この章では、故障または故障予測が発生した物理ドライブの交換手順を説明しています。
冗長性のあるロジカルドライブでは、故障したドライブの代わりに新しいドライブを接続することで、自動的にリビルド が行われます。冗長性のないロジカルドライブでは、ドライブが故障した後はデータが失われているため、そのロジカル ドライブを一度削除した上で、データをバックアップ等から復旧させる必要があります。
以下の順に作業します。
1. 故障または故障予測が発生した物理ドライブの搭載位置を、Slot番号等から特定します。
また、交換する物理ドライブが、どのロジカルドライブに含まれているか、またそのRAIDレベルを確認します。
詳細は故障または故障予測が発生したドライブの特定を参照してください。
2. 以下のいずれかの手順でドライブを交換します。
交換対象がロジカルドライブ内の物理ドライブの場合:
- RAID 1、5、6、10、50、60の場合:冗長性があるロジカルドライブでの手順を参照してください。
- RAID0の場合:ロジカルドライブに冗長性がないロジカルドライブでの手順を参照してください。
交換対象がホットスペアの場合:
- 物理ドライブを交換し、ホットスペアに再設定してください。
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のグローバルホットスペアの作成または専用ホットス
ペアの管理
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブをグローバルホットスペア
に設定するまたは物理ドライブを専用ホットスペアに設定する
故障または故障予測が発生したドライブの特定
故障した物理ドライブは、以下のいずれかの状態となります。
Failed
Unconfigured Bad
Missing
Offline ※ドライブに対して、手動でMake Offlineの操作をした場合
(ドライブなし) ※ドライブを認識していない場合
故障予測が発生した物理ドライブは、追加のStatusとして、以下の状態となります。
S.M.A.R.T. Error
その物理ドライブを含むロジカルドライブは、以下のいずれかの状態となります。
Online ※物理ドライブは故障予測で、まだ故障していない場合
Degraded
Partial Degraded
Failed
Offline
(ロジカルドライブなし) ※ロジカルドライブ配下の物理ドライブが動作していない場合 物理ドライブの状態やロジカルドライブの状態の詳細は、それぞれのページを参照してください。
また、状態の表示方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のVD MgmtメニューやPD Mgmtメニュー
- HII Configuration Utilityを使用する、場合はロジカルドライブの管理や物理ドライブの管理
冗長性があるロジカルドライブでの手順
冗長性があるロジカルドライブでは、以下の順に作業してください。
1. 交換する対象以外の物理ドライブが、故障していないことを確認します。
これで、ロジカルドライブ内で複数のドライブが故障することによるデータの消失を防ぎます。
複数の物理ドライブが故障している場合、確実に作業するため、1台ずつ行うことを推奨します。
NOTE: RAID 6ロジカルドライブでは、最大2台までは物理ドライブが故障しても、データが消失することはありませ
ん。
2. 故障予測が発生している物理ドライブを交換する場合、交換する対象の物理ドライブの位置を特定するため、以下 のいずれかを行います。
- 物理ドライブにロケートを操作し、LEDを点滅させる
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル - OOBを使用する場合は、iRMCのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のLED点滅の操作
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブのロケート
- 物理ドライブをオフラインに設定し、LEDを点灯させる
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のドライブをオフラインにする
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブをオフラインにする
NOTE: ホットスペアが設定されている場合、ここでホットスペアのドライブへリビルドが開始されますが、交換
する対象の物理ドライブは変わりません。
3. 物理ドライブを、新しいものに交換します。
NOTE: ホットスワップがサポートされていないサーバでは、サーバの電源を落とし、物理ドライブを交換した後、サ
ーバの電源を入れてください。
交換した物理ドライブへリビルドが開始されるか、またはホットスペアへ設定されます。
自動でリビルドが開始されなかった場合は、Auto Rebuild設定が無効化されている可能性があります。この場合は 手動でリビルドを開始してください。
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブのリビルドの実行
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブの手動リビルド
自動でホットスペアに設定されなかった場合は、手動でホットスペアに設定してください。
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のグローバルホットスペアの作成または専用ホットスペアの
管理
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書の物理ドライブをグローバルホットスペアに設定 するまたは物理ドライブを専用ホットスペアに設定する
4. リビルドが行われている場合、完了を待ちます。
冗長性がないロジカルドライブでの手順
冗長性がないロジカルドライブでは、以下の順に作業してください。
1. 故障予測が発生している物理ドライブを交換する場合、必要に応じて、そのロジカルドライブにあるデータをバック アップします。
2. ロジカルドライブが残っている場合、そのロジカルドライブを削除します。
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のロジカルドライブの削除
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書のロジカルドライブの削除
3. 物理ドライブを、新しいものに交換します。
NOTE: ホットスワップがサポートされていないサーバでは、サーバの電源を落とし、物理ドライブを交換した後、サ
ーバの電源を入れてください。
4. ロジカルドライブを再作成します。
NOTE: 操作方法は、ご使用のツールに合わせて、それぞれ以下を参照してください。
- ServerView RAID Managerのマニュアル
- Ctrl-R Utilityを使用する場合は、この文書のロジカルドライブの作成またはCacheCade Pro 2.0 ロジカル
ドライブの作成
- HII Configuration Utilityを使用する場合は、この文書のロジカルドライブの手動作成またはCacheCade
Pro 2.0ロジカルドライブの作成
5. バックアップから、ロジカルドライブのデータを復旧させます。