10.3 Flexible Models for
モチベーション
• 系列相関がある場合、パラメトリックなモデリ
ングを行い、 LMM の枠組みで推定を行いた
い。
46
系列相関をモデル化したい
たとえば、 時間が離れるほど、(通常は)
時点間の相関は減少する
「相関の減少の仕方」をモデル化したい
→ いくつか関数を作ってみる。
→ 多項式よりは柔軟な関数にしたい。
時点1 時点2
時点3 時点4 時点1 時点2 時点3 時点4
仮定と関数の導入
何か仮定をおかないと漠然としすぎるので、以下の仮定 をおく。
【仮定】
2
時点間の相関の強さは「どれだけ離れているか」のみに依存する
時点 と時点 の間の相関が、関数 を用いて
自身には 依存しない
たとえば、
のとき、
の関数形 を決めたい
1 2 2
Royston and Altman(1994) の関数
(fractional polynomial)
とおく。ただし、
とする。
0
も 負の数 も 無理数 もOK
→ 多項式より 柔軟
に対して、
(10.2)
50
Lesaffre, Asefan, and Verbeke (1999) の関数
Royston and Altman
の関数は のとき困る。→ 以下のように変更する
そして、 を
とモデル化する(なお、 )
初回観察日
(10.3)
【テキストの修正 2 】
は の誤植。
P138 10
行目SAS の現状 (ver 6.2) など
•
系列相関に式(10.3)
を用いて、ML
、REML
推定を行う ことは、SAS ver 6.2
では無理。–
他の数値計算ソフトなら可能らしい(確認してません)•
最尤法の数値計算は収束しないことがある。– SAS
で扱えるモデルに対しては、PARM
オプションで初期 値を変更してみる。–
著者らの経験では、一般に が大きくなると収束しない場 合が増える→ を小さく固定して、 を変化させる のがよいのでは?
具体例: Prostate Data
【固定効果(平均構造)】
・ 切片、時点、時点の
2
乗、年齢【変量効果】
・切片、時点、時点の
2
乗これらは
3
章と同じ系列相関の構造
に対して、 や を変更した色々なモデルを当てはめる。
→ モデルによっては、計算が収束しないこともある
(複雑すぎる)。
(いくつか試した中で)
尤度関数が最大なモデル
指数関数
Gaussian
含まれる 表
10.1
(10.4)
大 ⇒ 系列相関の推定は
正しくできていなさそう
テキスト139P より引用
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【重要なポイント】
「尤度関数が最大のモデル」=「最もよいモデル」
と条件反射するのは「思考停止」。
⇒ 尤度関数の値はあくまで「目安」
ここから先で「モデル構築」の腕前が試される
・変数の数が多い場合、
fitting
はよくて当たり前。・もっと変数が少なくて、「
fitting
がほとんど変わらない」かつ「系列相関の推定がもっと妥当」なモデル はないか?
⇒ 他のモデルも検討してみる。
指数関数、
Gaussian
例: Prostate Data( 図 10.1) モデルによる推定曲線の違い
実線:尤度最大のモデル 点線(短い方):
Gaussian
モデルによって結構違う ように見える
3
つとも大体近いのでは?(指数関数の方が、少し
尤度最大のモデルに近い)
テキスト140P
SASでは は出ない。
表 10.2 SAS の出力:系列相関は指数関数
テキスト141P より引用
少しは改善