駆けて、変形を与えたSWCNTについてXRD計算を行った。詳細を以下に述べる。

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図4.3.8 ラマン散乱とXRDの実験結果のまとめ。図中上部には真空加熱処理を行って

いない試料(試料B, C)、下部には真空加熱処理を行った試料(試料E, F, G)の結果を まとめた。測定を行ったセル高さh’を、ラマンは黒色、XRDは赤色で示した。丸印は、

脱圧によってラマンスペクトルや 10 ピークの強度・形状がほぼ回復した実験を表す。

四角印は、脱圧後のラマンスペクトルや 10 ピークの強度・形状が加圧前と比べて変化 した実験を表す。

79 4.3.4 XRD計算

(i) バンドル構造の場合

加圧したSWCNTの構造について更なる情報を得るため、まずは図4.3.9のように9本の

つぶしたSWCNTを並べた構造におけるXRD計算を行った。尚、このSWCNTのカイラル指

数は(13, 8)である。低角側(図4.3.9a)に注目すると、加圧によって(10)と(01)にスプリッ トし、(11)ピークが高角側にシフトした。指数(10)、(01)、(11)は、図4.3.9cに図示した結 晶格子面に対応している。また、高角側(図4.3.9b)に注目すると、Q ~ 30, 50(1/nm)のピ ークは変形によって振動が消えてシャープになった。

一方、4.3.2に記したSWCNTバンドル試料のXRD実験では、加圧による(10)ピークのス プリットや(11)ピークのシフトは見られなかった。実験と計算が一致しない原因には、実際 の試料ではバンドル内のSWCNTに直径分布があること、あるいはバンドル変形の振る舞い が計算モデルとは異なること、などが可能性として考えられる。

(ii) SWCNT1本の場合

カイラル指数の異なるSWCNT1本を変形させてXRD計算を行った。結果を図4.3.10に示 す。まず回折パターン全体に着目すると、変形によってSWCNTの構造因子に由来する振動 構造が消えることが分かる。次にQ ~ 30, 50(1/nm)の回折ピークに着目する。2.3で述べた ように、これらの回折はそれぞれ、グラフェン構造の(10)と(11)ブラッグピークに対応し、

振動構造(図中に橙色の矢印で図示)はSWCNTが円筒であることに由来する。図より、こ れらの回折ピークは変形によってシャープになり、グラフェン本来の(10)、(11)ピークに近 い形状となっていくことが分かる。とくに、SWCNT円筒由来の振動構造(橙色の矢印)は、

SWCNTの変形とともに徐々に消失していく。この振動構造の変化から、SWCNTの変形量を

見積もることができる可能性がある。今後、その可能性を詳細に検討したい。本研究室では、

単一カイラリティのSWCNT試料を用いてXRD実験を行い、Q ~ 30, 50(1/nm)のピーク形状

からSWCNT の精密構造(C-C 結合長など)を解析した実績がある[47]。今後単一カイラリ

ティの試料を用いたXRD実験を行い、本計算結果と比較して解析したいと考えている。

なお、本計算で得られるのは粉末XRDパターン(様々な配向からの平均)である。しか し、実験においては一軸圧の加圧方向と平行な方向から X 線が入射されている。そのため 実験と計算を比較するためには、実験おいて X 線の入射方向に対する試料やアンビルセル の向きを変えるといった工夫も必要かもしれない。

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a b

図4.3.9 変形SWCNTのバンドルにおけるXRD計算。(a)は低角側、(b)は高角側のXRD パターン。 (c)XRD計算に用いた構造モデル。

c

4 6 8 10 12 14

I (Q)

Q (1/nm)

D = 1.46nm d = 1.28nm

d = 0.93nm d = 0.72nm d = 0.30nm d = 1.10nm

(10)

(11)

(10) (01) (11)

10 20 30 40 50 60

I (Q)

Q (1/nm)

D = 1.46nm d = 1.28nm

d = 0.93nm

d = 0.72nm d = 0.30nm d = 1.10nm

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図4.3.10 変形SWCNT1本におけるXRD計算およびSWCNTの蜂の巣構造の模式図。

グラフ中の点線は構造因子の振動ピーク位置の目安。(a) は (11,11)、(b) は (13,8)、(c) は (18,0) である。

a b c

10 20 30 40 50 60 70 80

I(Q)

Q(1/nm) (11,11) D = 1.51nm

0.33nm d = 1.51nm

graphene

(10) (11)

10 20 30 40 50 60 70 80 Q(1/nm)

d = 1.46nm

graphene 0.93nm

0.72nm 0.30nm 0.26nm (13,8) D = 1.46nm

(10) (11)

10 20 30 40 50 60 70 80 Q(1/nm)

(18,0) D = 1.43nm

d = 1.43nm

0.31nm

graphene

(10) (11)

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