10. ICMP の設定
10.1 IPv4 の設定
10.1.5 ICMP Redirect を送信するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp redirect send send no ip icmp redirect send [send]
[ 設定値 ] ○ send
● on...送信する
● off...送信しない
[ 説明 ] 他のゲートウェイ宛の IP パケットを受信して、そのパケットを適切なゲートウェイに回送した場合に、同時にパ
ケットの送信元に対して ICMP Redirect を送信するか否かを設定する。
[ 初期値 ] on
10.1.6 ICMP Redirect 受信時の処理の設定
[ 書式 ] ip icmp redirect receive action no ip icmp redirect receive [action]
[ 設定値 ] ○ action
● on...処理する
● off...無視する
[ 説明 ] ICMP Redirect を受信した場合に、それを処理して自分の経路テーブルに反映させるか、あるいは無視するかを設 定する。
[ 初期値 ] off
10.1.7 ICMP Time Exceeded を送信するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp time-exceeded send send no ip icmp time-exceeded send [send]
[ 設定値 ] ○ send
● on...送信する
● off...送信しない
[ 説明 ] 受信した IP パケットの TTL が 0 になってしまったため、そのパケットを破棄した場合に、同時にパケットの送信 元に対して ICMP Time Exceeded を送信するか否かを設定する。
[ 初期値 ] on
10.1.8 ICMP Timestamp Reply を送信するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp timestamp-reply send send no ip icmp timestamp-reply send [send]
[ 設定値 ] ○ send
● on...送信する
● off...送信しない
[ 説明 ] ICMP Timestamp を受信した場合に、ICMP Timestamp Reply を返すか否かを設定する。
[ 初期値 ] on
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
10.1.9 ICMP Destination Unreachable を送信するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp unreachable send send no ip icmp unreachable send [send]
[ 設定値 ] ○ send
● on... 送信する
● off... 送信しない
[ 説明 ] 経路テーブルに宛先が見つからない場合や、あるいは ARP が解決できなくて IP パケットを破棄することになった
場合に、同時にパケットの送信元に対して ICMP Destination Unreachable を送信するか否かを設定する。
[ 初期値 ] on
10.1.10 IPsec で復号したパケットに対して ICMP エラーを送るか否か
[ 書式 ] ip icmp error-decrypted-ipsec send switch no ip icmp error-decrypted-ipsec send [switch]
[ 設定値 ] ○ switch
● on... IPsec で復号したパケットに対して ICMP エラー を送る
● off... IPsec で復号したパケットに対して ICMP エラー を送らない [ 説明 ] IPsec で復号したパケットに対して ICMP エラーを送るか否か設定する。
[ ノート ] ICMP エラーには復号したパケットの先頭部分が含まれるため、ICMP エラーが送信元に返送される時にも IPsec で 処理されないようになってい ると、本来 IPsec で保護したい通信が保護されずにネットワークに流れてしまう可 能性がある。特に、フィルタ型ルーティングでプロトコルによって IPsec で処理するかどうか切替えている場合 には注意が必要となる。
ICMP エラーを送らないように設定すると、traceroute に対して反応がなくなるなどの現象になる。
[ 初期値 ] on
10.1.11 受信した ICMP のログを記録するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp log log no ip icmp log [log]
[ 設定値 ] ○ log
● on... 記録する
● off... 記録しない
[ 説明 ] 受信した ICMP を debug タイプのログに記録するか否かを設定する。
[ 初期値 ] off
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
10.1.12 ステルス機能の設定
[ 書式 ] ip stealth all
ip stealth interface[interface...]
no ip stealth[...]
[ 設定値 ] ○ all...すべての論理インタフェースからのパケットに対してステルス動作を行う
○ interface...指定した論理インタフェースからのパケットに対してステルス動作を行う
[ 説明 ] このコマンドを設定すると、指定されたインタフェースから自分宛に来たパケットが原因で発生する ICMP および
TCP リセットを返さないようになる。
自分がサポートしていないプロトコルや IPv6 ヘッダ、あるいはオープンしていない TCP/UDP ポートに対して指 定されたインタフェースからパケットを受信した時に、通常であれば ICMP unreachable や TCP リセットを返送 する。しかし、このコマンドを設定しておくとそれを禁止することができ、ポートスキャナーなどによる攻撃を 受けた時にルータの存在を隠すことができる。
[ ノート ] 指定されたインタフェースからの PING にも答えなくなるので注意が必要である。
自分宛ではないパケットが原因で発生する ICMP はこのコマンドでは制御できない。それらを送信しないようにす るには、ip icmp *コマンド群を用いる必要がある。
[ 初期値 ] ステルス動作を行わない
10.1.13 ARP による MTU 探索を行うか否かの設定
[ 書式 ] ip interface arp mtu discovery sw[minimum=min_mtu] no ip interface arp mtu discovery [sw[minimum=min_mtu]]
[ 設定値 ] ○ interface...LAN インタフェース名
○ sw
● on...ARP による MTU 探索を行う
● off...ARP による MTU 探索を行わない
○ min_mtu...探索範囲の最低 MTU [ 説明 ] ARP による MTU 探索を行うか否かを設定します。
指定したインタフェースで、lan typeコマンドおよび ip mtuコマンドによりジャンボフレームが利用できる状 況にある時にこのコマンドが onと設定されていると、ARP 解決できた相手に対して大きなサイズの ARP を繰り 返し送ることで相手の MTU を探索します。
[ 初期値 ] on minimum=4000
10.1.14 切り詰められたパケットに対して、ICMP Destination Unreachable を送信するか否かの設定
[ 書式 ] ip icmp unreachable-for-truncated send send no ip icmp unreachable-for-truncated send [send]
[ 設定値 ] ○ send
● on...送信する
● off...送信しない
[ 説明 ] LAN インタフェースで受信したが、そのインタフェースの MTU を越える長さだったために切り詰められたパケッ
トに対して ICMP DestinationUnreachable (TOO BIG) を送信するか否かを設定する。
[ ノート ] ジャンボフレームを使用する LAN では、ホストやスイッチングハブによってジャンボフレームの最大値が異な
る。そのため、LAN 上に存在するすべての機器のジャンボフレームサイズをそろえておかないと通信できなく なってしまう。
設定ミスにより、ルーターのフレームサイズより大きなパケットを送信するよう設定されたホストがあった時に、
ルーターは通常、自身のインタフェースの MTU を越える長さのパケットを受信した場合には単にそれを破棄する が、このコマンドを onと設定しておくとそのようなパケットにも ICMPエラーを返すようになる。このことによ り経路 MTU 探索が有効に働き、ホストが早めにフレームサイズを小さく切り詰めることが期待できる。
[ 初期値 ] on
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e
[ 適用モデル ] RTX3000 RTX1100 RT107e