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で表される.この式の変数は

θ

のみであり,

cosθ

が最小となるところから領域(4)

へアクセスすると考えればよいので,旧道とバイパスの結節点からアクセスするこ とが分かる.

 領域(5)にアクセスする際は,領域内の場所によってアクセス経路が異なる.

領域(1)と同様にバイパスの直線部分から垂直方向が,バイパスとその地点を結 ぶ最短経路となる場合と,旧道とバイパスの結節点から直線に向かう場合が最短経 路になる場合がある.バイパスの曲線部分が起点とならない理由については後述す る.領域(5)におけるバイパスとの距離計算には2つの最短経路候補までの距離 を両方算出し,最小値をとる方法で距離計算を行っているが,領域(5)をさらに 2領域に分けることで最短経路および最短距離を特定することは可能である.図 4-7 のように第1象限にある領域(5)内の任意の点を (x,y) とし,バイパスの 直線部分からの距離と,バイパスと旧道の結節点からの距離が等しいときの

x

y

は次のような関係が成り立つ.

これと図形の対称性を考慮すると,下式を満たす地点にはバイパスの直線部分から アクセスするほうが近く,満たさないときは旧道とバイパスの結節点からアクセス するほうが近くなる.

 領域(6)にアクセスする際は,旧道部分から進行方向に対して垂直方向にアク セスするのは明らかである.

T

第4章 モデル分析 

  63

バイパス ( x , y )

図 4-7  バイパスから領域(5)までの経路候補

4.2 外生変数の検討

 計算に用いるパラメータは6つある.まず,円形都市領域の半径

R’

である.都 市面積は

πR’

2となる.ここで使用する変数によらず人口密度は一定になるという 仮定を加えると,都市面積と都市人口は同義となり,都市規模と捉えることがで きる.そして,都市住民の居住地からの商業施設利用行動分布と道路利用者にお ける利用行動分布における広がりを表す,それぞれの

σ

は次のように決定する.前 者は,第3章で採り上げた館山市について,表 3-1 に挙げた説明変数の候補のう ち,都市住民による立地ポテンシャル9種類と道路利用者による立地ポテンシャル を用いて再度重回帰分析を行う(表 C-1 ).そこで重回帰式に採用された都市住 民による立地ポテンシャルの分散を

σ=400(m) とする.この理由はモデル分析が2

種類の利用者行動分布のみから立地ポテンシャルの説明を意図しているからであ る.後者は,第3章で用いた数値をそのまま用いる.居住地からの利用行動分布と 旧道・バイパス利用者の利用行動分布をつなぐ変換係数として (4-4) 式で用いられ る

T

OR,TBPは旧道・バイパスの交通量と捉えられる.また,この2係数については,

バイパスの交通量が相対的に多いほど都市は地域内の中心近くに位置し,旧道の交 通量が多いか,バイパスの交通量に近ければ,都市は地域の辺縁部に位置すると捉 えることができる.最後に,都市領域を旧道方向に細長い,オーバル形すなわち角 丸長方形について考える際の変数について述べる.オーバルは図 4-1 のように長 方形とその短辺の両側に半円を繋げた形とし,都市規模すなわち都市面積

πR

2を一 定にして,直線部分の長さの半分

L

とバイパスの迂回半径

R

すなわち半円部分の 半径との比

L/R

を変えて,都市領域の細長さを表現することとする.このときの

R

L/R

の関係式は以下のようになる.

以上の6パラメータについての設定値を表 4-1 にまとめる.円形都市領域の半 径

R’

から求められる都市面積は,0.79km2,3.14km2,7.07km2,12.57km2であり,

2010 年国勢調査人口集中地区人口密度 6758 人 /km2を当てはめれば,人口は 5307 人,

21231 人,47769 人,84924 人となる.立地ポテンシャルの様相を確認するために,

旧道・バイパスの交通量が存在しない場合の計算も行う.この章の次節以降では,

立地ポテンシャルの様相を最高地点の位置によって分類し,それぞれについて詳述 する.

2

2

4 RL R

R S c

S

R L R R

˜

c 4

2

S

S

(4-14)

第4章 モデル分析 

  65

䝟䝷䝯䞊䝍

ᒃఫᆅ䛛䜙䛾฼⏝⾜ືศᕸ䛾ศᩓ䚷ıR 㻠㻜㻜 㼙 㐨㊰฼⏝⪅䛾฼⏝⾜ືศᕸ䛾ศᩓ䚷ıOR䠈ıBP 㻝㻢㻢 㼙 ᪧ㐨฼⏝⪅䛾฼⏝⾜ືศᕸ䝟䝷䝯䞊䝍䚷TOR 㻜䠈㻞䠈㻠䠈㻢 䝞䜲䝟䝇฼⏝⪅䛾฼⏝⾜ືศᕸ䝟䝷䝯䞊䝍䚷TBP 㻜䠈㻞䠈㻠䠈㻢 㻠㻚㻠⠇㻕㻌䜸䞊䝞䝹䛾┤⥺㒊ศ䛾㛗䛥䛾༙ศ䛸

䝞䜲䝟䝇䛾㎽ᅇ༙ᚄ䛾ẚ䚷L/R 㻜䠈㻝䠈㻞䠈㻟䠈㻠䠈㻡

㻠㻚㻡⠇㻕෇ᙧ㒔ᕷ㡿ᇦ䛾༙ᚄ䚷R' 㻡㻜㻜䠈㻝㻜㻜㻜䠈

㻝㻡㻜㻜䠈㻞㻜㻜㻜 㼙 タᐃ್

表 4-1  モデル分析に使用する外生変数

4.3 旧道とバイパスの交通量が変動するときの分析

 まず,館山市の 2010 年国勢調査人口集中地区と規模の近い

R,R’=1500 の円形都

市において,旧道やバイパスの交通量を変えた際の立地ポテンシャル分布について 述べる.様相は都市の諸条件によって3種類に大別できる.

 第1の種類は,都市中心部が立地ポテンシャル最高地点になり,x 軸を尾根とし た山型に立地ポテンシャルが分布する場合である(図 4-8 (a)).これはバイパス の交通量が旧道の交通量や都市規模に対して少ないときに生じる.この場合には,

バイパスが通ってもなおバイパス開通前と同様に都市中心部に求心性があり,立地 ポテンシャル最高地点が都市中心部に残り続ける.

 第2の種類は,都市の入口付近が立地ポテンシャル最高地点になり,旧道とバイ パスにそれぞれ尾根が現れる場合である(図 4-8 (b)).人口規模に対して旧道や バイパスの交通量が多いとき,旧道とバイパスの交通量が重なる両者の結節点,す なわち都市の入口付近(2ヶ所)が最も立地ポテンシャルが高くなる.ただし,商 業施設の立地場所は道路利用者だけでなく居住地からの利用行動も影響することを 想定しているので,最高地点は結節点そのものではなく都市中心部方向に僅かに 寄った地点になる.これら2種類の様相は,同一地域において同一都市規模であれ ば辺縁部にある都市のほうが,都市の入口より都市中心部に小売業が立地しやすい ことを示唆する.

 第3の種類は,バイパスの少し内側で,円弧状に立地ポテンシャルの高い部分が 連続する場合である(図 4-9 (a)).これは旧道の交通量がゼロであるときに限ら れるので非現実的な様相であるが,他交通量の場合との比較のためにここで詳述す る.商業施設需要が2地点から発生するとき,その2地点間を結ぶ直線上で立地ポ テンシャルの最高地点が生じることを,讃岐ら6)が示している.この種類はそれ を点(居住地)と円弧(バイパス)から需要が発生する場合に拡張したものと捉え られ,立地ポテンシャルの最高地点は,円弧状のバイパスの内側で円弧状に生じる ことはこの点で讃岐らの結果と対応している.ただし,実際には旧道利用者からの 利用行動も存在するので,その円弧状の立地ポテンシャルの高い部分のなかでも,

都市の入口より都市中心部に僅かに寄った地点がより立地ポテンシャルの高い地点 になる.これまでに挙げた3種類の立地ポテンシャルの最高地点は,3種類の商業 施設利用行動分布の重複の程度によって定まるものであり,この点は旧道とバイパ スの交通量のバランスによって離散的に遷移する.なお,立地ポテンシャルを連続 的に計測できない数値計算の特性上,第3の分布の種類である最高地点が円弧状に 分布することを確認することは困難である.本研究のモデルでは,最高地点から僅 かに少ない領域は都市中心部とバイパスの間で円弧状に広がることが確認できたの で,これに基づいて円弧状に最高地点が分布すると推測される.

第4章 モデル分析 

  67

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

x (m)

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

y (m )

0.014 0.010

0.002

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

x (m)

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

y (m )

0.018

0.010

0.002 0.014

0.014

(a) x 軸を尾根とした,山型に立地ポテンシャルが分布する場合

T

OR=2, 

T

BP=2, 

L

/

R

=0, 

R'

=1500)

(b) 旧道とバイパスそれぞれに尾根が現れる場合

T

OR=2, 

T

BP=4, 

L

/

R

=0, 

R'

=1500)

図 4-8  立地ポテンシャルの様相1

4.4 都市領域が細長いときの分析

 旧道とバイパスの交通量が等しくても,都市領域が細長いと立地ポテンシャルの 最高地点が異なる種類となる場合がある(図 4-9 (a),(b)).都市領域のうち,長 方形領域すなわち旧道とバイパスが並行している領域では,道路利用者の商業施設 利用行動分布による立地ポテンシャルは場所によらず一定である.しかし,都市住 民の商業施設利用行動分布による立地ポテンシャルは,各居住地からの距離,つま り人がどれだけ近くに住んでいるのかという点に依存する.したがって,都市領域 が細長くなると,立地ポテンシャルは拡散する.このため,都市中心部に立地ポテ ンシャルの最高地点が位置すべき種類でも,都市領域が細長くなると,都市中心部 の立地ポテンシャルが下がり,都市の入口のほうが最高地点になる場合がある(図 4-8 (b),図 4-10 (a)).

第4章 モデル分析 

  69

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

x (m)

䢯䢴䢷䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢷䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢯䢷䢲䢲 䢷䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢳䢷䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢴䢷䢲䢲

y (m ) 0.014

0.002

0.010

䢯䢶䢲䢲䢲 䢯䢵䢲䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢵䢲䢲䢲 䢶䢲䢲䢲

x (m)

䢯䢶䢲䢲䢲 䢯䢵䢲䢲䢲 䢯䢴䢲䢲䢲 䢯䢳䢲䢲䢲 䢳䢲䢲䢲 䢴䢲䢲䢲 䢵䢲䢲䢲 䢶䢲䢲䢲

y (m )

0.014

0.008

0.002 0.012

(b) 旧道とバイパスそれぞれに尾根が現れる場合

T

OR=2, 

T

BP=4, 

L

/

R

=0, 

R'

=1500)

(a) 円弧状に立地ポテンシャルの高い部分が連続する場合

T

OR=0, 

T

BP=4, 

L

/

R

=0, 

R'

=1500)

図 4-9  立地ポテンシャルの様相2

4.5 都市規模が異なるときの分析

 都市規模を表す円形都市領域の半径

R’

を変化させたときの立地ポテンシャル分 布について述べる.

 交通量を一定とした場合,都市規模が拡大すると,道路利用者の利用行動が生じ る範囲が相対的に小さくなる.旧道とバイパスの交通量が都市規模に対して多い場 合は,2ヶ所ある都市の入口で立地ポテンシャルが相対的に高くなっていたが,都 市規模が拡大すると都市中心部のほうの立地ポテンシャルが高くなる場合が多くな る.これは道路交通量が同じでも都市自体が大きければ中心部に商業施設が立地し やすいことを示す.これと 4.3 節の結果と合わせて考慮すると,都市規模に応じた 交通量が存在している都市は都市中心部に,交通量が多い都市は都市中心部以外に 商業施設が立地しやすくなることが読み解ける.さらに,細長く小規模な都市は,

旧道利用者の利用行動とバイパス利用者の利用行動の分布が都市の入口以外の領域 でも重なりやすい.このため,バイパスの内側で円弧状に広がる立地ポテンシャル が相対的に高い領域が形成され,その円弧の中心部が最も立地ポテンシャルが高く なる.これに対して,細長いが大規模な都市は,都市住民がもたらす立地ポテンシャ ルが多いため,バイパス利用者の影響があるが都市住民からの影響が少なくなる都 市の入口よりも,旧道沿いで立地ポテンシャルが高くなりやすくなる(図 4-10  (b)).どちらも方向性をもった立地ポテンシャルが高い領域が形成されるが,領域 形成の仕組みは異なる.

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