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譜例103(IWZ )

64 Hg. von Erich Stockmann, Des Knaben Wunderhorn: in den Weisen seiner Zeit. Akademie- Verlag = Berlin, 1958.

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前章で述べた通り、この歌曲はドイツ民謡詩集『子どもの魔法の角笛』から、〈Wer hat dies Liedlein erdacht〉と〈Wers Lieben erdacht〉の二つの詩を採用し、マーラー自身の詩文を加え 改編して曲が付けられている。『Des Knaben Wunderhorn: in den Weisen seiner Zeit』からは、

〈Wers Lieben erdacht〉65の民謡旋律を探し出すことができた。まずこの民謡の調号に注目を すると、歌曲同様F-Durであり拍子も3/8拍子をとっている。調性の一致までをマーラーが 意識的に行っているかどうかは断定できないが、この元の旋律から音楽的要素が所々に散 りばめられていることをうかがい知ることができる。1小節目アウフタクトからの民謡旋律 を見ると、音楽の音価の拡大縮小がなされているものの、音の軸としてc – f – c – a がマー ラーの歌曲ピアノパート冒頭部分に隠れている。譜例104 (IWZ, Klf T. 1-2 )

また、民謡旋律2小節1拍目のfはこの旋律においてF- Dur主音であり、音域の最低音 でもあり、旋律の軸となっている。このfは歌曲においても冒頭部分から17小節目まで各 小節に必ず存在し、持続音として聴き手に印象を与えている。譜例104 (IWZ,T.2)

譜例104 (IWZ, Klf 1-2 )

IWZ

Klf

65 Friedrich Nicolei, Ein ferner kleiner Almanach. Ⅰ, Nr. 14. Schwäbisch. Berlin und Stettin 1777/1778.

Faksimile=Ausgabe von Joh. Bolte (mit Anmerkungen). Weimer1918 (= Gesellschaft der Bibliophilen).

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民謡旋律2、3小節の小節間に構成されている音形16分音符のa – c と8分音符のb は、

歌曲においては音の構成順は入れ変わるが、リズムは同形で16分音符a – b と8分音符c とで、13小節アウフタクトから始まる歌パートの小節間に5回連続で出現する。15小節1 拍目c のみ例外的に16分音符になっている。譜例105 (IWZ, T.2-3, Klf,T. 12-17 )

譜例105 (IWZ, T.2-3, Klf,T. 12-17 ) IWZ

Klf

2、3、4、6小節目の民謡旋律において、3拍目に16分音符2つの形をとっており、また

全て音が上行している。歌曲においても 3 拍目に同音形をとられていくことが多く、例外 もあるがほぼ音形は上行している。譜例106(IWZ, T. 2-6)

譜例106(IWZ, T. 2-6)

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民謡旋律の5小節アウフタクトから8小節2拍目まで続くフレーズは、16分音符f – g と

8分音符a – a – c – b – gのをリフレインしている。歌曲においてもこのようなリフレインが

歌曲全体を通して前奏から多用されている。譜例107(IWZ, T. 4-10)

譜例107(IWZ, T. 4-10)

民謡旋律の9小節目1拍目のfはこの民謡旋律において最高音にあたる。この最高音をま た異なる視点から見ると、直前に述べた 5 小節目アウフタクトから始まるリフレインと、

この9小節までの音楽的流れの要素が、歌曲での35小節から46小節1拍目までのメリス マ部分に拡大されて登場している。譜例108(Klf, T.35-46)

譜例108(Klf, T.35-46)

5、8小節目に出てくる民謡歌曲の音形は8分音符3つ、そしてa – a – c というように同 音を2回踏んでいる。歌曲の歌パートにも同形が多く用いられ、唯一28小節を除いて、1、

2 拍目同音または、2、3 拍目が同音になっている。この点においても、民謡旋律の要素が うかがえる。また、同様に民謡旋律9小節の♪♬ ♬のリズムの要素だけが歌曲でも多用され ている。しかし、民謡旋律での小節 1 拍目からの完全に下行する音形は、歌曲において一 度も出てこない。あくまでもリズムのみの要素が反映している。譜例109(IWZ ,T. 5-8)

121 譜例109(IWZ ,T. 5-8)