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第 3 章 PTV のための新アルゴ.リズムの開発

4  ぜ).  •

 

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4

図‑3.5流速ベクトルの分布図

3.6流跡線図

c)  乱れ速度に関する定量測定

マイクロカプセルをトレーサーとして得られた乱れの水平・鉛直成分の舌L流強度分布 (外部変数表示〉

を図‑3.8a)

b)に示す。 LDVによるAdrian5o)の実験値をOで併記している。道奥らによる相似解57)を 曲線で示している。これは1/3秒間隔で約30秒間粒子を追跡した結果である。

d)  考察

外部変数表示した舌し流強度の水平成分以図‑3.8a))は, Peの増力卜すなわち対流強度の増加とともに 増加している。本画像計測結果は,高ペクレ数のもとでLDVを用いて得られた Adrianの実験値ととも に,対流層中央付近で、値が小さく,上下端境界付近で極大値をとる傾向にあるO 一方,乱流モデルでは この傾向を再現できていない。大きなペクレ数における本実験値とAdrianの実験値がよく一致している ことから,マイクロカプセルトレーサー粒子が熱密度流場においても流れに良好に追随し,粒子追跡に

100  90  80  70  60 

""  ;~ぷJ

企 図 像 中 の 全 粒 子 以 40 

30  。追跡、できた机子以

20 

10

 

10  20  30  ~O 50  60  70  80  90  100  ス テ y

図‑3.7粒子追跡の対応付けイ回数

~ .. 

6.5 

w-m~1t~

B B J : 

O.5  OU  1.s 

1.0 

pa

. ....... 

rJ

0.5  ‑::.. . 1.0 

b)  鉛 直 方 向

図‑3.8乱流強度分布図

O. 

e . 

.A.の記号は表‑3.5の記号と対応している。

よる本計測が妥当であることが推察される。

一般に熱対流を含む乱流の計浪jlは非常に難しい。例えば.LDVを用いる場合でも,空気中から発射さ れた2本のレーザー光線は水中光路中で;71<の密度の揺らぎのために僅かではあるが方向変化を生じるの で,これらを精密に水中で、交差させることは難しい。このような理由もあって,道奥らは当初,理論解と

Adrianの実験結果の差は実験技術の問題に起因する可能性が高いと考えていた。しかしながら,第4章 で示すように水中の粒子から出発した光の,画像上での揺らぎの影響(シュリーレン効果)は水平方向に ついては無視できる程度に小さいこと,また今回のPTV計測結果とAdrianの計測結果がおおむね一致 したことから,むしろ理論解の方に何らかの改良を加える必要がある可能性の方が高いことがわかった。

CCDCCDヒデオカメラヒデオカメラ 21

CCDテオカメラ 3

(平面図)

CCDヒデオカメラ エコ」光ペ,‑'ーーー」ー‑,̲IL..rJ.r:.. 

(正面図)

図‑3.9実験装置の概略図

ヶ コ

HU 

(tj1!.j̲ :じeJl

図‑3.10追跡結果

(2)  回転棒上の点の運動 (3次元計測) a)  実験装置

実験装置およびカメラの配置を図‑3.9に示す。水槽は長さ10cm,I間10cm,深さ 15cmの透明アクリ ル製矩形水槽で、ある。追跡対象として図中に示すような形状をした回転俸上に5点を付け,その棒を水槽 の水に完全に浸かるようにして回転させた。 3台のビデオカメラ(東芝製1/2インチCCDビデオカメラ) を図のように配置し,水中移動物体の3次元位置を計測した。 3台のビデオカメラは同期装置(TOSHIBA JK‑SD16A)を用いて撮影のタイミングを同期させた。

b)  追跡結果

計測結果およひ.追跡結果を図‑3.10に示す。最下部の点がビデオカメラで撮影することができなかっ たので追跡は4点で、行った。カメラ1および2で計測したマーカーの水槽中3次元位置からカメラ 3の画 像上へ粒子像を投影したところ,同一マーカー像との誤差がカメラ定数のキャリプレーションでの誤差

の2倍程度〈約lmm程度〉となった。今回はこの誤差も合めて追跡を行っているため,js̲跡結果に多少 ぱらつきがみられた(4.(5)参照)。

3.6.  まとめ

PTVのための新しい自動粒子追跡アルゴ リズムとして,確率統計理論に基づいてカルマンフィルター とχ2検定から成るアルゴリズムを提案した。ビデオ画像計測による透明矩形水槽中の3次元粒子位置計 測法を再検討,再整理した。それらのアルゴリズムを熱対流乱流場の2次元計測,撹持槽内の流れの3 次元計測に適用した。

第2節では画像解析流速測定法(IV)の分類を行い,これまで提案されている計測法を紹介した。得ら れた成果を以下に示す。

①トレーサーによる画像解析速度計測法(IV)の分類?去を提案した。

②濃度画像速度計測法(CIV)に関する既往の研究を取りまとめて紹介し, CIVの長所と短所を明らか にしfo

③粒子追跡法 (PTV)に関する既往の研究を取りまとめて紹介し, PTVの長所と短所を明らかにした。

①計測における誤対応の検出法とその修正法に関する既往の研究を取りまとめて表に示し,紹介した。

第3節では PTVのための新しい自動粒子追跡アルゴリズムを提案した。得られた成果は以下の通り である。

①カルマンフィルターとχ2検定により画像中の多数の粒子を自動的に追跡させるアルゴ、リズムを提案 した。

@2次元シート光照明等で問題となる粒子の出入りに対して, ドゥローネ三角形網を用いた粒子情報 推定法を提案した。

第4節では上記の自動追跡アルゴリズムによる 3次元計測に必要な, ビデオ画像による透明矩形水槽 中の粒子の3次元位置計測法,およびカメラ定数のキャリプレーション法について述べた。得られた成 果は以下の通りである。

⑦画像計測による 3次元位置計測法に関する既往の研究を取りまとめて表に示し,残された問題点を 明らかにした。

③水理実験を対象として空気,透明壁,水の屈折率の違いを考慮した,水中粒子3次元位置計測のた めの粒子光路導出法を検討した。

③ビデオ画像を用いて位置計測を行う場合,カメラ内部定数に縦横比を加えることを提案した。

⑬複数のビデオカメラで得られた画像聞での同一粒子の対応付けに,粒子位置だけでなく粒子の大き さや輝度等の情報も含めてχ2値を評価規準とすることを提案した。

。実際のカメラ定数のキャリプレーション法で生じた問題点を示し,実測での注意事項を明らかに した。

第5節では,第3節,第4節で、提案した手法を実測に適用した例を示した。

2次元場計測の適用例として,熱対流舌し流場の計調Jjを行った。得られた結果はAdrianらの結果とよ し、一致を示した。

⑬3次元場への適用例として回転棒上のマーカーの追跡を行った。

補遺 I 画像解析速度計測法に関する用語

本論文で提案した画像解析速度計測法の分類に関する用語とその英語訳をまとめて示す。これらの計 測法は以前から使われてきた手法であるが,用語としては,本論文ではじめて用いられるものがほとん どである。例えば, IVという略語もこれまでは使われていない。表‑3.1に示す分類の過程で,新たに用 語を定義することが必要になった。

IV:画像解析速度計測法(ImagingVelocimetry) 

CIV:濃度画像速度計浪Ij法(ConcentrationImage Velocimetry) 

CCIV:連続濃度画像速度計測法(ContinuousConcentration Image Velocimetry)  PCIV:粒子濃度画像速度計測法(ParticleConcentration Ima.ge Velocimetry)  IPIV:個別粒子画像速度計測法(IndividualParticle Image Velocimetry)  PSV:流跡線法(ParticleStreak Velocimetry) 

PTV:粒子追跡速度計測法(Particle

τ

'racking Velocimetry)  APT:自動粒子追跡(AutomaticParticle 

τ

'racking) 

PIV:粒子画像速度計測j法(ParticleImage Velocimetry)PCIV+IPIV SP:単一露光(SingleExposure)  Adrian 7)によればSinglePulse  MP:多重露光(Multi Exposure)  Adrian 7)によればMultiple Pulse  SS:凍結撮影(ShortShu ttering) 

LS:流し撮影(LongShuttering)  SP:単一画像(SingleFrame)  MF:連続画像(MultiFrame) 

補遺

11

カルマンフィルターとが検定を用いた自動粒子追跡のアイデ、ィアを, 1989年2月の水工学論文集に投 稿する予定であった。しかしながら,概要審査の段階で水理委員会から課題(乱流)と異なるので次年度 の画像計測の課題で出すようにとの指摘があった。 1年後の1990年2月の水工学論文集1)には掲載され た。現在のところ, 1990年でも,いわゆるフルペーパーとしてはこの論文がIVにカルマンフィルター を導入した最初の論文である。その後文献調査の結果, 1989年8月の日本機械学会流体工学部門講演会 で,家合らがカルマンフィルターを用いたAPTのアイディアを口頭発表していることがわかった。研究 においてはオリジナリティが重要であると考えているので,以上の経緯を補足した。

補遺 111 透明矩形水槽中の水中粒子3次元位置計混IJ

( 1 )  

概要

本研究では独自に,透明平面壁を通した水中粒子の3次元位置を, ビデオ画像により計測する手法を 開発した4)。その後,文献調査を行ったところ吉野ら53)によって,同様な考え方で;7]<中粒子3次元位置 を計測する手法が提案されていることがわかった。

吉野らの方法で用いられる式は射影関数の考え方に基づいており,式の導出過程で示されている関係 式が持つ物理的イメージが理解できない部分があった。通常の論文では他の研究者が既に導出した式と 同様な式の導出については紙面を割かないが,今後他の研究者や技術者による本手法の実用化の過程で 式の追跡は不可欠であるので,本研究での導出過程を以下に示す。

(2)  基本的な考え方

光は均質,等方性の媒体の中では直進する。例えば,空気中のような均質,等方性媒体中での粒子の カメラ画像上での像は,粒子とカメラレンズ中心を結ぶ直線が結像面と交わる位置となる(以下,粒子 からレンズ中心を通り,結像面までに到る光路を粒子光路と呼ぶ)。また,空気,透明壁,水それぞれの 媒体は均質,等方性であるとし,光は空気‑透明壁,透明壁一水の界面のみで屈折し,各媒体中では直 進するものとする。

図‑3.4に示すような矩形の水槽(水路等も含む)中の粒子位置とカメラ画像上での位置との関係につ いて考える。レンズ中心から透明平面壁に下ろした垂線をカメラ基軸, レンズ中心と結像面中心とを結

‑3.11 結像面と粒子光路の関係

んだ直線をレンズ光軸とするo X ‑Y平面を透明壁と平行に取り, Z軸をカメラ基軸と平行に取る。

カメラ画像と実空間の関係を求めるのに必要なカメラの条件(以下,カメラ定数と呼ぶ)は, レンズ中 心位置(Xo

Yo

, 

Zo)

方向α(c

Dc

ゆc)'焦点距離f,画像中心(Xo

iも), レンズ、歪κで・あり,後述のキャ

リプレーション法によりあらかじめ求めておくものとする。

1つの粒子光路は,水中,透明壁中,空気中の3本の直線で構成され,空気中の粒子光路と結像面との 交点がカメラ画像上での粒子像の位置となる。水,透明壁,空気の屈折率が分かれば,それぞれの媒体 中での粒子光路の関係は求められる。つまり,画像上での粒子像位置から実空間の水中で‑の粒子光路が 求められ,また水中の粒子位置から画像上の粒子像の位置が求められる。

以下の説明では画像座標と3次元実座標を区別するため,凶像出燃は大文字, 3次元実座標は小文字で、 表す。

(3)  カメラ画像上の粒子位置から透明平面壁を通した水中粒子3次元位置への変換 a)  粒子像の画像座標から実空間座標への変換

画像座標での粒子位置(XFp,YFp)が与えられた場合に,水槽中の粒子光路を求める。以下の説明では 計測対象のデカルト座標系からレンズ、中心位置へ平行移動したデカルト座標系で示す。最終的に求めた 水中粒子の光路の方程式は計測対象の座標系に変換される必要がある。

まず,結像面のレンズ光軸回りの回転角ゆcを考慮し,カメラ画面上での粒子位置を3次元位置に変換 する(図‑3.11参照)。

( 2 } = ( J : U : ) : 己主)川)

' at Ti  y ‑ ‑ YEl  E ム 'J1

XFp  X~pexx

Y;"peνzXFc

YFp 二 X~pexy 十 Ykpeνν 十 YFc ~ ZFp  X~pexz

Yfpeνz 

ZFc 

ここで

ex (exx川 町

exz)

=(eyx

, 

eyy

, 

eyz)はそれぞれ画像上のXY軸の 3次元空間での単位ベ クトル,(XFc

, 

YFc

, 

ZFc)はレンズ光軸と結像面の交点である。

(III.2) 

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