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Windows コマンドの利用

第 5 章 Windows と Linux の使い方 95

5.9 Windows コマンドの利用

Mac/Linuxではほとんどのファイル操作をコマンドラインから行いますが,Windowsでは基本

的にマウス操作が中心となるためコマンドラインを使う局面があまり多くありません.しかしなが ら,Macなどと同様の操作をコマンドプロンプト(図5.23)から行うことが可能であり,慣れて くるとコマンドプロンプトを使った方が速く効率良く作業できる場合もあります.

図5.23: コマンドプロンプトの画面

ここではコマンドプロンプトの使用方法と,Windowsにおける主要なコマンドについて解説し

ます.Mac/LinuxのコマンドとWindowsのコマンドは違うものが多いですが,ここでは主要なコ

マンドについてMacでのコマンドとの対応付けを行いながら解説します.

5.9.1 コマンドプロンプトでよく使われるコマンド

Macではコマンド入力を行うためにターミナルエミュレータ(コンソール)を起動しますが,

Windowsでも同様のツールとして「コマンドプロンプト」というものがあります.起動する際は

スタートティップを右クリックして「コマンドプロンプト」をクリックするか,スタート画面のア プリ一覧から選択してください.アプリ一覧でコマンドプロンプトが見つからない場合は,キー ボードから「cmd」と入力してください.アプリ一覧の画面に「cmd.exe」と表示されるので,ク リックするとコマンドプロンプトが起動します.

これを起動すると以下のような内容のプロンプトウィンドウが表示されます.

Microsoft Windows [ Version 6.3.9600]()

c 2013 Microsoft Corporation All rights reserved H:>

ここにコマンドを入力します.デフォルトでは,プロンプト文字列にはカレントディレクトリ(自 分が現在いるディレクトリ)の絶対パス名が表示されます.上の例では「H:¥」がこれに当たり ます.

dirコマンド

指定されたディレクトリ内のファイルやサブディレクトリの一覧を取得します.Macにおける lsコマンドと同じような働きをします.引数に何も指定されていない場合は,カレントディレクト リの内容が表示されます.

H:test > dir

H:test のディレクトリ

2014/03/08 13:59 <DIR > . 2014/03/08 13:59 <DIR > .

2014/03/08 13:59 0 data . txt

2014/03/08 13:58 <DIR > hello

コマンドプロンプトにてオプションは-もしくは/ を使って行えます.例えばdirのオプション 一覧を確認する場合には,dir /?と入力してヘルプを表示してください.これ以降に説明するほと

んどのWindowsコマンドでも,引数として”/?”をつけて実行すると簡単なヘルプが表示されます.

cdコマンド

現在の作業フォルダ(カレントディレクトリ)を変更します.絶対パス名または相対パス名を指 定できます.相対パス名で指定する場合にはMacと同様に,“.”は現在のフォルダ,“..”はフォル ダ構造上で一つ上の階層のフォルダを示します.ディレクトリ名を指定せずにcdと入力した場合 には下記の実行例のように現在のフォルダの絶対パス名を表示します.これについてはMacにお けるpwdと同様の働きをします.

H:test > cd hello H:testhello > cd H:testhello H:testhello > cd . H:test >

copyコマンド

指定したファイルをコピーします.UNIXのcpコマンドと同等です.この例では「hoge.txt」と いうファイルをフォルダ構造上で同じ階層のフォルダにコピーします.

H:test > copy hoge . txt .

1 個のファイルをコピーしました.

複数ファイルについてもワイルドカードにより扱うことができます.ワイルドカードは検索等の際 に利用する特殊文字のことで,具体的には「*」や「?」があたります.「*」は長さ0文字以上の任 意の文字列に一致し,「?」は任意の1文字に一致します.copyの対象にワイルドカードを用いる ことで,例えばテキストファイルのみを同じ階層のフォルダに一括してコピーすることが可能にな ります.

H:test > copy *. txt .

2 個のファイルをコピーしました.

この例の.txt部分を.jpgにすれば,フォルダ内の全ての.jpgファイルのコピーとなります.

moveコマンド

ファイルのコピーではなく移動をします.移動先にはディレクトリ名またはファイル名を指定し ます.同じディレクトリ内でのファイル名を指定した場合は,ファイル名の変更と同じです.この コマンドはMacにおけるmvコマンドほぼ同等です.copyコマンドと同じくワイルドカードを用 いた複数ファイルの指定が可能です.

H:test > move atad . txt hellodatadata . txt 1 個のファイルを移動しました.

renコマンド

ファイル名やディレクトリ名の変更を行います.コマンド名は”rename”の省略です.

H:test > ren data . txt dat . txt

delコマンド

ファイルを削除します./Sオプションをつけるとサブディレクトリも再帰的に削除します.ま た/Fオプションをつけると読み取り専用ファイルについても強制的に削除します.Macにおける rmコマンドとほぼ同等の機能を持ちます./Qオプションをつけることで再帰的に削除する場合 に表示されるダイアログを消すことができます.

H:test > del hello /S /Q

削除したファイル - H:testhellodatadata . txt

rmdirコマンド

ディレクトリを削除します.delコマンドと同じく/Sオプションをつけるとディレクトリ内の ファイルとサブディレクトリをすべて再帰的に削除してしまうので注意してください.

clsコマンド

コマンドプロンプトウィンドウ内に表示されている文字を消去します.コマンドプロンプトの作 業フォルダなどの状態は維持されます.

5.9.2 メール設定

Windows8.1上でメールの送受信を行う際には,デフォルトでインストールされている「メール」

というモダンUIアプリケーションのメーラを使用することができます.これを使う際にはメール 送受信のための設定を行う必要があります.このWindows8.1標準のメールアプリケーションは Microsoftアカウントとの連携を前提として作られており,利用するためには個人Microsoftアカ ウントを用意する必要があります.初回起動時にはMicrosoftアカウントと同期させる項目の選択 を指示されますが,共有のパソコンを使っているという点から,パスワードといった個人情報に関 する項目はチェックを外しておくと良いかもしれません.

図5.24: Microsoftアカウントとの同期の設定画面

必要な項目を選択し,「次へ」ボタンをクリックするとMicrosoftアカウントへのサインインを 求められます.Microsoftアカウントを持っていない場合は左下の「新しいアカウントを作る」を クリックすることでMicrosoftアカウント作成のために必要な情報を入力する画面に移動します.

ここで必要な情報は氏名,メールアドレス,パスワード等です.

図5.25: Microsoftアカウントへのサインイン

用意したMicrosoftアカウントを使ってサインインを行うと,次に本人確認用のセキュリティ

コードの入力が求められ,事前に設定したメールアドレスにセキュリティコードが送られます.こ の作業は画面左下の「今は行わない」をクリックすることで,後回しにすることもできます.

最後にMicrosoftが提供するオンラインストレージサービスであるOneDriveを利用するかを聞 かれますが,これはメールの利用とは無関係ですので利用者自身で決めてください.利用すれば無 料のオンラインストレージが利用でき,ファイルの管理や他のコンピュータで同じファイルを共有 することができたりと大変便利です.OneDriveの設定を終えるとメールが利用できるようになり ます.アプリケーション起動後のトップ画面には受信トレイが表示され,右上に並んだ3つのボタ ンから各種操作が行えます.左側のボタンから「返信」,「新規作成」,「削除」となっています.迷 惑メール等,別のフォルダに振り分けられたメールを見る場合は,画面左側に表示されているバー の「フォルダー」をクリックすることで別のフォルダーを見ることができます.