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いだろう。対照的にe+e→Zhを見ることで重い第3世代squark(stop,sbottom)の情報 を引き出せる可能性が高いだろう。

表 12: 両加速器における、各プロセスにおける期待できる断面積とイベント数。

process √

s Luminosity cross section event

τ 対生成(ILC) (250,500)GeV (250,500)fb−1 (2.5,0.6)pb (615000,300000)events bottom 対生成(ILC) (250,500)GeV (250,500)fb−1 (2.5,0.6)pb (615000,300000)events

top 対生成(ILC) (500)GeV (500)fb−1 (0.6)pb (300000)events Higgs Z 随伴生成(ILC) (250)GeV (250)fb−1 (0.25)pb (61500)events

Higgs単独生成(ILC) (500)GeV (500)fb−1 (80)fb (40000)events Higgs単独生成(LHeC) (1300)GeV (100)fb−1 (0.2)pb (20000)events

6 結論

本研究では、超対称性粒子が仮想粒子として振る舞う 1-loop効果がILCおよびLHeC で統計的に検証できる可能性があるかどうかを探った。1-loop効果はFermion対生成でも

Higgs粒子生成でも検証可能であり、両プロセスのすべての結果が実験的に確認されれば

標準模型からのずれがMSSMの効果によるものだと断定できる可能性もあるだろう。

この結果を得るためにために宇宙論的観測事実、大型加速器実験結果、および各種低エ ネルギー実験の結果から、MSSMの質量スペクトラムを絞り込み、6つのセットを提案し た。これらのセットの下で具体的に散乱断面積を計算し、1-loop効果を検証した。1-loop 補正を計算するパッケージとしてのGRACEは未だ開発段階であるので、様々な改良を行っ た。ILCでのtop quark対生成では、標準模型の1-loopを計算する上での繰り込みの扱い の不完全性に対し、同量を計算する別の手法を考案し実行した。Zを伴ったHiggs生成で は総ダイアグラム数が多い場合に、近似方法をとらずに、ダイアグラムをいくつかのグ ループに分けて実行ファイルを作成する手法を考案した。単独Higgs生成(ILC,LHeC)

ではEWAとPDFをGRACEに組み込む手法を開発した。EWAは一度にモンテカルロ積 分を実行することは成功しなかったため、この目的に適した積分変数に関する微分断面積 を計算する手法を開発した。この時に手動で積分を行うには計算時間との兼ね合いで分点 数に限りがあるので少ない分点で十分な精度を出すことができる積分手法を探った。階段 型では十分な精度が得られないことが確認され、台形公式で十分な精度が期待できること が確認された。また二重指数関数型積分を同時に用いると高い精度が実現できる事も解っ た。LHeCのEWAとPDFの同時組み込みの試みでは、tree levelでは2変数の積分を実 行する手法を確立できたものの、1-loopでは成功しなかったため、2重積分内の素過程の 断面積を分離するために変数変換された関係式を用い、このときに発生する新たな因子関 数が明らかになった。この関数は最終的なMSSMのシグナルの比の算出の際に標準模型

とtreeの計算(分子、分母)の両方に含まれるためキャンセルすることができるので、最

終的なMSSMの1-loop補正比の算出以外の、断面積そのものの算出に有効であることが

解った。ILCにおける最も重要な結論としては、第3世代のsqurakが重い場合、または 軽い場合でも、異なったプロセスを見れば、一定の情報が得られる可能性がある事が明ら かとなった。

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A 理論的背景の詳細

A.1 場の量子論

この章では、素粒子現象論の理論的背景について述べる。始めに1粒子に関して場の量 子論で計算される量について述べ、それがどのように、実際の大型加速器などの実験にお ける観測量と関連づけられるかについて述べる。素粒子現象は主に3つの「問題」を取り 扱う。

(1)散乱 (2)衝突 (3)束縛状態

である。このうち(3)は閉じ込められたquarkがハドロンを構成するなどの現象を扱うも ので、このような場合の計算は、例えば「相互作用が無限時間で消えるという仮定」がお けるかどうか定かでないなど、非常に理論的な不定性が大きいため、(1)(2)に限って議論 を進めるとする。