単元内容 和音による伴奏
単元目標 旋律にふさわしい和音づけをさせ,伴奏型,旋律型,テンポ,音 F,音域,前奏・間奏・後奏等の工夫をさせて,音楽を作る楽し
ウを味わわせる。
考察方法 単元目標と評価の関係性,評価と学習活動の関係性や評価に焦点 当てる
授業展開 (後述のとおり)
評価 音楽を作る楽しみを感じているか
題材名:和音による伴奏
教材名:音の重なりを工夫してアンサンブルをしよう 教材:きよしこの夜
対象学年:小学校5・6年生(高学年)
単元目標:旋律にふさわしい和音づけをさせ,伴奏型,旋律型,テンポ,音色,音域,前 奏・間奏・後奏等の工夫をさせて,音楽を作る楽しさを味わわせる。
指導計画:(全1時間)
時
第1時
学習内容
・和音を決め,コラールの型の伴奏をさせる。
・グループに分かれ,旋律と和音,バスを分担し,基本型(変奏曲のテーマに相当)
を演奏する。
・中問発表を行う。
・グループで話し合い,声部の分担や楽器分けをして,指導目標にあるような工夫を
自ら行う。
評価
評価の観点 評価基準 評価方法
音楽への関心・意欲・態度 旋律への和音づけを自分なりに行い,
ケ楽を作る楽しみを感じているか。
中間発表での発表
?ヤ発表後の活動への
謔闡gみ
展開
学習活動 指導上の留意点 児童の反応(評価)
1.和音を決め,コラール型 ・伴奏が和声の進行で行える の伴奏をする。 ことを児童に意識させる。
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2.グループに分かれ,旋律 と和音,バスを分担し,
基本型(変奏曲のテーマ
に相当するもの)を演奏
する。
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3.グループで話し合い,声 ・旋律から和音を探りあてる 部の分担や楽器分けをし 感覚にたよる方法を第一 て指導目標にあるような 義的に考え,旋律音から和
工夫をする。 音構成音を考える方法は
適宜指導するようにする。
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4。中間発表を行う。 ・形成的評価を行い,グルー ○旋律と和声との関係などの プの中での意識を高め合 音楽的要素をきちんと含ん いが成されるような声か でいるかをグループごとに
けを行う。 評価され,更なる創作への
意欲が高まる
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5.グループの表現をさらに 工夫していく。
〈考察〉
この指導展開例において注目したいのは評価についてである。第1章でも述べたように平 成元年に改定された学習指導要領に基づく 「つくって表現する」活動は,評価の側面にお いて非常に曖昧な点が多く見られるのである。この事例において単元目標と評価の基準,
さらに学習活動の連携に多少のズレが生じているように感じる。よって,考察においては 単元目標と評価の関係性,評価と学習活動の関係性など,評価に焦点を当てて考察を進め ていきたいと思う。具体的にはこの指導展開例において筆者が思う[着眼点]を挙げてい きそれに対する[筆者の批評コを述べ,考察していく。
[着眼点①]
旋律:にふさわしい和音づけをさせ,伴奏型,旋律型,テンポ,音色,音域,前奏・間奏・
後奏等の工夫をさせて,音楽を作る楽しさを味わわせる。
[筆者の批評①]
旋律にふさわしい和音づけという文言は非常に抽象的であるように感じる。どのような根 拠をもってして旋律にふさわしいとするのかを明確にする必要があると考えられる。さら にこの単元目標では指導するとした音楽的な要素が多いように感じる。小学生に指導する 内容は2・3項目がであり,それ以上の内容を指導しようとすると児童が消化しきれないこ とが予想される。さらに「音楽を作る楽しさを味わわせる」という鼠標と学習活動にずれ が生じているように感じる。この授業展開から授業の目標を推察すると「音の重なりの違 いによって曲の雰囲気が変わること」のように筆者は考えられる。
[着眼点②]
和音を決め,コラール型の伴奏をする。
[筆者の批評②]
「和音を決める」という記述があるが,これは和音ではなく和声進行と表記する必要があ ると考えられる。さらに「コラール型の伴奏をする」という記述についても教師が提示し た和声進行に従った和音のみによる伴奏を行うと記述すべきである。この活動の趣旨は児 童たちに和音による伴奏の経験をさせて次の活動につなげることであると考えられるが,
本来ならばこの活動で1時間の授業を行い,児童の中にレディネスを持たせることが必要 であると考えられる。
[着眼点③]
グループに分かれ,旋律と和音,バスを分担し,基本型(変奏曲のテーマに相当するもの)
を演奏する。
[筆者の批評③]
グループに分かれてグループごとの工夫を促そうという意図は児童の自主性を考えた授業 展開であると言える。しかし,グループの中で旋律と和音,バスというパートに分けたこ とに教育的意図があるとは考えにくい。なぜならば,重なった音が変化することによって
生じる和音の変化を体験する活動であるのに旋律のパートに当たった児童はその経験がで きないのである。さらに和音とバスというパート分けにも疑問を感じる。アカデミックな 和声進行に則した伴奏ではなく,児童たちの感覚によって伴奏を考えていくという趣旨が あるのにバスを一つのパートとして固定することでその自由な発想(バスパートを置かな いなど)を奪ってしまうと考えられるからである。例え,その後の活動でそれらの制約を 解いたとしても児童たちの中には潜在的にそのパート分けが存在してしまうことになると 考えられる。その危険を回避するためには,この活動は全体でやることにし,旋律は教師 が担当し,バスパートという名称を出さずに和音構成音として認識させることが必要であ
る。
[着眼点④]
中間発表を行い,形成的評価を行い,旋律と和声との関係などの音楽的要素をきちんと含 んでいるかをグループごとに評価する。
[筆者の批評④]
この活動は音の重なりの工夫をするという単元目標であれば非常に効果的な活動であると 考えられる。しかし,本指導計画での単元目標は「音楽を作る楽しさを味わわせる」こと であり,この活動における形成的評価がどのような効果をもたらすのかが不明である。音 の重なりを工夫する楽しさを追求するだけであるならば,構成や旋律との兼ね合い,和声 の進行などの発表・評価という活動は必要ではないと考えられる。この活動をするのであ れば,単元目標の中に楽しさだけではなく,音の重なりによるエネルギーや雰囲気の変化
を学習する過程が必要ではないかと考えられる。
〈指導展開例②〉
この指導計画では児童の身のまわりにある(音楽室にあるような楽器では無い)音素材 を用いて表現を工夫するという学習活動である。ただ活動をして終わるというものではな く,児童が音素材に持ったイメージを集約し,最後は鑑賞の活動につなげている。指導計 画者はこのような活動を通し,児童たちは自分たちの表現と作曲家が考えた表現の工夫を 比較することで鑑賞教材に更なる興味を持つと考えていると思われる。
本授業の概要 単元内容 様々な音素材を使った即興表現
単元目標 身近にあるものの中から紙を使って自由に音を工夫する。
H夫した音からイメージしたものを表現する。
考察方法 音素材を限定することや学習の評価に焦点を当てる 授業展開 (後述のとおり)
評価 後述の評価計画による
題材名:様々な音素材を使った即興表現 教材名:嵐を表現しよう
教材:紙
対象学年:小学校3・4年生(中学年)
単元目標:身近にあるものの中から紙を使って自由に音を工夫する。
工夫した音からイメージしたものを表現する。
指導計画:(全1時間)
時 第
1
時
学習活動
・一№フ紙を使って工夫した音を見つける。
・工夫して見つけた音のイメージを考える。
・「嵐」の音を表現する。
・ロッシーニ作曲の「ウィリアムテル序曲」より「嵐」を聴き,その情景を想像する。