Appendix B R
を起動する‘RHOME’ R の「ホームディレクトリ」へのパスを標準出力に出力し,正常終了する.シェルスク リプトと man ページを除いて,R のインストールは全て(実行可能プログラム,パッ ケージ等)をこのディレクトリに置く.
‘--save’
‘--no-save’
R セッションの終りにデータセットを保存するかどうかを制御する.対話的セッション でどちらも与えられないと,q()で終了する際どうするかを尋ねられる.バッチモード ではどちらかを指定しなければならない.
‘--no-environ’
環境変数を設定するための如何なるユーザファイルも読み込まない.
‘--no-site-file’
サイト全体の起動プロファイルの読み込みを抑制する.
‘--no-init-file’
ユーザのプロファイルファイルの読み込みを抑制する.
‘--restore’
‘--no-restore’
‘--no-restore-data’
保存されたイメージ (Rを開始したディレクトリのファイル ‘.Rdata’)を回復するかど うかを制御する.既定では読み込む.(‘--no-restore’は個々の ‘--no-restore-*’
オプションを合わせた意味を持つ.)
‘--no-restore-history’
履歴ファイル(ふつうはR を開始したディレクトリにあるファイル‘.Rhistory’だが,
環境変数 R_HISTORY によって指定できる.)を起動時に回復するかどうかを制御する.
既定では読み込む.
‘--vanilla’
オプション‘--no-save’,‘--no-environ’,‘--no-site-file’,‘--no-init-file’
そして‘--no-restore’を併せたもの.
‘--no-readline’
readline を用いた行命令編集をしない.これは Emacs から ess (“Emacs Speaks Statistics”) パッケージを使ってRを動かすとき有用である.詳細は Appendix C [行 エディタ], page 88を参照.
‘--min-vsize=N’
‘--max-vsize=N’
可変長オブジェクト用のメモリ量の下限や上限を,“vector heap”サイズを N バイト に設定することにより指定する.ここで N は整数か,最後が‘G’, ‘M’, ‘K’もしくは‘k’
で終る(‘Giga’ (2^30), ‘Mega’ (2^20), (computer) ‘Kilo’ (2^10), もしくはregular
‘kilo’(1000)を意味する)整数でなければならない.
‘--min-nsize=N’
‘--max-nsize=N’
固定長オブジェクト用のメモリ量を,N に“cons cell” の数を設定することにより指定 する.N については上のオプションを参照せよ.ひとつのcons cellは32-bitマシンで は28バイトを,64-bitマシンでは普通56バイトを占める.
‘--quiet’
‘--silent’
‘-q’ 起動時メッセージを出力しない.
‘--slave’ R をできるだけ静かに動かす.このオプションは R を補助的に使用するプログラムを
支援することを意図している.
‘--verbose’
途中結果をもっと多く出力する.特に,RのverboseオプションをTRUE に設定する.
R コードはこのオプションを診断メッセージの表示を制御するために用いる.
‘--debugger=name’
‘-dname’ デバッガー name を通してR を動かす.この場合,それ以上の命令行オプションは無 視され,代わりにデバッガーの内部からRを実行する際に与える必要があることを注意 せよ.
‘--gui=type’
‘-gtype’
type をグラフィカルユーザインターフェイスとして使う.現在のところ,type として 使えるのは‘X11’(既定), gnomeサポートが使用可能なら‘gnome’,そして ‘none’で ある.
入出力は通常のようにリダイレクト可能なこと(‘<’と ‘>’を用い)を注意せよ.
命令R CMD は R と一緒に使うと有用な様々な道具の起動を可能にするが,「直接」使うことを企
図してはいない.その一般形は次のようである.
R CMD command args
ここで command は道具の名前で,args はそれに渡される引数である.
現在次のような道具が利用できる.
BATCH R をバッチモードで動かす.
COMPILE R と一緒に使うためにコンパイルする.
SHLIB 動的読み込みのために共有ライブラリを作る.
INSTALL 追加パッケージをインストールする.
REMOVE 追加パッケージを取り除く.
build 追加パッケージを作る.
check 追加パッケージを検査する.
LINK 実行可能なプログラムを作成するためのフロントエンド.
Rprof Rのプロファイリング用ファイルを後処理する.
Rdconv Rd 書式を様々な他の書式(html, Nroff, LaTEX, plain text,そしてS文章書式を含 む)に変換する.
Rd2dvi Rd 書式を DVI/PDFに変換する.
Rd2txt
Rd 書式をテキストに変換する.
Sd2Rd S の文章を Rd 書式に変換する.
最初の5つの道具(つまり BATCH,COMPILE, SHLIB,INSTALL そして REMOVE)はまた CMD オ プション無しでRcommand args の形式で「直接」起動できる.
R CMD インターフェイス経由で利用できる各道具の使用法の情報は
R CMD command --help で得られる.