PZTC PZTD
V o ltag e [ V]
図3.3 無負荷試験電圧波形
31
-表9 実効値
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
0~1s 2.17 1.23 1.42 0.76
0~2s 1.53 0.916 1.00 0.54
0~3s 1.25 0.751 0.818 0.44
本実験は先ほど説明した実験概要の写真と同じ実験構成をとり、先ほどの場合は0.3mm のステップ加振をフラップ棒を用いることで入力したが、本実験においては0.1、0.2、0.3、
0.4mmと入力量を変化させながらステップ加振を入力した場合の特性を検証する実験であ
る。対象としてはPZT圧電デバイス4種全てを対象として行った。
図3.5と図3.6、図3.7はそれぞれPZT圧電デバイスによる出力の最大電圧値、絶対積分
値、実効値を示している。実効値は線形性を有しており、変位である入力量に比例すると いうことが図よりわかる。
図3.4 実験概要
32
図3.5 入力特性(最大電圧値)
図3.6 入力特性(絶対積分値)
33
図3.7 入力特性(実効値)
34
3.2.3 圧電デバイスの負荷実験
本実験では先程の無負荷試験との比較としてPZT圧電デバイスに負荷抵抗をつなぎ、
0.3mmのステップ加振を入力した負荷試験を行う。実験構成は同様である。実験結果を以
下に示す。
実験波形は負荷抵抗として1kΩを負荷したものであるが、今回の図3.8の波形を見ると無 負荷の場合と同様にPZTA圧電デバイスの出力電圧が最も大きいことがわかる。一番顕著と いえるのが負荷抵抗をつなぐことによって、無負荷の場合と比べて波形が変化するという ことである。無負荷の場合の波形ではオフセットを持つような波形であった。一方で、1kΩ を負荷した場合の波形は非常に振動的で細かいメカニカルな振動に加え、低周波による振 動成分が加わってきていることが図3.8よりわかる。PZTA圧電デバイスに関しては包絡し ていく過渡状態に大きな変化は見られないが、無負荷試験では一番減衰が小さかったPZTB 圧電デバイスには無負荷試験と比べ、減衰が少々大きくなっている様子が見られる。
最大電圧値に関してはすべて1kΩを負荷し、結果として1桁小さくなっている事がわか る。先ほど異なりPZTA圧電デバイスがどの時間制限の範囲に関しても最も大きいことがわ かる。実効値に関しても同様でPZTA圧電デバイスがどの条件に対しても大きいことがわか る。これらの事柄からPZT圧電デバイスの電圧は負荷抵抗に依存することがわかる。その ため電源、電圧源とはならないことがわかります。
図3.8と表10,11,12より電圧最大値、電圧の絶対値積分、電圧の実効値共にPZTA圧電デ
バイスが最も良い。図3.8を用い、図3.13に示すように四つデバイスの電力評価を示した。
示した図により、表13,14,15に算出されたように電力最大値、エネルギー、単位面積エネ ルギー共にPZTA圧電デバイスが最もよい結果となった。表16よりPZTA、PZTB、PZTC、
PZTD圧電デバイスすべてにおいて共振周波数を確認することが出来た。共振周波数は電圧 波形より振動周期より解析的に求めたものである。四つデバイスの無負荷の場合と負荷の 場合の共振周波数はほぼ変わらない。
35
図3.8 4つのPZT圧電デバイスの負荷試験結果
表10 最大電圧
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
Vmax [V] 0.65 0.32 0.044 0.15
表11 絶対値積分
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
0~1s 0.0036 0.0031 8.7 e-4 0.0022
0~2s 0.0040 0.0036 0.0012 0.0026
0~3s 0.0044 0.0040 0.0016 0.0030
表12 実効値
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
0~1s 0.026 0.015 0.0028 0.0094
0~2s 0.019 0.011 0.0020 0.0067
0~3s 0.015 0.009 0.0017 0.0055
36
図3.9 四つのPZTの電力評価
表13 電力最大値( ) 種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
Wmax [V] 4.24e-4 1.0e-4 2.4e-4 1.9e-4
表14 出力エネルギー
( )
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
0~1s 6.916 e-7 2.367 e-7 7.866 e-9 8.894 e-8
0~2s 6.918 e-7 2.370 e-7 8.086 e-9 8.916 e-8
0~3s 6.920 e-7 2.373 e-7 8.300 e-9 8.940 e-8
max max max
[ W ] v i
P
3 , ) ( ]
J
[
0v t idt t E t
37
-表15 単位面積エネルギー( )
種類
値 PZTA PZTB PZTC PZTD
0~3s 2.77 e-9 7.94 e-10 3.16 e-11 7.84 e-10
表16 共振周波数
種類
f[Hz] PZTA PZTB PZTC PZTD
無負荷 595 255 625 423 負荷 610 258 595 385
/A ]
J/mm
[ 2 E
D
38 -3.2.4 圧電デバイスの負荷整合
先ほどの負荷試験結果から電圧波形は負荷抵抗に依存することが確認できたため負荷抵 抗の値を変化させながら電力、エネルギーなどがどのように変化するのかという特性変化 を検証する。実験構成としては今までの構成と同様である。
まず、PZTA圧電デバイスを対象として負荷特性を調べ、負荷整合実験を行っていく。圧 電デバイスに0.2mmのステップ入力信号を入力して負荷が100 Ωから3M Ωまでという実 験を行った。負荷電圧特性を図3.10のように示した。図から、抵抗を大きくするに従って 電圧が若干上昇することが分かる。しかし、抵抗を無限大に近づけると電圧が無負荷時の 電圧に接近していく。無負荷時の共振周波数とほぼ一致していることとともに、負荷が変 化しても共振周波数が変わらないが、減衰率が異なることが分かる。負荷パワー特性を図 3.11に示した。図から分かるように12.8KΩでパワーが最大となることを確認した。従って、
12.8 KΩというパーワ負荷整合が見つけられた。
図3.12と図3.13と図3.14に示したのは入力ステップ振幅0.2mm、0.3mm、0.4mmに対す る負荷電流特性、負荷パーワ特性、負荷エネルギー特性である。図3.12から、加えた振幅 を大きくすると電流値が上昇し、抵抗値を大きくすると電流値は単調減少であることが分 かる。図3.13より、パワー負荷整合値が12.8KΩであり、エネルギー負荷整合値と等しいは ずだが、図3.14から、エネルギー負荷整合値が100 KΩとなっている。それに、入力ステッ
プ振幅が0.4mmより大きくすれば、簡単に5 m Wを上回ることができることが分かる。
そこで、電力最大となる負荷抵抗値とエネルギー最大となる負荷抵抗が異なる原因を解 析していく。実際圧電デバイスが共振している際に内部をコンデンサというモードと考え られているため、コンデンサのインピーダンスは共振周波数に依存する。図3.15から分か るように抵抗100KΩの電圧出力のパワースペクトルに39Hzと586Hzという二つの共振点 が現れた。39Hzと586Hzに対応するバンドパス(フィルタ)を適用した時間応答波形を図3.16 に示している。BPフィルタの時間応答波形により、39Hzでは振動時間が非常に長いが、
586Hzで振動時間が非常に短いことが分かった。下記(1)式より、ωが大きい方(586Hz)が
Zが小さくなり、電力が大きくなることが分かる。(1)式より、ωが小さい方(39Hz)がZ が大きくなり、(2)式より、電力がそれほど大きくないのだが、減衰しにくいため、(3)式よ り電力波形の面積が大きくなる。従って、39Hzでエネルギーが最大となる。
39
-図3.10 PZTA圧電デバイスの負荷-電圧特性(振幅0.2mm)
V o lta ge [V]
2.19 2.20 2.21 2.22 2.23 2.24 2.25
-2 0 2 4 6 8 10 12
Time [s]
図3.11 PZTA圧電デバイスの負荷-
パーワ
特性(振幅0.2mm)2.19 0
2.19 4
2.19 8
2.20 2
2.20 6
2.21 0 -2
0 2 4 6 8 1 0 1 2
x 10
-4Time [s]
Pow er[ W]
100
1K
10K
12.8K
100K
1M
3M
40
-図3.12 PZTA圧電デバイスの負荷-電流特性
図3.13 PZTA圧電デバイスの負荷-パーワ特性
41
-図3.14 PZTA圧電デバイスの抵抗変化に対するエネルギー特性
インピーダンス:
Z =
jωC1(1)
電力:P(t) =
V(t)Z 2(2)
エネルギー:
W=∫ 𝑃(𝑡)𝑑𝑡
0∞(3)
図3.15 電圧出力のパワースペクトル(抵抗負荷100kW)
42
図3.16 BPフィルタを適用した時間応答波形
上記のパワー負荷整合値が抵抗を細かく刻み、12.8 KΩでパワー最大となることが分かっ たが、エネルギー負荷整合値がおよそ100 KΩであることは実験から得られ、詳しい値を出 せるように、これから実験結果による理論値の導出と実験検証を行う。
(1) 最大パワーPmaxの得られた負荷抵抗
実験値より ZP =12.8 KΩ 586 Hz (パワー最大)
(2) PZTA圧電デバイスの等価容量CPZTの導出
PZT
PZT C
C
2 586Hz 1 k 1
8 .
12
:V(t)のスペクトル密度よりf=586Hz