第 5 章 Windows と Linux の使い方 95
5.5 ファイルの操作
5.5.1 デスクトップ UI でのファイル操作
Windowsのデスクトップ画面では基本的なファイル操作を,MacにおけるFinder同様にマウ
ス操作によるドラッグアンドドロップで視覚的に行えます.モダンUIでは基本的にファイル操作 を行うことができませんので注意してください.Windowsでファイル操作を行うための便利なア プリケーションとして,エクスプローラー(図5.15)があります.
図5.15: Windowsエクスプローラーの画面
エクスプローラーを起動するにはスタートティップを右クリックして「エクスプローラー」を 選択するか,スタート画面のアプリ一覧で「explorer」と入力すると表示される,「explorer.exe」
をクリックします.エクスプローラーでは,左側の領域 (ペインと呼びます) に現在開いている フォルダを中心とした木構造が,右側にそのフォルダ内のファイル一覧が表示されます.
5.5.2 フォルダ構造
WindowsもMacのファイルシステムと同様にファイルを木構造 で管理します.Macにおける
ディレクトリのことを,Windows では一般的に「フォルダ」と呼びます.つまり,Windows の ファイルシステムはフォルダを中心とした木構造となっており,各フォルダにファイルを配置して 利用します.
パス記述
Windowsにおいて,絶対パス名は以下のように記述します.この例ではHドライブ下のtest
というフォルダの絶対パス名です.
H:¥test
最初のドライブ文字の後には「:」が続きます.また,Windowsにおけるフォルダ構造の区 切り文字には円記号「¥」を用います4.Windowsは基本的にマウス操作が中心なのでパス 記述について意識することはありませんが,コマンド入力を行ってファイルを操作する場合 などに使うことになります.
拡張子
ファイルの種類を示す拡張子によって,ファイルを開くためにデフォルトで使用するアプリ ケーションが決定されます.たとえば拡張子が.docxであればMicrosoft Wordが起動する,
といった対応が管理されています5. 実行ファイル
Windowsでは拡張子が.exeとなっているファイルを実行可能ファイル(プログラムファイ
ル)と呼びます.新しいアプリケーションのインストーラや,アプリケーションの実行で利 用することが多いファイルの拡張子です.6.
5.5.3 ファイルの移動, コピー
ファイルをコピーするには,いくつかの方法があります.まず,コピーしたいファイルを右ク リックして「コピー」をクリックし,コピー先のフォルダ上を右クリックして「貼り付け」を押す と,そのファイルがコピーされます.同様にフォルダをコピーして貼り付けすると,フォルダ内の ファイル全体がコピーされます.
この方法は少し手間がかかるので,もっと簡単な方法を紹介します.コピーしたいフォルダや ファイルをドラッグし,Ctrlを押しながらコピー先にドロップするだけでコピーが可能です.同様
に Shiftを押しながらドロップすると,コピーではなく移動となります.
ファイルやフォルダを左ボタンではなく右ボタンでドラッグアンドドロップすると,ドロップし た地点にメニューが表示されます.ここでコピー,移動,ショートカットの作成を選択することも できます.
5.5.4 ショートカットの作成
Windowsでは,フォルダの深い位置にあるファイルなどを簡単に呼び出すことができる機能と
してショートカットというものがあります(図5.16).ショートカットをダブルクリックすると,
そのショートカットのリンク先のファイル (ターゲットファイル) をダブルクリックした場合と 同等の効果が起こります.
4正確には「H:」のあとに「¥」が続く表記であり,これによりHドライブをルートとしたときの絶対パス名を表します.
5デフォルトで使用するものとは異なるアプリケーションで開きたい場合は, そのアプリケーションのアイコンにファ イルをドロップするなど, 明示的に開くアプリケーションを指定する必要があります.
6ほかにも.COM,.BAT,.CMDファイルなども実行可能ファイルなのでダブルクリックすると起動します.
図 5.16: ショートカットのプロパティ画面の例
OSX でも同等のものとしてシンボリックリンクがありますが,Windowsのショートカットの 場合は実体が”.LNK”という拡張子のファイルになっています (拡張子は通常表示されません).
Windowsでも,ショートカットのターゲットとしてファイルだけではなくフォルダも指定できま
す7.
5.5.5 ファイルの新規作成
一般的に,ファイル名はアプリケーションで編集した内容を最初に保存する際に決定し初めて保 存することが多いですが,先に空のファイルを作成しておいて,それをダブルクリックしてからアプ リケーションで編集し上書き保存する,という操作方法のほうが便利な場合もあります.Windows では新しいファイルを作成したい場所を右クリックして,メニューの中の「新規作成」 から新し く作成したいファイルの種類を選択すると,その種類のファイルが自動的に作成されます.
7ショートカットのリンク先としてはフォルダ以外にも,コントロールパネルなどの特殊なオブジェクトが指定できます.
5.5.6 フォルダ名 / ファイル名の変更
すでに存在するファイルやフォルダの名前を変更するには,変更したいアイコンをクリックして
F2を押すか,右クリックメニューの中から「名前の変更」をクリックします (図 5.17).
図 5.17: 名前の変更