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( Oku et al , 2006. J. Vet. Med. Sci. 68: 773-778 ) 0.27±0.08 0.25±0.03 0.38±0.09

a) p <0.05,70 minとの比較.

104±12 6.0±4.5 340.8±49.6 340.7±62.7 326.0±34.4

6.7±4.3 6.0±4.7

表 2-6.プロポフォール麻酔中における循環系指標の経時変化 指標 プロポフォール投与時間( min )

97±18 103±11

第 3 章 ウマのプロポフォール麻 酔 における導 入 期 および覚 醒 期 の行 動 特 性

1.緒 言

ウマは麻 酔 導 入 期 に興 奮 性 の反 応 を示 す ことがある(M u i r, 1 99 1 a)。第 1 章 で も 述 べ た よ う に 、プ ロ ポ フ ォ ー ル の 単 独 ボ ー ラ ス 投 与 に お い て も 、 著 し い 筋 緊 張 や 倒 馬 後 の 激 し い パ ド リ ン グ が 出 現 す る た め 、プ ロ ポ フ ォ ー ル 単 独 投 与 に よ る麻 酔 導 入 は極 めて 危 険 である。したがって、プロポフォールを用 いた T IVA を ウ マ へ 臨 床 応 用 す る た め に は 、 麻 酔 導 入 時 の 安 全 性 確 保 が 重 要 な 課 題 と な る。

ウ マ の 麻 酔 導 入 に お い て は 、そ の 質 の 改 善 を 目 的 とし て 、α2 作 動 薬 に よ る 麻 酔 前 処 置 が 多 く 実 施 さ れる 。一 方 、α2 作 動 薬 を 投 与 し た 場 合 で も 、プ ロ ポ フォ ール 麻 酔 の 導 入 期 のウ マに お いて は 、興 奮 あ る いは 筋 活 動 の 増 加 、さら に 横 臥 直 後 の パ ド リ ン グ な ど 、 好 ま し く な い 行 動 が 多 く 観 察 さ れ て い る

(Bett s ch art et al, 2 0 0 1 a; M am a et a l, 1 9 9 5; M am a et a l, 1 99 6; M at t h ews et

al, 1 99 9)。しかし、α2 作 動 薬 投 与 後 のプ ロポフォールを 用 いた ウマの麻 酔 導

入 は迅 速 かつ円 滑 で あったとする報 告 もある(Agu i ar et a l, 19 9 3)。このように、

プ ロ ポ フォ ー ル 麻 酔 に お け る 倒 馬 の 質 に 関 し て は 、 統 一 見 解 が 得 ら れて い る と はいえず、従 来 から応 用 されている 静 脈 麻 酔 法 との比 較 もな されていない。

本 研 究 は 、 ウ マ の プ ロ ポ フ ォ ー ル 麻 酔 の 導 入 期 と 覚 醒 期 の 行 動 特 性 お よ び 呼 吸 循 環 系 に 及 ぼ す 影 響 を 臨 床 学 的 に 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。 麻 酔 前 処 置 薬 に は 、麻 酔 導 入 の 質 の 改 善 を 目 的 とし て 、既 報 に お い て す でに 用 い られているキシラジンに加 えてダゾラムを併 用 した(M am a et al, 1 99 6)。また、そ の臨 床 学 的 有 用 性 を評 価 す るた め、現 在 ウマの 静 脈 内 麻 酔 法 として 広 く普 及 しているチオペンタール加 GGE麻 酔 法 の 所 見 と比 較 した。さらに、キシラジンの み に よ る 麻 酔 前 処 置 に 続 く プ ロ ポ フ ォ ー ル 麻 酔 も 併 せ て 実 施 し 、 麻 酔 導 入 期 の 行 動 所 見 を 、 キ シ ラ ジ ン と ミ ダ ゾ ラ ム 併 用 に よ る 麻 酔 前 処 置 の 場 合 と 比 較 し た。

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2.材 料 および方 法

1)供 試 馬

供 試 馬 は 表 3‐1 に 示 し た 。 キ シ ラ ジ ン - ミ ダ ゾ ラ ム - プ ロ ポ フ ォ ー ル 麻 酔

(XM P F)群 およびキシラジン-チオペンタール加 GGE 麻 酔 (XT GGE)群 の供

試 馬 は、育 成 調 教 が実 施 された健 康 なサ ラブレッド種 、雄 6 頭 であり、年 齢 は 2 .3~2 .4 歳 (中 央 値 2 .3)、平 均 体 重 は 4 6 9±2 4 k g であった。また、キシラジン

- プ ロ ポ フォ ー ル 麻 酔 (XP F) 群 の 供 試 馬 は 健 康 な サ ラ ブ レ ッド 種 成 馬 1 2 頭

(雄 8、雌 3、去 勢 雄 1)であり、年 齢 は 3 .0~6.0 歳 (中 央 値 3 .2)、平 均 体 重 は

4 47±2 2 k g であった。麻 酔 前 1 2 時 間 は 絶 食 とし、飲 水 は自 由 とした。なお、

本 研 究 に お ける 動 物 実 験 は 、 日 本 中 央 競 馬 会 競 走 馬 総 合 研 究 所 動 物 実 験 指 針 に準 じて実 施 した。

2)麻 酔 法

供 試 馬 に対 し、XMP F、XT GGE および X P F 麻 酔 を以 下 のとお り実 施 した。

XMP F および XT GGE 麻 酔 は同 一 供 試 馬 を用 いてそれぞれ1回 ずつ実 施 し、

2 種 類 の麻 酔 法 の順 序 は無 作 為 、実 験 間 隔 は 3 週 間 以 上 とした。

XMP F 群 ではキシラジン(セラクタール) 1 .0 m g/ k g に続 く、ミ ダゾラム(ドルミ

カム, 山 之 内 製 薬, 東 京 ) 2 0 µg/ k gの静 脈 内 投 与 による麻 酔 前 処 置 後 、1% プロポフォール(R api n ov et)3 .0 m g/ k gを約 3分 間 で静 脈 内 に 投 与 した。これら の薬 物 の投 与 間 隔 は 、それぞれ 1 0 分 および 5 分 とした。

XT GGE 群 ではキシラジン 1 .0 m g/ k gの静 脈 内 投 与 による前 処 置 後 、チオペ

ンタール 4 .0 m g/ ml を混 和 した 5%GGE 2 .0 ml /k g を約 4 分 間 で静 脈 内 投 与 した。これらの薬 物 の 投 与 間 隔 は 1 0 分 とした。

一 方 、XP F群 ではキシラジン 1 .0 m g/ k gの静 脈 内 投 与 による麻 酔 前 処 置 後 、 1%プロポフォール 3 .0 m g/ k g を約 3 分 間 で静 脈 内 投 与 した。これらの薬 物 の 投 与 間 隔 は 1 0 分 とした。

そ れぞ れの 麻 酔 薬 は 、スイ ン グド ア 内 に 供 試 馬 を 保 定 し て 投 与 した 。供 試 馬 が ス イ ン グ ド ア 内 で 胸 骨 臥 位 を とっ た 後 に ド ア を 解 放 し 、 側 臥 位 とし た 。 続 い て 、

気 管 内 チューブを挿 管 し、ホイストにより四 肢 を懸 垂 して 覚 醒 室 へ搬 入 した。そ

の後 、XMP F および XT GGE 群 は、覚 醒 室 内 でマット上 に右 側 臥 位 とし、自 発

呼 吸 下 で 室 内 空 気 を 吸 入 させ た 。 嚥 下 反 射 の 出 現 を 確 認 後 に 気 管 内 チ ュ ー ブを抜 管 し、その後 は刺 激 を 与 えることな く自 然 覚 醒 を 待 った。XP F 群 は麻 酔 導 入 後 、第 1 あるい は 2 章 の実 験 に供 試 した。

3)麻 酔 導 入 および覚 醒 の質 の評 価 法

麻 酔 導 入 時 の倒 馬 および覚 醒 状 態 の質 は、M am a et a l の基 準 (M am a et al, 19 9 5 ; M am a et a l, 1 99 6)(表 3 -2)に準 じ、5 段 階 の倒 馬 あるいは覚 醒 スコ ア を 用 い て 評 価 し た (1=po o r、2=m argi n al、3=fair、4=go od、5=ex el l ent) 。 ま た 、 麻 酔 薬 の 投 与 開 始 よ り ス イ ン グ ド ア 内 で 胸 骨 臥 位 を と る ま で の 時 間 、 麻 酔 薬 の 投 与 終 了 から 回 復 室 内 で 胸 骨 臥 位 を とる まで 、およ び 起 立 まで の 時 間 を測 定 した。なお、XP F群 は麻 酔 導 入 後 他 の実 験 に供 試 したことから、覚 醒 状 態 に関 する評 価 およ び測 定 は実 施 しなかた。

4)測 定 項 目 および測 定 方 法

XMP F および XT GGE 群 においては R R、HR、動 脈 圧 および動 脈 血 ガス分

圧 を 測 定 し た 。RR は 胸 郭 の 運 動 あ る い は 気 管 内 チ ュ ー ブ を 介 す る 呼 気 の 触 知 、HRは心 音 の聴 取 あるいは心 電 図 検 査 により測 定 した。動 脈 圧 は、顔 面 動 脈 に 留 置 した 2 0 G カテ ー テル により 、圧 トラ ンス デ ュー サー を 介 して 多 用 途 監 視 装 置 (M 11 66 A)を 用 い て 測 定 した 。圧 ト ランス デ ュー サ ーの 0 レベ ルは 、胸 骨 の 高 さとした。動 脈 血 ガス分 圧 は 、動 脈 圧 測 定 用 カテ ーテル を介 して血 液 を ヘ パ リ ン リ チ ウ ム 入 り 採 血 管 に 採 取 後 、 直 ち に 動 脈 血 ガ ス 分 析 装 置 (2 8 8 Bl o od Gas S ys t em)を用 いて測 定 した。

各 項 目 の測 定 時 間 は、HR および RR は麻 酔 前 処 置 前 、麻 酔 薬 投 与 終 了 直 後 、投 与 終 了 から 1 0、1 5、2 0 分 後 、起 立 直 後 、起 立 から 1 0、2 0、30 分 後 、 動 脈 圧 は麻 酔 薬 投 与 終 了 から 1 0,15,2 0 分 後 、動 脈 血 ガス分 圧 は、麻 酔 薬 投 与 終 了 直 後 、投 与 終 了 から 1 0、1 5、2 0分 後 、起 立 直 後 、起 立 から 1 0、20、 3 0 分 後 とした。

- 49 - 5)統 計 処 理 方 法

XP F、XM P F および XT GGE の 3 群 間 に おける倒 馬 スコアおよびスイングドア 内 で 胸 骨 臥 位 を と る ま で の 時 間 に つ い て の 有 意 差 検 定 は Krus k al Wal li s

H-t es t を 用 い て 実 施 し 、 有 意 差 が 認 め ら れ た 場 合 に は 、 各 群 間 を

M ann -Wh it n e y U-t es t wi th Bo n ferro n i C o rrecti o n を用 いて多 重 比 較 検 定 し

た。XMP F および XT GGE の 2 群 間 における起 立 までの時 間 お よび覚 醒 スコア

の有 意 差 検 定 は Wil cox o n t-t es t により実 施 した。また XMP F および XT GGE 群 に お け る 呼 吸 循 環 器 系 の 測 定 値 は 、 反 復 測 定 分 散 分 析 に よ り 、 群 の 相 異 および 時 間 経 過 に よ る 有 意 差 を 検 定 し た 。群 間 に 有 意 差 が 認 めら れた 場 合 は 、 そ れ ぞ れ 対 応 す る 時 間 の 測 定 値 間 に お け る 多 重 比 較 検 定 を 、 時 間 経 過 に よ る 有 意 な 変 化 が 認 め ら れ た 場 合 は 、 各 時 間 に お け る 測 定 値 の 多 重 比 較 検 定 を Wi l cox o n t-t es t により実 施 した。有 意 水 準 は、危 険 率 0 .0 5 未 満 をもって有 意 差 ありとした。

3.結 果

1)導 入

XMP F、XT GGE および XP F 群 の倒 馬 スコ アは、表 3 -3 に示 した。これら 3 群

の倒 馬 スコアのレンジ(および中 央 値 )はそれぞれ、1~5(3)、2~5(5)および 2

~5(3 .5)であり、3 群 の倒 馬 スコアに統 計 上 の有 意 差 は認 められなかった。

XMP F 群 の筋 弛 緩 は、前 肢 から発 現 し た供 試 馬 3 -2 を除 き、いずれも後 躯

から発 現 した。この筋 弛 緩 の開 始 に前 後 し て供 試 馬 3 -1では軽 度 、供 試 馬3 -3

~3 -6 で は 著 し い 一 過 性 の 頚 部 お よ び 前 肢 筋 の 緊 張 が 観 察 さ れた 。 こ れ ら の 前 肢 帯 筋 の緊 張 に 伴 い 頭 部 が 挙 上 し、前 肢 は 前 方 に 伸 展 し た。また、供 試 馬 3 -6 では この 時 期 に 前 肢 を 左 右 交 互 に 上 げ 下 げ す る 動 きが 観 察 された 。一 方 、 XT GGE 群 の 筋 弛 緩 は 前 駆 か ら 、 あ る い は 前 後 躯 ほ ぼ 同 時 に 開 始 し 、XM P F 群 でみられた筋 の緊 張 は認 められなかった。しかし、供 試 馬 3 - 6 は XT GGE 群 でも軽 度 に 四 肢 を上 下 させる動 きを呈 した。XP F 群 の筋 弛 緩 は 、1 2頭 中 11頭 において 後 躯 から発 現 し、残 り 1 頭 は 概 ね前 後 肢 同 時 に 発 現 した。この 筋 弛 緩 の 開 始 に 前 後 し て 全 頭 に 一 過 性 の 頚 部 お よ び 前 肢 筋 の 緊 張 が 観 察 さ れた 。 これに伴 い、XM P F群 と同 様 、頭 部 は挙 上 して前 肢 は前 方 へ伸 展 した。この筋 緊 張 は 2 頭 においては軽 度 、1 頭 においては特 に顕 著 であった。また、5 頭 に お い て 倒 馬 中 に 前 肢 を 左 右 交 互 に 上 下 さ せ る 動 きが 観 察 さ れ た 。さらに XP F 群 にお い て は 、供 試 馬 が 胸 骨 臥 位 とな っ た 後 に スイ ン グド アを 開 放 し て 側 臥 位 へと体 位 変 換 した直 後 に、パドリングが 1 2 頭 中 8 頭 に観 察 された。麻 酔 導 入 時 の 胸 骨 臥 か ら 側 臥 へ の 体 位 変 換 直 後 の こ の パ ド リ ン グ は 、XM P F お よ び

XT GGE 群 においては観 察 されなかった。

倒 馬 終 了 後 からホイストによる四 肢 の 懸 垂 ・移 動 まで、XM P Fおよび XT GGE 群 に お い ては い ず れの 供 試 馬 も 体 動 は 観 察 されな かった 。一 方 、XP F 群 に お いては、ホイストによる四 肢 の懸 垂 に際 して、12 頭 中 5 頭 が一 過 性 の体 動 を示 した。

す べ て の 群 に お い て 、 気 管 内 チュ ー ブ の 挿 管 時 に お け る 咬 筋 の 緊 張 お よ び

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