この章では、SAS RAIDコントローラ上のRAID構成の作成と参照に使用する、Ctrl-R Utilityについて説明します。オペレ ーティングシステムをインストールする前に、ドライブグループやドライブを構成できます。
概要
Ctrl-R Utilityは、SASコントローラのBIOSに含まれ、オペレーティングシステムとは別に動作します。Ctrl-R Utilityで、以 下のようなタスクを実行できます:
ドライブグループとロジカルドライブの作成
コントローラ、物理ドライブ、ロジカルドライブ、エンクロージャ、Flash Backup Unit (FBU)のプロパティを参照、ま たはパラメータを変更
ロジカルドライブを削除
電源の設定を変更
Foreign Configuration (外部構成)情報のインポートと消去
ロジカルドライブの初期化
データ整合性のためのチェック
CacheCadeロジカルドライブの作成
Ctrl-R Utility の開始
Ctrl-R Utilityを開始するには、システムのブート時に次のステップを行います:
1. システムのブート中に、次のダイアログが表示されている間に<Ctrl> + <R>キーを押します:
Copyright© LSI Corporation Press <Ctrl><R> for Ctrl-R
2. システムに搭載されているコントローラによって、次のいずれかのシナリオになります:
システムに複数のコントローラがある場合: Controller selectionダイアログが表示されます。目的のコントローラ を選択して<Enter>キーを押します。Ctrl-R Utilityのメイン画面が表示されます。
システムに1つのコントローラのみある場合: Ctrl-R Utilityのメイン画面が表示されます。
Ctrl-R Utility の終了
Ctrl-R Utilityを終了するには、次のステップを行います:
1. 次の操作を行います:
現在ダイアログが表示されていない場合、<Esc>キーを一度押します。
現在ダイアログが表示されている場合、<Esc>キーを二度押します。一度目でダイアログを閉じ、二度目でユー ティリティを終了します。
確認メッセージが表示されます。
2. OKを押します。
Ctrl-R Utility のキー操作
次の表に、Ctrl-Rユーティリティの画面上で使用するキー操作を示します。
表 16: Ctrl-R画面上のキー操作 キー操作 アクション
F1 現在表示されている画面のヘルプメッセージを表示します。
F2
選択されたデバイスに対して操作可能なコマンドを表示します。このキーは、VD Mgmt, PD Mgmt, Foreign Viewメニューでのみ有効です。有効なコマンドは白でハイライトされ、無効なコマンドは黒でハイライトされま す。
NOTE: 構成によって、使用できるコマンドと使用できないコマンドがあります。
F5 現在表示されている画面を更新します。
F11 コントローラを切り替えます。
F12 コントローラのリストを表示します。別のコントローラに移動できます。
<Ctrl><N> 次のメニュー画面に移動します。
<Ctrl><P> 前のメニュー画面に移動します。
<Ctrl><S> コントローラのプロパティ画面で、Apply ボタンのショートカットキーです。
<Tab> カーソルを画面上の次の項目に移動します。
<Shift><Tab> カーソルを画面上の前の項目に移動します。
<Enter> アイテムを選択、ボタンを押す、リストのボックスにチェックを入れます。
<Esc> 現在のスクリーンを閉じます。
上矢印 カーソルを上の選択に移動します。
下矢印 カーソルを下の選択または上位のメニューに移動します。
右矢印 サブメニューを開く、次のサブメニューに移動する、またはサブメニューの最初のアイテムに移動します。また は、ポップアップ表示を閉じます。
左矢印 サブメニューを閉じる、前のサブメニューに移動する、またはサブメニューから上位のメニューに移動します。
スペース アイテムを選択、またはボックスにチェックを入れます。
Ctrl-R Utililty のメニュー
Ctrl-R Utilityには次のメニューがあります:
VD Mgmt PD Mgmt Ctrl Mgmt Properties Foreign View
VD Mgmt メニュー
VD Mgmtメニューは、Ctrl-R Utilityを開始したときに最初に現れる画面です。
図 14: VD Mgmt
この画面では、コントローラ上の構成、ドライブグループ、ロジカルドライブを表示します。右のパネルでは、選択され たデバイスの属性を表示します。
Virtual Drive Management画面では、ロジカルドライブの作成と初期化、MDCの実行、削除、拡張、Foreign
Configurationのインポートと消去、CacheCadeロジカルドライブの作成などが行えます。
NOTE: コントローラの設定によって、選択肢の有効・無効が変わります。
PD Mgmt メニュー
PD Mgmtメニューでは、コントローラに接続された物理ドライブの情報を表示します。この画面ではさらに、エンクロー
ジャ、エンクロージャ内の物理ドライブ数、バックプレーンに接続されたドライブを表示します。
図 15: Physical Drive Management
右のパネルでは、選択されたデバイスの追加の属性を表示します。
Drive Management画面では、故障したドライブのリビルド、ドライブのオフライン、ホットスペアの作成などが行えま
す。
Ctrl Mgmt メニュー
Ctrl Mgmtメニューでは、選択されているコントローラの設定を変更できます。Ctrl Mgmtメニューは2つの画面で構成さ
れています。
最初の画面(下の図)では、コントローラBIOSの有効化、PD故障履歴の管理、エラー時のBIOS停止設定などのコントロ ーラのオプションを変更できます。さらに、リビルドやパトロールリードなどのレートを設定できます。
図 16: Controller Settings – 最初の画面
2番目の画面(下の図)では、リンク速度の変更、節電機能、バッテリ設定などの変更が行えます。
図 17: Controller Settings – 2番目の画面
Properties メニュー
Propertiesメニューでは、現在のコントローラのプロパティを表示します。このメニューは、2つの画面で構成されていま
す。この画面に表示されている内容は、読み取り専用です。
最初の画面(下の図)では、コントローラのファームウェア版数、BIOS版数、メタデータのサイズ等を参照できます。
図 18: Properties
追加のプロパティを参照するには、Nextボタンへ移動して<Enter>キーを押してください。次のプロパティ画面では、キ ャッシュサイズ、ドライブのスタンバイ時間、節電の設定などが参照できます。
前の画面に戻るには、Prevボタンへ移動して<Enter>キーを押してください。
Foreign View メニュー
構成されている物理ドライブが取り外しと再挿入されたり、別個体のコントローラへ移動した場合には、コントローラは これらのドライブに存在するRAID構成を読み取り、Foreign Configuration (外部構成)であると判断します。
Foreign Viewメニューは、コントローラがForeign Configurationを検出した場合にのみ表示されます。Foreign Configurationがない場合は、Foreign Viewメニューは表示されません。
図 19: Foreign View メニュー
Foreign Config View画面で、Foreign Configurationのドライブグループ、ロジカルドライブ、物理ドライブ、ホットスペア などの情報が参照できます。
Foreign Viewメニューでは、Foreign Configurationのインポートや消去を行えます。
ソフトウェアライセンスの管理
Ctrl-R Utilityを使用して、MegaRAID Advanced Software Optionsのライセンスキーの有効化を行うことができます。ライ センスキーは、Activation Keyと呼ばれる場合もあります。
拡張機能を使用するには、ライセンスキーを有効化する必要があります。
Advanced Software Options のライセンスキー入力
Activation Keyを入力するには、次のステップで行ってください。
1. VD Mgmt画面で、コントローラを選択して<F2>キーを押してください。
2. Advanced Software Optionsを選択して、<Enter>キーを押してください。
次の図のように、Manage MegaRAID Advanced Software Options ダイアログが表示されます。
図 20: Manage MegaRAID Advanced Software Options
Activated MegaRAID Advanced Software Options ボックスに、Adv SW OptionとLicenseが表示されます。
Adv SW Option には、コントローラが持っている機能の名称が表示されます。
License には、ライセンス状態が表示されます。トライアル期間中か、または無期限(Unlimited)が表示されま
す。
Safe ID とSerial Number は、コントローラにより生成された番号が表示されます。
3. Activation Keyフィールドに、正しいActivation Keyを入力します。
4. Activateを押します。
次の項目にある、Advanced Software Options Summary ダイアログが表示されます。
5. Unlimited Keyの有効化に併せてTrial Keyを無効化する場合は、Deactivate Trialsを押します。
Deactivate Trial ダイアログが表示されます(次の図に例を示します)
図 21: Deactivate Trial ダイアログ
6. 次のいずれかを行います:
トライアルキーを無効化したい場合は、Yesボタンを押してください。
トライアルキーを無効化したくない場合は、Noボタンを押してください。
Activation Keyに入力したキーが間違っている場合、以下のメッセージが表示されます。
シナリオ1
Activation Keyが無効(invalid)な場合、以下のメッセージが表示されます。
図 22: Invalid Activation Key メッセージ
シナリオ2
Activation Keyに空白(blank)またはスペースが入力された場合、以下のメッセージが表示されます。
図 23: Activation Key Left Blank
シナリオ3
Activation Keyが誤っており(incorrect)、コントローラで認証できない場合、以下のメッセージが表示されます。
図 24: Activation Key Mismatch メッセージ
Advanced Software Summary 画面と有効化
Manage MegaRAID Advanced Software Options 画面でActivateボタンを押した場合、次の図のようにAdvanced Software Options Summary ダイアログが表示されます。
図 25: Advanced Software Options Summary
Summary ボックスには、行ごとに拡張機能のリスト、元の状態、新しい状態が表示されます。
Adv SW Options の列には、機能の名称が表示されます。
Former Status の列には、Activation Keyを入力する前のライセンス状態が表示されます。
New Status の列には、Activation Keyを入力した後のライセンス状態が表示されます。
内容を確認し、よろしければFinishボタンを押してください。
Trial Software Key の有効化
Trial Keyを有効化する場合、以下のように表示されます。
図 26: Trial Software Keyの有効化 内容を確認し、よろしければFinishボタンを押してください。