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Tschonoskii Decaisne

ドキュメント内 p (ページ 36-39)

「調剤過誤を防止するために」

L.  Tschonoskii Decaisne

種名チョウノスキは,ロシアの植物学者マキモ ウィッチMaximowicz(1827〜1891年)の為に,

日本の植物を採集した須川長之助の献名で「長之 助の」の意です。

北海道,本州,四国,九州の山地の日当りの良 い所に自生する半落葉低木です。高さ2.5m内外 となり,枝は多く分岐し,若枝には毛があります が後に無毛となります。

葉は対生して披針形または楕円形,長さ2〜4 cm,幅1〜1.5cm,葉質は厚く淡緑色で,上面に は立った毛があり,下面は脈上に毛があります。

5月頃,枝先に細い円錐花序を出し,イボタノキ より小さい白花を咲かせ,濃青紫色で球形の果実 を結びます。

5 ヨウシュイボタノキ 英名:common privet, prim 仏名:troène d' Europe L. vulgareL.

種名ウルガレは「普通の」の意で,ヨーロッパ や西北アジアに普通に自生が見られる半常緑低木 です。高さ2〜5mとなり,枝は灰褐色でよく枝 分かれし,若枝や花柄には細かい毛があります。

葉は長楕円状の卵形または披針形で,先端は鈍 頭または鋭頭,長さ4〜6cm,幅1〜2cm,上 面は緑色,下面は淡緑色です。6月頃,枝先に長 さ4〜8cmの円錐花序を伸ばし,白色筒状の小 さい4弁花を咲かせ,甘い香りをただよわせま す。

12月頃,球形の果実を結び,熟すと紫黒色にな ります。日本には明治末年に渡来したといわれ,

葉に黄色い斑入りのフクリンヨウシュイボタノキ や,矮性で生け垣などによく用いられるヒメヨウ シュイボタノキなどの園芸種もあります。

イボタロウカタカイガラムシの雄の幼虫が,蝋 を分泌して,その中で蛹となり,成虫となって外 へ飛び出す9月頃までの巣ともいうべき蝋を,10

蝋の主な成分

月以降に採集したものがイボタ蝋であることは,

カイガラムシ類の項で前述した通りです。

イボタ蝋は汚白色で,大小不同のもろい粒状で 特異な臭いがあり,80〜83℃で溶融します。往年 は溶融して布で漉し,異物を除いて型に入れて角 板状としたものを虫白蝋と呼んだそうで,しばし ばステアリンで偽造したものが市場に出廻たとい われます。

しかし,筆者が実際に市場の生薬に接し始めた 昭和20(1945)年以降,精製された虫白蝋は見た こともなく,採集された枝付きのものか,枝から 蝋だけを落して日干しにしたもので,汚白色で大 小不同の粒状のものでした。

イボタ蝋の主な成分は,約70%が脂肪酸のセロ チン酸Cerotic acidのセリルアルコールCerylal-coholとイバタセロチン酸Ibotacerotic acidのイボ タセリルアルコールエステルIbotacerylalcolester などです。

蝋質は一般に,皮膚の緩和薬として油脂質と共 に,皮膚の損傷部の保護に用いられています。損 傷部の乾燥を防ぎ,そこへの細菌の侵入を防ぎ,

上皮の形成を促すものとされているからです。

薬理的には判りませんが,昔から蝋は性ホルモ ン様の作用があるとして,強壮,強精,利尿など の目的で内用されていることがあります。イボタ 蝋も強壮,利尿の目的で内用する様ですが,効果 についてはどうでしょうか。

昔から頭の丸い軟疣については,ハトムギを殻 付のまま煎って,煎用すると治るといわれ,現今 でも実用されています。頭が角状にとげとげした 硬疣は,前述の様に絹糸で根元部分を巻き,除く ことは筆者も体験したところです。

疣の根元を巻き締めるには,絹糸ばかりではな く,人の長い頭髪の毛も用いられ,絹糸より締り もよく,それに熱したイボタ蝋を塗布して疣を取 り除たものです。これはイボタの名が証明してお り,1回で効果がなければ繰り返しました。

また,切り傷には,止血を目的に塗布したもの です。いつ頃からか判りませんが,滋養強壮や利 尿に,1日量1〜3gが内用されたといわれ,同 じようにクジラの鯨蝋も用いられたそうですが,

薬用

効果は明確には判りません。

しかし,『中国本草図録』(日本語版1993年)の 巻9,4293遼東水蝋樹に,「性味・効能 淡,平。

利尿・強壮作用がある」。続けて「応用 身体虚 弱,四肢の無力,浮腫,排尿困難に用いる。用量 9〜15g」と記されています。

中国では汪機著『本草会編』(1536〜1551年)

に,「虫白蝋」として登場しているといわれ,日 本では小野蘭山の講義録ともいうべき『本草綱目 啓蒙』(1803年)に,「樹皮に白粉厚く纏まとひ,綿の 如く色白し,遠く望めば雪の如し,これ虫の巣な り」とあります。

薬用はもとより,すべりを良くするのに戸障子 の敷居に塗ったり,桐箪笥など家具類のつや出し などにも用いられました。筆者の思い出としては

その他

小学生の頃,算盤

そろばん

の玉のすべりを良くするのに用 い,すべり過ぎて計算は間違いだらけでした。

友達は数人が珠算しゅざん塾に通って,技術的に進んで いたのに対し,さぼり屋の筆者は塾をきらって避 けていました。当然,計算が遅いので,算盤にイ ボタ蝋をつけるばかりで,指の練習をしないので すから,計算は合いませんでした。

蝋はワックスともよばれ,昔の人々は天然物か ら採集したので,イボタ蝋,蜜蝋,木蝋など,採 取した物の名を冠して呼び,多様な組成をもって います。

天然の油脂は高級脂肪酸グリセリドであるのに 対し,主な生物系の天然蝋は高級脂肪酸の1価ま たは2価のアルコールエステルです。地球の環境 保全が,最も重要視される21世紀には,天然物の 特性も忘れてはいけないように思います。

年月日 Ⅰ 傷寒論早わかり Ⅱ 役立つ漢方・生薬の知識 Ⅲ 薬方解説

10:30〜12:00 13:00〜14:30 14:40〜16:10

13年4月15日 傷寒論のあらすじ 山ノ内慎一顧問 漢方の学習法 飯島弘会長 精神神経疾患 杵淵彰先生

5月20日 陰陽病と三陰三陽 山田光胤先生 生薬の取り扱い 佐藤至朗委員 顔の病気 山ノ内慎一顧問 6月24日 太陽病 上 臨床 山田光胤先生 問題のある生薬 小根山隆祥委員 胃の病 藤井美樹先生 7月15日 太陽病 中 臨床 山田光胤先生 生薬の流通 伊藤敏雄監事 腹痛・便秘・下痢 石川友章先生 8月19日 序文の読み方 穴原暁子委員 パネルディスカッションⅠ(生薬) 腎泌尿器疾患 足立秀樹先生 9月16日 太陽病 下 臨床 山田光胤先生 日本漢方と中医学 杉山正明委員 呼吸器疾患 原桃介先生

10月21日 太陽病のまとめ 山田光胤先生 口談 三上正利副会長 めまい・耳鳴り・頭痛 山田博一先生

11月18日 漢方学術大会

12月16日 陽明病 臨床 松田邦夫先生 出典の解説 真柳誠先生 痛み(針灸を含めて) 松下嘉一先生

14年1月20日 調剤・製剤実習〔煎剤・散剤〕

2月17日 少陽病・太陰病臨床 松田邦夫先生 漢方述語の解説 加部恵造委員 風邪 矢数圭堂先生 3月17日 少陰病 臨床 松田邦夫先生 パネルディスカッションⅡ(基礎) 鼻・耳の病気 鎌田慶市郎先生 4月21日 厥陰病 臨床 松田邦夫先生 世界の伝統医学 津谷喜一郎先生 口腔・歯 藤井佳朗講師 5月19日 汗吐下法 平林正士委員 民間薬と漢方薬 鈴木敏夫委員 不定愁訴 秋葉哲生先生 6月16日 誤治 小根山隆祥委員 動物生薬 穴原暁子委員 皮膚病 山田享弘先生 7月21日 経絡 井口昌樹学術講師 鉱物生薬 今井淳委員 糖尿病・肝臓病 渡辺賢治先生 8月18日 桂枝剤 川合一正委員 ハーブ 糸川秀夫先生 疲れ 室賀昭三先生 9月15日 麻黄剤 緒方勝行委員 望診・問診 加世田弘道委員 子供の病気 細川喜代治先生

10月20日 大黄剤 渡辺方乃委員 パネルディスカッション(まとめ) 循環障害 稲木一元先生

11月17日 漢方学術大会

12月15日 柴胡剤 中村成代委員 実務における法的問題 三上正利副会長 冷え 高木嘉子先生

15年1月19日 調剤・製剤実習〔丸剤・特殊製剤〕

2月16日 附子剤 宗像敬一委員 新薬と漢方薬の併用 渡辺謹三講師 女性の病気 石野尚吾先生 3月16日 (Ⅱ)不妊の漢方 寺師睦宗先生 講座を終えて 山田光胤先生 修了式

平成13年4月開講 日本漢方協会主催

財団法人 日本薬剤師研修センター認定講座

第16回漢方特別講座

一流講師陣による満足度100%の講座

傷寒論早わかり

漢方薬の調剤・薬局製剤実習 現場で役立つ知識の修得

受 講 料 120,000円

(継続受講者は100,000円,賛助会員紹介者は100,000円,学生は60,000円2年分一括全納。)

会  場 東京医科大学同窓会館 東京都新宿区西新宿6-7-1

JR「新宿」より徒歩10分,都営地下鉄丸の内線「西新宿」下車1分 日本漢方協会 第16回漢方特別講座 カリキュラム

日 本 漢 方 協 会

電話 03-3369-7512 FAX 03-3363-6584

〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-14-17 アルテール新宿401 E-mail:[email protected] http://www2.ocn.ne.jp/˜j-kampo

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