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MT 細胞モデル

2. モデルとソフトウェア基盤の調査

2.3. 代表的な疎粒度モデル

2.3.4. MT 細胞モデル

にガボールフィルタと非線形変換,そしてそれらの線形和によって構成されている(Fig.

10).非線形変換は「輝度とコントラストに対する正規化」,「除算型正規化」,「Static

nonlinearity」の3種類あり,これらの違いやその有無による予測精度の変化を調べ,最

も精度の高いモデルを明らかにする.

「輝度とコントラストに対する正規化」の数式を以下に示す:

𝐼′(𝑥, 𝑦, 𝑡) =𝐼(𝑥, 𝑦, 𝑡) − 𝐿𝑢𝑚(𝑡) 𝐶𝑜𝑛(𝑡)

𝐿𝑢𝑚(𝑡) = ∑ ∑𝐼(𝑥, 𝑦, 𝑡) (𝑋 + 𝑌)

𝑌

𝑦 𝑋

𝑥

(6)

Fig. 10: フレームワークの構成図.様々なガボールフィルタでフィルタリングする

「Gabor filtering」,非線形変換の「輝度・コントラストの正規化」,「Static nonlinearity」,

「Divisive normalization」,線形和を計算する「Linear weights」から構成されている.

3種類の非線形変換の有無(緑の四角)または形状の違い(橙色の枠)によって,出力結果 が実験結果をどれだけ正確に予測できているかを調べる.

𝐶𝑜𝑛(𝑡) = √∑ ∑ (𝐼(𝑥, 𝑦, 𝑡) − 𝐿𝑢𝑚(𝑡))2

𝑥 𝑦

𝐿𝑢𝑚(𝑡)と𝐶𝑜𝑛(𝑡)はそれぞれ輝度とコントラストを表し,入力𝐼(𝑥, 𝑦, 𝑡)に対して減算型と

除算型の正規化を行っている.

「Static nonlinearity」は以下のように定義される:

𝑋′(𝑡) = {𝑋(𝑡)𝛼 (𝑡 ≥ 0)

0 (𝑡 < 0) (7)

Static nonlinearityは半波整流であり,与えられた入力が0未満の場合は出力を0とし,

0 以上の場合は入力をα乗したものを出力とする.ここではαの値はそれぞれ,α = 1.0(Linear),α = 2.0(Expansive nonlinearity),α = 0.5(Compressive nonlinearity)の三種類が

用意されている.

「除算型正規化」の数式を以下のように表わされる:

𝑋′(𝑡) = 𝑋(𝑡)

∑ 𝑋𝑛 𝑛(𝑡)+ 𝛽 (8)

∑ 𝑋𝑛 𝑛(𝑡)は除算型正規化の層に与えられるすべての入力の総和であり,個々の入力に対

して除算を行うことで正規化する.

これら3種類の非線形変換の組み合わせを変えることで,実験から得られた結果の再 現性の高いモデルを明らかにする.「輝度とコントラストに対する正規化」や「除算型 正規化」の有無,「Static nonlinearity」のαの値の違いによって,12種類の組み合わせと

なる(Fig. 11, Fig. 12, Fig. 13).

12種類のモデルの予測精度結果について説明する.「輝度とコントラストに対する正 規化」には有意な効果は得られなかった.しかし「Static nonlinearity」の違いでは有意な 変化が見られた.Linear では有意な効果が見られなかったが,Compressive は予測精度 を向上させ,Expansive では逆に減少している.また,除算型正規化は性能を常に改善 している.Compressive と除算型正規化の組み合わせは,より予測精度が改善される

(Compressive単体と比べて).これらの結果から「輝度とコントラストに対する正規化」

なしの,Compressiveな「Static nonlinearity」,「除算型正規化」を含むものが最も再現性 除算型正規化

なし あり

輝 度コ ント ラ スト 正 規化

な し

あり

Fig. 11: α = 1.0の非線形演算を使用する場合のフレームワークの組み合わせ.左上は

輝度コントラスト正規化,除算型正規化が共にない.右上は除算型正規化のみ追加し た.左下は輝度コントラスト正規化のみ追加.右下は輝度コントラスト正規化,除算 型正規化両方を追加.

の高いモデルであることが分かった(Fig. 13)

除算型正規化

なし あり

輝度 コン トラ スト 正規 化

な し

あり

Fig. 12: α = 2.0の非線形演算を使用する場合のフレームワークの組み合わせ.それぞ

れの配置はFig. 11と同じ.