5.3.1 1-loop補正の必要性および各種チェック
図17にe−e+→Zhの250 GeVにおける標準模型の1-loop補正比δNLOを示す。横軸は Zの生成角である。-8.5∼-9.5%程度の対称で下方に撓んだ形状となった。この値が誤差よ りも大きいため、1-loop補正の検証自体に意味があることが解る。また、ここでも、各種 のチェックをクリアできたために物理的な意味のある結果であることが確認された。
-10.0 -9.0 -8.0 -7.0 -6.0 -5.0
δNLO[%]
-0.5 0.0 0.5
cosθΖ
図 17: e−e+→Zhの√
s=250 GeVにおける標準模型の1-loop補正比δNLO。
表 9: e−e+ →Zhにおけるgauge不変性および繰り込み可能性のチェック。
(CUV,Lambda) tree loop soft sum
(0,10−24) 0.441782984605523 -2.950089781129010 2.362693108142250 -0.145613688381231 (10,10−24) 0.441782984605523 -2.950089781129010 2.362693108142250 -0.145613688381231 (10,10−27) 0.441782984605523 -3.332385989879240 2.744989316891930 -0.145613688381781 (0,10−24) NLGcheck 0.441782984605523 -2.950089781129010 2.362693108142250 -0.145613688381231
5.3.2 改良点
ZおよびHiggs粒子の随伴生成計算において、問題となっていたのは計算するダイアグ
ラムの数が多すぎるために、1度にコンパイルしようとする上でエラーが出ること、およ び計算する上で、数値的に発散してしまい有意な結果が得られないという事であった。そ こで全ダイアグラムの計算を 4つに分けて計算しダイアグラム生成を行った。このとき に行ったことを具体的に以下に説明する。
Zの随伴生成を伴ったHiggs粒子生成では、総ダイアグラム数が4000に上るため、一 度に実行ファイルを生成するためのコンパイルコマンドを走らせた際にエラーが生じた。
このエラーは1つの原因から生じているといった類いのものではなく、おそらく、膨大す ぎる処理を一つのコマンドで一度に行おうとすることから、CPUに対する付加がかかり すぎる、もしくは有限時間内に作業が終わる見通しが立たない、という類いのエラーであ ると判断した。このため、実行ファイルを生成するMakefileを4つに分け、最終的に4つ を合計するMakefileを書き、4段階で実行ファイルを生成し、一つの実行ファイルで実行 するようにした。この処置によって,エラーを起こすことなく全ダイアグラムを生成する ことができた。
5.3.3 数値結果
次の図18にe−e+ →Zhの250 GeVでの結果を示す。左の図が微分断面積であり右の 図がδsusyを表す。左の図から解ることは、treeに対してSM, MSSMともに、負の1-loop 補正値を持つと言うことであり、次の大小関係を示した。
dσ1loopSM dcosθZ
<∼ dσset11loop dcosθZ
<∼ dσ1loopset2 dcosθZ
<∼ dσ1loopset3 dcosθZ
< dσtree
dcosθZ
. (5.81)
右の図から解ることは統計誤差と比較して、MSSMの1-loop効果が1.17∼1.25%の値を持 ち「検証可能」であることである。特筆すべきこととしてはset間の区別が可能であると いうことである。set1,2,3でこのプロセスを計算した結果、set間の区別が可能であるとい うことは、重いsquarkの特徴、特に寄与の大きな第3世代squarkの効果を検証するのに 適していると言うことである。このため軽いt˜の効果が区別可能であるtop対生成と、こ のプロセスの両方を見れば、MSSMの効果が見られるだけでなく、どのような粒子の効 果が見えているのかがについての手がかりを得ることができる。
49
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dσ/dcosθ (pb)
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cosθΖ tree SM set 1 set 2 set 3
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δsusy(%)
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cosθΖ set1 set 2 set 3
図18: e−e+ →Zhの√
s =250 GeVにおける断面積およびMSSMの1-loop補正比δSUSY。