2 機能
2.6 複数のネットワークセグメントで構成する TSC ドメイン
2.6.1 TSC ノード情報の配布
TSCノードによるリクエストの転送がネットワークセグメントを越えるためには,TSC ドメインマネジャのTSCノード情報がネットワークセグメントを越えることが前提とな ります。ブロードキャストはネットワークセグメントを越えられませんが,異なるネッ トワークセグメントのホストにあるTSCドメインマネジャにTSCノード情報を配布す ることができます。
TSCノード情報の配布に必要な設定を次に示します。
●相手ホストの名称またはIPアドレスの指定
TSCドメインマネジャの開始時にtscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプション で,相手ホストの名称またはIPアドレスを指定します。この指定によって,相手ホス トのTSCドメインマネジャは,自TSCドメインで管理するTSCノード情報を自動的 に返します。ただし,相手ホストのTSCドメインマネジャはOTM 02-00以降でなけ ればいけません。
●TPBrokerのスマートエージェントの設定
TSCドメインマネジャは,tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションで指定 されたホストにあるTSCドメインマネジャを検索するために,TPBrokerのスマート エージェント(osagent)を使用します。異なるローカルネットワーク上のスマート エージェントを相互に接続するよう設定してください。この設定の詳細については,
マニュアル「Borland Enterprise Server VisiBroker デベロッパーズガイド」を参照 してください。
2.6.2 複数のネットワークセグメントで TSC ドメインを構
成する場合の注意事項
●TSCノード情報を基に各ネットワークセグメントのTSCドメインマネジャ間で確立 されるコネクションは,TSCノード情報の配布先または配布元のTSCドメインマネ ジャが終了するまで切断されません。TSCノード情報の送信間隔は,tscdmstartコマ ンドの-TSCSendHostIntervalオプションで指定します。
なお,ブロードキャストと同様に,TSCドメインマネジャ開始直後からTSCノード 情報は配布されます。そのため,ネットワークセグメント間を接続している回線使用 料が有料の場合は注意が必要です。
●TSCドメインマネジャは,自ホストと同じネットワークセグメントにある同じTSC ドメイン名称のTSCドメインマネジャと,TSCノード情報を互いにブロードキャス トします。そのため,TSCドメインマネジャは同じネットワークセグメント内の同じ TSCドメイン名称のTSCノード情報をすべて保持します。一方,TSCドメインマネ ジャは,tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションに指定したホストに対し ては,すべてのTSCノード情報を転送しません。-TSCSendHostオプションに指定 したホストに対しては,自TSCドメインマネジャが管理しているTSCノード情報だ けを配布します。そのため,ネットワークセグメントを越えてリクエストが転送され るようにシステムを構成するには,注意が必要です。
2.6.3 複数のネットワークセグメントでの TSC ドメインの
構成例
tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションを指定した場合のシステム構成例を以 降に示します。本文中の番号は図中の番号と対応しています。
図2-15 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例1
1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定し て,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ
ストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
2. ホストBにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアント アプリケーションを開始します。
3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストBにあるTSCノードに接続し た場合,リクエストはホストAに転送されます。
ホストBにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,
リクエストはホストAに転送されます。ホストBからの転送先は負荷状況に応じて 選択されるので,ホストCに転送されることもあります。
4. ホストAでサーバアプリケーションAがリクエストを処理します。
図2-16 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例2
1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定し て,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ ストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
2. ホストCにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアン トアプリケーションを開始します。
3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストCにあるTSCノードに接続し た場合,サーバアプリケーションAはホストCでリクエストを処理します。
ホストCにはサーバアプリケーションAがあるため,サーバアプリケーションAは
ホストCでリクエストを処理します。ホストCのサーバアプリケーションAの負荷 が高い場合でも,ホストAには転送されません。それは,ホストCには,ホストA のTSCノード情報がないためです。
図2-17 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例3
1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定し て,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ ストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
2. ホストDにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアン トアプリケーションを開始します。
3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストDにあるTSCノードに接続し た場合,リクエストはホストCに転送されます。
ホストDにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,
クライアントアプリケーションのリクエストはホストCに転送されます。
4. リクエストはホストAに転送されます。
ホストCのサーバアプリケーションAは負荷が高い状態なので,TSCノード間の通 信によって,クライアントアプリケーションのリクエストはホストAに転送されま す。それは,ホストCには,1.で配布されたホストAのTSCノード情報があるため です。
図2-18 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例4
1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定し て,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ ストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
2. ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEまたはホストFに あるクライアントアプリケーションを開始します。
ホストEまたはホストFのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSC ノードに接続した場合,ホストAにはサーバアプリケーションAがないため,リク エストはエラーになります。また,ホストAがホストBから取得したTSCノード情 報には,ホストCの情報は含まれないので,リクエストは転送されません。
図2-19 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例5
1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定し て,ホストBのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ ストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
2. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定し て,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホ ストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
3. ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストDにあるクライアン トアプリケーションを開始します。
4. ホストDのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSCノードに接続した 場合,リクエストはエラーになります。
ホストBにはサーバアプリケーションAについての情報があります。しかし,ホス トAがホストBから取得したTSCノード情報には,ホストCの情報は含まれないの で,リクエストは転送されません。