啓 明
2
昭和五十
二年発行
後 藤 尚 孝 縁 山 流 啓 明 の 解 説 参 照 大本山増上寺式師界創立二十周年記念 平成元年四月発行 縁 山 啓 明 集 参 照 東京法式会﹃櫨讃聾明音譜﹄大正十三年発行には﹁羽﹂
で終わっている︒当
時で
も﹁
徴
Lでは唱えられていない ことがわかる︒
3 (本論文は平成
二
年 度 浄 土
宗
教学布教大会における発表要旨
である)
知恩院 声 明伽陀の旋律について
毎年四月に修せられる祖山知恩院の御忌大会に随喜し
て︑荘重に流れる声明の余韻に引かれて︑宍戸栄雄師の
門に通うこと︑年久しいのですが︑出音図と目安博士に
よる笑唱は至難の業でありました︒
この末学の願望に︑また実唱の便の為にと宍戸栄雄師
によ
って︑目安博士を解読した﹁回旋譜﹂なるものが考
案きれて︑今では初学の人も習いやすくなっ
タ山
7 ‑ ・
E・
4ス グ
ております︒
声明の中の伽陀(摂益文)の旋律を︑
回旋諸によって説明し︑参考に供します︒
の
﹁スク﹂は﹁直グLであってまっすぐ
貫 良
ーー
'EZ
︐ ︐
の曲つてないきまを表わす︒五音のすべての﹁スグ﹂
が考︑えられるが︑その曲の核音である宮または徴の﹁ス
グL多く︑安定した音位で唱えられる場合が多い︒
実唱には前後に塩梅音を付けて唱︑えるのが常である︒
J;‑
Z~丈y← ~
144 ソ
反
商または徴より︑なめらかに三律ソリ上
り︑またもとの音になめらかに下降し︑更
に先きの音佼まで上昇するものである︒
﹁目性のソリ﹂は浅く(一律)︑﹁律性の
ソリ﹂は深く反る
( 三
律
) ︒
ともに出だしに
塩梅音をつけない︒
﹁半
ソリ
Lという前半分のソリで次の旋
Z ,~ "",,'"
" " " " " * " " " "
1‑一一一一一一一一一
3‑‑‑‑‑;'・2 山一一一一4"プヨ‑‑=‑‑
f =.2 一 一
一律に続くものがある︒
二L
ゆれ動くことで︑核音である宮または徴
の﹁スグ﹂を基本として︑浅くなめらかに
揺る(一律の五程)﹁呂性のユリ﹂と︑それ
より深く強く揺る﹁律性のユリ﹂がある︒
﹁ユ
リ
﹂は﹁三つユ
リ﹂
を基
本と
し︑
﹁ 二
つユ
リ﹂を略とする︒
﹁ ユ
リ分ケLという﹁ユリニ﹂を仮名で
連続させて一息で唱えるものもある︒
呂性では揺るところの高位低位の﹁拍﹂の割合を高を三に︑低をこの割で唱︑える︒
四
マク
リ
捲
商塩梅よりすくい出し︑角
立日 を基 にし て
五律ソリ上げ︑ゆるやかに角音にもとし︑
徴背へ上昇して﹁
ユリ
一Lをつけるのが原
型である︒
他の旋律型と複合する場合もある
︒
﹁
マク
ヨ一一一「弓一一了一‑
' t ̲
J/ o. C L ' " 一 一
/ 、
? 二二 O 7 ( , 二
宇一一一一一7i‑‑‑‑n
ν
yリ・
イロ
﹂など複合型の場合は︑あ
との
﹁ ユ
リ一﹂をつけない︒
五︑早上ゲ
塩梅を用いて角音をすくい出し︑五律ソ
リ上
リ︑
声をとめ(息切一フズ)角音へ下
リ ︑
徴音に早く上げ﹁ユリ一﹂をつける︒
伽陀に限られた旋律名である︒
六︑早下ゲ
塩梅を用いて角音をすくい出し︑
を行ない徴立日に上げて軽く当リ︑﹁アサ下
マク
リ
リ﹂の如く角音にもどして終る︒
﹁ア サ下 リ
Lスグに出した音を軽く当っ
て二律折り下げるものである︒
マクリ律下リ
伽陀などに使用される複合旋律型で︑最
後にタルミ(一律)をつけておさめる︒
七
も J
: J I
u v f
久
乙 白
d 当
︐ 占
AY
大
山
Z
J̲ J,、¥...1.
八︑片下リ受ケ
徴スグを出して軽く当り︑五律下の商音
に下げ︑角音に上げて︑仮名をひろい軽︿
当って
( ハ
ネル)商音にアサ下リの如く下
がり仮名をひろう︒複合型で
一息
に唱える︒ 九
︑ イ ロ タ レ 色 垂 レ
﹁イロ﹂ペタレ﹂の複合旋律型で用いら
れ︑半ソリまたはマクリが先行する︒
﹁イ
ロ﹂
は﹁
ユ
リ﹂
の
変型であり︑徴角
と徴角と二度音を短かく揺らす
︒﹁
タレ
﹂は
徴より商まで下降する(垂れ下がる
) ︒
十︑小由
コ
二L
商または羽で︑塩梅なく﹁スグ﹂に出し
やわらかに声をつまらせ(律を行ない)も
かど
との音に続けて︑角のあるこ律のユリを行
f
︑
︑
手' d
a ν
もとの音にもどす︒
十一︑落声
﹁ソリ﹂などの次にくる旋律型である︒
﹁ソ
リ落
声
Lの場合は︑ソリの終りの音で当
り(律を行ない)まるく立日を垂れ落す︒ オチゴエ 十二︑本下リ
﹁宮本下リ﹂﹁角本下リLが基本型であ
る︒ソリが先行している場合︑角立日を略し
﹁徴本下リ﹂と考えて︑徴羽とソリ上リ︑徴
より垂れて︑商スグにおさめる︒
z 事
Z Z
パ
以上伽陀(摂益文)に用いる旋律型を文字
眼式に対する解説ですが︑
にて
︑
これのみで
‑‑の独学の実唱は出来ません︒塩梅︑間(テン
ノニ二
ポ)︑音位のとり方︑呼吸法など師の口唱する
ゴ ご
ところを︑しっかりと耳識におさめて︑はじ
一一 一﹂ 一 めて伝承されていくものであります︒ 二 二 ぷ
声明がより多くの人に唱えられ︑厳粛なる
こ一
Z
法儀が修せられることを念じるものでありまヨ山 タ六
す︒
この解説は浄土宗法儀司穴土栄雄師のご指導と叡山
学院教授天納伝中師著﹃天台声明概説﹄によった︒
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