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「イギリスにおける創造的音楽学習の教育実践」

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第1節 「イギリスにおける創造的音楽学習の教育実践」

〈実践事例〉

 ここでは創造的音楽学習の先進国であるイギリスの授業実践を考察したいと考える。こ の実践は日本学校音楽教育実践学会の第15回全国大会(2010年忌において発表されたも のである。イギリスのナショナルカリキュラム(全国標準カリキュラム)で重視されてい る到達目標(日本で言う学習目標・評価基準に当たる)に焦点を当てた授業実践である。

そのため,児童を無作為に抽出しその児童の反応をまとめ,その反応を基に授業者が行っ た評価を後述し,それを中心に実践を考察していく。

 児童は初めて触れる西アフリカの伝統的なドラム演奏を基軸にし,グループごとにそれ を即興的に展開していくという活動を体:験し,設定課題に到達できるように挑んでいる。

本題材の学習までに行った 「式典行事で演奏する曲については特に社会的で活発で時にはダ 授業内容 ンスを含むような音楽を対象としている。児童たちはこれら(テ

クスチュア,音色,テンポ,リズムパターン)を実際にドラムな どで演奏しながら様々に変化させることを確かめた。そして,テ クスチュア,音色,テンポ,リズムパターンが,様々な式典にお ける目的に相応しい音楽をつくるにはどのような変化を与えるこ とでその課題が達成できるのかを探求し,確かめた。」よってその ことを踏まえた上で以下の学習過程を見ていく必要がある。

本授業の概要

設定課題

一定の拍の中で構造や各パート間の関連について考えながら,グ

(単元目標)

ループで即興的な演奏をする。

考察方法 本節では,イギリスにおける学習活動の考察を展開するにあたっ て,A児の反応に注目して授業構成について筆者なりの批評・改 善点を述べていくこととする。

授業展開 (後述のとおり)

評価 『概評』『音楽の性質の理解』『創造的な音楽づくりを通してのコ ミュニケーション』『実践の評価と通知』『次のステップ』以上の 5観点による。

単元内容:西アフリカの伝統的なドラム演奏を,それとは異なった種類の音楽(すでに      学習している式典行事で演奏する曲)と比較することによって探究を深める。

教材名:西アフリカの伝統的なドラム演奏 教材:ジェンベ,バスドラム,アゴゴベル 対象学年:キーステージ3の児童

設定課題(単元目標):一定の拍の中で構造や各パート間の関連について考えながら,

      グループで即興的な演奏をする。

※ここでは本題材を学習する前にすでに行事で演奏する音楽を学習している。その内容は  以下の通りである。

「式典行事で演奏する曲については特に社会的で活発で時にはダンスを含むような音楽を  対象としている。児童たちはこれら(テクスチュア,音色,テンポ,リズムパターン)

 を実際にドラムなどを演奏しながら様々に変化させることを確かめた。そして,テクス  チュア,音色,テンポ,リズムパターンが,様々な式典における目的に相応しい音楽を  つくるにはどのような変化を与えることでその課題が達成できるのかを探求し,確かめ  た。jよってそのことを踏まえた上で以下の学習過程を見ていく必要がある。

〈抽出児童Aについての概要〉

児童Aはキーステージ3においてレベル3と判定された。なお,実施された学校名・学年 は伏されているため不明である。

児童Aがレベル3と判定された根拠は以下のとおりである(引用)。

「生徒Aは音楽に関心をもち、音楽について初歩的な理解はしている。しかし形式や構造 についての意識はまだ十分発達していない。そして課題を達成するために友達のサzrv一一一ト を必要とする。」

 つまり,音楽に対する興味・関心は高いが音楽への理解がまだ十分ではなく,自分で音 楽の構造や要素を踏まえて表現を考えるといったところまでは達していないということが 考えられる。

〈考察方法〉

本節では,イギリスにおける学習活動の考察を展開するにあたって,A児の反応に注目して 授業構成について筆者なりの批評・改善点を述べていくこととする。

授業展開

学習活動 指導上の留意点 抽出児童の反応

1,リズムパターンを保 ・授業を行う際は教師を囲むよう ○ジェンベを用いてアンサンブルに つ に馬蹄形に生徒を並ばせる。 参加しようとするが,演奏に自信

が持てずに自分に与えられたリズ

・生徒に指導する際には教師も実 ムパターンを維持することができ 際に楽器を用いて範奏する。 ない。

○授業に対して課題意識を持てな い。(最初からか途中からかは不 セ)

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2,拍を保つ ・核となる拍を取る生徒を中心に ○一定の拍に乗せて演奏することは インターロッキングで様々なリ できているがアンサンブルを意識 ズムを取り入れるように指導す することが出来ていない。(リズム

る。 ではなく拍を打っていた)

9  一  層  ,  嘘   ロ   一  一  一   薗  一   一   騨  鰯  −  層  闇  曹  一  一  一  甲  一  轄  輌  一  層  一  一  一 一  一  冒  塵  藺  曜  冊  卿  一  層  一  一  一  一  一   「  一  印  願  冒  一   一  一  一  一  一  「   一   口  卿  尊  騨  曜  層  一   一  一  一  一  一  匿  甲 一  一  F  ●   ■  圃  一  一  一  一  一  一  一  一  凹  一  甲  噛  鴨  冒   −  需  一  一  一  一  一  冨  一  ■  一  一  一  一   脚  甲  需  一  帽  一  一  一  一

3.構成を展開する ・拍を取る役割であるバスドラム ○アゴゴベルで演奏に参加するが一

①リズムパターンを用 から演奏を開始させ,グループ 定の拍にのって演奏するのに苦労 いた即興演奏をす 全員が拍感を持って演奏できる しており,ほかの楽器よりも1小

る。 ようにする。 節早く終わってしまった。

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4.記述によって自分 ・生徒の振り返りの感想を元に中 ○楽曲の全体的な構造を捉え,かつ の演奏を振り返る 間評価を行う 演奏について混乱があることを認

・振り返りをさせる際に反省から 識できている(*a)。しかし自分の反 改善方法も同時に考えさせる。 省と改善方法について矛盾が見ら

れる(*b)。

一   一   一   一   一   巳   鱒    胴    一   ,   一    齢   一   一   一   一   ■   一   一   一   一    一   禰   ■    隔    ロ   一   一   一   幽 噌  一  鴨  r  翻  霜  需  卿  胴  一  ■  一  一  ■  一  r  噌  }  ロ 一  一  願  一  噂  胃  ,  一  一  胴  一  一  一  一  一  騨  一  一  一  鴨    ρ  一 一噛繭醜,一一冒一一一一一一一「一一噛庸罰一一冒■闇一一一一一昌一一噂薗囎噌一一一一一一

一  圃  冒  一  一  一   ■  一  一  雫  申   顧   胃  需   一  闇  帽  一  冒  一  冒  冒  一  一  一  一  一   一  一   一 一  ,  一  曹  一  一  一  一  ,  噌  層  一  一  一  噂  r  一  騨  一 9  巳  辱  甲  層  一  ■  _  一  一  }  噂  ,  P  _ _  需  _ _  一  曹  幽  一 隔   冒  一  一  一  曽  幽  }  棚     冨  冒  一  一  冒  一  一  一  一  一  曽  聯  甲  一  一  冑  一  }  葡  一  謄  一  一   一  曽  甲  脚  曜   ロ  一  一  一    一

5.作品をグループで発 ・演奏が想定していたものから外 o演奏する中で音の重なりを意識す 表する れたとしても即興でつなげるよ ることができていなかった。拍に

うに指示をする。 のって即興演奏することができな

い。

①自分のグループの発 ・生徒の記述から最終的な評価を

表をする。 行う。その際に生徒の変化に着

目するようにする。

②他のグループの発表

を聞く。

尊  曝   噌  騨  冒  一  一  一  一  襯   脚  隔   一   一  一   一  一  一  噂  騨  ¶  一  ■  一  一  一  一  幽  喝  ■ 囲  幽   一  一   一  ,  一  9  ,  一  }  一  一  ■  一  一  一   一  陶  一  一  一  一  一  一  一  一  暫  騨   ロ  一  冒  ■   一   「  6  −  −  一  冒  一  一 騨  一  一  廟  層  r  一   一   ρ  ■  一  一  一  一  「  一  噛  冒  ,  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  尊  一  騨  ,   噛  一  一  一  辱  m  噌  一  ,  一

6.記述によって振り返 。自分の演奏をメタ認知することが

りをする。 でき,改善点もあげることができ

ている(*c)。

o他のグループの構成や形式につい てなど客観的な理解はできてい る。さらに改善点も述べることが

できている(*d)。

〈児童Aの評価や振り返りにおける記述〉

以下には抽出児童Aが本学習において書いたワークシートの記述である。どの時点での記 述であるかは,「授業展開」の中に記してあるアルファベットに従う。

評価の場面と評価設問

児童Aの記述内容

中問評価における児童

̀の記述(*a)

加わったというルールがわかりました。そして演奏を終えたとき,少 オごちゃごちゃしています。それでもっと練習が必要です。

次の活動に向けての児 カAの記述(*b)

打楽器のためのソロ演奏ともっと多くのパートが必要です。それから 謔闡スくのパートが必要です。

最終評価における児童

̀の振り返りの記述

i*c)

設問1:打楽器作品についてどのようにうまくいったと思いますか。

u  一  一  一  一  一  一  一  一  鞘   一  騨   }  一  一  一  一  一  一  一  一   一  一  }  一  一  一   一   }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一   一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一

答1:ある部分はとてもよくなかった。そして,よくなってきてそん

@  なに悪くはなかった。

設問2:あなたの作品について何がよかったですか。

D 一  髄  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  甲  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一

答2画工イミングがすごくよかった。それから形式と構造もよかった。

設問3:作品をよりょくするためにどんなことをしましたか。

E 一  一  一  一  『  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  }  一

答3:重量感を出すために即興パートに力を入れた。

ほかのグループの発表

聞いた児童Aの評価

i*d)

設問1:他のグループの作品でうまくいっていたことは何ですか。

D  }  一  一  一  一  岬   層  一  一  一  一  一  一  一  輌  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一   一  一  一  一  一  一  一  一  一

答1:最初はいい構造をしていた。そして作品がどのように始まり,

@  どのように進むかという形式がとても良かった

高高2:彼らが作品をよりょく発展させるために,あなたはどのような

@  ことを助言しますか。

u 一  一  一  一  一  甲  騨  一  一  一  辱  一  一  一  一  }  一  一  一  一  }  }  一  一  一  }  一  一  一  }  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  騨  一  一  一  一  一  一  一

答2:タイミングをもうちょっと合わせるとよい。そして,鈴をもう

@  少し感覚を詰めて鳴らすとよい

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