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NICUで治 療が必要

「拡大医療改革委員会」

「産婦人科医療改革公開フォーラム」

「持続可能な周産期医療体制の構築のため の研究」

東京女子医科大学母子総合医療センター 楠田 聡 埼玉医科大学総合医療センター 田村正徳

長野県立こども病院 中村友彦

新生児医療の人的供給体制の脆弱性

背景

ハイリスク妊婦および新生児の増加 平成6年度厚生研究班(主任研究者:多田 裕)で NICU必要数を2床/出生1000と算出。

平成19年度厚労省研究班(主任研究者:藤村正哲、

分担研究者:楠田 聡)でNICU必要数を25~30床/出 生10000に増加させる必要があると算出。

平成20年東京都母体搬送困難事例が発生し、その 原因としてNICU病床不足が指摘される。

平成22年の周産期医療体制整備指針で、

低出生体重児の増加等によって、NICUの病床数が不足傾向にあることから、都道府県 は、出生1万人対25床から30床を目標として、地域の実情に応じたNICUの整備を進め るものとする。

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県 福島県

茨城県

栃木県 群馬県

埼玉県

千葉県 東京都

神奈川県

新潟県 富山県

石川県

福井県

山梨県 長野県

静岡県岐阜県愛知県 三重県 滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県 和歌山県

鳥取県

島根県 岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県 長崎県 熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県 沖縄県

1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

38 39 40 41 42 43 44 45 46 47

新生児科医の平均年齢と新生児科医師数の分布

5

1 2

3

4

SD -SD

平均年齢

新生児科医師数/1000出生

まとめ

• 全国のNICU病床数は、2013年に28床/1万出 生と、ほぼ目標数に到達したが、地域格差が 存在する

• NICU病床数の増加にともない、新生児科医へ の負担が増加している

• 新生児科医の年齢、勤務実数を考えると、近 い将来、新生児医療が破たんする危険性を抱 えている地域が存在する

• NICU病床の整備と新生児科医の育成が、地 域の新生児予後を改善している

こどもの生命と心を如何に助け、

援助できるか!!

1. 小児科はなぜ必要か?

2. 日本の小児動態の現状 1)少子化高齢化の問題

2)こどもの生命と心を守るには

3. 香川県の子どものために我々は何をしているか?

4. 18-trisomyの症例での小児在宅医療の経験

5. 重症症例を通じての在宅医療の問題点、解決方法

当院における地域と密着した 18 trisomy 管理についての検討

鈴木 裕美

1)

、神内 済

1)

、中村 信嗣

1)

、小谷野 耕佑

1)

、 安田 真之

2)

、日下 隆

1)

、伊藤 進

1)

1) 香川大学医学部小児科

2) 香川大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター

• 18 trisomy は 3,500 ~ 8,500 人に一人の頻度で みられる染色体異常症で、多彩な合併症を呈す る生命予後不良の疾患群である。しかし、最近 は合併症に対して積極的介入をすることで生存 期間の延長が可能という報告もある。

• 当院において過去3年間に出生した18 trisomy 児 4 例について、治療・介護経過を振り返る。

Maeda J, et al. The impact of cardiac surgery in patients with trisomy

18 and trisomy 13 in Japan. Am J Med Genet A 2011; 155A:2641-2646

18 trisomy 児に対する考え方

治療方針の決定は、「こどもの最善の利益」に基づくもので なければならず、その決定過程においては父母と医療スタ ッフとが十分な話し合いを持たなければならない。

年代 平均在胎 週数

平均体重 死亡 生存退院 人工換気 生後1W以内 の死亡

1986-1992

37w 1702g 13/13 0/13 4/13 9/13

1993-2000

38w 1960g 9/11 2/11 5/11 6/11

2001-2006

36w 1702g 4/11 7/11 6/11 3/11

松本尚子 2008年 日本周産期・新生児医学会雑誌 第44巻 第1号 39-42

「当院NICUに入院したtrisomy18児の治療の変遷」

大分県立病院に入院した18 trisomy児35例の検討

田村正徳 2004年 日本小児科学会誌 第108巻 1095-1107

「重篤な疾患を持つ新生児の家族と医療スタッフの話し合いのガイドライン」

対象( 2011 ~ 2013 年)

症 例

在胎 週数(週)

出生 体重(g)

診断 時期

消化管

奇形 心奇形 手術 退院

日齢 自宅 退院

A 40 1401 在胎

30週 食道閉鎖 DORV

7 ×

B 40 1670 日齢2 食道閉鎖 VSD, PS 胃瘻造設

気管食道瘻切離 39 ○

C 41 2230 日齢 10

VSD,

Coactation 31 ○

D 41 2196 在胎

30週 DORV 胃瘻造設

肺動脈絞扼術 37 ○

DORV:両大血管右室起始症,、VSD: 心室中核欠損症,

PS:肺動脈弁狭窄症、Coactation: 大動脈縮窄症

当院での入院期間と地域病院での

入院期間および在宅期間

• 呼吸 : 在宅酸素療法導入

• 循環 : 内科的治療の調整

専門外来紹介、受診調整

• 栄養 : 経管栄養、胃瘻管理の指導

• 育児・介護 : 訪問介護

地域病院医師による往診 外来フォローの調整

• 急変時・看取り : DNRの確認、看取り方の確認

自宅介護に向けて

文献的考察

1986-2006年にNICUに入院した18 trisomy児35例の検討

年代 平均在胎

週数 平均体重 死亡 生存退院 人工換気 生後1W以内 の死亡

1986-1992 37w 1702g 13/13 0/13 4/13 9/13

1993-2000 38w 1960g 9/11 2/11 5/11 6/11

2001-2006 36w 1702g 7/11 6/11 6/11 3/11

松本尚子 (大分県立病院総合周産期母子医療センター新生児科)

当院NICUに入院したtrisomy18児の治療の変遷 平成19年12月

2005 年以降心臓血管外科を含む積極的な医 療介入を行うようになり、2005年以前(前群)と 以降(後群)では生存率が優位に改善した。

当センターにおける18トリソミー児に対する積極的医療介入による治療と予後の変化 大阪市立総合医療センター 新生児科 岩見裕子ほか

日本未熟児新生児学会雑誌 2011 ; 23(1) : 95-100

日齢1 日齢7 1ヵ月 1年 生存期間中 央値

前群 67% 50% 39% 6% 8日 後群 100% 92% 83% 17% 159 日

本症例での地域連携病院について

本症例での地域連携病院について

S市民病院 離島のU病院

病床数 199床 196床

小児科常勤医 2名 2名

訪問看護ステーション 2名が週2回訪問 1名が毎日訪問

往診 週1回 週2回

外来 必要時 週1-2回

地域連携病院スタッフの感想

「転院してくるときは初めての 18 trisomy 児ということで看護 師たちは不安や戸惑いがあったが、病棟で数日過ごすこと で信頼関係ができ、その後の在宅医療にうまくつなげること ができた」

「治療を拒否され、離島の病院に戻ることに抵抗を示してい た家族も最後は、兄弟や祖父母を積極的に面会させるよう になり、戻ってきてよかったと表情が明るくなっていた」

「18 trisomy児の受け入れは初めてだったが、看取りを含め

細かく方針が決めてあったので、受け入れが難しいとは思

わなかった」

文献的考察

• 子供と自宅で過ごした97%の両親は、自分たちの子供 が幸せだと認識しており、寿命の長さに関わらず子供 のおかげで家族や夫婦が豊かな時間を過ごせたと述 べている。

• 18 trisomy児の治療、決定に関して「バランスのとれた アプローチ」が必要である。 それは、個人の症状を考 慮に入れた正確な見通し、致死的、絶望的といった言 葉の回避、家族のQOLに対する考え方や治療の方向 性を医療者側が決めつけないことを基本にしている。

John C. Carey Perspectives on the care and management of infants with trisomy 18 and trisomy 13: striving for balance. Wolters Kluwer Health 2012; 24:672-678

Janvier A, et al. The experience of families with children with trisomy 13 and 18 in social networks. Pediatrics 2012; 30:293-298

結語

• 当院において18 trisomy児を迎えた4家族について

、治療・介護経過をまとめた。

• 家族のインフォームド・コンセントのもと、家族ととも に過ごす時間を大切にできるよう、家族の暮らす地 域と連携し、治療・介護にあたることができた。

• 今後も引き続き18 trisomy児を含む障がい児が、

家族とともに幸せな時間をできるだけ多く過ごせる

ように、家族を中心とした対応を行いたい。

こどもの生命と心を如何に助け、

援助できるか!!

1. 小児科はなぜ必要か?

2. 日本の小児動態の現状 1)少子化高齢化の問題

2)こどもの生命と心を守るには

3. 香川県の子どものために我々は何をしているか?

4. 18-trisomyの症例での小児在宅医療の経験

5. 重症症例を通じての在宅医療の問題点、解決方法

新生児ゴーシェ病の症例における

在宅人工呼吸器での管理問題点、解決方法

香川大学医学部小児科学講座

安田 真之、小谷野耕佑、日下隆

在宅に向けて必要な医療

• 人工呼吸療法(気管切開):呼吸器の管理、吸痰

• 酸素療法:酸素濃縮機・酸素ボンベの管理

• 酵素補充療法:在宅で中心静脈の管理と通院で 静脈注射、 1 回 /2 週

• 胃瘻栄養法:注入、内服

• 自己導尿法:間欠導尿

船戸正久ら 小児在宅医療マニュアル 2010

福祉用具(車椅子、

生活用品)

医療機器(人工呼 吸器、等)

介護タクシー

往診医 1回/2週

(さぬき市民病院)

訪問看護ステーション 保健センター 訪問保育 消防署 電力会社

電気設備工事会社 地域連絡室

主治医(外来、病棟)

看護師 臨床心理士 理学療法士

高松市障がい福祉課 障がい者生活支援センター

患者さん と 家族 福祉

大学病院

地域

行政

在宅医療の支援体制

ショートステイ?

レスパイトケア?

平成23〜25年度厚生労働科学研究費補助⾦(地域医療基盤開発推進研究事業)

「重症の慢性疾患児の在宅での療養・療育環境の拡充に関する総合研究」(田村 正徳)

⻑期入院児*の年間発生数(2012年データ)

NICU1000床あたり95例 ⇒ 推計総数 約260例**

(約2.6例/出生1万人)

* 2011年に出生しNICUあるいはその後 方病床に1年以上入院している児

** 2012年のNICU総病床数2,765

○ NICU⻑期入院児の年間発生数は、2010年以降再び増加傾向

○ NICU1000床あたり95例、出生1万人あたり2.6例(2012年)

○ 在宅人工呼吸の小児患者数も、2010年以降は増加傾向

長期入院児の増加傾向

162 212 220

251 212

169 170 207.3

251.4 261.6

76.4 90.5 94.2 107.4

86.6

69 69.5 84.7 90.9 94.6

0 50 100 150 200 250 300

2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2

推計総数

NICU1000

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