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22.4

OSPFv3 エリア設定

[ 書式 ] ipv6 ospf area area[stub [cost=cost]]

no ipv6 ospf area area[stub [cost=cost]]

[ 設定値 ] ○ area

● backbone... バックボーンエリア

● 1 以上の数値 (1...4294967295)非バックボーンエリア

● IPv4 アドレス表記 (0.0.0.0は不可 )非バックボーンエリア

○ cost... デフォルト経路のコスト (0〜 16777215) [ 説明 ] OSPFv3 エリアを設定する。

stubキーワードを指定した場合、そのエリアはスタブエリアであることを表わす。costは 0 以上の数値で、エリア 境界ルーターがエリア内に広告するデフォルト経路のコストとして使われる。costを指定しないとデフォルト経 路の広告は行われない。

[ 初期値 ] スタブエリアではない

cost = 0

22.5

エリアへの経路広告

[ 書式 ] ipv6 ospf area network area ipv6_prefix/prefix_len[restrict]

no ipv6 ospf area network area ipv6_prefix/prefix_len[restrict]

[ 設定値 ] ○ area

● backbone... バックボーンエリア

● 1 以上の数値 (1...4294967295)非バックボーンエリア

● IPv4 アドレス表記 (0.0.0.0は不可 )非バックボーンエリア

○ ipv6_prefix/prefix_lenIPv6 プレフィクス

[ 説明 ] エリア境界ルーターが他のエリアに経路を広告する場合に、このコマンドで指定したサブネットの範囲内の経路

は単一のサブネット経路として広告する。restrictキーワードが指定された場合には、範囲内の経路は要約した経 路も広告しない。

[ 初期値 ] サブネットの範囲は設定されていない

22.6

指定インタフェースの OSPFv3 エリア設定

[ 書式 ] ipv6 interface ospf area area[parameters...]

ipv6 pp ospf area area[parameters...]

ipv6 tunnel ospf area area[parameters...]

no ipv6 interface ospf area [area[parameters...]]

no ipv6 pp ospf area [area[parameters...]]

no ipv6 tunnel ospf area [area[parameters...]]

[ 設定値 ] ○ interface... LAN インタフェース名

○ area

● backbone... バックボーンエリア

● 1 以上の数値 (1...4294967295)非バックボーンエリア

● IPv4 アドレス表記 (0.0.0.0は不可 )非バックボーンエリア

○ parameters... NAME=VALUE の列 [ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e

[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e

[ 説明 ] 指定したインタフェースの属する OSPFv3 エリアを設定する。NAME パラメータのtypeはインタフェースの接続 するリンクがどのようなタイプであるかを設定する。parametersでは、リンクパラメータを設定する。パラメー タ は NAME=VALUE の形で指定され、以下の種類がある。

[ ノート ] ○ NAME パラメータの typeについて

NAME パラメータの typeとして、LAN インタフェースは broadcastのみが設定できる。PP インタフェースで PPP を利用する場合や、トンネルインタフェースを利用する場合は、point-to-pointのみが設定できる。

○ passiveについて

passiveは、インタフェースが接続しているリンクに他の OSPFv3 ルーターが存在しない場合に指定する。passive

を指定しておくと、インタフェースから OSPFv3 パケットを送信しなくなるので、無駄なトラフィックを抑制し たり、受信側で誤動作の原因になるのを防ぐことができる。

LAN インタフェース (type=broadcastであるインタフェース ) の場合には、インタフェースが接続しているリン クへの経路は、ipv6 interface ospf areaコマンドを設定していないと他の OSPFv3 ルーターに広告されない。

そのため、OSPFv3 を利用しないリンクに接続する LAN インタフェースに対しては、passiveを付けた

ipv6 interface ospf areaコマンドを設定しておくことでそのリンクでは OSPFv3 を利用しないまま、そこへの経 路を他の OSPFv3 ルーターに広告することができる。

PP インタフェースに対して ipv6 pp ospf areaコマンドを設定していない場合は、インタフェースが接続する リンクへの経路は外部経路として扱われる。外部経路なので、他の OSPFv3 ルーターに広告するには ipv6 ospf importコマンドの設定が必要である。

○ hello-interval/dead-intervalについて

hello-interval/dead-intervalの値は、そのインタフェースから直接通信できるすべての近隣ルーターとの間で同じ 値でなくてはならない。これらのパラメータが設定値とは異なる HELLO パケットを受信した場合には、それは無 視される。

○ インスタンス ID について

本機のインスタンス ID は常に 0 であり、OSPFv3 パケットを受信する場合には、同じ値を持つパケットのみを受 信する。

[ 初期値 ] area =インタフェースは OSPFv3 エリアに属していない type = broadcast(LAN インタフェース設定時 )

= point-to-point(PP インタフェース設定時 )

= point-to-point(トンネルインタフェース設定時 ) passive= インタフェースは passive ではない

cost= 1(LAN 設定時 )、1562(トンネル設定時 )、pp は回線速度に依存 priority= 1

retransmit-interval= 5 秒 transmit-delay = 1 秒 hello-interval= 10 秒 dead-interval= 40 秒

NAME VALUE 説明

type broadcast ブロードキャスト型

point-to-point ポイント・ポイント型

passive インタフェースに対して、OSPFv3 パケットを送信しない。該当インタフェー

スに他の OSPFv3 ルーターがいない場合に設定する。

cost コスト(

1...65535)

インタフェースのコストを設定する。初期値はインタフェースの種類と回線速 度によって決定される。LAN インタフェースの場合は 1、トンネルインタ フェースの場合は 1562、PP インタフェースの場合は、バインドされている回 線の回線速度を S[kbit/s] とすると、以下の計算式で決定される。例えば、

64kbit/s の場合は 1562、1.536Mbit/s の場合には 65 となる。

cost=100000/ S

priority 優先度

(0...255)

指定ルーター選択の際の優先度を設定する。値が大きいルーターが指名ルー ターに選ばれる。0 を指定すると指定ルーターに選ばれなくなる。

retransmit-interval 秒数

(1...65535) LSA を連続して送る場合の再送間隔を秒単位で指定する。

transmit-delay 秒数

(1...65535) リンクの状態が変わってから LSA を送信するまでの時間を秒単位で設定する。

hello-interval 秒数

(1...65535) HELLO パケットの送信間隔を秒単位で設定する

dead-interval 秒数

(1...65535)

近隣ルーターから HELLO を受け取れない場合に、近隣ルーターがダウンした と判断するまでの時間を秒単位で設定する。

22.7

仮想リンク設定

[ 書式 ] ipv6 ospf virtual-link router_id area[parameters ...]

no ipv6 ospf virtual-link router_id [area[parameters ...]]

[ 設定値 ] ○ router_id... 仮想リンクの相手のルーター ID

○ area... 経由するエリア

● 1 以上の数値 (1...4294967295)非バックボーンエリア

● IPv4 アドレス表記 (0.0.0.0は不可 )非バックボーンエリア

○ parameters... NAME=VALUE の列

[ 説明 ] 仮想リンクを設定する。仮想リンクは router_idで指定したルーターに対して、areaで指定したエリアを経由し て設定される。parametersでは、仮想リンクのパラメータが設定できる。パラメータは NAME=VALUE の形で 指定され、以下の種類がある。

[ ノート ] ○ hello-interval/dead-intervalについて

hello-intervalとdead-intervalの値は、そのインタフェースから直接通信できるすべての近隣ルーターとの間で同 じ値でなくてはならない。これらのパラメータの値が設定値とは異なっている HELLO パケットを受信した場合に は、それは無視される。

○ インスタンス ID について

本機のインスタンス ID は常に 0 であり、OSPFv3 パケットを受信する場合には、同じ値を持つパケットのみを受 信する。

○ 出力インタフェースについて

仮想リンクを設定した場合、経由するエリアへの出力インタフェースにグローバルアドレスが付与されていなけ れば、仮想リンクは使用できない。

[ 初期値 ] router_id, area = なし retransmit-interval = 5 秒 transmit-delay = 1 秒 hello-interval = 10 秒 dead-interval = 40 秒

22.8

OSPFv3 による経路の優先度設定

[ 書式 ] ipv6 ospf preference preference no ipv6 ospf preference [preference]

[ 設定値 ] ○ preference... OSPFv3 による経路の優先度 (1...2147483647)

[ 説明 ] OSPFv3 による経路の優先度を設定する。優先度は 1 以上の数値で表され、数字が大きい程優先度が高い。

OSPFv3 と RIPng など複数のプロトコルで得られた経路が食い違う場合には、優先度が高い方が採用される。優 先度が同じ場合には時間的に先に採用された経路が有効となる。

[ ノート ] 静的経路の優先度は 10000 で固定である。

[ 初期値 ] 2000

NAME VALUE 説明

retransmit-interval 秒数

(1...65535) LSA を連続して送る場合の再送間隔を秒数で設定する。

transmit-delay 秒数

(1...65535) リンクの状態が変わってから LSA を送信するまでの時間を秒単位で設定する。

hello-interval 秒数

(1...65535) HELLO パケットの送信間隔を秒単位で設定する。

dead-interval 秒数

(1...65535)

相手から HELLO を受け取れない場合に、相手がダウンしたと判断するまでの 時間を秒単位で設定する。

[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e

[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e

22.9

OSPFv3 で受け取った経路をルーティングテーブルに反映させるか否かの設定

[ 書式 ] ipv6 ospf export from ospf filter filter_num...

no ipv6 ospf export from ospf [filter filter_num...]

[ 設定値 ] ○ filter_num... ipv6 ospf export filterコマンドのフィルタ番号 (1...2147483647)

[ 説明 ] OSPFv3 で受け取った経路をルーティングテーブルに導入するかどうかを設定する。指定した順にフィルタを評

価し、最初に合致したフィルタによって導入すると判断された経路だけがルーティングテーブルに導入される。導 入しないと判断された経路や合致するフィルタがない経路は導入されない。

このコマンドが設定されていない場合には、すべての経路がルーティングテーブルに導入される。

[ ノート ] このコマンドは OSPFv3 のリンク状態データベースには影響を与えない。つまり、OSPFv3 で他のルーターと情 報をやり取りする動作としては、このコマンドがどのように設定されていても変化はない。OSPFv3 で計算した 経路が実際にパケットをルーティングするために使われるかどうかだけが変わる。

[ 初期値 ] すべての経路がルーティングテーブルに導入される

22.10

OSPFv3 で受け取った経路をどう扱うかのフィルタの設定

[ 書式 ] ipv6 ospf export filterfilter_num [nr] kind ipv6_prefix/prefix_len ...

no ipv6 ospf export filterfilter_num[...]

[ 設定値 ] ○ filter_num...フィルタ番号 (1...2147483647)

○ nr...フィルタの解釈の方法

● not...IPv6 プレフィクスに該当しない経路を導入する

● reject...IPv6 プレフィクスに該当した経路を導入しない

○ kind...IPv6 プレフィクスの解釈の方法

● include...指定した IPv6 プレフィクスに含まれる経路 (IPv6 プレフィクス自身を含む )

● refines...指定した IPv6 プレフィクスに含まれる経路 (IPv6 プレフィクス自身を含まない )

● equal...指定した IPv6 プレフィクスに一致する経路

○ ipv6_prefix/prefix_lenIPv6 プレフィクス

[ 説明 ] OSPFv3 により他の OSPFv3 ルーターから受け取った経路をルーティングテーブルに導入する際に適用するフィ ルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタは、ipv6 ospf export fromコマンドのfilter項で指定され てはじめて効果を持つ。

ipv6_prefix/prefix_lenでは、IPv6 プレフィクスを設定する。これは複数設定でき、kindに指定した方法で解釈さ れる。

○ include...IPv6 プレフィクスと一致する経路および、IPv6 プレフィクスに含まれる経路が該当

○ refines...IPv6 プレフィクスに含まれる経路が該当するが、IPv6 プレフィクスと一致する経路は含 まれない

○ equal...IPv6 プレフィクスに一致する経路のみ該当

nrが省略されている場合には、一つでも該当する IPv6 プレフィクスがある場合にフィルタに合致したものとし、

その経路を導入する。not指定時には、いずれの IPv6 プレフィクスにも該当しなかった場合にフィルタに合致し たものとし、その経路を導入する。reject指定時には、一つでも該当する IPv6 プレフィクスがある場合に フィル タに合致したものとし、その経路を導入しない。

[ ノート ] not指定のフィルタを ipv6 ospf export from ospfコマンドで複数設定する場合には注意が必要である。not指 定のフィルタに合致する IPv6 プレフィクスは、そのフィルタでは導入するかどうかが決定しないため、ipv6 ospf export from ospfコマンドで指定された次のフィルタで評価される。そのため、例えば、以下のような設 定ではすべての経路が導入されることになりフィルタの意味がない。

ipv6 ospf export from ospf filter 1 2

ipv6 ospf export filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 ipv6 ospf export filter 2 not equal fec0:12ab:34cd:2::/64

1 番のフィルタは fec0:12ab:34cd:1::/64以外の経路に合致し、2 番のフィルタはfec0:12ab:34cd:2::/64以外 の経路に合致する。つまり、経路 fec0:12ab:34cd:1::/64は 1 番のフィルタに合致しないが、2 番のフィルタに 合致するため導入される。一方で経路 fec0:12ab:34cd:2::/64は 1 番のフィルタに合致するため、2 番のフィル タにかかわらず導入される。よって、導入されない経路は存在しない。

[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e

ドキュメント内 RTX/RTシリーズ コマンドリファレンス (ページ 193-200)