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UACJ(深谷分室)

ドキュメント内 資料7-2【公開】事業原簿表紙 (ページ 112-118)

(1)実用化・事業化に向けた戦略

マルチマテリアル車体を多関節ロボットによる抵抗スポット溶接を前提とした現行 の車体組立ラインで製造することは容易ではなく、ラインの新設や大幅な変更が必要 と な る 。 そ の 点 、 本 テ ー マ で 戦 略 的 に 取 り 組 む 異 材 点 接 合 技 術 ( ア ル ミ ニ ウ ム

/CFRP)は多関節ロボットとの組み合わせが可能であり、リベットや接着などの旧来

の接合方法に比べると現行の車体組立ラインへの適合性が高い。即ち、多額の設備投 資が不要であることから、マルチマテリアル車体実用化のコア技術になるものと考え られる。

(2)市場動向と売上損益見通し(市場規模・成長性、経済効果)

技術開発のトレンドによると車体のマルチマテリアル化は 2020 年頃から車の全面

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改良に合わせて随時拡大するものと予想され、最小(1 モデル)でも年間数万台レベ ル、主要車種に適用されれば年間数十万台レベル、同業他社が採用した場合にはさら に大きな事業規模に達する。

(3)実用化・事業化に向けた具体的取り組み(実施体制、計画、マイルストーン)

研究開発が 10 年間の長期に及ぶことから、研究テーマの運営にステージ管理を導 入している。具体的には研究期間を技術構想の実証(平成 25~27 年度)、実部品での

性能/効果の検証(平成 28~29 年度)、実用化の主要課題解決(平成 30~34 年度)の三

つのステージに分け、各ステージに応じた研究内容/研究体制/資金運用としている。

各ステージでの研究内容やゴールを明確に設定することで研究目標の達成を確実なも のとする。

なお、第 二 期 ( 平 成 28~29 年 度 ) で は 、 汎 用 性 の 高 い PA マ ト リ ッ ク ス 樹 脂 に 着 目 し て 、 接 合 性 を さ ら に 向 上 さ せ る ア ル ミ 側 塗 装 有 機 皮 膜 の 開 発 ・ 検 討 を 進 め る 。

(4)実用化・事業化に向けた課題と解決方針

マルチマテリアル車体を実用化するためのコア技術は異材接合であるが、一方で車 体としての基本品質や性能の確保も重要な課題である。そこで本研究開発では、軽量 化に伴い悪化する振動騒音性能を補完するための最低限の要素技術も同時に確立する ことを基本方針としている。これにより、車体としての品質/性能も確保でき、実用化 の確度をさらに高めることができる。

(5)実用化・事業化の見通し(市場ニーズ、ユーザーニーズ)

自動車の燃費規制は温室効果ガスの CO2削減を目的に年々強化されている。当面は

2020 年の欧州 CO2 規制(95g/km)への対応が急務となるが、パワートレインの改良

だけでは達成が困難であり、車両の大幅な軽量化が不可欠となっている。現行の鋼板 を主体とした車体では軽量化が既に限界に達しつつあり、2020 年頃から軽量材料を適 材適所に用いたマルチマテリアル化が進行するものと考えられる。提案する異材点接 合技術は、既存の車体組立ラインへの適合性が高く、実用化への期待が大きい。

(6)競合する技術・事業との比較(性能面、コスト面での優位性)

車体はプレス成形した部材同士のフランジ部を点接合して組み立てる。本研究では 車体組立ラインで多用されている抵抗スポット溶接に置き換え可能な異材点接合技術 を開発対象としている。一部に使用されているリベット接合よりも低コストで多様な 板組(材質、板厚)に対応できるという利点もあり、マルチマテリアル車体の接合技 術として他の接合法に比べて優位にある。

(7)波及効果(技術的・経済的・社会的効果、人材育成等)

アルミニウム/異種材料の点接合技術は、自動車産業だけでなく、航空機や鉄道車両、

電気機器等の他産業にも展開可能である。また、異材の接合が可能となることから、

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アルミニウムなどの軽金属や樹脂/CFRP などの需要拡大、さらには素材産業の活性化 にも繋がるものと考えられる。

2.7.2.7住友電気工業(伊丹分室)

(1)実用化・事業化に向けた戦略

当社が 80 年以上培ってきた切削工具用超硬合金と 30 年以上培ってきた PVD コー ティングの開発技術を活かし、実用的なツール性能、ツール寿命を有するフリクショ ンスポット接合(FSJ)ツールを開発する。FSJ ツールの超硬合金素材製造、成形加工、

PVD コーティングのプロセスは、切削工具用のプロセスと基本的に同じであるため、

開発目標達成後は、切削工具の量産技術を応用し量産技術の確立を図る。

(2)市場動向と売上損益見通し(市場規模・成長性、経済効果)

2020 年の自動車の世界総生産台数は、1 億台に達すると報告されている。衝突安全 性の向上や軽量化による燃費向上とそれに伴う CO2排出量削減のため、自動車ボディ に占める引張強度 1GPa 以上の超高張力鋼の比率は今後ますます増加する見込みであ り、2020年において全鋼板中の 20%を占めると予測されている。これらの予測に基づ き、引張強度 1GPa 以上の超高張力鋼を対象に既存の抵抗スポット溶接の 20%が FSJ に置き換わると仮定すると、ツールの市場として1,800億円/年が見込まれる。

また、本プロジェクトで得られた成果の一部を一般鋼板への応用展開することで、

さらなる FSJ 適用量の増加が見込まれることや、今後自動車生産台数が増加すると予 想される新興国への販売展開により、爆発的な市場拡大が期待される。

売上損益に関しては、想定ツールコストに対し、目標ツール寿命が達成できれば、

当社が販売している超硬合金製切削工具と同等の損益が確保できる見通しである。

(3)実用化・事業化に向けた具体的取り組み(実施体制、計画、マイルストーン)

本プロジェクト期間中は、切削工具向け超硬合金素材および PVD コーティングの 支援研究を行っている住友電気工業アドバンストマテリアル研究所において、実用的 なツール性能(継手強度:1.5GPa 中高炭素鋼接合において JIS A 級)、目標ツール寿 命の達成を目指した技術開発と生産プロセスの確立を行う。プロジェクト終了後は、

切削工具の製造部門である住友電工ハードメタルおよび生存拠点である関係会社と連 携して、プロジェクト終了後 2年後を目途に量産技術の確立を図る。

(4)実用化・事業化に向けた課題と解決方針

実用化・事業化に向けた主な課題は、実用的な継手強度(JIS A 級)の達成と実用 的なツール寿命の達成の 2 点である。継手強度については、ツール形状の開発に加え、

川崎重工業と共に接合プロセスの最適化、接合プロセス改善により解決を図る。ツー ル寿命については、耐摩耗性、耐欠損性、耐塑性変形性に優れた超硬合金母材開発と 耐酸化性、耐摩耗性、密着性に優れた PVD コーティング開発に加え、川崎重工業と 共に接合プロセスの最適化、接合プロセスの改善により解決を図る。

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(5)実用化・事業化の見通し(市場ニーズ、ユーザーニーズ)

(1)に記載の通り、自動車ボディにおける超高張力鋼の比率は今後益々増加する予測 であり、製造時の CO2排出量が少なく、市況変動や供給性に懸念のあるレアメタルの 添 加 量 が 少 な い 中 高 炭 素 高 張 力 鋼 の ニ ー ズ は 非 常 に 高 い も の と 予 想 さ れ る 。 ま た 、 FSJ は抵抗スポット溶接に対し消費電力が 1/2 以下であり、車体製造時の CO2 排出量 削減、省電力というニーズにも応えることが可能である。

(6)競合する技術・事業との比較(性能面、コスト面での優位性)

現在鋼板接合用に市販もしくは開発されている FSJ ツールの素材としては、本テー マで開発する超硬合金+PVDコーティング以外に、PCBN(立方晶窒化硼素焼結体)、

コバルト基合金、ニッケル基合金、レニウム合金等の高融点金属、窒化珪素がある。

PCBN はツール寿命が長く数万打点と予測されるが、価格が約 70 万円と非常に高価 なため、ツールコストは数十円/打点であり、また突発的な欠損で短寿命となる場合が あるため信頼性の点で自動車の生産に使うには難があると思われる。高融点金属は耐 酸 化 性 が 低 い た め 、 シ ー ル ド ガ ス が 必 要 で あ る と い う 課 題 が あ り 、 超 硬 合 金 +PVD コーティングに比べ耐摩耗性が低く、寿命は短いと予想される。レニウム合金はレア メタルを用いるためツール価格も非常に高価である。窒化珪素は現在市販されている ツ ー ル は 10 万 円 と 高 価 で あ り 、 成 分 の 珪 素 が 鋼 と 反 応 し や す い た め 、 超 硬 合 金 + PVD コーティングに比べ耐摩耗性が低く、寿命は短いと予想される。

本テーマで開発する超硬合金+PVD コーティングは、競合ツールに対し低い 1 打点 あたりのツールコストを目指しており、これが実現できれば競合するツールに比べコ スト面で優位となる。

(7)波及効果(技術的・経済的・社会的効果、人材育成等)

本テーマで開発した FSJ ツールは、既に自動車ボディに使用されている 270MPa 級 の軟鋼から 1.2GPa 級超高張力鋼までの冷延鋼板、およびダイクエンチ鋼の接合にも 適用可能と考えらえる。また、本テーマで開発した超硬合金素材や PVD コーティン グの技術は、切削工具にも応用が可能と考えられる。

FSJ は、抵抗スポット溶接に対し消費電力が 1/2 以下であり、車体製造時の CO2排 出量削減、省電力にも貢献できるとともに、ヒュームやチリ、スパッタが発生しない ため、製造時の作業環境のクリーン化も期待できる。

2.7.2.8川崎重工(明石分室)

(1)実用化・事業化に向けた戦略

当社は軽合金向けの FSJ ロボットを製品化しているが、その適用拡大を狙って比較 的難易度が低い既存の高張力鋼(低炭素)を対象とした独自開発を社内ロボット事業 部門と行っている。まずは、その開発において自動車メーカへの装置の供試や協業を 通して徐々に市場投入を図り、既存の溶接方法からの転換を進める。本テーマにおい て中高炭素鋼が開発され、次世代の自動車ボディへ採用された後は、その高品質な接 合法として FSJ ロボットの本格適用とその浸透を図る。

ドキュメント内 資料7-2【公開】事業原簿表紙 (ページ 112-118)

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