モチベーション
• 系列相関があるかどうかを検討したい。
→ 誤差が独立同分布かどうかが気になる
• (注意)前節と少し記号使いが異なり
ます。
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本章で何度か出てくる重要なこと
(誤差と残差の関係)
y
-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
x
-2 -1 0 1 2 3 4 5 6
y
-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
x
-2 -1 0 1 2 3 4 5 6
真のモデル 推定したモデル
誤差は未知 残差は既知
誤差 残差
データは同じ
本章で何度か出てくる重要なこと
(誤差と残差の関係)
• 「誤差」と「残差」は違います。
–
誤差:真のモデルに入っているもの。未知。–
残差:モデルを当てはめた後、データと推定値(や予測値)とのズレ。既知。
• 「残差は誤差の予測値」と考えることができます。
–
誤差 の性質を検討して、「誤差は未知だから、代わ りに残差 でその性質を満たすかどうか検討する。大体性質同じでしょ?」という論法が、本章でよく用い
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系列相関 が必要かどうかの検討
ここが邪魔
→ ここがなければ、「時点ごとで独立等分散なら はいらない」
と判断できそう
誤差
時点ごとの相関
(
3.11
)を「穏便に」(他の要素に影響のないように)消したい
固定効果を除いた部分 →
の各列と直交するベクトル空間へ射影
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直交補空間
の における直交補空間
を含む の基底を
1
つとり、Schmidt
の直交化法で正規直交基底を作る。
をとる。 は の正規直交基底
( の構成方法)
とおく。
1
次独立と仮定 次元ベクトル空間は から
具体的に構成できる
行列 の性質
とおくと、正規直交基底の性質より、
となる。よって、
また、直交補空間の性質から となる。従って、
となる。
を、 に射影する 作用素は
だが、簡単のため、最初の を除いて の
となる。これより、
となる。 独立・等分散性からのズレ
が独立同分布に従うかどうかを調べれば、
が
0
かどうか(系列相関があるかどうか)分かる。しかし、誤差 は未知。そこで、
から、残差
を の代わりにする。 → が独立同分布か よって、
残差は誤差の 予測値
最小
2
乗推定量は 平均構造が正しく 特定されていれば 不偏推定量予測
系列相関が必要かどうかの 手順のまとめ
1.
から を求める。2.
外れの少なそうな平均モデルを仮定して、を求める。
3.
が独立同分布か調べる。
独立同分布っぽい : 系列相関なさそう 独立同分布っぽくない : 系列相関ありそう
【テキストの修正 1 】 (10.4.4 も同じ)
p136
の1
行目でとし、同ページ
10.2
の8
行目で残差
として、この分散を
としているが、これは間違い。残差の部分を
ではなく を考える